キヤノン 2019年12月期第1四半期決算に関するつぶやき(配当ネガティブ)

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キヤノン 2019年12月期第1四半期決算(2019年4月24日公表)

かのんより2019年1月1日~3月31日の業務報告が届いております。

 

経営成績の報告

かのん
減収減益なの。ちょっといろいろ状況が悪かったからなの。

        当第1四半期 前第1四半期

売 上 高      8,665億円   9,607億円

営業利益率          4.7%         8.0%

1株純利益          29.00円       52.89円

配当予想      未定

 

一言でいうと、かのんちゃんの1Q決算は、なかなか酷い経営成績でした。

  • 減収
  • 減益
  • 原価率上昇
  • 販管費率上昇
  • 利益率低下

利益が昨年の半分強という、とんでもない決算です。

 

セグメント別にみても、

  • オフィス:レーザープリンターが足を引っ張って、4%減収・14%減益
  • イメージングシステム:カメラがダメで、17%減収・81%減益
  • メディカルシステム:欧州販売が伸び悩んで、7%減収・38%減益
  • 産業機器その他:露光装置も有機ELディスプレイ製造装置もダメで、17%減収・67%減益

つまり、全セグメント減収減益という状況。なんともボロボロなかのんちゃんです。

フルーツ
こびと株たちの中で、今一番心配な子だわ…。

 

財政状態の報告

かのん
まだまだ大丈夫だもん。

      当第1四半期末   前期末

総 資 産  4兆8,965億円   4兆8,995億円

1株純資産   2,618.76円     2,558.54円

自己資本比率    56.4%     57.7%

流動比率      192.3%    199.1%

 

かのんちゃんは、今のところ財政状態には問題がありません。

経営成績が悪いとき、財政状態に安定感があるとホッとしますよね。少々経営成績の悪い期間が続いても、すぐに潰れることはないと確信できるからです。

フルーツ
ここがこびと株のいいところ!

 

とはいえ、キャッシュは減少していますし、配当支払いのための体力は少しずつ削られています

当1Qでいうと、FCFが100億円弱しかないのに、配当支払額が860億円もある状態。FCFは3ヶ月分、配当は6ヶ月分という点を考慮しても、なかなか厳しい状況です。

フルーツ
かのんちゃん、ここが踏ん張りどころだよー!

 

今後の見通し

 

最近のニュース①ストックオプションの発行

かのん
ストックオプションを発行したの。

最近は、企業買収などのビッグニュースは、ありません。

しかし、昨年に引き続き、取締役及び執行役員に対して、1円ストックオプションを発行しています。

 

フルーツ
経営陣、こんなに業績悪いのに、ストックオプションなんて受け取ってる場合?

経営層へのストックオプションの発行は、賛否が分かれるところ。株主にとって不利な面も少なくありません。

そんなストックオプションを、これだけ業績が悪い中で発行されると、さすがにちょっとイライラ…したりしなかったりするこびと株オーナーです。

 

最近のニュース②自己株買い

そして5月9日(木)、大きなニュースが発表されました。

かのん
自己株買いをやるわよ!
  • 5/10-7/31の間に
  • 最大1,750万株
  • 500億円を上限に

自己株式を購入するそうです。

 

自己株買いを行えば、

  • 株価はここ数年でも低めの水準ではありますし、
  • 今後の配当による支出額を下げることもできます。
  • 株主還元の意味もありますし、
  • 経営陣の今後の業績への自信を表明することもできます。

 

とはいえ、今のかのんちゃんは、キャッシュにそれほど余裕があるわけではありません

500億円といえば、1Q末の現金残高の1割以上です。

フルーツ
この打ち手が、吉と出るか凶と出るか…。しばらく、かのんちゃんから目が離せないわ~。

 

業績予想

かのん
思ったより調子が悪いの。IMFも2019年を下方修正してるの。かのんも下方修正するの。

期末の着地も、減収減益。1月末時点の予想と比べても、売上・利益ともに500億円程度の下方修正です。

かのんちゃんが3ヶ月ごとに業績予想を修正するのはいつものこと。今回は

  • 中国・欧州を中心とした景気減速
  • 市場の縮小幅拡大(カメラ)
  • 顧客のメモリ向け投資のずれ込み(露光装置)

など、想定以上に事業環境が悪化してる事業の計画見直しを行ったとしています。

 

経済全体に対する見通しも

  • 成長のペースが弱まる
  • 不確実性が継続
  • 減速傾向で推移
  • 下振れする懸念

と、暗めの文言が続きます。

関連市場の動向についても、「前年並み」「底堅く推移」がせいぜいといった感じ。「市場の縮小が続く」「前年をやや下回る水準」「調整局面が継続する」市場も少なくない見通しとなっています。

フルーツ
救いは、新規事業のネットワークカメラ市場かな。「需要の拡大が続く」ってことだから、がんばってくれるといいんだけど。

 

とはいえ、かのんちゃん自身によれば

  • 1Qは一時的な理由による落ち込み
  • 上期が業績の底
  • 下期にかけては持ち直す(増収増益予想)

ということなので、少し長い目で見てあげたいと思います。

 

配当金について

かのん
配当予想は未定なの。

こちらもいつも通りですね。かのんちゃんが事前に配当予想を公表することは、あまりありません。

それでも、当期について言えば、配当は昨年並みに維持されるのではないかと考えます。

業績低迷中ではありますが、かのんちゃんは「30年以上にわたって一度も減配することなく着実に増配・配当の維持を行ってき」たことに、誇りをもっているはずだからです。(「」内はキヤノン公式HPより)

今のキャッシュフローの状態なら、FCFは黒字ですから、保有している現金を吐き出せば当期の配当は支払い可能です。

 

フルーツ
でも、そんなこといつまでも続けられないよね。

結局のところ、業績が回復しなければ段々と配当の維持が難しくなっていくのは明らかです。

今回の決算は、今後の配当の継続に不安がでてきてしまう内容でした。

 

業績について、かのんちゃん自身は

  • 事業ポートフォリオの転換は、順調
  • 今の業績は、外部環境の影響(景気減速・為替など)
  • 新規事業自体は、成長している
  • 下期以降は、増収増益!

と主張しています。

 

こびと株オーナーは、「一度買う決断をしたこびとは信じる」というのが信条。

フルーツ
かのんちゃんには、まだチャンスがある…!

そう信じて、今はじっと我慢していようと思います。(株式を売却する予定は全くありません。)

 

それではまたっ!

(参考:キヤノン株式会社 四半期決算短信等)

 

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ABOUTこの記事をかいた人

こびと株.comの共同管理人。慶應義塾大学卒業後、一部上場企業に就職。経理/財務の実務経験10年超、日商簿記1級、証券アナリストを有する「企業と個人のお金の専門家」。4つの財布(給与/配当/不動産/事業収入)を駆使して経済的自由を達成することを目標に奮闘中。