こんにちは、こびと株(kobito_kabu)です。
現在、
- 高配当株投資
- インデックス投資
の両刀で資産運用をやっています。
毎月恒例企画ということで、12月の経済ニュース・統計調査を振り返って
- この「2つの投資」にどのような影響があるのか
- じぶん達の「仕事や生活環境」=景気はどうなっているのか
重要ポイントをまとめていきます。
本記事の構成はこの通り。
- 日本の経済状況
- 海外の経済状況
- まとめ:投資のポジションについて
目次
日本の経済状況
以下の順番で解説します。
- 株価指数の推移
- その他指数の推移
- 12月の国内トピックス
①株価指数の推移(日経平均・TOPIX・J-REIT・グロース)
12月29日時点の株価は、この通り。
- 日経平均株価:33,464円(+30.13%)
- TOPIX:2,366pt(+26.67%)
- グロース250連動ETF:550円(+0.22%)
- REIT連動ETF:1,951円(-3.27%)
※端数は四捨五入。カッコ内は、いずれも「年初来」。
※J-REITとグロース市場250指数については、当該指数に連動している「ETF」のデータを表示しています。そのため、実際の指数の動きとは誤差があります。
※11月6日付でマザーズ指数が「グロース市場250指数」に名称変更されました。
年初来の値動きをチャートで見てみると、こんな感じです。
日経平均株価は年初来で+約30%。
偉い。
一方、グロース株・J-REITはまったく振るわず。
もう少し頑張りましょう。
とはいえ、2023年は「株高の年」という総括で良いでしょう。
株高の背景は、ざっくり次の3つ。
- 日銀の金融緩和継続
- 日本株に対する期待値の変化
- 欧米諸国のインフレ鎮静化
順番に、ざっくり触れていきます。
日銀は、①金融緩和継続のスタンスです。
つまり、まだジャブジャブお金を刷り続けますよということ。
世の中に出回るお金の量が増えると、「株」や「不動産」などの資産価格は上昇しやすくなります。
円を刷り続けていることで円の価値が低下し、激しい円安も起きました。
これが輸出企業にとっては追い風になり、株高の要因になっています。
②日本株に対する期待値が変化するイベントが、たくさん起きました。
- 東証が、上場企業に「もっと株価が上がるような経営をして」と改善要求
- バフェットの総合商社投資が大成功。来日により、日本株に注目集まる
- コロナ規制解除&円安で、旅行者激増
- インフレによる賃上げ期待
- 来年の新NISA開始に伴う、投資ブームへの期待etc…
経済・投資が盛り上がりそうな雰囲気ができつつあります。
③欧米諸国では、インフレが鎮静化しつつあります。
コロナ・ウクライナ危機等によって発生した、異常なインフレ。
経済的に、大事故になることなく着陸できそうな雰囲気が生まれていますね。
世界経済の中心地アメリカでは、利下げ期待やAIブームなども起きており、力強さを感じさせます。
なんやかんやとあって、日本株の株価は伸びました。
しかし、一番重要なのは「実力」です。
この点、日本の上場企業は
- 企業の1株利益:過去最高(参考:プライム企業の1株利益、過去最高 コマツや味の素)
- 企業の配当金:過去最高(参考:企業の配当最高16兆円 24年3月期、家計に3兆円効果)
という感じで、株価上昇に見合う「実態」もついてきています。
②その他指数の推移
「株価(TOPIX)」は、年初来で約27%のプラスと絶好調。
一方で、「リアル景気」の方はどうなのか?
実際のところ、景気は
- 良いのか?
- 悪いのか?
いくつか、指数をチェックしていきましょう。
- 月例経済報告
- 日銀短観
- 景気動向指数
- 景気ウォッチャー調査
- 消費者物価指数
- 実質賃金指数
- 完全失業率・求人倍率
お堅~い言葉が並んでいますが、「雰囲気」だけ掴めればオッケーです。
月例経済報告
まずは、一番大きなところから。
日本政府としての景気判断(公式見解)は、
このところ一部に足踏みもみられるが、緩やかに回復している
※細かな分野における「政府認識」はこの通り。興味のある方だけ、どうぞ。
(出典:月例経済報告 令和5年12月19日公表)
日銀短観
次に、日銀短観について。
(出典:日本経済新聞「景況感3期連続改善、中小もプラス圏浮上 12月日銀短観」)
業況判断指数(DI)は、景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」の割合を引いた値です。
※その数値がゼロより上なら景気拡大、ゼロより小さければ景気縮小
最新の結果はこの通り。
- 大企業製造業:プラス12(前回から+3ポイント。3期連続の改善↑)
- 大企業非製造業:プラス30(前回から+3ポイント。7期連続の改善↑)
中小企業の数値も、悪くありません。
先行きについては、海外経済の減速・人件費高などが懸念となり、悪化予想です。
景気動向指数
一致指数の推移は、この通り。
(出典:景気動向指数)
景気動向指数は、
- 景気全体の現状を知ったり
- 将来の動向を予測したりするときに
使われる経済指標です。産業、金融、労働など、経済に重要かつ景気に敏感な30項目の景気指標をもとに指数が算出されています。
色々な指標をミキサーに入れてスイッチをいれると、1つの「景気動向指数」ができるというイメージです。
景気に一致して動く「一致指数」、景気に数か月先行して動く「先行指数」などがあります。
先行指数の推移は、この通り。
結局、
- 一致指数:緩やか~に上昇
- 先行指数:下落傾向だったが下げ止まりの兆し…数か月先の景気見通しについては慎重な見方が広がっていたが、ボチボチかな?という雰囲気に
という感じです。
景気ウォッチャー指数
景気ウォッチャー指数の推移は、この通り。
(出典:景気ウォッチャー調査 12月8日公表)
11月は49.5ポイント(前月比±0ポイント)となっており、景気判断の分かれ目となる50を下回りました。
と言っても、ほとんど50みたいなもんですね。
銀座のママさんやタクシーの運転手さんが「景気は良くも悪くもなく、普通」と判断しているということです。
百貨店・スーパーマーケット・コンビニなどの小売店やレジャー業界で働く人、タクシー運転手など、景気に敏感な職種の約2000人にインタビューし、調査結果を集計・分析して発表するもの。
なお、2~3か月先の景気の先行きに関しては49.4(前月比+1.0ポイント)となり、50を下回っています。
消費者物価指数
こちらは、前年同月比+2.5%となりました。
(出典:日本経済新聞「消費者物価11月2.5%上昇 伸び率2カ月ぶり縮小」)
欧米諸国と同じように、日本でもインフレ鎮静化の兆しです。
とはいえ、勢いがおさまってきたというだけの話。
生活費が上がり続けていて家計が苦しい、この現状は変わりません。
実質賃金指数
実質賃金指数の推移は、この通り。
(出典:NHK「10月の実質賃金 去年同月比で2.3%減 19か月連続でマイナス」)
2023年10月の実質賃金は、前年同月比‐2.3%。
基本給や残業代などをあわせた「働く人1人当たりの現金給与総額」は、平均で27万9172円。
これは去年の10月に比べて1.5%高い水準ですが、依然として物価の上昇に追いつかず、実質的な賃金は低下しました。
結局、実質賃金は恐怖の19ヵ月連続マイナスになっています。
つまり、国民の購買力(モノを買う力)は落ち続けているということです。
今年はずっと同じことを言い続けてる気がしますが、最後もコレで〆ましょう。
完全失業率・求人倍率
ご覧の通り。
- 11月の完全失業率…2.5%(前回は2.5%)
- 11月の有効求人倍率…1.28倍(前回は1.30倍)
※完全失業率が2.2%ぐらいまで戻ればほぼ完全雇用=ゴール。
(出典:日本経済新聞「11月の求人倍率1.28倍、前月比0.02ポイント低下」)
完全失業率は横ばい、有効求人倍率は0.02ポイント低下なので、若干悪化という結果です。
とはいえ、総就業者数は56万人増加(16ヵ月連続増)で、トータルの雇用環境は悪くありません。
ここまでの話をまとめると、この通り。
▼株価
日本株(TOPIX)は、年初来+約27%と絶好調
▼リアル景気
政府公式見解…足踏みも見られるが緩やかに回復している
日銀短観…製造業・非製造業ともにプラス
景気動向指数…現在の景気は緩やか~に拡大中。先行きについてはボチボチ感
景気ウォッチャー…「良くも悪くもない」感じ。一服感アリ。
消費者物価…伸び率は縮小しつつあり、インフレ鎮静化の兆し
実質賃金…-2.3%と下落(19ヵ月連続マイナス)
雇用状況…失業率横ばい、求人倍率若干の低下。雇用者は増えておりトータル悪くない
という感じ。
引き続き、「日本経済の行く末は”賃上げ”にかかっている」という感じですかね。
賃上げがハマり始めたら、本当に世の中変わりそうです。
以上が、景気の全体感です。
③12月の国内トピックス
日本株について、今月のトピックはこれです。
- チャレンジング・ショック!進む円高
チャレンジング・ショック!進む円高
12月7日、日銀の植田総裁が国会でこんな発言をしました。
これを聞いたマスコミは、こう考えました。
- お?チャレンジ(挑戦)するって?
- 日銀の挑戦…「マイナス金利解除」のことだよな?
- ついに、日本も欧米のように利上げか!?
そして、一斉にこんな感じの報道をしました。
- 12月18日~19日の金融政策決定会合(※)で
- 政策変更=マイナス金利解除が行われるかもしれない!
※日本の金融政策を決定するエライ人達の会合。住宅ローン金利がどうなるのかとかも、この人達の話し合いに影響される。大事。
マスコミの報道を受けて、市場はこう動きました。
円高ドーン!
(出典:TBS NEWS DIG「円高が急進 一時1ドル=141円台に 日銀・植田総裁の発言うけマイナス金利の早期解除の思惑広がる」)
ディズニーランドの新アトラクション、エンダカ・オブ・テラーです。
急激に落ちすぎなのよ!
ドル円相場は、1ドル147円付近から、141円台まで急落。
この日は、「チャレンジング・ショック」として為替市場の歴史に刻まれることになったワケです。
現在、アメリカの政策金利は5.25~5.50%です。
ドル預金を持っていれば、5%を超える利息が貰えるということです。
ドルを欲しがる人、多そうですよね。
円を売ってドルを買う人が増えると、ドル高になります。
一方、現在、日本の政策金利は‐0.1%です。
マイナス金利が解除されて金利がつくようになるとどうなるか?
”今よりは”、円を欲しがる人が増えますよね。
ドルを売って円を買う人が増えると、円高になります。
植田総裁の発言がきっかけで、まさにこの状況になって急速に円高が進んだというワケ。
さて、チャレンジング・ショックから約10日後。
注目の金融政策決定会合が行われました。
「政策変更があるのか?」と思いきや、フタを開けてみれば
- 政策変更はナシ
- 金融緩和を粘り強く続ける(従来通り)
- チャレンジング発言について、政策変更を示唆する意図はなかった
という内容。
なんもなかったんかーい!
あれはなんだったんだ…という人は、それなりにいたんじゃないでしょうか(笑)
とはいえ、現在の為替レートは141円付近のまま。
150円付近と比べるなら「円高」です。
市場の温度感としては
- まぁ、言うてそのうち政策変更はあるだろう(円高要因)
- 米国は利下げを始めそうだし(のちほど、海外トピックで解説)、これも円高要因よね
- 激しく円安に振れる可能性は、低くなってるかな
という感じかなと。
2023年は、円安が進んだ年でした。
- 年初:約131円
- 最大:約152円(11月)
- 年末:約141円
外国株を持ってる人は、為替の影響で大きく資産を伸ばせたのかなと思います。
2024年はどうなるのか?
海外の経済状況
お次は、海外の話題です。
この4つの順番で見ていきます。
- 株価指数の推移
- ゴールド・債券ETF等の値動き
- 高配当ファンドの値動き
- 12月のトピックス
①株価指数の推移
G7(主要先進7ヵ国)の、主な株価指数の推移(年初来)はこの通り。
※グーグルファイナンスでは、チャートを5つまでしか同時比較できないので、昨年に引き続き「FTSE MIB(イタリア)」を抜いています。
2023年G7パフォーマンスマラソン、最終的な順位はこの通り。
- FTSE MIB(イタリア) +25.64%
- S&P 500(米国) +24.73%
- DAX30(ドイツ) +19.07%
- CAC 40種(フランス) +14.38%
- S&P TSX(カナダ) +7.79%
- FTSE100(イギリス) +2.37%
TOPIX(日本)は+26.67%。
我らが日本、トップでゴールしました。
※高配当株の指数に関しては年初来+33%。文句なしの成績です。
- 激しいインフレの鎮静化
- 経済のソフトランディング=不況、回避できるんじゃない!?という期待
これらが主要因となり、楽観的な相場になりましたね。
ちなみに、米国株に関しては
- NYダウ…+13.7%も、過去最高値更新
- ナスダック総合指数…+44.5%と、爆上げ
という感じで、主要指数は大健闘でした。
②ゴールド・債券ETF等の値動き
有名なゴールドETFである、「GLD」の値動きはこの通り。
(出典:グーグルファイナンス SPDRゴールド・シェアーズ(GLD))
ゴールドの成績は、年初来で+11.76%です。
イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が始まって以降、上昇基調が続いています。
※ちなみに、ビットコインは+150%と大暴騰。世界的なインフレ、紛争等から、法定通貨の価値が下がり「ゴールド」や「ビットコイン」などの価値が相対的に高まったようです。
お次は、債券です。
投資額に対して2%~5%ほどのインカム(利息)が欲しければ、米国債券が有望な投資候補になります。
米国の優良債券ファンドを3つチェックしてみましょう。
- AGG:ローリスク・ローリターンな債券(格付け高く、利回り低い)
- LQD:ミドルリスク・ミドルリターンな債券(格付け普通、利回り普通)
- HYG:ハイリスク・ハイリターンな債券(格付け低く、利回り高い)
米国総合債券に投資する【AGG】というファンドのチャートはこの通り。
- 年初来+1.73%
- 現在の分配金利回りは3.12%
- 投資対象の約7割は、格付けがAAA(トリプルエー)の債券です
10月下旬から、見事にV字回復してますね。
「債券」と「金利」は、シーソーの関係にあり逆の動きをします。
参考までに、金利のチャートを見てみましょう。
こちらは「米国の長期金利(10年国債)」の推移です(12月末現在の金利は約3.84%)。
(出典:三井住友銀行「マーケット情報チャート」)
10月に一時5%を超えていた長期金利。
10月下旬以降、急激に低下していることが見てとれますね。
金利は低下、つまり債券価格は上昇しているということです。
お次に、米国優良社債に投資する【LQD】というファンドのチャートはこの通り。
- 年初来+4.24%
- 分配金利回りは3.98%ほど
- 投資対象の約8割は、格付けがBBB(トリプルビー)~Aの債券です
- ギャンブル性の低い「投資適格」な債券であるものの、AGGよりは安全性が低いです
こちらも、見事なV字回復です。
最後は【HYG】です。
「ジャンク」「ゴミ」と言った呼ばれ方をする「投資不適格の債券」を集めた、ハイリスクな債券ファンドです。
- 年初来+4.91%
- 現在の利回りは5.72%ほど
- 投資対象のほぼすべてが、格付けCCC(トリプルシー)~BBの債券です(リスクが高いぶん、長期的なトータルリターンは大きい傾向)
こちらも、AGGやLQDと同様に急激なV字回復を見せています。
10月に触れた通り、
- (最近)価格が上昇しているものは、イイもの
- (最近)価格が下落しているものは、ゴミ
この価値観ならば、ここ最近の債券はまさにゴミだったということになります。
ですが、その「ゴミ」を買い漁っていた人は、11~12月はかなり心地よい相場になったんじゃないでしょうか。
5%近い金利の債券を持っている人は
- 長期保有においては、高い利回りでのインカムゲイン(利息)が得られるし
- 金利が下がれば下がるほど、債券価格が上昇してキャピタルゲインも得られます
私個人としては、
という感じ。
ブルームバーグで、こんな記事が出ています。
総悲観だった債券市場。
ついに、年末に盛り返しましたね。
③インカム系ETFの値動き
私の愛する高配当株ETFについて。
- キャピタル(売却益)も
- インカム(分配金)も
両方狙えるポテンシャルのあるファンドたちです。
HDV、VYM、SPYDの年初来のチャートは、この通り。
分配金を無視して価格だけ見ると、順位はこの通り。
- 1位がVYM…+3.34%
- 2位がSPYD…-1.26%
- 3位がHDV…-1.56%
配当金込みで、「トータル損しなくて良かったね」ぐらいのおとなしい成績でフィニッシュです。
※為替込みだと、円安影響で大きくプラスですが。
さて、私の考えるインカム資産の役割は
- 長期的に元本を割ることなく
- 高利回りの配当金を安定的に出し続けてくれること
つまり、彼らの仕事は「永遠に私の生活費を出し続けること」なんですね。
私が使っている楽天証券では、
- ドルの配当金を、円貨で受け取ることができるようになりました
- また、楽天銀行と連携すれば、証券口座に余っている円貨は自動で出金することができます
つまり、私の日常はこうなってるワケです。
- 楽天銀行に紐づいたクレカで、全ての生活費を払う
- クレカの引き落としで、楽天銀行の残高が減る
- 保有する高配当株から、楽天証券の口座に配当金が振り込まれる
- その配当金は、楽天証券から楽天銀行にすぐに自動出金される
- 楽天銀行の残高は、自動で補充され続ける=永久機関
上記の米国高配当ETFは、長期で見れば
- 増配が続いていて
- 配当金も安定的で
- 株価の伸びにも期待できます
優良高配当株ほど、
- 生活設計がしやすく
- 手間暇がかからず
- 長期的にも成長が見込める
そんなアセットを、私は他に知りません。
※インデックスはインデックスで積み立てを続けていて、こちらは「総資産の成長」に貢献してくれています。ハイテク株の成長は、こちらで享受。
価格が下がってくれたら、キャッシュフロー効率を上げるチャンスになるだけ。
生活水準向上のため、喜んで買い増しさせて頂きます。
というワケで、現在の分配金利回りはというと
- SPYD:約4.65%(過去平均は約4.5%)
- VYM:約3.11%(過去平均は約3.0%)
- HDV:約3.81%(過去平均は約3.5%)
という感じ。
過去水準との比較で言えば、「旨味」が感じられるレベルでしょう。
暴落時のような「大バーゲン!」という価格には遠いですが、決して高くはないお買い物かなと思います。
短期的には「今の円安状況」が気になりますが、長期で見るならばまぁ飲めるリスクかなと。
- 株価の成長力
- 配当金
これらが、為替ダメージを吸収してくれるからです。
④12月の海外トピックス
海外について、今月のトピックはこれです。
- FOMC 金利据え置き3連続
FOMC 金利据え置き3連続
12月12日~13日のFOMCで、金利据え置きが決まりました。
現在、アメリカの政策金利は5.25~5.50%。
FOMCは、7月の利上げを最後に、3会合連続で「金利据え置き」を決めています。
というわけで、アメリカの政策金利の動きはこんな感じ。
(出典:日本経済新聞「FRB、3会合連続利上げ見送り 来年は利下げ3回分を予想」)
2022年からグイグイと引き上げられてきた金利。
2023年7月以降は高止まりしているのが分かります。
「お?利上げはもう終わりか?」という雰囲気、出てますよね。
さて、今後の金利はどうなっていくのか?
FOMC参加者の、今後数年の金利見通しは、こんな感じになっています。
(出典:Bloomberg「FOMC、3会合連続で金利据え置き-24年に複数回利下げを予想」)
FOMC参加者の予測の中央値(緑の線)は、
- 2024年:4.5%付近
- 2025年:3.5%付近
- 2026年:3%付近
明らかに右肩下がりですね。
パウエル議長も、会合後の記者会見で
- 利下げは視野に入り始めている
- 今回のFOMC会合でも利下げのタイミングを協議した
といった発言をしています。
これを受けて、投資家は
と反応。
- 長期金利は低下↓
- ドル安
- 株価上昇↑
という流れになりました。
市場はすっかり
- 利上げは、もう終わった!
- これからは、「いつ、どれくらい利下げをするか?」に注目しようぜ!
という雰囲気です。
このまま市場の思惑通り、
- 来年の経済は、ソフトランディング!
- 利下げ→株高→ワッショイ!
となるのか?
浮かれすぎずに見守りたいところです。
※ちなみに、今年は年初時点では「株安」になると予想していた専門家が多かったそうです。
蓋を開けてみれば、米国株は前述の通り絶好調でしたからね。
「予想」、本当~~~~にアテになりません(笑)
来年は、新NISAもスタートします。
浮かれた相場のなかで始まりそうですが、こういう時こそ要注意。
まとめ:投資のポジションについて
以上をまとめると、この通り。
- 2023年、日本株(TOPIX)は年初来+約27%と株高の年
背景は、金融緩和継続、日本株に対する期待値変化、欧米諸国のインフレ鎮静化など - 日本経済復活は、賃上げにかかっている
- 日銀総裁発言で、チャレンジング・ショック=急激な円高が発生も、政策変更=マイナス金利解除はナシ
- インフレ鎮静化・経済のソフトランディング期待から、世界的に株価上昇
- 米国株主要指数は、S&P500+約25%、ダウ+約14%(過去最高値更新)、ナスダック+約45%)と大健闘
- 世界的なインフレ・紛争などを背景に、ゴールドは上昇基調・ビットコインは暴騰
- 10月下旬以降、米国の金利は低下・債券価格は上昇
- 米国高配当株はおとなしい成績。円安は気になるものの、投資妙味を感じられるレベルか
という感じです。
個人的には、
- インデックス運用(iDeCoやNISAなど)は、淡々と継続
- アクティブ運用(高配当株投資)は、引き続き資金保持。よりお買い得な利回りになるタイミングを待つ。
というスタンスです。
日本の高配当株については
- 約510社とそれなりに数があるものの
- 株価の上昇に伴って、着実に減ってきている(ピーク時から約200社減)
という状況。
「お、これいいじゃん!」というものは明らかに減っていますね。
「買えるものがない!」という状況でもないですが、うま味は減少中。
ちなみに、米国の「恐怖・強欲指数」は現在こんな感じ。
(出典:Fear & Greed Index)
- 相場がイケイケの時は「Greed(強欲)」を示し
- 相場が弱気の時は「Fear(恐怖)」を示す
そんな指数です。
最近までの「恐怖感」はどこへやら。
今は、「Extreme Greed(超強欲)」を示していますね。
もう!みんな欲張りなんだから!
さて、今後はどうなっていくでしょうか?
引き続き、定点観測していきましょう。
それではまたっ!
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