高配当株を探そう!配当利回りランキング【2017年5月31日時点】

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毎月更新の定例記事です。

2017年5月31日時点の配当利回りランキング、是非ご覧くださいませ。

 

配当利回りランキングの作成方法

抽出時期 :各月末

対象市場 :東証一部、東証二部、東証JASDAQ

配当利回り:税引き前3.75%以上(税引き後3%)※復興特別所得税は無視

 

サマリー

2017年5月31日時点

全体指標

  • 日経平均:19,650.57
  • 日経平均高配当株50指数:34,850.18
  • 日経高配当株50配当利回り:3.33%前月比+0.22%
  • TOPIX :1,568.38
  • 円/ドル:1$=110.78円

 

配当利回りが3.75%(税引き後3%)以上の企業数

  • 一部上場  :38社(前月比ー7社)
  • 二部上場  :  8社(前月比ー9社)
  • JASDAQ上場:31社(前月比±  0社)

 

配当利回りランキング(東証一部上場)

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※1 「-」は、前月ランク外であった銘柄
※2 2017年1月以降で、月末の配当利回りが3.75%を超えていた月の数

先月(2017年4月末)時点と比較すると、配当利回り3.75%を超える銘柄は-7社となっています。高利回りの銘柄が全体として減る一方で、いくつか特徴的な銘柄が入ってきましたね。

前月からの順位変動が「-」だった銘柄、つまり前月末は配当利回りが3.75%未満だったものの今月末になって3.75%を超えてきた銘柄は16銘柄あります。それらのうち、不動産及び金融関係の銘柄はコメントの対象から外したいと思います。

補足:不動産及び金融関係の銘柄を保有しない理由(2017年5月時点)

いくつか理由がありますが、主な理由を列挙しておきます。

  1. 一般に景気敏感株と言われており、業績が不安定な傾向にあること(超長期保有に向かない)
  2. 業績が不安定なことに関連して、配当水準も不安定なこと
  3. 金融関係の財務諸表分析に不慣れで内容を十分に理解できないこと
  4. 不動産業界は、歴史的な低金利を背景に業績が好調なこと(現在は割高という判断)

特に、金融に関しては③の理由が大きいです。金融企業の財務諸表は複雑です。もっと勉強しないといけないですね。

では、新規にランクインしてきた銘柄に対するコメントです。

 

13位の[8001]伊藤忠商事、16位の[8031]三井物産、37位の[2768]双日は総合商社達です。こびと株.comのこびと銘柄としてはまだデータを追加していませんが、総合商社の上位5社は「5人兄弟のこびと」として1まとまりで認識しています。

総合商社は、商社不要論が叫ばれた冬の時代を乗り越え、現在では総合的な投資会社として時代の流れにあわせて姿を変えてきています。時代の変化に対する柔軟性分散された事業ポートフォリオ優秀な人材世界的なビジネスネットワークを有しており(業績が不安定な側面もありますが)超長期保有に向く特徴を持った企業だと思います。

当ブログの認識では、配当利回り4.0%は十分に買いを検討して良い水準です。ただ、買い増しすると平均取得単価を引き上げてしまうので、慎重に検討しています。長期にわたり負けない投資を続けるためには、平均取得単価を低くおさえておくことは非常に重要なことだと思うので、迂闊な買い増しをしないようにしたいと思います。

 

17位の[7480]スズデンは制御機器、情報・通信機器、電子機器、デバイス機器、電設資材などを扱う専門商社です。総合商社とは異なり、従来型の典型的な卸売企業といった感じでしょうか。ここ数年の営業利益率は1~3%程度しかなく、この数値からはビジネス上の優位性を感じられません。

18位の[1937]西部電気工業は、電気通信工事の中堅企業です。ここ数年の営業利益率は0.7%~3.3%程度であり、私達の投資基準を満たしません。売上高自体は年間500億円超で安定しているのですが、いかんせん利益率が低すぎる印象です。

21位の[5410]合同製鐵は新日鉄住金系電炉の中核です。製鐵関係は既に「昔の企業」といった印象ですが、その営業利益率はここ数年0.8%~4.3%程度。2014年には営業赤字を出しており、これ以上深く分析しようという気にならない銘柄です。なお、PBRは1倍を大きく割っており(約0.3倍)、市場からの期待値もかなり低そうです。

23位の[9366]サンリツは物流企業です。電子・通信機器の梱包・輸送が主力です。こちらの銘柄も、今まで見てきた銘柄達と同じく営業利益率が3%程度の水準です。物流関係のビジネスを保有するのであれば、物流系REITを保有して「土地持ち」として参画した方が分かりやすいように感じていいます。なんにせよ、この利益率では保有したいビジネスとは言えないですね。

 

30位の[7270]SUBARU(旧:富士重工業)は自動車メーカーですね。営業利益率は6.2%~17%程度と、日本のメーカーらしく中々高い水準です(ブレが気になりますが)。自己資本比率は50%強、キャッシュ・フローの動きも悪くなく、いわゆる優良企業です。今回のランキングで1位になっている日産自動車と同じく、日経高配当株50指数の採用銘柄です。最近では、自動車業界の銘柄については、個別銘柄を選定せず、日経高配当株50のETFを保有することで間接的に薄~く保有できれば良いかな(それも、かなり割安な時に)と考えるようになっています。

私が生きているうちに車がなくなるとは思えませんが、かといって環境車・自動運転などあらゆるトピックスに晒されている自動車メーカーのうちどの企業が勝ち残るのか全く予想がつきません。利益率が悪い業界ではないので、「自動車製造ビジネス」は手元に加えておきたいところではあります。

 

32位の[2174]GCAは独立系コンサルです。M&A助言で数多くの大型案件を獲得しており、営業利益率は12.5%~28.2%程度とコンサルらしくかなりの高水準です。自己資本比率が約77%で無借金経営と、パっと見たところB/Sも盤石です。ストック型のビジネスモデルではなく、スポットの案件で稼いでいる企業だと思いますので(予想)、配当は安定しないイメージがあるのですが、とりあえず要調査銘柄としてメモしておきたいと思います。

34位の[9986]蔵王産業こびと株です。興味のある方は是非こちらの蔵王産業のページをご確認下さい。その安定した業績・配当をしっかりと確認できると思います。

36位の[6763]帝国通信産業は、可変抵抗器という製品を扱っている大手のようです。可変抵抗器…?2013年には赤字を出しており、その後の営業利益率も1.8%~4.8%程度なので、これ以上のチェックは不要だと思います。こちらのPBRも0.5倍程度(時価総額約100億円)となっており、市場からはあまり期待されていないようです(といってもここ最近の株価は上昇基調のようですが)。

 

一旦まとめます。

こびと株.comでは、インカムゲインの拡大を目的として、売却を前提とせず、超長期に渡り安定的に高配当が得られる銘柄を探しています。そのために、自分がオーナーになりたいと思えるような「利益率の高いビジネス」を有している会社を探しています。そして、利益率の高いビジネスを有している会社は、そのビジネスを続けているだけで、財務状態が年を重ねるごとに盤石なものとなっていきます

今回見た銘柄のほとんどは、営業利益率という1点において私たちの要求する水準(利益率10%超)を満たしておらず、そのため詳細な検討を要しないという結論です。

  • 総合商社(伊藤忠・三井物産)は買い増しを検討(平均取得単価が上がるため後ろ向き)
  • 自動車メーカーは、それらを含むETFを割安時に買う(または個別銘柄バルク買い)
  • [2174]GCAは業態的に期待が持てなさそうだが、とりあえずもう少し調査

1部上場企業については、こんな感じですね。

 

配当利回りランキング(東証二部上場)

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※1 「-」は、前月ランク外であった銘柄
※2 2017年1月以降で、月末の配当利回りが3.75%を超えていた月の数

1位の[8139]ナガホリは、宝飾品大手で、ダイヤモンドが主力です。私は宝石類が大好きなので興味津々と言いたいところなのですが、利益率が長期にわたり低水準な挙句、しょっちゅう赤字を垂れ流すので検討対象外です。

5位の[1935]TTKは電気通信工事の会社です。東北が地盤のようですね。インフラ系は安定しているイメージがありますが、売上高はここ5年で400億円から300億円少々と毎年下がっています。利益水準は踏みとどまっているので利益率はそこまで低下していないのですが、もともと3%ちょっとしかないので、欲しいビジネスと言える利益率ではないですね。

7位の[6382]トリニティ工業は、塗装設備の大手です。ここ数年で最も高い営業利益率でさえジャスト5%です。少しずつ増収してきているようですが、この利益率では心もとないですね。増配傾向にありましたが、直近決算期では減配だったようです。配当が不安定なのも気になるので、興味が持てないというのが正直なところです。

8位の[6042]ニッキは、燃料噴射装置等のメーカーです。芝刈り機や発電機用気化器なども製造しているようです。営業利益率は6~8%程度と、今回のランキングで見てきた企業の中ではそれなりの水準に見えますね。配当も安定・増配傾向にあるようです。特に他に見るべき企業がないというのがメインの理由ですが、とりあえず少し深堀してみたいと思います。要調査銘柄です。

 

配当利回りランキング(東証JASDAQ上場)

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※1 「-」は、前月ランク外であった銘柄
※2 2017年1月以降で、月末の配当利回りが3.75%を超えていた月の数

JASDAQの銘柄は、基本参考扱いです。

今回ランキングに入った[8903]サンウッド[7863]平賀[9446]エスケーアイ[3948]光ビジネスフォーム[3423]エスイーは、どれも営業利益率が10%を大きく下回っており、その他財務諸表の特徴からもほとんど魅力を感じません。

20位の[5990]スーパーツールがかろうじて監視に値する銘柄という印象です。作業工具製造の大手で、地味~なBtoB企業です。そこそこの利益率、そこそこの財務体質、そこそこの安定配当というなんとも評価しづらい銘柄です。海外進出の動向を見守りたいと思います。

 

まとめ

あなたがオーナーになりたいと思えるような、高利益率のビジネスモデルはありますか?という観点から見ると、配当利回りを高い順から並べたところで、実は長期的に見て「投資に値する企業」はほとんどありません。

通常、リターンとリスクは釣り合っているはずですから、配当利回りが高いということはそれだけ大きなリスクを内包していると考えるのが自然です。高利益率・高財務の優良銘柄がゴロゴロ落ちていると考える方が不自然と言えるでしょう。

配当狙いの投資家がすべきことは、市場のセンチメントでファンダメンタルズが無視されて株価が大きく下がった時(すなわち、配当利回りが上がった時)に、その他大勢の銘柄の中から本当に長期保有に値する真の高配当銘柄を探し出すことだと思います。

配当狙いの株式を探す際は、「金を貸してもよい企業かどうか?」という銀行的な見方で企業を観察すると、余計な情報に惑わされずに済むかも知れませんね。

それではまたっ!

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ABOUTこの記事をかいた人

こびと株.comの管理人。一部上場企業での経理/財務の実務経験10年超、日商簿記1級、証券アナリスト、FP資格を有する「企業と個人のお金の専門家」。4つの財布(給与/配当/不動産/事業収入)を駆使して経済的自由を達成することを目標に奮闘中。