キヤノン 2020年12月期期末決算に関するつぶやき(配当ニュートラル)

※本サイトで紹介している商品・サービス等の外部リンクには、アフィリエイト広告を利用しているものがあります

キヤノン 2020年12月期期末決算(2021年1月28日公表)

キヤノン株式会社のこびと「かのん」から、2020年1月1日~2020年12月31日の業務報告が届いております。

 

経営成績の報告

かのん
コロナで大変だったのに、かのんなりに頑張ったんだよ!…もちろん約1割減収・約3割減益って感じではあるんだけど…。

          当期         前期

売 上 高    3兆1,602億円    3兆5,933億円

営業利益率     3.5%           4.9%

1株純利益     79.37円        116.79円

配当      40円(中間)+40円(期末)

 

3Qに引き続き、3ヶ月前の業績予想からは上方乖離しての着地となりました。

かのんちゃん本人としては

  • 増収増益計画が2月までは順調にすすんでたのに
  • その後コロナのせいで大変なことになった!
  • それでもだんだん回復してきて
  • 4Qだけで見れば増益だし
  • 結構がんばった…!

という気持ちのようです。

実際、3ヶ月ごとの営業利益率は、2Q:赤字→3Q:2.5%→4Q:8.1%ということなので、順調に回復しています。

 

とはいえ、ここ2~3年はそもそも減収減益が続いていたことを考えると、

こびと株
「業績悪化の原因がコロナ」というよりは、「業績悪化していたところへコロナに追撃された」という印象…

でもあります。

かのんちゃんの言う「先を見据えた追加の構造改革」をどれくらいうまくやれるかが、今後の課題というところでしょう。

 

ちなみに、セグメント別の状況を確認しておくと

  • オフィス:売上▲17.8%、税前利益▲49.3%
  • イメージングシステム:売上▲11.8%、税前利益+43.1%
  • メディカルシステム:売上▲0.6%、税前利益▲6.4%
  • 産業機器その他:売上▲4.9%、税前利益▲26.3%

全てのセグメントで減収となっています。

利益についても、増益はイメージングシステムのみ。こちらは、新製品効果・平均売価の上昇などで収益性を改善したようです。

こびと株
営業利益率でみても、イメージングシステムだけが唯一昨年より高い利益率(6.0%→10.1%)を達成してる感じだね

 

財政状態の報告

かのん
…短期借入金が増えちゃったの。

        当期末     前期末

総 資 産  4兆6,256億円   4兆7,719億円

1株純資産   2,462.65円    2,524.36円

自己資本比率    55.7%     56.3%

流動比率       134.9%     189.9%

 

短期借入金は、2019年末の420億円→2020年末は3920億円と激増しています。

長期債務がほぼ同額減少していることから、長期借入金の返済期限が近付いているものと推察できます。

こびと株
流動比率がグッと下がってるし…うーむ…。

 

この他、かのんちゃんは2021/1/19付でさらに200億円の借入を実行しています。

資金の使途は「運転資金」。

  • まだまだメガバンクが貸してくれてる!
  • 手元キャッシュに余裕がもてる!

という意味では良いニュースですが、

こびと株
こびと株オーナーとしては、根本的な問題(コロナ前からじわじわ減ってる利益とキャッシュ)の解決を首を長くして待っている感じです

 

キャッシュ・フローの状況

かのん
キャッシュはそこまで減ってないっていうか…

        当期       前期

営業C/F     3,338億円     3,585億円

投資C/F  ▲1,554億円   ▲2,286億円

財務C/F  ▲1,834億円     ▲2,326億円

 

利益が3割以上減少するなか、営業CFの減少が7%程度で済んでいるのは、良いニュースかなと思います。(そもそもここ数年の営業CFがかなり控えめな数字だった…という事情はありますけれども。)

固定資産や有価証券の購入も抑制し、投資CFのキャッシュアウトを抑えることで、FCFもプラスに保っています。

とはいえ、

  • 配当金の減額
  • 借入

などを行ってなお、現預金残高自体は減少

こびと株
1Qの自己株買い(500億円)は、裏目に出てるように見えるなぁ…。

 

今後の見通し

 

業績予想

かのん
来年はね、去年の収益性に近づけたいなぁって…
  • ワクチン普及などでコロナが収束して
  • 世界経済が緩やかに回復するのなら
  • 2021年は増収増益を狙います!
  • そしてその後で高収益企業への回帰を目指します!

とのこと。

 

こびと株オーナーとしては、かのんちゃんの言う

  • 現行事業の収益力強化と
  • 新規事業の業績拡大

が、どの程度実行されるかを注視していきたいと思います。

こびと株
コロナ禍のわりには、なんとか頑張っているかのんちゃん。今後の回復にもぜひ期待したいところです。経営陣の手腕が試されています!

 

配当金について

当期の配当は、予定通り80円、前期比50%減となりました。

これでも当期の利益をすべて配当している状態、配当性向は100%強となっています。

こびと株
厳しいね…。今回の決算は「配当ニュートラル」だけど、「相変わらず厳しい」的な意味での「ニュートラル」かな…

 

来期の配当予想は、通常通り未発表となっています。

業績予想達成を前提としても

  • 今年と同じ80円配当→配当性向は73%
  • 配当性向100%→配当金は109円

と、なんとも言えない感じが続きます。

こびと株
とにかく、しっかり利益水準を戻して、配当金を運んできて欲しいものです

それではまたっ!

 

(参考:キヤノン株式会社 期末決算短信等)

 

自分で決算発表資料を見るにはどうすれば?と思ったら…

「簿記」という会計の基本ルールを学ぶことです。

遠回りに感じるかもしれませんが、基礎をきちんと固めることが、結局は一番の近道。

興味のある人は、ぜひチャレンジしてみて下さい!

【経理歴10年が解説!】スキマ時間をつかった簿記オススメ勉強法

2023.06.26

【最高の基礎教材】本気でお金持ちになりたい人が学ぶべき資格

2023.09.24

 

高配当の「こびと株」っていいかも?と思ったら…

分散が鉄則の高配当株投資。きちんと分散していれば、かのんちゃんみたいに業績が苦しいこびと株が混ざってしまっても、落ち着いて対応できます。

少額で分散投資をやりたいならSBI証券が最有力候補。理由は2つ。

  1. 1株から買える(NTTドコモなどの注目している企業を3000円程度で買えます)
  2. サービス利用料が安い(単元未満株の買付手数料が無料!)

口座開設料・口座維持利用料はもちろん無料で、個別株なら投資信託と違って信託報酬などの保有コストもかかりません。

SBI証券を使った少額分散投資は、コスト面で優秀ですね。

 

関連記事です。

高配当株投資をはじめて、配当金を受けとりたい人のためのスタートマニュアルです。

【配当金月3万円の第一歩】SBIネオモバイル証券を使った高配当株投資の始め方を解説します

2019.08.20

 

「もっともっとわかりやすく!初心者の中の初心者でもわかるように!」というご要望に応える、専門用語を使わないバージョンのスタートマニュアルはこちら

【超初心者向け】はじめての高配当株投資。始め方&ポイントを専門用語をほぼ使わずに解説

2023.01.03

 

高配当株についてもっと知りたい方向けの記事です。

高配当株のポートフォリオは、金のタマゴを産む”痩せない”ニワトリのようなものである

2019.08.03
スポンサーリンク
スポンサーリンク


ABOUTこの記事をかいた人

こびと株.comの共同管理人。慶應義塾大学卒業後、一部上場企業に就職。経理/財務の実務経験10年超、日商簿記1級、証券アナリストを有する「企業と個人のお金の専門家」。4つの財布(給与/配当/不動産/事業収入)を駆使して経済的自由を達成することを目標に奮闘中。