毎月更新の定例記事です。
2017年6月30日時点の配当利回りランキング、是非ご覧くださいませ。
抽出時期 :各月末
対象市場 :東証一部、東証二部、東証JASDAQ
配当利回り:税引き前3.75%以上(税引き後3%)※復興特別所得税は無視
目次
サマリー
2017年6月30日時点
全体指標
- 日経平均:20,033.43
- 日経平均高配当株50指数:36,163.85
- 日経高配当株50配当利回り:3.39%(前月比+0.06%)
- TOPIX :1,611.90
- 円/ドル:1$=112.38円
配当利回りが3.75%(税引き後3%)以上の企業数
- 一部上場 :28社(前月比-10社)
- 二部上場 : 8社(前月比± 0社)
- JASDAQ上場:25社(前月比- 6社)
配当利回りランキング(東証一部上場)
- ※エクセルオンラインのデータが表示されます
- 証券コードをクリックすると、Yahooファイナンスのページに飛びます
※1 「-」は、前月ランク外であった銘柄
※2 2017年1月以降で、月末の配当利回りが3.75%を超えていた月の数
先月(2017年5月末)時点と比較すると、配当利回り3.75%を超える銘柄は-10社となっています。検討対象の企業がついに30社を割り、たったの28社になってしまいました。配当利回りの観点からは、明らかに株価が高いです。当ブログの立場としては、引き続き買いを控えます。
前月からの順位変動が「-」だった銘柄、つまり前月末は配当利回りが3.75%未満だったものの今月末になって3.75%を超えてきた銘柄は4銘柄あります。なお、ドコモを除いては過去このランキングには何度か登場しており、初登場の銘柄というわけではありません。
また、不動産及び金融関係の銘柄は引き続きコメントの対象から外したいと思います。
いくつか理由がありますが、主な理由を列挙しておきます。
- 一般に景気敏感株と言われており、業績が不安定な傾向にあること(超長期保有に向かない)
- 業績が不安定なことに関連して、配当水準も不安定なこと
- 金融関係の財務諸表分析に不慣れで内容を十分に理解できないこと
- 不動産業界は、歴史的な低金利を背景に業績が好調なこと(現在は割高という判断)
特に、金融に関しては③の理由が大きいです。金融企業の財務諸表は複雑です。もっと勉強しないといけないですね。
では、当月新たにランクインしてきた銘柄に対するコメントです。
19位の[8904]インテリックスは、中古マンション再生販売の企業です。不動産関連企業なのでノーコメントとしたいところですが、あえてコメントすると「2014年に約260億円だった売上が、2017年には1.7倍の450億円になっていて怖い」ですね。
営業利益率は3.7%程度。自己資本比率は25%弱。金利が上がって不動産業界が冷え込んだ時に業績を維持できるのでしょうか。相場の経験を積むために、とりあえず観察は続けたいと思います。
23位の[5015]ビーピー・カストロールは高配当で有名な石油関連企業ですね。ランキングの通算登場回数も多いです。注目すべきは配当性向100.1%でPBR4倍!営業利益率20%超で自己資本比率も高く無借金経営。非常に魅力的な財務体質なのですが、いかんせん配当性向とPBRが高すぎです。
あと、長期的に売上高が減少傾向なのも気になるところです。石油資源の実質一本足打法が吉と出るか凶と出るか。あまりにも今後が読めないので、いまいち手が出しづらいところですね。当ブログとしてはしばらく手を出すことはないと思います。
資源系は景気に敏感でボラティリティが高いです。金融や不動産と同じように投資対象から外してもよいのですが、分散投資の観点から18位の[8001]伊藤忠商事のような総合商社を検討しても良いと思います。
日本の総合商社は世界的に見ても独特な業態で、金になりそうなところには無節操に首を突っ込みます。伊藤忠に関して言えばソーシャルレンディングのクラウドクレジットに出資していたり、リートのスポンサーになっていたりしますね。金融・不動産・資源なんでもござれです。
そのうち記事にしたいと思いますが、総合商社(特に上位5社)は高配当株ポートフォリオに組み込む価値があるというのが当ブログの見解です。
26位の[9437]NTTドコモは当ブログでは正真正銘初のランクインです。営業利益率20%超、図体の大きいインフラ系企業にもかかわらず自己資本比率74.2%。キャッシュフローの動きも綺麗で、ビジネスモデルはストックビジネス。参入障壁が高く、景気変動にも強く安定性が抜群です。ただし成長性に難があります。
配当狙いの銘柄としては非常に魅力的で、セクター分散の観点からもぜひポートフォリオに加えたいと思っています。この子はこびと株認定です。配当利回りが3.75%を越えたこのラインで1単位買おうか悩んでいます。
気をつけたいのは「過去の株価推移を見る限り」配当利回り3.75%の水準はいまだ高値掴みということなんですよね。PBRも1.78倍程度であり、決して割安といえる水準にはありません。1.5倍程度になるまでは様子見するかもしれません。とにかく、もし今の水準で買うとしてもナンピン前提の打診買いになるでしょう。
※この記事の作成後、こびと株メンバーで議論した結果、ドコモ株は様子見することになりました。やはりこの成長性でこのPBRは高すぎです。
最後に、3位の[7615]京都きもの友禅に関しては減配タイミングを観察しています。株主還元志向の強い財務優良企業が、苦しい事業環境の中でどこまで耐えられるのか、非常に重要なモデルケースになると思っています。要チェックです。
配当利回りランキング(東証二部上場)
- ※エクセルオンラインのデータが表示されます
- 証券コードをクリックすると、Yahooファイナンスのページに飛びます
※1 「-」は、前月ランク外であった銘柄
※2 2017年1月以降で、月末の配当利回りが3.75%を超えていた月の数
1位の[3528]プロスペクトは不動産銘柄です。定量的な情報にサっと目を通した限り、決して長期高配当狙いに向く銘柄ではありません。
8位の[3021]パシフィックネットは中古PC販売の小売業ですね。ランキングに登場するのはこれで2回目です。営業利益率は2.5%程度、増収減益を続けており、まさに小売業の典型といった厳しい事業状況ですね。増配基調のようですが、当ブログの投資対象にはなりません。
配当利回りランキング(東証JASDAQ上場)
- ※エクセルオンラインのデータが表示されます
- 証券コードをクリックすると、Yahooファイナンスのページに飛びます
※1 「-」は、前月ランク外であった銘柄
※2 2017年1月以降で、月末の配当利回りが3.75%を超えていた月の数
JASDAQの銘柄は、基本参考扱いです。
ランキングの通算登場回数を見る限り、今のところどの銘柄も安定して3.75%以上の配当利回りをキープし続けているようです。ただ、この銘柄達のなかで当ブログの投資対象になるものはありません。20位の[5990]スーパーツールは継続して監視中です。
地味な銘柄ながら、意外に業績変動のボラティリティが高いのが気になっています。PBRを見る限りはかなり割安なので、将来における長期成長が見込めるような展開を確認できれば保有を決断するかもしれません。可能性は低めです。
まとめ
長期安定・高配当狙いの投資環境としては、引き続き厳しい投資環境です。今の水準は、将来の長期含み損候補になりうる価格水準だと思います(まぁ、保有期間が長ければ長いほど配当金による回収は進みますし、買値を上回る可能性も高くなるので、時間が解決してくれるとも考えられるのですが)。
こびと株.comメンバーは腰を据えて投資に取り組んでいるので含み損は全く気にしないのですが、それでも含み損自体は一般に気分が良いものではないですし、含み益状態をキープできるのであればそれに越したことはありません。
安定的・成長的なインカムゲイン拡大一点に目標を絞り、ブレない投資を心がけていきたいと思います。
ちなみに、株式投資を始めて一度も株を売ったことがない記録は未だ継続中です。10年、20年、世代を超えてアホールドします。
それではまたっ!
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