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キヤノン 2020年12月期第3四半期決算(2020年10月26日公表)
かのんより2020年1月1日~9月30日の業務報告が届いております。
経営成績の報告
当第3四半期 前第3四半期
売上高 2兆2,145億円 2兆6,398億円
営業利益率 1.5% 4.6%
1株純利益 28.29円 86.16円
配当 40円(中間実績)+40円(期末予想)
世界経済が回復基調にあることに引っ張られ、7月時点の予想に比べると業績は回復傾向にあります。
- 売上:400億円
- 営業利益:300億円
予想を上回る決算となりました。
3Q会計期間(7~9月の3か月間)の業績は、前期比で
- 売上:▲13%
- 営業利益:▲50%
- 最終利益:▲37%
といったところ。
セグメント別に見てみると
- オフィス:21.0%減収・93.7%減益
- イメージングシステム:2.0%減収・167.0%増益
- メディカルシステム:7.5%減収・44.3%減益
- 産業機器その他:6.9%減収・49.8%増益
という感じ。売上は軒並み減少しているものの、利益については明暗が分かれています。
好調だったのは、
- インクジェット:強い在宅需要
- 半導体露光装置:データセンターやパソコンの需要高まり
- ネットワークカメラ:インフラ投資の再開
といったところ。
同業他社を見渡してみると、4~6月期は軒並み営業赤字となっています。(2020年7~9月期決算はまだ発表されていません)
- コニカミノルタ:営業利益率-13%、期末業績予想は非開示
- リコー:営業利益率-6%、期末業績予想は9割減益
といった状況でした。
※キヤノンの4~6月期の営業利益率は-3%、7月時点の期末業績予想は7割程度の減益。
財政状態の報告
当第3四半期末 前期末
総 資 産 4兆7,016億円 4兆7,684億円
1株純資産 2,390.77円 2,531.03円
自己資本比率 53.2% 56.5%
流動比率 168.3% 192.2%
今回の決算でも、財政状態について特別気がかりな点はありません。
- 1株純資産は減少を続け
- 自己資本比率は下がり続け
- 流動比率も下がり続ける
状況が継続中。
なんとかこの苦境を乗り切り、この状況に歯止めをかけない限り、かのんちゃんに未来はありません。
※2Qに言及した「売上債権は減っているのに貸し倒れ引当金は増加している」問題についても、相変わらずという感じです。
キャッシュ・フローの状況
当第3四半期 前第3四半期末
営業C/F 1,941億円 1,945億円
投資C/F ▲1,117億円 ▲1,578億円
財務C/F 69億円 ▲964億円
キャッシュフローの状況は、悪くありません。
- 減益にも関わらず前期並みの営業CF
- マイナス幅が控えめの投資CF
- プラスの財務CF
で、875億円の現預金増加となっています。
もちろん、内訳をみていけば
- 固定資産・有価証券の購入を控え
- 固定資産売却は進めて
- 定期預金を減少させ
- 配当金を減額して
- 借り入れを増額して(長期債務+21億円・短期借入金+1858億円)
やっと作ったキャッシュフロー。課題は色々と隠れています。
不安と期待とため息の、こびと株オーナーです。
今後の見通し
業績予想
7月時点の予測に比べ、
- 売上:+600億円
- 営業利益:+190億円
- 当期純利益:+90億円
という、業績の修正がありました。
相変わらず、前期の9割以下の売上・半分以下の利益という状況ではありますが、
です。
上方修正の理由としては
- 想定より早い経済の回復
- 3Q、ミラーレスカメラの新製品やインクジェットプリンターが好調だった
ことが挙げられています。
配当金について
かのんちゃんにしては珍しく、この段階で期末の配当予想を発表しました。
金額は、40円(年間配当80円)。50%の減配です。
問題は、50%減配でも配当性向が162%にもなるということ。いわゆるタコ足配当状態です。
かのんちゃんの現状を3行でまとめるなら
- 業績は、明らかに悪い
- とはいえ、7月時点の予想よりはマシ
- 今後は、①世界経済の動向・②新規事業拡大ペース・③既存事業の落ち込み具合を要観察
というところでしょうか。
今年の配当がどうこうというより、経営の中長期的な展望が気にかかるところ。
今後も、動向を注意深く見守っていきます。
それではまたっ!
(参考:キヤノン株式会社 四半期決算短信等)
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