こびと株の10条件

最終的には総合的な判断となりますが、基本条件は次の通りです。

こびと株の条件

①長期にわたり安定・高配当が期待でき、②元本割れのリスクが低いことです。

具体的な条件を記載すると次の通りです。

 

税引前の配当利回りが3.75%以上

税引後の利回りが3%ですので、購入後約33年で、配当金だけで投下資金を回収できるということです。この利回りは、

・30歳で投資を始めた人が

・定年の65歳までコツコツと株を買い足し

・投資を始めた30歳からの56年間(=平均寿命の85歳まで)、毎年配当を使い続ける

これらを想定した時に、投資総額以上の配当金を受け取りつつ、子孫に投資元本相当額をそのまま残せる利回りを意味します。具体的な数値のイメージは「こびと株の6つのメリット、2つのデメリット」をご覧下さい。

 

PBRが高水準ではないこと(目安レンジ:0.5倍~1.5倍)

PBRが1倍未満であれば、1円の価値があるもの(あくまで、会計理論上の株主価値です)を1円未満で買えるということになります。将来的な成長を期待されている株式は、その期待が株価に織り込まれPBRが2倍や3倍になります。そのような株式を購入した場合、市場が期待する成長を裏切ってしまうと株価が大きく下落していきます。元本割れのリスクを抑えるためには、購入時の株価に過度な成長期待が織り込まれていないことが重要です。

補足

低PBR=成長期待がない(人気がない)ということなので、増配チャンスが乏しい等のデメリットもあります。「将来、不測の事態により株の換金を迫られる事態にはならない」「絶対にキャピタルロスの状態では売らない」という自信があれば、実現しえない元本割れリスクを気にするよりも、増配し続けられる(減配しない)可能性の高い企業を選ぶべきです。この場合、PBRはそれほど重要な判断材料にはなりません。

 

配当政策が分かりやすく、配当実績に納得できること

正直なところ、配当政策はどこも似たり寄ったりのつまらない定型文が多いです。しかし、企業の配当姿勢を明文化している情報はIR資料の「配当政策」しかありません。これに納得できないようでは、安心して投資をすることはできません。

そして、この配当政策の下に行われた過去の配当実績が、政策と矛盾していないかどうかしっかりと確認できる必要があります。

 

配当継続力が高いこと

配当継続力(年数)が、相対的に高い(長い)企業を評価します。利益剰余金をベースにした年数と、ネットキャッシュをベースにした年数の2つをチェックします。

補足説明:配当継続力(年数)とは?

こびと株.comで採用しているオリジナルの指標です。ダイヤモンドザイで似たような考え方が紹介されていたことがあります。

指標①:調整後利益剰余金÷配当総額

調整後利益剰余金(期末利益剰余金-期末配当額)を原資として、最近の配当実績と同水準の配当を何年間継続することができるかを見ている指標です。会計理論に基づく配当可能年数です

指標②:修正ネットキャッシュ÷配当総額

※期末の修正ネットキャッシュ(現預金+有価証券+投資有価証券-有利子負債-期末配当額)を原資として、最近の配当実績と同水準の配当を何年間継続することができるかを見ている指標です。指標①よりも現実的な配当可能年数と言えます。

 

売上高が長期的に上昇トレンド(上昇率は不問)

売上高は全ての源泉です。その企業が、社会にどれだけ必要とされているかの指標と言い換えることができます。長期的に安定して配当を得るためには、この指標の長期的な推移は必ず確認しなくてはいけません。

 

売上高営業利益率が10%以上

営業利益とは、企業の本業の利益であり、ビジネスモデルをそのまま反映しているごまかしの効かない利益です。売上高に占める営業利益の割合が10%を超えている企業は、市場における競争的優位を持っている可能性が高いでしょう。

 

1株あたり純利益及び1株あたり純資産が長期的に上昇トレンド(上昇率は不問)

1株あたり純利益と1株あたり純資産は、配当の源泉です。この2つが長期的に上昇トレンドにあるということは、長期的に安定した高配当を得るという意味でも、元本割れのリスクを抑えるという意味でも非常に重要です。

 

自己資本比率が50%以上

自己資本比率は、財務の健全性(長期的な目線)を示す数値です。これが高ければ高いほど財務の安定性が高く配当余力もあると考えてよいでしょう。

※とはいえ、あくまでこれは目安。実際はもっと細かく見てます。

自己資本比率の目安はどれぐらい?アナリストが教える財務分析の基本

2022.01.22

 

流動比率が200%以上

流動比率は、財務の健全性(短期的な目線)を示す数値です。流動比率が200%であるということの意味は、「1年以内に発生する支払」に対して「現預金や1年以内に現金化できる資産等」を2倍以上持っているということです。資金繰りに余裕があるということですね。

 

総資産に占める現金等の割合が高く、長期的に上昇傾向

こびと株.comでは「キャッシュ」を非常に重視しています。

  • 安定して配当金が支払える
  • 不況にじっくりと耐えられる
  • チャンスがあるときに事業投資ができる

これらは全て、キャッシュがあればこそです。極論ですが、そもそも企業はお金を稼ぐために産まれた存在です。キャッシュを稼ぐ力、蓄える力が高い企業を評価します。なお、フローの指標としては営業C/FFCF(フリーキャッシュフロー)を重視しています。

 

これらの10条件に加えて、管理人独自の知見・経験をフルに活用して、最終的に「こびと」になりうるかどうか判断しています。

注意:数値基準について

数値基準は絶対的なものではなく、目安です。業界平均値や他業種他社数値、現在の市況等を踏まえながら、調査対象企業が「相対的に優秀」と判断できるかどうかが重要です。

 

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