こんな疑問に答えます。
結論から言うと、
- FPを学んで損することは絶対ありません
- 学習内容もそれほど難しくありません
- FPの他、簿記1級や証券アナリストを取得済
- 一部上場企業の財務部で10年超の実務経験アリ
- 現在、4桁万円を資産運用中
目次
FP3級/2級の学習範囲
まずは試験範囲の確認から。FPで学ぶのは、次の6分野です。
- ライフプランニングと資金計画
- リスク管理
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業承継
①ライフプランニングと資金計画
主として三大資金計画(教育・住宅・老後)や社会保険(医療保険・介護保険・年金保険)について学びます。
②リスク管理
私的な保険について理解を深めます。生命保険や損害保険、自動車保険、傷害保険など幅広いです。
③金融資産運用
株式・債券・投資信託などの金融商品について学習します。
④タックスプランニング
所得税や法人税、消費税などの税金について学びます。
⑤不動産
不動産の売買・賃貸や不動産に関する税金、不動産の有効活用について学習します。
⑥相続・事業承継
相続税や贈与税について学びます。
学習範囲を見ると、非常にたくさんの分野の知識をカバーしていることが分かりますね。
ご安心下さい。FPは、試験範囲は広いですが、内容はカンタンです。
広く浅い試験なのです。
怖がる必要はまったくありません。
FPは教養資格【専門性・難易度は高くない】
実は、過去にこんな辛口な記事を書いています。
カンタンにまとめると、「FP試験は他の資格試験の基礎レベルをつまみ食いしたモノだ」という内容です。
- 社会保険の分野→社会保険労務士
- 税金の分野→税理士
- 不動産の分野→宅地建物取引士
FP試験は、専門的な試験というよりは一般教養試験なのです。範囲こそ広いですが、その内容は決して難しくありません。
※ですから、「理解ができずまったく勉強が進まない…」なんてことはそうそうありませんので安心して下さい。
FPは、教養試験としては非常に完成度が高く、代わりになるような資格もありません。
広く浅くのつまみ食いだからこそ、独自性も高いというわけです。
それでは、FPを取得する3つのメリットを具体的に見ていきましょう。
FP3級/2級を取得する3つのメリット
メリット①:三大資金計画について意識できる
人生の三大支出は「老後・教育・住宅」です。
この3つをしっかり手当てできれば、生涯ゆとりある生活を送ることができます。
仮に、生涯賃金が2億4,000万円(平均年収600万円×40年)のサラリーマンがいたとします。
税金・社会保険料でざっくり25%取られるとすると、自由に使えるお金は1億8000万円です。
- 老後資金 約2,000万円
- 教育/養育費 約2,500万円(1人分)
- 住宅資金 約3,500万円
これを現役時代の40年で割ると、1年あたりの生活費は250万円になります。
なんと月あたり20万円ちょっとにしかなりません(養育費/住宅費込みでは30万円を超える)。
こういうことを、若いうちに理解しておくことは重要です。
要するに、「サラリーマンは何も考えずに暮らしていたら、絶対にお金持ちにはなれない」という肌感を持っているかどうかということです。
こういう感覚を持っていないと、
- 老後資金は、つみたてNISAやiDeCoを利用して少ない資本で大きな額にする必要がある
- 住宅は、ハウスメーカーの口車に乗せられないようにしながら、中古住宅を賢く利用する必要がある(もちろん、お金より「夢のマイホーム」に価値を見出している人はお金をかける価値があります)
- 教育は、周りの雰囲気に流されずコスパの良い投資先を選定する必要がある
という話を聞いても、
FPを学ぶことで、人生の三大資金計画に対する意識が強くなることは間違いありません。
メリット②:無駄な保険に入らなくなる
FP学習の大きなメリットの1つとして、社会保険に詳しくなれるということがあります。
社会保険とは次の5つのことを言います。
- 医療保険
- 介護保険
- 年金保険
- 労災保険
- 雇用保険
日本は、国民皆保険の制度を採用している先進国です。
民間の保険に入らずとも、十分な水準の保障を受けられるようになっています。
例えば医療費に関して一例を挙げると、
平均的な月収のサラリーマンの場合、高額療養費制度を使えば、月の自己負担額は大抵の場合10万円以内におさまります。月間100万の医療費がかかったとしても、です。
たとえ入院・手術を1年間繰り返し、治療費の総額が1,000万円かかるような大病を患っても、
また、会社員だと病気やケガで働けなくなった時は傷病手当金が受けられます。最長で通算1年6ヶ月間、働いていた時の給与の3分の2程度の給付金が受けられます。
このように、普段の通院だけでなく
- 医療で高額な治療費がかかった時
- 病気やケガで働けなくなった時
公的な保険で十分賄うことができるのです。
ところが、高校や大学ではこのようなことは学びません。
そのため、色々な民間保険に加入している人は、ほとんどのケースで「入りすぎ」になってしまっています。
- どのような状況になった時
- 公的な社会保険からどのような給付が受けられるか
ちゃんと把握した上で民間の保険に入っている人は、かなり少ないんじゃないでしょうか。
FPを学んだ人は、その後保険内容を自分で見直して保険料の適正化を図る人が多いです。
それだけFPで学ぶ社会保険の知識は役に立つということですね。
メリット③:資産運用に関する基礎用語が身につく
FPを学習することで、資産運用に関する基礎知識がたくさん身につきます。
株式、債券、投資信託、外貨預金、ゴールド、デリバティブ、ポートフォリオ理論etc…
先に断っておくと、FPの知識を学んだからといって投資成績が良くなるということはありません。
FPで学ぶ知識は、あくまで基礎の基礎だからです。
しかし、基礎を学ぶことで大きく次の2つのメリットが得られます。
- 投資の向き・不向きが分かる
- より専門的な書籍が理解できるようになる
FPの知識にアレルギー反応がでるようなら、残念ながらあなたに投資には向いていないかも。
でもその一方で、
自己責任のもと、自分に合うリスクをとった投資ができるということですね。
もしそうなれば、より専門的な書籍を利用して、知識を深めていくのがオススメです。
いきなり専門書を読んでもちんぷんかんぷんでしょうが、FPレベルの知識を備えておけばかなりスムーズに読み進められると思います。
メリットまとめ:複利効果が働くので、若ければ若いほどお得!
学習・資産運用の世界では「複利」のパワーが働きます。
お金が雪だるま式に増えていくということです。
- 住宅資金は早いうちに準備を始めた方が良い
- 老後資金は早いうちに準備を始めた方が良い
- 教育資金は早いうちに準備を始めた方が良い
- 民間保険は必要最低限にし、余資は資産運用に回した方が良い
- マネーリテラシーは若いうちに身につけた方が良い
20歳~30歳である程度のマネーリテラシーを身につけていれば、その後の暮らしはグっと有利になるわけです。
というわけで、FPの独学方法について見ていきましょう。
独学で合格!FP取得の3ステップ(3級・2級)
FPの学習方法は非常にシンプルです。難しいことは何も考える必要がありません。
- テキストを読む
- 問題集を解く
- 過去問を解く
これで合格です。
FP3級の独学勉強法
まずはテキストと問題集を買いましょう。
FP試験は、試験傾向が安定しており難問・奇問がほとんどありません。勉強すれば必ず報われる試験です。
テキストは、「みんなが欲しかった!」シリーズを使って下さい。これで間違いなく合格レベルに到達します。
他の参考書・副教材は一切不要です。
問題集はこちらの1冊でOKです。良問のみに厳選されており、解説も丁寧です。
この2冊をやりこめば100%合格します。
クセのないテキスト・問題集なので、受験生によって合う・合わないという問題もないと思います。使用率の高い人気教材なので、安心して使って下さい。
①テキストを読む
まずはテキストを流し読みします。
合格のための重要ポイントは問題演習なので、一生懸命読み込む必要はありません。マーカーやメモも不要です。
さらっと読み流して下さい。
②問題を解く
次に、問題集を使って演習をします。最低2回は解くつもりでやりましょう。
- 問題を解く→解説を読んで理解できればOK
- 問題を解く→解説を読んでも分からない→テキストに戻る
ひたすらこのパターンの繰り返しです。
③過去問を解く
最後に過去問を解きます。過去問は日本FP協会(公式)にすべて置いてあります。
サイトリンク:日本FP協会 試験問題・模範解答ページ
公式サイトの模範解答には解説がありませんが、上記のテキスト・問題集を見れば答えは理解できるはずです。
その他、解説付きのサイトや過去問演習アプリなどもありますので、使いやすいサイトを利用して下さい。
重要なのは、どんな形であれ過去問を最低でも3回分はこなすことです。5回もやれば完璧だと思いますが、そこまでやる受験生は少ないと思います。
- テキストを1回流し読み
- 問題集を完璧にする
- 過去問を3年分解く
参考:FP3級の合格率・勉強時間
FP3級の合格率は50%~70%です。「ちょっとマジメに勉強したら受かったよ!」というくらいの試験です。
勉強時間は50~100時間程度(1日1~2時間を1~2ヶ月)が一般的なようです。
FP2級の独学勉強法
次に、FP2級の独学方法です。基本的なやり方は3級とまったく変わりません。
まずはテキストと問題集を購入します。
おすすめテキストは、やっぱり「みんなが欲しかった!」シリーズです。
問題集もこのシリーズがオススメです。定番です。
テキストと問題集を購入した後の流れも、3級と全く同じです。
- テキストを1回流し読み
- 問題集を完璧にする
- 過去問を3年分解く
FP3級と2級では、試験範囲(論点)の広さと深さが若干変わります。しかし、極端に難易度が変わるわけではないので安心してください。
- 〇〇問マスターしたら受かる
こういう感覚を持って学習すればOKです。とにかく問題演習がモノを言う試験です。
6分野ありますから、各分野で100問ずつ、合計600問マスターしたらまず間違いなく受かります。
1日10問マスターすれば、2ヶ月で合格ラインですね。
社会人の方であれば実務経験が2年以上あれば、3級を飛ばして2級から受験可能です。認められる実務経験の範囲はかなり広いので、該当する方も結構多いのではないでしょうか。
公式サイト:日本FP協会 実務経験について
参考:FP2級の合格率・勉強時間
FP2級の合格率は40%前後。3級よりは下がります。
とはいえ、難関試験というわけではありません。ざっくり2人~3人に1人は受かる試験です。
勉強時間の目安はおおむね200時間前後です。
3級の2倍ぐらいの学習量で受かるというイメージです。受験資格を満たしているのなら、いきなり2級から学習しても全く問題ありません。
まとめ:FP取得には3つのメリットあり!独学でも合格できるので、はやいうちに勉強してみよう!
- 三大資金計画について意識できる
- 無駄な保険に入らなくなる
- 資産運用に関する基礎用語が身につく
転職や独立・開業に向く資格ではないですが、マネーリテラシーを高めたいという意識がある人にはピッタリの資格です。
FPの受験コスト(テキストや受験料)はせいぜい1万円ぐらい。この1万円の投資によって、将来の数十万・数百万円の経済的メリットを生み出す可能性があるのです。
本当にシンプルで、やればすぐに得点が伸びる試験です。
司法試験や税理士試験のように、いくらやっても報われない可能性がある一発勝負の試験とは全く違います。
- テキストを1回流し読み
- 問題集を完璧にする
- 過去問を3年分解く
気軽にチャレンジ・学習できる試験なので、気になったからやってみる!ぐらいの気持ちで全然OKです。
試験も年3回実施されていますから、非常に受験しやすいと思います。
マネーリテラシーは、若いうちに身に着けておくと本当にお得です。
知識もお金も、複利の効果で雪だるま式に膨らんでいきます。
将来お金で苦労しないためにも、ここで1つ、FP試験にチャレンジしてみてはいかがでしょうか!
それではまたっ!
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