こんにちは、シーウィード@こびとが見える経理マンです。
今日、後輩のフルーツとこんな会話をしました。






目次
個人年金保険とは
個人年金保険とは、公的年金を補てんする目的で加入する私的年金です。ある年齢(60歳、65歳など)から、一定期間にわたって一定額の年金を受けることができます。
- 公的年金では生活費が足りなくなる恐れがある自営業者
- 退職してから公的年金が支給開始されるまで期間(一般に、60歳~64歳の5年間)の生活費を準備したい人
このようなタイプの人のために設計された商品です。
例えば、22歳で契約し、60歳から10年間受給しようとすると
- 保険料総額=456万円(月1万円×12ヶ月×38年)
- 受給総額=482万円
となります(※明治安田生命の商品のシミュレーションであり、実際にフルーツが加入している保険とは異なります)。
。
100%の支払に対して、105.7%になって返ってくるイメージですね(うわ少な…)。


個人年金保険の生命保険料控除とは
次の条件を満たした場合に、所得控除が受けられます。要するに、節税になります。
- 年金を受け取るのが、保険料を払う人本人か、その配偶者であること
- 保険料を払う期間が10年以上であること
- 確定年金(生死に関係なく取り決めた期間年金がおりる)の場合、年金の受取開始時は60歳以降で、受取期間は10年以上であること
計算式の詳細を説明するとごちゃごちゃしてしまうので、節税効果のイメージだけ簡単に記載しておきます。上記の条件を満たした上で、月1万円保険料を支払うとすると
- 所得税控除4,000円(40,000円×10%)
- 住民税控除2,800円(28,000円×10%)
合計6,800円の税金を節約できます。
年間保険料12万円に対して6,800円のリターンがあることと同じですから、利回りは5.67%です。先ほどの、38年複利0.147%は絶望的な利回りでしたが、毎年5.67%相当のキャッシュバックがあると考えるとそこまで悪くないように感じられますね。
このように、個人年金保険は、節税効果を見込んでナンボの商品です。
新入社員時代に、保険のオバちゃんから「御社は団体で加入しているから、利回りが通常よりお得ですよ~」とか言われて何も考えずに加入していると、うっかり保険料控除を忘れてしまっている人もいるかもしれません。うちの後輩みたいに。




後日、保険料控除が受けられないことが判明。涙の途中解約・元本割れ


まさかの結果に!
フルーツの言うことなのでよく分からなかったのですが、どうやら彼女が加入している個人年金保険は生命保険ではないようです。保険料控除が受けられないような商品設計で、それが堂々と社内で販売されまくっているという衝撃の事実。この保険、社内で加入者多いって聞いたんですが…
いやぁ、本当に知らないって怖いですね。


フルーツは、泣く泣く損切りを決意したようです。
まぁ優良インデックスファンドやETFに乗り換えれば、複利数%を狙えるんだから当たり前ですよね。今回は、あまりにも競争力のない商品に手を出してしまったということです。無念!
個人年金保険の注意ポイント!
返戻率にまどわされない
30年払うと110%で返ってきます!
とか言われますが、30年で複利計算すると年利0.5%とかです。10%じゃないです。必ず複利で計算しなおして下さい。
途中解約すると元本割れする
一度始めるとやめられません。もし途中解約すると、元本割れします。
元本が保証されるのは、十数年と掛金を払い込んだ後の話です。それまでこのお金は一切自由に使えないので、流動性が最悪です。
長期的にインフレに負ける可能性が高い
金利が固定されてしまうので、この超低金利時代にこういう商品を契約すると本当に不利です。
日銀が目標インフレ率を2%としていることからも分かる通り、この国はインフレを起こしたくてしょうがないのです。もともと、人類の経済はインフレの歴史です。
物価がどんどん上昇していくのに、この低金利の商品にお金を預けていたらインフレに負けます。
税制的にもそこまで有利ではない
保険料控除を受ければお得!なのは間違いないですが、掛け金と受給額の差額、つまり運用益部分にはキッチリ課税されます。所得控除になって、さらには運用益まで非課税となるIdecoと比べるとそこまで優遇されているわけではないのです。
もしどうしても加入したいなら、少額にとどめ、かつ保険料控除は必ず受けられる条件にすること
これが最低条件ですね。個人年金保険は少額の節税枠です。資産形成のメインとなるような商品ではありません。必要最低限のラインで、ちょこっと税金を取り返して満足しておくのが吉です。
まとめ


こびと株.comメンバーの悲しい悲しい失敗談。
このような失敗を共有しながら、投資リテラシーを高めていきたいですね。
老後の資金は気絶投資で貯めればいいんですよ
それではまたっ!
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