高配当株を探そう!配当利回りランキング【2018年10月31日時点】

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毎月更新の定例記事です。

今月はずいぶんと大きく動きましたね~。結局、この調整相場に乗じてジャスダックの[4327]日本エイチ・エス・エルを購入しております。詳細は下記にて。

 

配当利回りランキングの作成方法

抽出時期 :各月末

対象市場 :東証一部、東証二部、東証JASDAQ

配当利回り:税引き前3.75%以上(税引き後3%)※復興特別所得税は無視

 

サマリー

2018年10月31日時点

全体指標

  • 日経平均:21,893.09
  • 日経平均高配当株50指数:37,127.38
  • 日経高配当株50配当利回り:3.91%(前月比+0.25%)
  • TOPIX :1,646.12
  • 円/ドル:1$=112.93円

 

配当利回りが3.75%(税引き後3%)以上の企業数

  • 一部上場   :119社(前月比+61社!
  • 二部上場   :  17社(前月比+ 4社)
  • JASDAQ上場 :  34社(前月比+10社)

 

高配当株が激増した理由

簡単に市況を確認しておきます。暴落が起きた理由は…

投資家が米中貿易摩擦等を懸念して、リスクオフの姿勢を強めたからだそうです。

東京株式市場は10月2日の日経平均株価がバブル経済崩壊後の最高値を更新。

だが、その後に急落して、10月の下落幅は前月末比2199円に達した。リーマン・ショック直後の2008年10月(2682円)以来の値下がりとなった。

(出典:10月の株価急落、危機の予兆か 世界金融不況から10年、「リーマン級」で懸念の声

暴落と言って良い水準ですね。

株式市場の投資家は、貿易戦争米国の長期金利の上昇による景気後退を意識し始めたようだ。

10月に入ってからの世界同時株安は、企業業績の拡大を背景とした業績相場の終わりの始まりを示唆している可能性が高い。

(出典:日本経済新聞「株、急落で一時2万2000円割れ 世界の業績相場、終わりの始まりか」)

阿鼻叫喚の雰囲気でしたが、高配当株を拾うときはまさにこういう時です。個別株の業績(ファンダメンタルズ)にかかわらず、どんな銘柄も一気に売り込まれるからです。

優良銘柄を安く買うチャンスですね(もちろん、落ちるナイフを掴んで大けがするリスクもありますので慎重に)。

 

配当利回りランキング(東証一部上場)

  • ※エクセルオンラインのデータが表示されます
  • 証券コードをクリックすると、Yahooファイナンスのページに飛びます

※1 「-」は、前月ランク外であった銘柄
※2 2017年1月以降で、月末の配当利回りが3.75%を超えていた月の数

税引き後配当利回りが3%を超える高配当株は、まさかの119社前月比+61社)となりました。

2017年1月末から高配当株ランキングを作成していますが、これだけ高配当株が増えたのは初めてのことです。せっかくの良い機会なので、

  1. 高配当株投資の基本
  2. ランキングに入ってきた銘柄のレビュー
  3. 投資対象になりうるもの

この3つを順番に見ていきましょう。

 

①高配当株投資の基本

投資対象銘柄が一気に増えたので、ここであらためて高配当株投資の基本を見てみましょう。

  • 景気に左右されにくい業種を選ぶ(金融、不動産、建設、自動車などを避ける)
  • 最低でも過去10年にわたって業績推移を見る(特に、リーマンショックなどの不景気時の業績は重要)
  • 少なくとも今後5~10年ぐらいの業界構造を見通せるものを選ぶ
  • こびと株の10条件にあるような指標を重視する(PBR、配当継続力、EPS、営業利益率、自己資本比率、流動比率、総資産に占める現金保有比率など)

配当性向は一般論としての正解値がないので、判断が難しいところです。とりあえず、80%未満が続いていれば問題ないでしょう。

端的に言って、

  1. 安定的にキャッシュを稼いでくれて
  2. 株主還元を重視している企業

に投資すればOKです。どれだけ(瞬間的な)配当利回りが高くても、この条件を満たさないものは配当金を継続して得続けるという投資としての検討余地はありません。キャピタルゲインを狙うべきです。

考えるべきは、徹底的に「配当金だけでペイできるかどうか」という視点です。

※実際にそうするかどうかは問題ではなく、最強の指標である「株価」に惑わされず「業績」だけを見るためにはそれぐらいの覚悟が必要だということです

ちなみに、私はこういう投資状況です。

まぁ、ここ数年は景気が良い(良かった)ので、全然ドヤれる話ではないんですけどね。

ちょうど、ひとり配当金生活のさいもんさんが初心者向けの高配当株投資の記事を書いているので、ぜひご覧になってくださいまし。私のようなぺーぺー投資家と違って、相場経験が豊富な投資家さんです。

 

②ランキングに入ってきた銘柄のレビュー

普段は新入り銘柄をすべて個別にレビューしていたのですが、さすがに書ききれないので(見てはいます)、全体をざっと見ておきたいと思います。

※「投資対象として検討の余地がある」という銘柄は、後述します

現状のポイント
  1. 上位陣には避けた方が無難な銘柄ばかりが並んでいる
  2. 配当性向に余裕のある企業が比較的多い
  3. 連続増配株は一切顔を出していない

①上位陣にいる銘柄は、避けた方が無難な銘柄ばかり

  1. 松井証券(金融)
  2. アルパイン(自動車関連/低収益率/リーマン時赤字転落)
  3. 日産自動車(自動車)
  4. KYB(不正)
  5. 東京エレクトロン(半導体)
  6. イーグランド(不動産)
  7. 京都きもの友禅(業績崩壊中)
  8. ディアライフ(不動産)

10年遡れば、安定配当など期待できないことがすぐに分かります。配当利回り5%を超える水準で、検討余地があるのは[2914]JTだけでしょう。

 

②配当性向に余裕がある企業が多い

ランキングを1位から119位までザっと見てもらえれば分かると思いますが、配当性向100%を超えるような企業は8社のみです。

全体としては、30~40%程度と落ち着いた水準が多く、横並びが大好きで株主還元をそこまで重視していない日本企業の文化が見て取れます。

こういう状況を踏まえると、

  1. 株主を軽視している企業に投資してはいけない
  2. 業績堅調で株主還元を強化しようとしている企業を見逃してはいけない(配当余力があるだけに伸びしろは大きい)

という結論が導き出されます。

③連続増配株は一切顔を出していない

これだけの銘柄があるにもかかわらず、連続増配株は一切顔を出していません。15年以上の増配を続けている企業が1社もないのです。

2017年のデータですが、米国株との比較はこんな感じ。

連続増配年数が25年を超える企業

  • 米国株は110社以上、日本株は1社のみ(花王)

連続増配株の配当利回り

  • 米国株(上位110社)は2.34%、日本株(上位15社)は1.91%

連続増配株の配当性向

  • 米国株(上位110社)は51.45%、日本株(上位15社)は32.3%

連続増配株のROE

  • 米国株(上位110社)は17.02%、日本株(上位15社)は12.2%

米国株に投資する場合は、連続増配・高配当利回り・財務優良の3拍子揃った企業をカンタンにスクリーニングすることができますが、日本株はそうはいきません。

連続増配という文化がない以上、減配してない企業という基準で探す必要があります。うーん、実にメンドクサイですね…

 

結局、全体感としては、

慎重に目を凝らせば、いい銘柄があるかもしれない

というレベルだということです。ラクはできないもんですねぇ(n*´ω`*n)

 

③投資対象になりうるもの

こんな感じですかね。

検討の余地アリ!
  • [2914]JT 5.16%
  • [8053]住友商事 4.38%
  • [9986]蔵王産業 4.27%
  • [8031]三井物産 4.24%
  • [8591]オリックス 4.13%
  • [8001]伊藤忠商事 3.96%
  • [6113]アマダホールディングス 3.95%
  • [9437]NTTドコモ 3.87%

商社株は景気敏感株ですが、一時期と比較するとだいぶ事業ポートフォリオの底上げが進んでいます。財務諸表の見え方はだいぶ変わりましたね。とはいえ、安定は期待できませんのでご注意を。

※商社株上位5社は、こびと株として紹介している銘柄ではないですが、2015年頃から購入しており買値から1.5倍・簿価利回りは6%強とかなり良い成績をおさめています。

オリックスは金融株ですが、こちらも財務体質の改善が著しく、光るものを感じます。ただし、所詮は(失礼)金融株なので過度な期待は禁物です。銀行よりはマシだと思いますけが。

JT蔵王産業あたりは比較的安心できるところかと思います。アマダホールディングスは少し判断に迷いますが、検討の余地があるポジションにギリギリいる感じ。

NTTドコモKDDIは11月に入って急落しました。今は配当利回4.1%~4.4%ぐらいの水準かな。今後、拾える機会がたくさん出てくるでしょうから(超長期投資の視点では)焦って買い付ける必要性は感じていません。

 

結局、これだけ高利回りの銘柄があっても、どうしても欲しい!という銘柄は出てこないですね。そういう意味では、米国株の層の厚さを感じます。ファンダメンタルお化けが多いですから。

 

配当利回りランキング(東証二部上場)

  • ※エクセルオンラインのデータが表示されます
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※1 「-」は、前月ランク外であった銘柄
※2 2017年1月以降で、月末の配当利回りが3.75%を超えていた月の数

東証2部には、投資したいと思える対象はありませんでした。

[5237]ノザワなんかは、営業利益率10%超で自己資本比率も高く、一見好財務の企業に見えますが、業績が良いのはここ数年の話です。安心して長期保有できる感じではないですね。

 

配当利回りランキング(東証JASDAQ上場)

  • ※エクセルオンラインのデータが表示されます
  • 証券コードをクリックすると、Yahooファイナンスのページに飛びます

※1 「-」は、前月ランク外であった銘柄
※2 2017年1月以降で、月末の配当利回りが3.75%を超えていた月の数

あ~、良い銘柄ないな~、と思っていたところで、

ようやく当たり銘柄を発見

人材サービス業を営む[4327]日本エス・エイチ・エルがめでたくこびと株認定です。久しぶりに気に入る銘柄を見つけられました。

  • 営業利益率42.9%
  • ROE19.5%
  • 自己資本比率86.8%
  • 総資産に占めるキャッシュの割合63.2%
  • 売上高/EPS/BPS/配当金は右肩上がり

時価総額が100億円ちょっとしかない小型株です。流動性が低すぎて、1日の出来高が500株とかw

配当利回り4.0%付近での買付をしております。

支払ロイヤリティ上昇による利益圧迫や株主構成など、リスクはありますが許容範囲です。

国際優良大型株より、こういう銘柄の方が好きなんですよね~。もっと、こういう銘柄を見つけていきたいですね。

 

まとめ

これだけ相場が動いたにも関わらず、拾えた銘柄は[4327]日本エス・エイチ・エルのみ。

他に欲しい銘柄がなくなったタイミングでゆっくりドコモKDDIを拾う予定ですが、その他は特に欲しい銘柄もないという状況。

日本株より米国株の方で欲しい銘柄がいくつか出てきているので、そちらを優先して米国株ポートフォリオの土台を築いていきたいと思います。

それではまたっ!

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ABOUTこの記事をかいた人

こびと株.comの管理人。一部上場企業での経理/財務の実務経験10年超、日商簿記1級、証券アナリスト、FP資格を有する「企業と個人のお金の専門家」。4つの財布(給与/配当/不動産/事業収入)を駆使して経済的自由を達成することを目標に奮闘中。