こんにちは、シーウィード@こびとが見える経理マンです。
3%の配当金を取りに行くために、6~7%のインデックス投資を放棄しているこびと株。その経済合理性はどこにあるのか!続きはwebで!(続きません)。
— こびと株.com (@kobito_kabu) June 24, 2017
webで続いてしまいました。すみません。
現代ポートフォリオ理論が示している投資の最適解は、時価加重型のインデックスファンドです。
理論的にも、現実的にも、今のところ時価加重型のインデックスファンドよりも合理的な金融商品は見当たりません。
投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏も一般投資家に対してインデックスファンドへの投資を推奨しています(2017/2/27付けロイター通信:バフェット氏の株主宛て書簡、インデックスファンド投資を改めて推奨)
経験的に、インデックスファンドでは年利6~7%もの利回りが見込めるとされています。投資対象は高度に分散されていて、リスク・リターンのバランスは非常に優れています。
一方で、私達が行っている配当金投資は税引後配当利回り3%を想定しています。時価加重型のインデックスファンドと比較して、分散具合では圧倒的に劣ります。つまり、リスクを抑えきれていません。
- リターン: 6~7%(インデックス) > 税引後3% ※配当のみ(配当金投資)
- リスク : 高度に分散(インデックス) > 分散が甘い(配当金投資)
このような状況で、なぜこびと株.comは配当金投資を選択しているのか?その理由について説明したいと思います。
なお、文中においてインデックスファンドの合理性を否定する趣旨は一切ございません。先にご承知置き下さい。
目次
インデックス投資は、長期における資産拡大を主目的にした投資
投資には、資産拡大を重視する投資と、キャッシュフロー拡大を重視する投資があります。
資産拡大を重視する投資の場合、意識されるのはまさに「資産総額」そのものです。
例えば、米国のアルファベット(グーグル)やアマゾンなんかは配当金を出しません。配当金は出しませんが、株価は右肩上がりなので、もし同社の株式を保有していれば資産総額も右肩上がりです。
一方で、キャッシュフロー拡大を重視する投資の場合、意識されるのは資産総額ではなく「キャッシュフローの水準」です。
例えば、IBMの株価はここ最近下落傾向ですが、配当金はどうかというと現在22年連続増配中です。同社の株式を保有していれば、資産総額は下落しているもののキャッシュフローは拡大していることになります。
さて、インデックス投資が「資産拡大」と「キャッシュフロー拡大」、どちらに向いている投資かというと「資産拡大」です。
インデックス投資の利回りが6~7%というのは、長期にわたり積立を行った場合に得られる統計的な解答です。
すなわち、毎年安定して6~7%の成長が得られるわけではなく、パフォーマンスが良い年と悪い年を繰り返しながら、ジグザグに右肩上がりしていくということです。
短期・中期的な変動に囚われない投資であるならば、インデックス投資が目指しているのは、遠い将来のある時点(期間)を見据えた場合の、資産の最も合理的な拡大と言えます。
短期的な資産の拡大やキャッシュフローの獲得は主目的とせずに、長い時間をかけて資産を効率的に拡大していきます。
インデックス投資では、日々の生活は良くならない!?
ここで困ってしまうのが、長期におけるインデックス積立では「日々の生活は良くならない」ということです。
もう少し丁寧な言い方をすると、「日々の生活が良くなっている実感を得られにくい」ということです。
長期的には資産総額そのものは拡大しているはずですから、客観的には財務状況は良くなっているわけです。これは、どう考えても喜ばしい状況です。
しかし、長期積立・複利運用を前提とする限り「日常で使えるお金は全く増えていかない」のです。
例えば、インデックスファンドに年間100万円の積立を30年行う場合、キャッシュフローは29年間毎年マイナス100万円の赤字です。なぜなら、含み損益はキャッシュフローに影響を与えないからです。
最終年にファンドを解約し、全額キャッシュに変えた時に初めて莫大な黒字キャッシュフローが計上されることになります(運悪く暴落が起きていなければですが。)。
※もちろん、時間をかけて取り崩す場合でも、取り崩し開始以後のキャッシュフローは大きくプラスになります。
サラリーマン生活は、忍耐と誤魔化し(妥協)の連続です。一般的には、22歳で入社した場合60歳まで38年もの長期に渡り忍耐強く勤めることになります。
インデックス投資というのは、この期間さらに「忍耐の上乗せ」をする投資方法です。そうすることによって、もっとも合理的に資産を拡大することが出来るというわけです。
インデックスで6~7%の利益が得られるなら、そのうち3%を取り崩しながら疑似的に配当金扱いすれば良い、という考え方もあると思います。
しかし、先ほど指摘した通り、
- インデックス投資で得られる利回りは長期にわたってならした数字である
- 積立・複利を利用した合理的な資産拡大を目的としているにもかかわらず、資産を取り崩す行為は投資目的に逆行していてインデックス積立投資の有効性を弱めることになりかねない
売りは買いよりも難しいという言葉がある通り、取り崩すタイミングをいちいち図らなければならないというのも見過ごせないストレスです。
心理的にストレスになるだけではなく、失敗すれば即パフォーマンスの低下に繋がります。
長期積立と取り崩しを併用しながら資産総額とキャッシュフローをコントロールするというのは、心理的にも技術的に簡単なことだとは思えません。
インデックス投資の出口問題
キャッシュフローが改善しないため「日々の生活が良くなっている実感を得られにくい」という問題の他に、もう1つ悩ましい問題があります。出口問題です。
長期に渡る「忍耐の上乗せ」の対価として(サラリーマンの場合は、ですが)、十数年・数十年後に想定通りの資産拡大を実現出来ていたとします。ここまでは予定通りです。
ところが、それを取り崩す段になって、3つの問題に直面します。
- 取り崩している最中に暴落が起きたらどうなるのか?
- 長期に渡り積立を行ってきた「堅実で真面目な投資家」が、ストレスを感じずに資産を取り崩すことが出来るのか?(資産減少に対する心理的ハードル)
- 取り崩しペースのコントロール(長生きリスク)
インデックス投資は、市場のセンチメントの影響をモロに受ける投資なので、取り崩している最中に大暴落が起きるととんでもない割合の損失を被ります。
取り崩しを頼りに生活している場合、暴落の恐怖に怯えながら生活することになります(この点、それほど暴落に怯える必要はないという見解もあります)。
また、長期に渡り形成してきたものを、ノーストレスで使用できるというのも非現実的な想定です。質素に暮らしている倹約家ならなおさらです。
こういう心理があることを見過ごしてはいけないと思います。幸福感や満足感を無視した投資は、現実的ではありません。
そして、長期にかけて資産形成してきて最後に直面するのが、長生きリスクです。嫌な言葉ですよね、長生きリスク。
一生懸命積立をしてきて、最後は「自分がいつ死ぬか分からない」から「どのくらいお金を使って良いのか分からない」と頭を悩ませることになるわけです。
最期の最期まで、シミュレーション、シミュレーション、シミュレーションです。
健康をキープしながら資産が減っていく様子を見るのは不安が募るでしょうし(長生きしすぎたらどうしよう)、もし不健康になってしまえばそのような状況で持っている多額の資産は実質的な価値は目減りしているとさえ言えます。どちらに転んでも、安心はないのです。
ここで指摘した3つの事項は、私にとっては「想像の世界」の出来事です。
そして、自分の性格を考えた時に、長期に渡って将来に備えた結果、そこからさらに将来の不安と戦わなくてはならないというのは耐えられないと思ったわけです。
ここまでのまとめ
インデックス投資は、長期における資産拡大を目指した場合の合理的な投資であり
- 資産形成中は、キャッシュフローが改善しないため、投資によって生活が良くなっていることを実感しづらく
- 資産形成後は、①暴落リスク、②取り崩しに対する心理的ハードル、③長生きリスクが悩みのタネになり得ます
このように考えた時に、自分に適していると思ったのが「配当金投資」だったわけです。私が求めているのは、効率的な資産拡大ではなく、キャッシュフローの拡大なのです。
現代ポートフォリオ理論からは必ずしも理論的・合理的とは言えない配当金投資のメリット
配当金投資は、インデックス投資に比較して「合理的な資産拡大」には不向きです。合理的でないばかりか、資産拡大のスピードも圧倒的に遅いです。
私達のように売却を前提としない場合、資産拡大のスピードはサラリーにのみ依存すると言っても過言ではありません。
しかし、配当金投資は「キャッシュフローの拡大」においては堅実な力を発揮します。そして、
- 資産形成中は、毎年キャッシュフローが改善されるため、投資によって生活が良くなっていることを実感しやすく
- 資産形成後は、①暴落リスクを過度に恐れる必要はなく(配当金の減配リスクが悩みのタネになります)、②元本部分の取り崩しは一切想定する必要がなく、③長生きリスクも問題になりません
配当という安定したキャッシュフローがありますから、非常時(経済環境の悪化に伴う業績の悪化→減配)には生活水準を落とし、買い増しを行うことで配当金水準の下落をマイルドにすることも可能です。
配当金のおかげで元本部分の取り崩しは一切想定する必要がなく、長生きリスクは基本的に問題になりません。
資産形成中も、資産形成後も、気にすべきは常に「企業の業績と配当水準」ただそれだけです。
資産形成の前後でやることが変わらないので、人生全体で見ると経験値を貯めながら投資・生活スタイルを一貫させることが可能です。
超長期に渡り企業業績が継続し、配当金水準が大きく変わらないという「都合の良い想定」に基づいてるところが問題ですね。
結局のところ、長期に渡り市場にとどまるためには、資産形成後とはいえ銘柄の選定能力・ポートフォリオの組み替え能力を問われ続けるということでしょう(一般に判断能力の鈍る高齢期には、これはこれで大きなストレスになるかもしれません。)。
ところで、忘れてはいけないメリットが株式が持つインフレヘッジのパワーです。
いくら資産拡大を目的としてないとはいえ、株式を保有している限りにおいて「アップサイドポテンシャル」を放棄しているわけではありません。
インフレによって企業が持つ資産価値が上昇したり、売上高が上昇すれば、企業価値の上昇にあわせて資産額も拡大します。
また、インフレに限らず、企業価値が上がればその恩恵はしっかりと受けることができるのです。
ロナルド・リード氏(ガソリンスタンド店員がコツコツと築き上げた9.6億円の資産)のような事例もありますし、株式の長期保有にはロマンもありますね。
4つの財布で、収益を分散しよう!
いつもの結論です。
インデックス積立では、収入の分散を実現することはできません。
収入を分散するためには配当金投資は適切ですが、配当金投資は理論上は必ずしも合理的とは言えないし、スピーディな資産拡大にも不向きです。
キャッシュフローの成長速度を速めるためには、投資額を増やすしかありません。
投資額を増やしたければ、配当以外の収入を増やす必要があります。それは、給与だったり、事業収入だったり、不動産収入だったり、人それぞれですね。
当ブログでは、40歳までに給与以外で月額20万円のキャッシュフローを獲得することを目的にして投資活動を行っています。
安定したインカムゲインが得られる体制を構築すれば(そして、それが毎年少しずつ成長できるような仕組みを作れば)、かなりゆとりある生活を送れるようになるはずです。
この状況を目指して、是非とも頑張り続けたいところです!
なお、時価加重型のインデックスではなく、配当指数などに連動しているインデックス(いわゆるスマートベータ)ETFを積み立てることによって、高水準の分配金を得ながらインデックス投資も実践している体にしようと思っております。VYM!HDV!
米国ETFは可愛いです。
それではまたっ!
補足:日本株の高配当株投資に最適な証券口座
配当金を積み上げて、月3万でもいいから配当金を受け取れるようになって家計をラクにしたい!というのであれば、SBI証券を活用した「少額からの分散投資」がおすすめです。
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※投資にはリスクがあることを正しく認識し、ご自身の判断と責任により行って下さい。
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