「こびと株」の6つのメリット、2つのデメリットについて見ていきます。
目次
「こびと株」の6つのメリット
初めに、こびと株活用のモデルケースをご覧下さい。
こびと株投資では、配当利回り(税引前)3.75%をモデルケースとしています。税引後の利回りは約3%ですね。この配当利回りは、30歳で投資を始めた人が平均寿命までに投資元本を回収しつつ、子孫にそのまま財産を残せるということを意味しています。
積立期間:30歳~65歳(定年)までの36年間
積立額:年間50万円、投資総額=1,800万円
配当期間:30歳~85歳(平均寿命)までの56年間
配当総額:2,080万円
配当は、全て生活・趣味を充実させるために使います。
1,800万円の投資に対して、自身は2,080万円を自由に使うことができ、さらに子孫には毎年54万円の配当を産む投資元本1,800万円分の財産を残すことができます。
単に1,800万円を貯金する場合と比較すると、その「不思議さ」をお分かり頂けると思います。
では、以上のモデルを踏まえたうえでメリットを見てみましょう。
生活を助ける第2の安定収入になる
給与の伸びや年金に期待できないこの時代、給与・年金にプラスアルファできる第2の安定収入が得られることは、日常を守るためのリスクヘッジとなります。また、配当の規模次第では、給料の多寡を気にせず、自分の性格に合った好きな職業を選ぶことが出来るようになるかもしれません。
手間がかからない
長期投資で一番重要なタイミングは、購入時点です。購入する段階ではあらゆる情報をフル活用し労力をかけて投資判断をしますが、ひとたび購入してしまえば、あとはすることがほとんどありません。3ヶ月毎に企業のIRを見ながら、配当関連指標に異常が起きていないか見るだけです。
キャピタルゲインを追求していないため、株価を一生懸命見る必要がないのです。日々の価格変動に振り回されず、落ち着いた日々を送ることができるのは大きなメリットです。
投資コストが低い
長期の株式投資に必要なコストについて見てみましょう。
口座開設費・維持費
→ほとんどのネット証券会社が無料
送金・入金手数料
→ネット証券会社負担のところが多い
売買手数料
→証券会社毎に異なるが数百円~数千円程度
原則として売却・大型取引を前提としていないため、かかるコストは購入時の数百円だけです。
デイトレーダーは相当数の売買を繰り返しますから、負担している売買手数料もそれなりの金額になります。
また、投資信託を保有する場合には上記の他信託報酬がかかります(最近はかなり安いコストのものもありますが)。不動産投資等を行う場合は、不動産の仲介手数料(本体価格の3%)、消費税(建物価格の8%)、不動産取得税、不動産登記料、物件管理費・修繕費など、売買や維持に相当のコストがかかります。
他の投資スタイル・商品と比較した場合、「買ったら長期的に保有するだけ」というスタイルはかなりコストが低い投資方法です。
長生きリスクに備えられる
あまり好きな言葉ではありませんが、「長生きリスク」という言葉があります。老後にいくら資金を用意すればいいかを考慮するとき、年金をいくら準備すればいいかシミュレーションするときに出てくる言葉です。
上記のモデルでは、65歳以降毎年54万円の配当が得られます。平均寿命までの20年間での受け取り総額は約1,100万円にもなります。100歳まで生きるのなら、85歳からさらに810万円の配当が得られます。投資元本を維持したまま安定して配当を得られるのは、まさに長生きリスクに対するリスクヘッジとなります。
なお、退職した時点において、退職一時金を使用していきなりリスクの高い株式投資を始めることは一般的に推奨されていません。一方、こびと株投資では長い期間をかけて投資家としての経験値を高めていますから、株価の乱高下に惑わされることなく、65歳以降も安定した資産運用ができるだろうと思っています。
次の世代にバトンタッチでき、管理しやすい
インカムゲインを目的に投資しているため、資産規模自体にはあまり関心がないのがこびと株投資です。1億円持っている状態よりも、毎年100万円手に入る状態を重視しています。私は、もし「自分にはもう配当金が必要ない」という状態がきたら、それを次の世代にバトンタッチしようと思っています。配偶者や子供がいなければ、自分の価値観にあう団体に寄付をしても良いと思います。
重要な引継ぎルールはたった1つ、「こびとは売るな」です。持ってさえいれば、あとはこびとが配当金を運び続けてくれるでしょう。
おまけ:配当や資産規模の拡大
株式投資である以上、投資元本をそっくりそのまま失うリスクを背負わなくてはなりません。しかし、逆に言えば「配当や資産が拡大する」チャンスがあるということです。こびと株投資では、投資時点の配当利回りと元本の維持を重視していますが、配当や資産が拡大するチャンスは常にそばにあるのです。
現時点ではほとんど想定していませんが、「こびと乗り換え」による資産拡大も狙えるかもしれません(くどいようですが、これはあくまで副効果です)。
「こびと株」の2つのデメリット
メリットと比較して数は少ないですが、重いデメリットです。
投資額の全額を失う可能性(リスク)を受け入れなければならない
投資額を上限としてそれを全て失う可能性があります。現時点では日本株を中心とした銘柄紹介を想定していますが、日本は今後数十年で過去に例を見ない速度で人口が激減し、高齢化していく国です。GDPの伸び率等も考慮すると、世界的に見ればもはや「斜陽国家」という扱いかもしれません。
そのような国の企業に長期投資することについては(もちろん世界で戦っている日本企業も紹介しますが)、かなりの覚悟が必要といってもいいでしょう。その日本企業とともに時代を生きていきたいと思えるか、日本企業の底力をどこまで信じられるかが重要な判断ポイントになります。
※将来的には米国企業も投資対象に含めたいと思っています。
超長期にわたり資金拘束される
売却を前提としていないということは、すなわち換金しないということです。株式は、定期預金や不動産とは異なりその気になれば気軽に換金できますが、「売りたい時に売りたい値段で売れるとは限らない」ことには注意が必要です。期待通りの配当金が得られているうちは資金拘束も気になりませんが、期待通りの配当金を得られない状態が中長期に及んだ場合、まさに何の意味もない資金拘束状態に陥っているということになります。
投資額は完全にその手を離れたものとみなし、インカムゲインにだけ目を向けられる姿勢が必要です。
以上が、こびと株のメリット・デメリットです。
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