REITは低金利時代が終わると魅力激減?金利上昇にどれだけ耐えられるのか

こんにちは、シーウィード@こびとが見える経理マンです。

REIT探検隊シリーズです。

補足説明:REIT探検隊「成功への道のり」

①まずは1銘柄を徹底研究(日本アコモデーションファンド投資法人(以下、アコモ)を研究)

②①をベースにして、他銘柄との比較を行う

③最も優位性の高い(投資目的に適う)銘柄に投資する

では、今日のテーマは「金利」です。お楽しみ下さいませ~♪

現在の長期金利水準は?

2016年11月現在、日本の金利市況は歴史的な低水準にあります。

10年国債

(出典:日本相互証券株式会社HP)

この低金利は、あらゆるREITにとって超有利に働いています。

色々なREITが業績好調をアピールしておりますが、

そりゃそうだろ!

この金利で苦戦してたらヤバいと思いますわ。

あらためて確認するまでもないと思いますが、「今、日本は歴史的な超低金利水準にある」。このことを意識したうえで、金利上昇が業績に与える影響を見ていきましょう。

REITは金利が上昇するとどうなるの?

結論から言うと、銀行の儲けが増えてREITオーナーの儲けが減ります

流れを確認しておきましょう。

家を借りている人から貰った家賃は、関係者で山分けになります。当たり前ですが、全てが大家さんのものになるわけではありません。

  • 管理会社…管理費(賃貸人の募集や家賃の回収、共用部分のメンテ等)名目で利益ゲット
  • 国・地方公共団体…税金(固定資産税や所得税・住民税等)名目で利益ゲット
  • 銀行…利息名目で利益ゲット
  • オーナー…家賃から上記の支払いを引いた残額が取り分

で、金利が上昇すると、↓の図のようになります。

金利上昇の影響

支払利息がグっと増えて、その分オーナーの儲けが減ってしまうイメージです。

日本アコモデーションファンド投資法人の財務状態を確認

日本アコモデーションファンド投資法人の直近の財務状態を確認してみます。

アコモの概況

見るべきは、右側の「財務の状況」という表ですね。とりあえず今回見ておきたい情報は…

  1. 有利子負債総額 1,490億円
  2. 加重平均レート 0.78%
  3. 平均残存年数  4.3年

この3つです。

平均残存年数4.3年にはリスクを感じよう

住宅ローンを組んでいたり、不動産投資をしている人なら分かると思いますが、借入金の返済期間が4.3年というのはめちゃくちゃ短いです。普通の人がこんなローンの組み方したら死んじゃう。

このような返済スケジュールで借入金を組めるのは、前回の記事でお伝えした通り「自転車操業」を前提としているからでしょうね。同額での借り換えを続けることです。彼らはカッコつけて「リファイナンス」なんて言っていますが。

この年数が短いこと自体に大きなリスクが潜んでいる、ということは常に意識しておきましょう!

借り換えができなくて実際に破綻した投資法人がありますから。

金利上昇したらどうなるか?シミュレーションの前提確認

日本アコモが、年間で銀行に支払った実際の利息は①×②=11.6億円

’(ちなみに平成27年9月1日~平成28年8月31日の1年間で日本アコモが稼いだ利益は78億円

11.6億円の利息を負担してもなお、78億円の利益を出すことができたということです。つまり、利息を負担するは11.6+78=89.6億円のお金があったということになります。

シミュレーションの前提

支払利息を負担する前の利益は89.6億円

発行済投資口数 484,522口(平成28年8月期時点)

1口あたりの時価 460,000円(平成28年11月22日)

その他の項目は金利上昇の影響を受けないものとする

これを前提として、金利が2%になったら、3%になったらどうなるか?をシミュレーションしてみます。

日本アコモの現在の分配金利回りは約3.5%です。金利が上昇することにより、これがどれだけ悪化していくのでしょうね。

金利上昇シミュレーションの結果(6%まで耐えられる?)

  1. 借金1,490億円×1.0%=14.9億円 …支払利息
  2. 89.6億円ー14.9億円=74.7億円 …当期純利益
  3. 74.7億円÷484,522口=15,355円 …年間分配金
  4. 15,355円÷460,000円=3.34% …分配金利回り

こんな感じで、金利が増えていったらどうなるかを計算して、表にしてみました。黄色マーカー部分が現在の状況です。

金利上昇シミュレーション

シミュレーションの結果、金利が6%になっても分配金を出すことはできそうです。もはや雀の涙ですが(笑)

ただ、金利が2%程度にしか上昇していなくても、このREITの利回りは既に2.68%に低下しています。このレベルの利回りしか取れないとなると、高配当・好業績の個別株式を物色した方が良いのでは?と思ってしまいますね。

というか金利が3%の時にはすでに分配金利回りが2%ですから、こんな状況だったらREITなんて買っていないで国債買えってことになります(笑)

シミュレーションでは投資価格を460,000円で据え置いて計算していますが、実際には金利の上昇に伴って投資価格もどんどん下落していくでしょうから、国債金利>REIT利回りになることはないんじゃないかなと思います。

金利が6%まで上がっても本当に大丈夫なの?

上のシミュレーション。つまり「金利以外は何も変わらない」という前提シミュレーションだと、日本アコモデーションファンド投資法人に関しては、金利が6%程度まで上昇しても分配金を出すことができます。

が!実際には、そんなに持たないでしょう。

  1. 金利上昇に伴い、保有する不動産の価格が低下→担保価値の低下に伴い借り換えが厳しくなる
  2. 金利上昇に伴い、相対的にREITの魅力が低下→新たな出資を募るのが難しくなる

要は、単純に資金繰りが厳しくなっていきます。

どのタイミングで破滅するのか、正直なところ私にはまったく分かりません。

まとめ

  • REITは借り換え前提の資金繰りをしているので、常に金利上昇リスクに晒されている
  • 今の価格でアコモを買うと、金利が3%になった時点で既に大きく元本割れを起こしている(おそらく▲10万円程度)
  • 今の価格でアコモを買うと、金利が3%になった時点で分配金利回りが大きく低下した状態になる

日本アコモデーションファンド投資法人については、金利が2%になっても分配金利回り3.75%を維持できるような投資価格じゃないと買う気が起きないな、と思いました。

金利が2%の時の予想分配金は12,342円ですから、これを希望利回りの3.75%で割り戻すと価格は329,120円になります。このレベルで買えていれば、負けるシナリオはなかなかイメージできないですね。

アベノミクスが始まる前、2012年1月の時点では投資価格は260,000円程度で分配金利回りは5.2%もありました。このような価格になるタイミングがくるまでじっくり待つのが良いのかな~。

フルーツ
相変わらずシーさんの購入基準は厳しいのなー
シーさん
うむ
フルーツ
でも、どうせすぐに欲しくなって買っちゃうんでしょ
シーさん
ぐげ

次回は、アコモのポートフォリオ、要はどのような物件を持っているかをチェックしていきたいと思います。

それでは!

 

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ABOUTこの記事をかいた人

シーウィード

こびと株.comの管理人(役割:投資対象の選定)。お金の話と健康をこよなく愛するアラサーリーマン。一部上場企業の経理/財務部で財務諸表を作成している会計の専門家(日商1級・証券アナリスト)。40歳時点で給与以外の収入(配当/不動産/サイト運営)を月額20万円にすることを目標に活動中。187cmの大男。