ニホンフラッシュ 2019年3月期第3四半期決算(2019年1月31日公表)
ニホンフラッシュ株式会社のこびと「ニフラ」から、2018年4月1日~2018年12月31日の業務報告が届いております。
経営成績の報告
当第3四半期 前第3四半期
売 上 高 170.3億円 149.1億円
営業利益率 13.7% 16.1%
1株純利益 129.00円 142.22円
配当 25円(中間)+25円(期末予想)
増収減益で、営業利益率が著しく低下しています。前期比△2.4%。
営業利益低迷の原因は、
- 中国3工場の環境対策投資
- 吉屋(青島)家居有限公司の創業経費
- 設備・人員強化の先行投資
だとか。一時的な要因ではなさそうなのが気になります。
固定費が増加すれば、営業利益率は上がりません。今後はこのくらいの利益率が続くものと覚悟した方がよさそうです。
通期業績予想の見直しはありませんでした。
進捗率は
- 売上 :68%
- 営業利益:62%
- 経常利益:62%
- 当期利益:62%
と、遅れ気味。
ちなみに昨年は、3Q末時点で全ての項目70%以上という進捗でした。そして、それでも期末着地は目標未達(当期利益を除く)。
これらを考えると、当期も目標達成は難しそうです。
財政状態の報告
当四半期末 前期末
総 資 産 254.3億円 242.8億円
1株純資産 1,464.45円 1,448.51円
自己資本比率 72.2% 74.7%
A(※)/総資産 22.6% 29.4%
※A=現金預金+有価証券+投資有価証券
全体としては、相変わらずの安定感です。
しかしながら、ひとつ気になることが…。キャッシュの減少です。
二フラくんの場合、CF計算書が載っているのは、2Q四半期報告書と4Q有価証券報告書だけ。3ヶ月前の情報ではありますが、2QのCF計算書をチェックしてみました。
- 営業CF:△449百万円
- 投資CF:△103百万円
- 財務CF:△ 51百万円
キャッシュ・フローが真っ赤です。
特に、営業CFの赤字はいただけません。
二フラくんの営業CFは、2014/3期以降一貫して十数億円の黒字で推移していました。(中国への投資成功が要因)
それが、当2Qは4.5億円の赤字。主な要因は、売上債権の激増。その額、約12億円。
二フラくんはもともと、有価証券報告書に「事業等のリスク」で、中国建築業界特有の商慣習に基づく売掛債権回収のリスクについて述べています。
売上が伸びる時期、売上債権が多少増えるのは自然なことです。しかしこの増え方は少々気がかり。
3Q末のBSをみても、売上債権はさらに増加している模様です。
投資CF・財務CFに目をむけると、
- 固定資産取得は前年並み
- 昨年の増配で、配当金支払額は増加
キャッシュを手にするため、有価証券の売却と短期の借り入れを行っています。
営業利益率がどうとかなんとかより、キャッシュフローの状況を注視していく必要がありそうです。
配当金について
配当予想に変更はありません。当期も前期に引き続き、計50円の配当を運んできてくれる予定。
今後の配当の行方を占うには、業績云々よりも、キャッシュの調達が気になるところ。配当しようにもキャッシュがなければなんともなりませんからね。
全ては売上債権の回収次第と言っても過言ではないでしょう!
この子もIRの情報が不足気味で、状況がいまひとつわからないのですが…ともかく期末の現金残高・CF計算書には大注目です。
CFの悪化が一時的な問題でありますように。
それではまたっ!
(参考:ニホンフラッシュ株式会社 四半期決算短信等)
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