【とある貸金庫の物語】支出をカットして節約しまくればいいってもんじゃない

 

こんにちは、シーウィード@こびとが見える経理マン(@kobito_kabu)です。

私の実家は、とある田舎にあります。

春には見事な桜が咲き乱れ、川沿いの遊歩道ではカモの行進が見られます。

高い建物がまったくないので、いつも綺麗な青空を独り占めできる、そんなところです。

 

母へのファイナンシャル・プランニングを実行中

母は、そこで一人暮らしをしています。

彼女はもう60歳を超えます。良いお年。穏やかな老後を迎えるためには、ゼニカネの算段をつけておかなくてはいけません。

そこで登場したのが、一族の金庫番である私というわけです。ここ最近、毎週のように実家へ通い、ファイナンシャル・プランニングを続けてきました。

ファイナンシャル・プランニング
  1. 家計の見直し
  2. アセットアロケーションの見直し

そして、家計の見直しを行うなかで、こんな支出項目を発見したのです。

  • 固定資産税
  • 国民年金保険料
  • 火災保険料
  • NHK
  • 墓管理費
  • 貸金庫代…約1万円

 

貸金庫代…?

 

シーさん
はて。貸金庫代とな…婆さんや、これはなにかね?
母親
銀行に借りてる金庫の年間使用料よ~

 

んなことは分かってんのよ「貸金庫代」のなかにカラオケ代が含まれてるわけないでしょうがまったくもう

要領をえないなぁのび太くんは。

 

シーさん
いや、そうじゃなくて…何を保管してるのこれ。実家にそんな大切なものあったっけ?
母親
「家の権利書」とか「通帳」とか「印鑑」を置いてるのよ~

 

ふむ。

貸し金庫のメリット
  1. 貴重品(権利書、通帳、実印など)の保管
  2. 相続への備え
  3. 思い出の品をいつまでも保管

一般に、貸金庫のメリットはこんなところです。

 

我が家の場合

  • 別に莫大な資産があるわけでもないし
  • 相続に関連する大量の書類があるわけでもないし
  • ネットバンキングのIDとかパスワード管理の方がよっぽど重要な時代だし
  • ましてや思い出の品の保管なんかしていない

となると、あまり必要性を感じないですよね。

もともと10個ぐらいあった銀行口座・証券口座も事実上2つまで整理が進んだし、保管すべき通帳の数も減ったわけだから、金庫は解約で良いでしょう。

年間1万円というと、元本30万円の高配当株から得られるキャッシュフローとほぼ同額…!

貴重…!

この1万円は圧倒的に貴重…!

シーさん
はいはい、カットカーット。これは解約です。まったく、こんな無駄な支出をして!
母親
あらそうなの?まぁ確かに通帳の数も減ったしねぇ。じゃあ来週にでも解約してくるわん。
シーさん
(これでますます家計が磐石に…フフフ)

 

とある貸金庫の物語


貸金庫イメージ。百五銀行より

母が貸金庫を契約したのは、今からなんと20年以上も昔の話。

女手1つで小さな息子達を育てることになった母は、家に貴重品を置かないようにしたそうです。色々なことにアタマが回らないだろうと思ったためです。

子供たちを育て上げるための『家』と『生命保険金』は、何があっても守り抜かなくてはいけません。

権利書や実印、通帳はまさに命綱

分別のつかない小さな子供が、家の中をどう荒らすか、分かったもんじゃないですからねw 空き巣にでも入られようものなら、それだけで一家が路頭に迷いかねません。

 

自転車を漕いで数分のところにある小さな銀行。

ここで借りた貸金庫は、事実上「我が家のもう1つの部屋」という感覚になっていったそうです。

 

金庫へ向かうときは、息子たちに何かがあったとき。

  • それは高校/大学へ進学するときであったり
  • 事故や事件でゴニョゴニョしたときであったり

良い意味でも、悪い意味でも、人生の節目を迎えたときです。

 

子供の目線では

  • 親がどこからどうやってお金を出してきているか?
  • どんな思いでお金を出しているか?

といったことには目が向きません。

彼女がどんな想いで自転車を漕いで銀行へ向かっていたのか。金庫の存在にどれだけ助けられていたか。

奇しくも、私がそれを想像できるようになるまでに、貸金庫の契約期間と同じぐらいの年数を要したのです。

 

貸金庫の解約は、正直「やっちまった」と思った

うちの母はフットワークが軽いです。だから、私から解約の指示を受けたあと、あっという間に貸金庫を解約してしまいました

この20数年、母にとって貸金庫がどのような存在だったのか、それを聞いたのは解約した後のこと。

ちょっとした「貸金庫の物語」を聞いた瞬間

シーさん
(あ、やっちまった…)

と思いました。

お金には2つの重要な原則があります。

  1. 使用したお金の「金額」と「満足度」はイコールではない
  2. 使用したお金の「金額」と「満足度」の関係は人によって違う

 

倹約というのは、

  • 使うお金を減らしながらも
  • 満足度を下げないようにする行為

です。

母にとって、貸金庫に支出額以上の意味(満足度)があるのだとしたら、解約は悪手です。

使うお金を減らした以上に満足度が下がるのなら、それは倹約ではなくただの我慢です。上手なお金の使い方とは言えません。

シーさん
あ、もしかして…解約して寂しかったりとか…?なにか、こだわりなど、ございましたでしょうか…?
母親
いいのよ~。ちょっと寂しかったけど、よく考えたらもう子育ては終わってるし、あの金庫はもう役割を終えてたのね。次の人に使われると良いんじゃないかな。次の時代を生きるのよ~
シーさん
(賢者也)

なんでもかんでも節約すればいいってもんじゃない。

使ったお金にどれぐらいの価値を見出すか。それはその人次第です。

本当に、(アドバイスを求められているとはいえ)人様のお金の使い方に口をはさむときは気をつけないといけませんね。

※逆に言うと、アドバイスを求められてもいないのに人様のお金の使い方に口を挟むなんて、「余計なお世話」以外のなにものでもないですね(*ノωノ)

 

最後に:支店長からの挨拶

最後に、銀行の対応について。

解約の際、わざわざ支店長さんが出てきて丁寧に挨拶してくださったそうです。この20数年で、支店長も何回も変わっていますから、別に深い付き合いがあるわけではありません。

それでも、貸金庫の契約年数を見れば、銀行と母がどのような関係を築いてきたのか、簡単に分かるでしょう(受付の人も、ずいぶん丁寧に応対してくれたようです)。

支店長
20年以上にわたる長い間、本当にどうもありがとうございました。またいつでもお越しください。

深々とお辞儀をする様子を見て、母もジーンとくるものがあったそうです。

銀行は、人々のお金を守るところ。

それが、いつの間にか手数料のバカ高いぼったくり投信や保険商品を販売するようになりました。

  • 低成長の経済時代を迎え
  • 歴史的な低金利のなか

銀行も生き残りをかけて必死です。

庶民から預金を集め、それを事業に融資するだけで生きていける…そんな時代ではないということは理解できます。

とはいえ、20年以上にわたり母の(そして私たち家族の)『安心』を守ってきてくれた銀行の姿を見て、感ずるところがありました。

  • 顧客の預金残高を見て
  • 回転売買させられそうなところに、投信の営業をかける

いったい、銀行はどこで道を間違えたのか?(間違えていないのか?)

答えは、数十年もしないうちに出るでしょう。

私は、銀行は庶民のお金を守るところであって欲しいと思います。志のあるバンカーを応援していきたいですね。

貸金庫ちゃん、長い間ありがとうございましたm(_ _”m)

それではまたっ!

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ABOUTこの記事をかいた人

シーウィード

こびと株.comの管理人(役割:投資対象の選定)。お金の話と健康をこよなく愛するアラサーリーマン。一部上場企業の経理/財務部で財務諸表を作成している会計の専門家(日商1級・証券アナリスト)。40歳時点で給与以外の収入(配当/不動産/サイト運営)を月額20万円にすることを目標に活動中。187cmの大男。