永久保有にまつわるエトセトラ。株式投資における上場企業の倒産リスクと、創業100周年の老舗企業について

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こんにちは、シーウィード@こびとが見える経理マンです。

個別株の投資をする際に想定される「最悪の事態」は、株券の価値が0円になることです(信用取引については考えません)。つまり、倒産です。

保有株の売却を前提としない場合(永久保有という夢物語!)、投資元本を回収する術は「配当金」しかありません。仮に税引き後配当利回りを3%とすると、投下資本を回収するにはなんと33年もの時間を要するわけです。

配当金で無事回収が済めば、ボーナスステージ突入です。先祖代々の株として、生涯にわたり家計を助け続けてくれるこびとさんの登場というわけです。

さて、これだけ長期間存在し続けることが出来る企業は、一体どれほど存在するのでしょうか?

 

創設後、20年後にも生存している企業は約半分

  • 企業の10年後生存率は数%しかない!
  • 独立開業したってほとんどの会社は3年以内に潰れるんだ!

こんな話を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。個人的な感覚ですが、企業ってどんどん潰れていく印象があるんですよね。

実際のところどうなんだろう?

と思い探してみたところ、信頼できそうなデータがありました。ちょっと古いですが、中小企業白書のデータです。(企業生存率の話題は都市伝説も多いので注意)

次のグラフは、1980~2009年に創設された企業の創設後経過年数ごとの生存率の平均値を示したものです。

(出典:中小企業白書2011)

  • 10年後には約3割の企業が消える
  • 20年後には約5割の企業が消える

20年後生存率は50%!

個人的な感覚では、多いのか少ないのかコメントしづらい感じです。ちなみに、中小企業白書では「淘汰の激しい世界」だと表現されていました。

上場企業に限らず、中小企業まで含めてカウントすると、倒産(撤退)する企業は相当数あると言えそうです。

 

上場企業の倒産リスク(年間倒産件数)は年間1桁台

創業後の企業生存率ついてはなんとなくイメージが持てました。

ところで、全企業のうち”エリート”とも言える上場企業は、年間にどれくらいの企業が倒産してしまうのでしょうか?これについては、帝国データバンクがとりまとめている資料が参考になります。

2017年4月3日付けで、このような調査が発表されました。少しボリュームがありますが、そのまま引用します。

2016年度の上場企業倒産、26年ぶりゼロに

  1. 2016年度は上場企業の倒産は発生せず、90年度以来26年ぶりのゼロとなった。足元でも2015年9月に第一中央汽船(株)が民事再生法を申請して以降、18カ月連続で発生していない
  2. 上場企業倒産は、リーマン・ショックの影響が広がり、戦後最多の件数を記録した2008年度(45件)をピークに、以降は1ケタ台で推移していた
  3. 2016年度の企業倒産件数全体でも、8年連続の前年度比減少となる見通し。こうしたなかで上場企業倒産が減少している背景としては、日銀の“異次元緩和”の継続等による円安・株高の影響で企業業績が改善しているうえ、官民リスクマネーの充実、私的整理の浸透などが寄与したものと見られる

(出典:2016年度の上場企業倒産の動向調査

2016年度は、なんと上場企業の倒産が0件でした。リーマンショックの影響を受けた2008年を除いては、倒産件数は年間1桁台だそうです。

思っていたよりも少ない!と感じられた方も多いのではないでしょうか。

もっと分かりやすく、グラフで確認してみましょう。

(出典:同上)

1964年~2016年において、倒産件数が2桁を超えているのは5回しかありません。その他は本当に1桁台ですね。東証に上場している企業数は、2017年8月10日現在において3,559社(出典:東証HP(上場会社数))ですから、これらの企業が倒産してしまう確率は概ね0%~0.3%程度ということになります。

意外に潰れないんですね。

現在、東芝の債務超過が取り沙汰されており(参考:日経新聞 2017年8月10日付 東芝「限定適正」意見の有報提出 債務超過5529億円)こういうことが投資家の印象に大きく残るのだと思いますが、確率的に考えるとこちらのケースの方がレアだということがお分かり頂けると思います。

 

2017年に創業100年となる企業は全国で3万社超

さて、上場企業が案外倒産しないことが分かったのですが、ではどれぐらい長く生存しているのでしょうか。東京商工リサーチが「全国老舗企業調査」なるものを実施しているので、これを引用します。

創業100年以上の「老舗企業」をカウントしています。

2017年に創業100年以上となる老舗企業は、全国で3万3,069社あることがわかった。前回調査(2012年8月)より5,628社(20.5%)増加した。

(出典:全国老舗企業調査

この数値は中小企業も含んでいます。3万3千社のうち、

  • 従業員10人未満が5割
  • 売上高5億円未満が7割

ということなので、上場企業を対象とした株式投資において参考になる数値ではありません。一体、上場企業のうち老舗企業はどれほど存在しているのでしょうか?

正解:全上場企業のうち15%が創業100年以上の老舗企業

え?ほんと?

 東京証券取引所など国内証券取引所に上場する老舗企業は564社で、全上場企業3,647社の1割(構成比15.4%)だった。内訳は、東証1部上場が408社(同72.3%)で最も多く、次いで東証2部が95社(同16.8%)、JASDAQ上場が47社の順。

(出典:同上)

この数字を多いと見るか少ないと見るかは人次第だと思うのですが、私の印象としては「結構いるなぁ」という印象です。

 

まとめ

  • 20年後の企業生存率は約50%。約半数の企業が20年もちません
  • しかし、競争を勝ち抜いたエリート(上場企業)は意外に潰れません(年間倒産件数1桁台)
  • 上場企業のうち15%は創業100年以上です

上場企業への投資は、ある意味「競争に勝ち抜いたエリートへの投資」です。格付けの高い(財務安定性の高い)企業は、そのなかでもさらにエリートです。確率的に考えると、実はそこまで無理のある戦いではありません。

(まぁ、生存しているからといって株価や配当金がどうなっているかは分からないんですが。そして、重要なのはこっちですw)

こうやって統計的なデータを見てみると、こんな妄想を楽しめます。

10社、永久保有のつもりで保有。50年後には….??

  1. 倒産
  2. 倒産
  3. 倒産
  4. 倒産
  5. 倒産
  6. そのまま
  7. そのまま
  8. そのまま
  9. そのまま
  10. 大成長

1勝5敗4分け!50年間の配当金受取総額と、50年戦い抜いて成長した1社の企業価値を合算すると、パフォーマンスはどのようになるでしょうか。ちょっと想像がつかない世界ですが、ガソリンスタンド店員がコツコツと築き上げた9.6億円の資産という話もありますし、未来の自分への贈り物としては非常にロマンがあるのではないでしょうか。

こんな妄想をしてみるのも楽しいものです。

それではまたっ!

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ABOUTこの記事をかいた人

シーウィード

こびと株.comのボス(役割:投資対象の選定)。「お金の話」と「健康」をこよなく愛するアラサーリーマン。一部上場企業の経理/財務部で財務諸表を作成している会計職人。40歳時点で、給与以外の収入(配当/不動産/サイト運営)を月額20万円にすることを目標に活動中。187cmの大男。