こんにちは、こびと株(kobito_kabu)です。現在、
- 高配当株投資
- インデックス投資(つみたてNISAやiDeCoのみ)
の両刀で資産運用をやっています。
毎月恒例企画ということで、10月の投資トピックスについて「この2つの投資にどのような影響があるか」という観点で、まとめていきます。
本記事の構成はこの通り。
- 日本株の投資トピックス
- 外国株の投資トピックス
- まとめ:高配当株投資のポジションについて
目次
日本株の投資トピックス
日本株については、以下の順番で解説します。
- 株価指数の推移
- その他指数の推移
- 10月のトピックス
①株価指数の推移(日経平均・TOPIX・J-REIT)
10月28日時点の株価は、この通り。
- 日経平均株価:23,419円(年初来安値16,358 円)
- TOPIX:1,613pt(年初来安値1,199 pt)
- J-REIT指数:1,646pt(年初来安値1,138 pt)
この3つの指数の、直近1年の値動きを見てみるとこんな感じです。
10月中の値動きは、この通り。
上値が重い展開が続いていましたが、重力に負けて下落し始めましたね。
- TPOIXが、日経平均より弱い
- J-REITが若干崩れ始めた
日経平均株価が底堅いので「ん?日本企業は好調なの?」という感じで見えてしまいますが、2020年9月25日時点では
- 値上がりが39銘柄
- 値下がりが179銘柄
ということで、実は日経平均株価の構成銘柄の大半は「下落」しています(出典:週刊エコノミスト2020年10月20日号より)。
第一三共、中外製薬、アドバンテスト、オリンパス、NECなど、一部の銘柄の大幅な上昇により、株価指数全体がなんとか踏ん張っているに過ぎません。
限られた銘柄の影響を受けにくいTOPIXの方が、日本経済の実態をより表していますね。浮かれていられる状況ではないということです。
J-REITに関しては、J-REIT指数を支えていた
- 物流系REIT
- 住宅系REIT
この2つが伸び悩んだため、指数全体も崩れてしまいました。
いずれも「コロナの影響が少ない」ことで注目されていましたが
- 住宅系REITのなかに来期の予想分配金が「前期比マイナス」のところが出てきた
- リモートワークの拡大により、都心オフィス街に近い賃貸マンションの需要が減る懸念がある
ということで、投資家に嫌気されたというわけ。
個人的には、物流系・住宅系REITのファンダメンタルはそれほど心配しなくて良いと思っているので、いいところまで落ちてきたら買います。
もともと、J-REITは
- 分散投資の一角
- キャッシュフロー狙い
の投資としては悪くないと思っており、引き続きチャンスを伺っていく所存。
②その他指数の推移
この3つをチェックしときます。
- 景気動向指数
- 景気ウォッチャー指数
- 日銀短観
ざっくりとした景気の雰囲気を掴むのに大事だからです。
普段から気にしている指数というワケではないですが、今は
- 景気の「底」
- 景気回復の「ペース」
を探るための参考として眺めています。
底が分かれば「(全体的には)これ以上の大きな減配懸念はないだろう」ということで、多少強気に株を物色できますからね。
①景気動向指数は、この通り。
4月に底を打ってから、回復傾向です。
とはいえ、8月の数値(10月26日公表)は88.4。100が基準値なので、まだまだ全然弱いですね。
(出典:景気動向指数 速報からの改訂状況)
景気動向指数は、
- 景気全体の現状を知ったり
- 将来の動向を予測したりするときに
使われる経済指標です。産業、金融、労働など、経済に重要かつ景気に敏感な28項目の景気指標をもとに指数が算出されています。
色々な指標をミキサーに入れてスイッチをいれると、1つの「景気動向指数」ができるというイメージです。
- 6月 83.9(前月比+5.4ポイント)
- 7月 86.7(前月比+2.8ポイント)
- 8月 88.5(前月比+1.8ポイント)
どんどん、プラス幅が縮小していることが分かります。経済の回復は、そうスピーディには進まなさそうですね。
次に、②景気ウォッチャー指数はこの通り。
9月は48.3ポイント(前月比+5.9ポイント)となっており、「好景気」の判断の分かれ目となる50を下回っています。
銀座のママさんやタクシーの運転手さんが「景気が悪い」と判断しているということです。
とはいえ、GoToトラベル等の影響でしょうか、だいぶいい感じの数字になってきましたね。
(出典:景気ウォッチャー指数10月8日公表)
百貨店・スーパーマーケット・コンビニなどの小売店やレジャー業界で働く人、タクシー運転手など、景気に敏感な職種の約2000人にインタビューし、調査結果を集計・分析して発表するもの。
政府による経済政策で、いかに消費を促すかというところがポイントになりそうです。
政府のテコ入れがなければ、経済死んでたんじゃないでしょうか。
最後に、③日銀短観。
- 大企業からアンケートをとって
- 「景気が良い!」と答えた企業の数から
- 「景気が悪い!」と答えた企業の数を引いて
業況判断指数というものを算出しているのですが、その推移がこちら。
(出典:日本経済新聞「日銀短観、景況感悪化歯止め 大企業製造業マイナス27」)
リーマンショック以後の、2010年並みの悪さです。
こういった指数・ニュースを見ながら
- すでに景気全体は”底”を打っている
- 企業の業績も、今年が”底”だろう
- 今後数年で景気は回復していくだろう
こういった見込みを持てるのなら、「今より配当金が下がらないだろう」と思える会社に、ある程度自信を持って投資できるというものです。
コロナが再流行している欧米と比較して、日本は比較的落ち着いた状況にあると思いますが…どうでしょうかね。
③10月のトピックス
10月、特に気になっていたトピックスはこれだけです。
- 東証マザーズ指数、14年ぶり高値
私は「優良企業の安定高配当」を狙った投資をしているので、新興企業にはあまり興味がありません。彼らは
- 無配(または低配当)で、社内にお金を残して
- そのお金でゴリゴリと事業投資をやって
株価を高めていく企業群だからです。うまくいけば株価はビッグに、コケると株価は墜落します。
さて、日本の新興企業を集めた「東証マザーズ」という指数が、14年ぶりに高値をつけました。コロナショックで3月に安値をつけてから、たった7カ月で2.4倍という力強さ。
マザーズに目をつけて仕込んでいた個人投資家の方、おめでとうございます。「日本株はオワコン」じゃなかったですね^〇^
実は、マザーズのパフォーマンスは、この1年でみても「皆大好きナスダック(米国ハイテク企業等を集めた指数)」よりも好成績なのです。
- 東証マザーズ指数:+40.01%
- ナスダック総合指数:+32.17%
日本でも米国でも、コロナに強いIT企業に投資家のお金が集まっている状況ですね。
とはいえ、マザーズの構成銘柄には、メルカリ、BASE、フリーなど、投資先行で赤字が続く企業も多いです。
- 実体経済は、リーマンショック以来の不景気
- 行き場を失った投資家のマネーが、一部企業に集中している
- コロナが、再度感染拡大の傾向にある
色々と危うさを感じる相場ですが、さてさてどうなることやら…
外国株の投資トピックス
外国株については、この4つの順番で見ていきます。
- 株価指数の推移
- ゴールド・債券ファンド等の値動き
- 高配当ファンドの値動き
- 10月のトピックス
①株価指数の推移
日本を除くG7の主要株価指数の推移(直近1年)は、この通り。
10月に入り、明らかに株価が低迷し始めましたね。
直近1年のパフォーマンスは、こんな感じです。
- S&P500(米国):+8.02%
- DAX30(ドイツ):̠▲10.67%
- FTSE100(イギリス):▲23.85%
- CAC40種(フランス):▲20.23%
- S&P TSX(カナダ):▲4.89%
- FTSE MIB(イタリア):▲21.14%
後述しますが、コロナの影響で欧州の下げがキツいです。
10月単月で見ると、この通り。
②ゴールド・債券ETF等の値動き
コロナショック以後、世界中の国々で金融緩和が行われるなかでゴールド価格は一貫して値上がりを続けてきました。
ところが、ここ最近は横ばいが続いています。
8月に史上最高値を記録してから、すでに10%ほど下落していますね。
とはいえ、長期的には底堅い動きをすると思われます。世界中の政府がジャブジャブ紙幣を刷って、多額の債務を抱えているからですね。
政府債務は、GDP比で過去最大の水準です。
国際通貨基金(IMF)は14日公表した報告書で、2020年の世界全体の政府債務が世界の国内総生産(GDP、約90兆ドル)にほぼ匹敵する規模になると予測した。GDP比で過去最大の98.7%となる
(出典:日経新聞「政府債務、世界GDPに匹敵 IMF今年予測 コロナで過去最悪」)
という時代が、一歩ずつ近づいているのかもしれません(笑)
お次は、債券です。
投資額に対して2%~5%ほどのインカム(利息)が欲しければ、米国債券が有望な投資候補になります。というわけで、米国の債券ファンドを3つチェック。
- AGG:ローリスク・ローリターンな債券(格付け高く、利回り低い)
- LQD:ミドルリスク・ミドルリターンな債券(格付け普通、利回り普通)
- HYG:ハイリスク・ハイリターンな債券(格付け低く、利回り高い)
米国総合債券に投資する【AGG】というファンドのチャートはこの通り。現在の分配金利回りは2.0%ほど。
投資対象の約7割は、格付けがAAA(トリプルエー)の債券です。
ここ数年は、安定して3%ぐらいの利回りがありましたが、利回りはこれからも下がっていくでしょう。アメリカ政府がゼロ金利政策をやっているからです。
米国優良社債に投資する【LQD】というファンドのチャートはこの通り。分配金利回りは2.6%ほど。
投資対象の約8割は、格付けがBBB(トリプルビー)~Aの債券です。ギャンブル性の低い「投資適格」な債券であるものの、AGGよりは安全性が低いです。
こちらも、ここ数年は3.5%ぐらいは利回りがとれていましたが、利回り低下傾向。
最後は【HYG】です。ゴミ債券、いわゆるジャンク債に投資するハイリスクな債券ファンドです。現在の利回りは5%ほど。
投資対象のほぼすべてが、格付けCCC(トリプルシー)~BBの債券です。ギャンブル性が高く、投資不適格と呼ばれる債券たちですね。
不景気がきたらボロボロになる債券のはずですが、政府のヘリコプターマネーで買い支えられています。
とはいえここ数カ月は、AGG、LQD、HYG、いずれの価格も横ばい~下落傾向ですね。
③インカム系ETFの値動き
私の愛する高配当株ETFについて見てみましょう。
- キャピタル(売却益)も
- インカム(分配金)も
両方狙えるポテンシャルのあるファンドたちです。
HDV、VYM、SPYDの直近1年のチャートは、この通り。
コロナ前の水準に戻ることなく、また下落し始めてしまいましたね。
私にとっては、このまま下がり続けてくれた方がありがたいです。待ってましたという感じ(笑)
- 買値に対する利回りが上がる(米国の高配当ETFを利回り4%前後で仕込めるタイミングなんてそうそうない)
- 下落余地が小さくなる(元本割れリスクが小さくなる)
結論:下落相場、好き!
というわけで、短期的な目線では、値下がりし続けて困ることはまったくありません。
※もちろん、超長期にわたり値下がりし続ける=元本成長がない=値上がり益+配当のトータルリターンが低い。という状況はナシです。長期の展望がズっこけた場合は、別な戦略をとります。
高配当株ポートフォリオを組むにあたり
- 新興国株ファンドや
- ヨーロッパ企業を含むファンド
色々と検討しましたが、やはり米国ETFの優秀さは特筆すべきものがあります。
コロナがあったところで、米国の長期的な強さには疑いを持っていません。今の株価から2割3割下落して、それが数年続いても大丈夫なような投資をしているので
という感じ。
キャッシュを抱きかかえて待っています。
④10月のトピックス
海外のトピックスは、なんといってもこの2つ。
- 米国大統領選挙(11月3日)
- コロナの感染再拡大
米国では、11月3日に行われる大統領選挙に向けて
- トランプ氏
- バイデン氏
両陣営の選挙活動が最終局面を迎えています。当初は、
- トランプが勝てば株高
- バイデンが勝てば株安
という雰囲気だったのに、最近では「バイデンが勝っても株高」みたいな論調のメディアが増えてきて、本当に「株の世界っていい加減だな」とおもいました(棒読み)。
現状、様々なメディアで、バイデン氏の優勢が伝えられています。そんな中、トランプ大統領が、バイデン氏の「認知症疑惑」に追い打ちをかけるためにこんなツイートを。
Joe Biden called me George yesterday. Couldn’t remember my name. Got some help from the anchor to get him through the interview. The Fake News Cartel is working overtime to cover it up!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) October 26, 2020
訳:昨日、バイデンが私のことを「ジョージ」って呼んだんだ。私の名前を思い出せなかったようだ。
上記のツイートは、5.7万リツイート&28万いいねを獲得しております。
バイデン陣営は、「トランプのことをジョージと呼んだわけではない。インタビュアーの名前(ジョージ)を呼んだだけだ」と否定していますが、こんな感じで「場外の低レベルな戦い」は激しさを増しており
という感じですね。
11月、皆さん楽しみにしていましょう。
和気あいあいとした?大統領選挙の一方、欧米におけるコロナ感染の再拡大は深刻です。
1日あたりの新規感染者数の推移は、この通り。完全に第2波到来中です。
第1波のピークを軽く更新しています。
(出典:FINANCIAL TIMES)
この状況を受けて
という、散々な状況に。3月の悪夢が思い出されますね。
ワクチンの開発も進んではいますが、有効性・副作用等に課題もあり「これができれば大丈夫!」という状況ではなさそうです。
コロナの感染拡大を受けて、VIX指数(恐怖指数)は急上昇。
(出典:ブルームバーグ「VIXが急上昇、6月以来の高水準-米選挙前に新型コロナ感染急増」)
まとめ:高配当株投資のポジションについて
以上をまとめると、この通り。
- 日経平均が唯一踏ん張っている。TOPIXやJ-REITは崩れ始めた
- マザーズが14年ぶりに高値をつけたが、すでに下落し始めている
- 欧米の株価は軟調
- 世界的に見ると、8月までの流れから一転、株も債券もゴールドもすべて値下がり
- コロナの感染拡大により、VIX指数が6月以来の高水準に
いよいよ「浮かれた相場」に終わりが来るのか?11月は、なかなか面白い展開になりそうです。
さて、この状況で、どう戦うか?
インデックス投資(つみたてNISA、iDeCo)については、市場経済でどんなことがあろうと、そのスタンスを崩すつもりはありません。ひたすらに積み立て続けます。
※非課税枠を100%株式運用するだけでも、まとまった老後資金になりそうですよね。
インカムを増やすための高配当株のポジションについては、
- 本来は、不景気・株安のなかで、実力以上に売られている会社を買いたいのに
- 現状は、不景気・株高で、実力以上に売られている会社を見つけづらい状況にあります
いったん、相場がガツンと下がってくれたら、ようやく「実力通り」の株価になるイメージです。そこからさらに下がるようなことがあれば、そこがバーゲンセール会場になります。
日本株の個別株については、11月初旬に公開する「高配当株ランキング」をお待ちくださいませ。
というわけで、盛りだくさんな情報にお付き合いいただきありがとうございましたm(_ _”m)
引き続き、よろしくお願いします。
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