こんな人のための記事です。
日系企業において、年上部下との付き合いは、かなりの高難易度。
めちゃめちゃにコミュ力の高い人でもない限り、ほぼ確実に苦労すると思われます。
もちろんリーダーである以上、チーム内の人間関係に気を配るのは当然でしょう。部下との関係構築に努力する必要もあると思います。
でも、日系企業での年下リーダー&年上部下の関係には、良好な関係構築をはばむ文化が存在するのです!
- 古き良き日系大企業で
- 25歳の女が
- 10歳以上年上の男性4人を部下として
プロジェクトを遂行せねばならない。…この地獄が想像できますでしょうか?(笑)
もちろん、担当したのは単なるプロジェクトのリーダー。職位も、人事権も、評価権限も、リーダー給も与えられません。
この記事では、当時の体験をもとに、日系企業での年上部下が厄介な3つの理由を解説していきます!
目次
理由①大事なのは、スキルより年齢
「何ができるか」はどうでもいい
日系企業での年上部下が厄介な理由の1つめは、会社全体にまん延する「大事なのはスキルより年齢」という文化です。
年上部下本人だけではなく、部内・社内の他のメンバーも
- 何ができるか?
- どんなスキルを持っているか?
- どう貢献しているか?
といった点に注目しようとしません。
こういう組織で年下リーダー・年上部下という関係が発生することはマレなのですが、例外的に
- 役職定年
- 再雇用
- 部長の気まぐれ
といったタイミングでだけ、年上部下が出現します。
エピソード:デキない人に雑務をふったら、周りから叩かれた話
ちなみに私が年上部下を持った時にも
とビックリした瞬間がありました。
チーム内に、スキルの低いおじさんがいたんですよね。
- プロジェクト内容への知識は無い
- スケジュールは守れない
- 成果物はミスまみれ
- コミュニケーションの基本は逆ギレ
チームに貢献してもらうことが難しかったので、まずはということで事務作業をお願いしたんです。
書類の整理とか。スケジュール表の作成とか。
過去の資料を見ているうちに分かることもありますし、自分でスケジュール表を作ればスケジュールを守るべき理由も分かると思いましたので。
そしたらもう、非難ごうごう。
別なおじさんから説教される、チーム外のおばさんから後ろ指をさされる、隣の部署から聞えよがしに批判される…。
もちろんリーダーである私にも問題(伝え方が悪い、信頼される行動ができていない等)があったのだと思いますが、それにしても…
理由②年齢の差は、身分の差
「役割に応じて働く」という発想はない
日系企業で年上部下が厄介な理由の2つめは、年齢差が、いわば身分差として機能しているから。
リーダーが指示を出す、メンバーは指示に従う、といった組織上の「役割」よりも
- 年上への依頼は、平身低頭して頼みこむべき
- 年上は年下に、常にご指導モードで接してOK
- 年上はエライから文句言ってもいい
- 年下が意思決定なんて生意気
みたいな「雰囲気」が優先します。
エピソード:ミスを指摘したら、怒鳴られた話
私がプロジェクトのリーダーであったときの話。
私はメンバーが作成した資料を確認する立場でしたので、
とお願いしたら、
と怒鳴られて、目が点になったことがありました。
- 年下にミスを指摘されるなんて、プライドが傷つく
- オレのプライドを傷つけるなんて許せない
- コイツが悪い
みたいな感じですね。
理由③コミュニケーション不全は、常に年下の責任
コミュニケーションは間に生まれるモノなのに…
コミュニケーションというのは、人と人の間に生まれるものです。
だからコミュニケーションがうまくいかないとき、その責任は、大抵、両方にあります。(もちろんその比率は、5:5だったり9:1だったりするかもしれませんが…)
例えば間違った指示が伝わってしまったら
- 話し手:もっと分かりやすく伝えるべきだった
- 聞き手:もっと集中して聞くべきだった
みたいに、それぞれが反省することによって、同じミスの繰り返しが防げるわけです。
ところが、常に年下側にだけ、コミュニケーション円滑化の責任を負わせようとする会社があります。
- 年下が話し手の場合→話し方が分かりにくいのが悪い
- 年下が聞き手の場合→ちゃんと聞いてないのが悪い
という具合に、とにかく「年下が間違っている」と考え、年上は自分のコミュニケーションを見直そうとしません。
ミスコミュニケーションが生じたシーンで先輩にコミュ力(伝え方・受け取り方)について指導されたことがある人、少なくないんじゃないでしょーか?
もちろん指導が悪いわけではありませんが、「コミュニケーションがうまくいかない責任は両方にある」という感覚が無いなら、それは全く説得力のない指導になってしまっていますよね。
エピソード:「可愛げがない」といって、吊るしあげられた話
年上部下たちの激しいマウンティングを適当に受け流し、一生懸命仕事だけに集中していたところ
- 気づかいが足りない
- 可愛げがない
- もう少し人付き合いを勉強した方がいい
- コミュニケーション能力が足りない
と、吊るしあげを食らいました。
1時間ばかり会議室に缶詰めで、10歳以上年上の男性社員4名から、次々と「ご指導」頂く状況。
果てはプライベートについてまで口を出しはじめ
- 話題に参加するためにテレビくらい見るべき
- 友達いないでしょう?
等ネチネチと…
生意気に見られる私の態度にも問題はあったと思いますが、彼らのコミュニケーション能力が高いとはいまだに思えない私ですw
まとめ:古きよき日本の会社で年上部下をもつと苦労する
古き良き日本の会社で年上部下を持つのなら、かなりの覚悟が必要です。
それはもう、その「年上部下」がどういう人か、という話ではありません。
会社組織そのものがどういう文化か、という話なんです。
- 大事なのは、スキルより年齢
- 年齢の差は、身分の差
- コミュニケーション不全は、常に年下の責任
こういった、昔ながらの年功序列の雰囲気を持つ会社なら、
ちなみにこの年上部下4名とのプロジェクト、キツかった話ばかりしましたが、プロジェクト自体はきちんと成功に終わっています。
人間関係も、なんというかつじつまは合わせて、プロジェクト終了後も元年上部下と
- 1年ペアで働く機会があったり
- 時々ランチや飲みに出かけたり
- 休日にバーベキューに行ったり
- 元年上部下の部下になったり
しつつ、「あの時は色々ありましたけど、雨降って地固まりましたよね!」みたいなトーンを作ることができました。
私は、こういうタイプなので、仕方ありません。(笑)
環境が整わない場所でのリーダーは、無駄に苦労が多い…という単純な話ではありますが、
それではまたっ!
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