ビジネス会計検定3級のまとめ。内容、難易度(合格率)、勉強法や勉強時間など。

ビジネス会計検定3級まとめ
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ビジネス会計検定という資格をご存じでしょうか?簿記と双璧を成す(ようになるかもしれない)会計系の資格です。ここ最近、じわじわと人気が出てきている面白い資格ですよ!

検定試験が開催されるようになってからまだ歴史が浅いため、ネット上に情報が少なく、その少ない情報もパラパラと点在している状況です。

ビジネス会計検定に挑戦しようとしている方・挑戦しようかどうか悩んでいる方の参考になればと思い、ビジネス会計検定試験3級についてまとめてみました。

 

シーさん
ボリュームたくさんなので、興味のあるところだけどうぞ!

ビジネス会計検定試験3級の概要

ビジネス会計検定とは

ビジネス会計検定(財務諸表理解力検定)は、大阪商工会議所が主催する検定資格です。1級、2級、3級の検定試験が行われています。

損益計算書や貸借対照表などの財務諸表(決算書)を理解できる能力(会計リテラシー)の重要性が高まっています。ビジネス会計検定は、財務諸表に関する知識や分析力を問うもので、財務諸表が表す数値を理解し、ビジネスに役立てていくことに重点を置いています。

新しい取引先や投資案件を評価する、自社の決算内容を理解する、株式投資をする、新聞記事を理解するなど、あらゆる場面で会計の知識が求められます。経理部門の方に限らず、様々な方に会計の知識は役立ちます。本検定試験は簿記の知識を必要とするものではなく、実社会で役立つ会計の知識を習得するのに有効です。

(出典:ビジネス会計検定試験HPより。赤文字部分は著者。

特徴は

  • 会計を用いた「分析」に重点を置いた試験である
  • 「経理部門の人間に限らず」多くの人にとって役に立つ

という2点でしょうか。

 

ビジネス会計検定と簿記検定の関係

簿記と何が違うの?という観点から、ビジネス会計検定と簿記検定の違いを見てみましょう。

簿記検定は、日々の取引を記録し、仕訳などを通して財務諸表を作成するプロセスを主な範囲としています。ビジネス会計検定は、作成時に用いられた会計基準や法令を理解し、財務諸表を分析して企業状況を把握することを目的としています。

簿記とビジネス会計検定の関係

(出典:ビジネス会計検定試験HP TACHPより。青文字・赤文字は著者。)

今はまだメジャーな資格とは言えませんが、将来的には財務諸表の作成と言えば簿記分析と言えばビジネス会計検定!という認識がされるようになるかも知れません。

シーさん
具体的には、こんな人達にこんな風に役に立つと思います!
  • 会社員:自社・他社の決算内容が分かるようになる。社内の経理処理が理解しやすくなる。
  • 学生:会社選びに役立つ(企業の財務諸表が読めると、「人気はあるけど業績不安定」な罠会社を避けられます)。就職活動のアピール材料になる(2級くらいを持っていればアピールの仕方次第では十分に活用できると思います。もちろん、簿記2級とセットだとより良いです。)
  • 投資家:投資先の決算内容が分かるようになる。四季報をより理解できるようになる
  • 誰でも:日経新聞やニュースなどで報じられる企業業績について理解しやすくなる

私は9年経理実務に携わっていますが、上で言われている通り、簿記の技術は「作成」に特化しています。簿記だけしかやったことのない人は、実は分析については完全な素人です。財務諸表を作れるのですが、作って満足という経理屋は多いです。

もしかしたら、職人気質の経理屋よりも、投資のために個企業の財務諸表をよく読みこんでいる個人投資家の方が鋭い視点を持っているかも…?というレベル。

本当は、会計で大切なのは作ることよりも分析することなんですよね。会計は、目的を達成するためのただの道具・手段に過ぎませんから。そういう意味では、ビジネス会計検定試験は、本来的な「分析」の視点を鍛えることができる良いコンセプトの試験だな~と思っています。

 

ビジネス会計検定の受験要項

受験資格・学歴、年齢、性別、国籍に制限はありません
・希望の級から受験可能です
・連続する2つの級を同日に受験することができます
受験申込方法郵便振替、インターネット、コンビニ端末のいずれかでお申込みください。
(詳細は公式HP参照)
受験地札幌・仙台・さいたま・東京・横浜・新潟・静岡・名古屋・京都・
大阪・神戸・岡山・広島・山口・松山・福岡より選択できます。
受験料
(税込)
3級: 4,320円
試験月3月、9月

受験資格に制限はなく、誰でも気軽に受けられる試験です!

受験料は簿記検定と比較すると少しお高めですが、個人的にはチャレンジしやすい値段だと思っています。経理・財務部門の担当者のスキルを測る「FASS」という検定試験は、受験料10,000円ですからね…

 

ビジネス会計検定3級の試験内容

公式HPから、試験内容を確認してみます…が。正直これだけではよく分からないですね(笑)具体的な試験範囲について知りたければ、公式テキスト(後述)を確認するしかありません。

ビジネス会計検定3級

(出典:ビジネス会計検定HP)

ビジネス会計検定3級の難易度(合格率)

公式HPで受験者数・合格者数は公表されているので、それをベースに合格率を算定してみました。

合格率(全実施回)

 3級合格率

3級合格率の平均は約61.3%と、高めの水準になっています。

一番低かった時で、第8回試験の38.1%です。

なお、毎回4~5人に1人は申し込みをしたものの受験を放棄しています。

難易度

合格率60%ということからも分かる通り、誰でも公式テキスト&過去問の2冊(後述)をやるだけで十分に合格できる難易度です。難問・奇問が頻出する試験ではなく、基礎的な内容が多いため、真面目にやればやるだけ報われる試験といえそうです。

決して、尻込みするような難易度の試験ではありませんのでご安心を!

 

ビジネス会計検定3級の出題形式・出題例

実際の過去問(第16回試験)を参考にして、出題形式出題例を見てみましょう。(引用符の中はいずれもビジネス会計検定試験公式過去問題集より)

Ⅰ 正誤形式の個別問題8

【問1】次の文章について、正誤の組み合わせとして正しいものを選びなさい。

(ア)企業の会計に関する制度には、会社法と金融商品取引法の2つの制度があるが、いずれも株主・債権者の保護を目的としている

(イ)譲渡制限のない株式を発行している会社を、公開会社という。

① (ア)正 (イ)正  ② (ア)正 (イ)誤

③ (ア)誤 (イ)正  ④ (ア)誤 (イ)誤

 

Ⅱ 「正しいものの個数を選ぶ」「語句の定義として正しいものを1つ選ぶ」「語句の穴埋め」などの個別問題8

【問1】次の項目のうち、金融商品取引法上の財務諸表に含まれるものの個数を選びなさい

ア. 貸借対照表 イ. 損益計算書 ウ. キャッシュフロー計算書

エ. 株主資本等変動計算書 オ. 個別注記表

① 1つ  ② 2つ  ③ 3つ  ④ 4つ  ⑤ 5つ

 

Ⅲ 計算系の個別問題3

【問1】次の資料により、当期の減価償却費を定額法で計算し、正しい数値を選びなさい。

取得原価 1,000 耐用年数20年 残存価額0

前期までの減価償却累計額200 取得からの経過年数5年

① 40  ② 50  ③100  ④ 200  ⑤ 250

 

Ⅳ 計算系の総合問題(小問12題)

財務諸表が与えられて、財務諸表上の空欄箇所を埋める形式です。

Ⅴ 総合問題(小問9題)

財務諸表が与えられて、それを分析する問題です。

第16回試験では、ある会社の2期比較の問題が出題されました。

Ⅵ 総合問題(小問10題)

財務諸表が与えられて、それを分析する問題です。

第16回試験では、2社間の比較の問題が出題されました。

 

というわけで、個別問題19問、総合問題31問の計50題です。

正答率7割で合格なので、35問以上正答しないといけません。かなり高めのラインですが、それだけ問題は基礎的なものが多く、やればやるだけ得点に結びつくのでモチベーションは維持しやすいと思います。

 

ビジネス会計検定3級の勉強法・勉強時間

まず最初に決めたいのは、独学予備校(資格スクール)利用どちらにするか?ということです。

独学か予備校利用か
  • 日商簿記を持っていれば、十分独学で対応可能です。
  • 試験勉強に苦手意識がなければ、十分独学で対応可能です。なお、資格試験の勉強(どんな資格でもいいです)をしたことがない!という方は、「苦手→Yes」で判断してもらえれば。
  • 勉強が苦手でも、「1回で必ず受かりたい!」という気持ちがないのなら、独学でも問題ありません。普通に勉強していれば、2回も3回も続けて落ちるような難易度の資格ではないので。

 

独学の場合の勉強法・勉強時間

使用教材

公式テキストで決まりです。なぜなら、この公式テキストが試験範囲だからです。試験問題は、このテキストの範囲内から出題されることになっています。

1,600円(税抜)です。まぁこんなもんかという値段ですね。

さすがに、公式テキストを買わないで勉強している人はいない・・・と思います。

テキスト内に例題もあるのですが、さすがに問題数が少ないです。絶対合格したい!合格率を高めたい!と思うのであれば、過去問もやらざるを得ないですね。事実上、こちらも必須といっても良いと思います。

公式テキストと同様、1,600円(税抜)です。

 

勉強法

簿記その他資格試験で会計をかじったことがあるかどうかで、異なります。

会計の知識がある場合は、いきなり過去問から始めるのが効率的です。ビジネス会計検定試験には、難問・奇問の類はほとんどなく、基礎的な内容が大半を占めているのでとっかかりやすいです。

  1. 過去問を解く
  2. 答えが全く分からなければすぐに解答を読む
  3. 解答を理解できなければ公式テキストを読んで知識を補完
  4. ①~③をひたすら繰り返す

最終的に、公式過去問題集をほぼ100%解けるようになっていれば、本番の試験で不合格になる可能性は限りなく低いと思います。実際の試験では、過去問と同じような問題が多数出題されますので。

過去問を完璧に!これが合言葉です。

 

会計の知識がない場合は、まずはテキストを通読しましょう。もちろん、例題もキッチリ解きます。問題を解けるようになることが目的なので、あまり深入りせずにさらっと読み進めるのが良いです。

幸い、公式テキストの内容は比較的平易で、初学者に配慮された内容になっていますのであまり不安になる必要はありません。公式テキストは全5章から成っているので、3日で1章、15日で5章。大体、2週間くらいかけて読めば十分なペースだと思います。

テキストを通読し終えたら、上述の「会計知識がある場合」と同じやりかたで、過去問を完璧にするようにやればOKです。

 

会計知識があってもなくても共通して言えることは、「この2冊以外に手を出す必要はない」ということでしょうか。まずは会計の基本書を…!なんて発想はただの遠回りです。公式テキストと過去問だけしっかりやりましょう。

試験勉強お手伝いします!

※公式テキスト・過去問で分からないところ、理解が難しいところがあればお気軽にご質問下さい!喜んでお手伝いさせて頂きます。

 

勉強時間

もちろん個人差はありますが、イメージをもてるようにあえて数字で示すと、50~100時間程度だと思います。時間をかけて、次の2冊をマスターするようにします。

公式テキスト(全200ページ強)

テキストを読んだり、例題を解いたり、1ページをマスターするのに10分かけるとすると、公式テキストをマスターするのに約2,000分かかります。約33時間です。

公式過去問題集(約100題収録)

「問題を解く(アウトプット) → 答え合わせ → 解きなおし(復習)」に1題30分かけるとすると、100題で3,000分かかります。つまり50時間ですね。

2冊をキッチリやるのに、50~100時間。1日2時間の勉強時間を確保して1ヶ月~2ヶ月といったところでしょうか。※繰り返しになりますが、個人差があります。

 

資格スクールを利用した場合の勉強法・勉強時間

勉強法

とにかく、スクールの講師の指示に100%従って下さい。無駄にオリジナリティを出すくらいなら、独学でやればいいのです。予備校のカリキュラムと講師の指示を信じて、ひたすら言われた通りにやるのが絶対に最短です。

ビジネス会計検定の講座は、コスト・実績から判断して資格スクエアかTACの2択になると思います。テキストはどちらにせよ予備校オリジナルのものではなく公式テキストを使うそうですし、3級レベルだと講義の内容にも大きな差はないと思いますので(そもそも論点が狭く浅い)、好みでどうぞ。

オンライン講義だけで十分なら資格スクエア。コストはこちらの方がはるかに安いです。1ヶ月で勉強が済むなら、なんと1,000円..!?破格です。かなり人気がある講座のようですね。

2017/3/1追記:資格と講座の人気ぶりを反映して、6,480円に値上がりしたようです。


少し高くても通学(生講義だけではなく、DVD講義含む)したいならTACビジネス会計検定TAC

といった感じでしょうか。

スクール利用の副効果

スクールを利用するメリットは、効率的な勉強ができるだけはありません。

スクールの講師は、実務経験もあり検定にも詳しい「教えるプロ」です。彼らに触れることで

  • 学んだ知識を実務や日常でどう活かすかが分かる
  • プロの教え方そのものを真似ることで、会社などで人にモノを説明するのが上手くなる

という副効果を狙うことができます。これも大きなメリットだと考えてよいでしょう。

 

勉強時間

ビジネス会計検定の講座を配信している「資格スクエア」のサイトによると、資格スクールの授業は10~12時間程度になっているようです。かなり短めですね。
資格スクールの利用

(出典:資格スクエア)

2017/3/1追記:講座がリニューアルされ、全21回、8時間30分の講座になりました。月額は、上記で記載した通り総額で6,480円です。リニューアル後でも、他の資格スクールの3分の1程度の受講料です。
通常、資格に合格するためには「予備校が提供する授業の時間+授業時間の2~3倍程度の勉強時間」が必要と言われています。ビジネス会計検定の場合は、効率的なカリキュラムを利用したとしても、やはり少なく見積もっても30時間くらいは必要になりそうです。

 

コラム:最強の相棒

会計系資格を受験する際に絶対に必要なもの。それが電卓電卓テクニックです。

数々の会計資格の受験を突破し、実際に経理部で9年間働いた私が自信をもっておすすめする電卓がこちら。CASIOのJS-200W-Nです。かなり値は張りますが、普段1,000~2,000円くらいの電卓を使っている人なら感動するほど使い心地が変わります10年以上余裕で使えるものなので、結果的にはお得だと思いますよ。

見やすい!スベらない!押しやすい!静か!早打ち対応! まさに神器。

私はこの電卓以外の電卓では、水を失った魚の如く無力になります。まるで、逆刃刀のない剣心です。ぜひ自分に合った電卓を手に入れて、快適な試験勉強・本受験に臨んで頂ければと思います。

電卓の使い方は、こちらのTAC出版の本でマスターしてしまいましょう。ネット上にも電卓の使い方を解説しているサイトはいくつかあるので、それで十分かもしれません。

電卓そのものは、絶対にそれなりのグレードのやつを使った方がよいです。

実際、電卓の使い方が合否を左右することもあります。打ち間違いによる凡ミスや時間切れで、あと一歩のところで涙を飲む受験生もいますからね。

ぜひ、正しく、速く打てる電卓の使い方をマスターし(大した時間はかかりません)、余裕の合格を勝ち取ってください!

 

よくある質問

Q1:過去問を入手したい

A1:一般公開されていませんので、公式過去問題集を購入するしかないです。なお、過去問題集は現在第3版であり第11回~第16回試験を中心に構成されていますので、第10回以前の問題を解きたければ、第2版の過去問題集を中古で入手する必要があります。

Q2:就活や転職活動に有利になるか

A2:少なくとも、3級で有利になることはない思います。あくまで自己啓発目的になるかと(個人的な見解です)。2級まで取れれば、アピールの仕方次第では、学生さんの就活には役に立つと思います。

しかし、ビジネス会計検定取得の最大のメリットは「就職先の業績を事細かに読み解けること」です。私は、業績・財務体質を丹念にチェックしたうえで、安定した大企業に就職することができましたが、ネームバリューだけにとらわれて就職先を決めた同期達は現在かなり痛い目に遭っています(ボーナスカット、給与削減、リストラ事業売却など)。ネームバリューと企業の実力は必ずしも一致していません。

財務諸表を読まずに就職先を探すなんて、無謀とすら言えるかもしれませんね。

Q3:試験の申込方法が知りたい

A3:コチラ(公式サイト)をご参照下さい。

 

ビジネス会計検定試験3級のまとめ

  • ビジネス会計検定試験は、財務諸表の分析力を問う試験
  • ビジネス会計検定試験は、学生、ビジネスマン、個人投資家に広く役立つ
  • 特に、学生が就職先を探す際には「財務諸表が読める」力は人生そのものに影響するレベルで重要
  • 3級試験の合格率は50%~60%
  • 合格に必要な勉強時間は30~100時間程度
  • 「公式テキスト」と「過去問」の2冊をやるだけで十分合格レベルに到達可能
  • 資格取得費:独学の場合、教材費と受験費は7,680円程度。予備校利用なら+1~2万円程度
  • スクールに通うなら、資格スクエアが断然オススメです。便利でコスパがいいです。

シーさん
やれば必ず報われる。身につく知識は実践的で活かしやすい。とてもコスパの良い資格です!

受けようかどうか悩んでいる方は、チャレンジして損はないと思います。

勉強していて困ったらいつでも相談して下さい!

こびと株.comは、会計に興味のある皆さまを心より応援しております。

 

それでは!

 

>>ついでに2級についても調べておこう!という方はコチラをご覧ください。

ビジネス会計検定2級のまとめ。内容、難易度(合格率)、勉強法や勉強時間など。

2017.03.04

 

>>やっぱりまずは日商簿記3級から!という方はコチラをご覧ください。

日商簿記3級のまとめ(難易度・合格率、勉強方法・勉強時間、おすすめテキスト・過去問集など)

2017.05.10

 

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ABOUTこの記事をかいた人

シーウィード

こびと株.comのボス(役割:投資対象の選定)。「お金の話」と「健康」をこよなく愛するアラサーリーマン。一部上場企業の経理部で財務諸表を作成している会計職人。40歳時点で、給与以外の収入(配当/不動産/サイト運営)を月額20万円にすることを目標に活動中。187cmの大男。