キヤノン 2018年12月期第3四半期決算に関するつぶやき(配当ニュートラル)

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キヤノン 2018年12月期第3四半期決算(2018年10月25日公表)

キヤノン株式会社のこびと「かのん」から、2018年1月1日~9月30日の業務報告が届いております。

 

経営成績の報告

かのん
わーん…減収減益なの…。。

               当第3四半期  前第3四半期

売上高             2兆8,936億円   2兆9,597億円

営業利益率(※1)       8.4%           8.3%

1株純利益       167.67円         172.30円

配当          80円(中間実績)+80円(期末予想※2)

※1:退職金関係の会計基準が変わったために、前期の営業利益率が変動しています。かのんちゃんの実態に変わりはないので、あまり気にしなくて大丈夫だと考えています。

※2:かのんちゃん自身は、期末の配当予想を発表していません。しかし中間配当が、前期の「10円の記念配当を普通配当に組み入れる前提」で行われているため、ここでは年間配当金を160円(前期並み)と推定して記載しています。

 

増収増益だった2Qとは一転、3Qは減収減益となりました。うーむ。ちょっと残念。

セグメント別にチェックすると、イメージングシステムビジネスユニット(デジカメやインクジェットプリンター等を扱うビジネスユニット)が特に良くないようですね。売上前期比10.6%減・営業利益前期比30.8%減です。

今後の戦略が問われます。

 

一方、2Qの懸念材料だった原価率の上昇は、改善傾向にあるようです。

会計基準の変更による影響を除くと、0.8%改善しています。要因としては、オフィスでの固定費改善や、生産性向上があげられています。

営業利益率も0.1%上昇していますし、悪くない状況ですね。

 

財政状態の報告

かのん
総資産も現金も減少気味なの。でも、自己資本比率や流動比率は改善してるんだよっ!

      当第3四半期末    前期末

総資産      5兆32億円        5兆1,983億円

1株純資産   2,632.91円      2,658.59円

自己資本比率   56.8%        55.2%

流動比率      204.5%      201.2%

債務の返済等により負債が圧縮され、安全性の指標が少しずつ改善しています。全体としては、特別心配のある財政状態ではありません

 

とはいえ、気がかりはキャッシュ・フローの状況です。

フリーキャッシュフローは黒字ながら、その金額は573億円。これに対して、長期債務の返済額は548億円。

営業活動で稼いだお金は、借金の返済と今後の事業のための投資でほぼ使い切ってしまっている状態です。

株主への配当金1,782億円と為替変動による影響額85億円が、ほぼそのままキャッシュの減少額となってしまっています。

このままキャッシュが枯渇してしまっては困ります。投資活動が実り、営業活動キャッシュの増加に結び付くと良いのですが…。

 

今後の見通し

最近のニュース

かのん
お仲間アクシスと、もっと仲良くするよ~!

かのんちゃんは、2018年10月22日付でアクシス社の完全子会社化を発表しました。

アクシス社は、かのんちゃんが2015年に86.6%の株式を取得し、子会社化したスウェーデンの会社です。監視カメラの大手です。

日本経済新聞によれば、完全子会社化には360億円程度かかるのだとか。

キャッシュフローへの悪影響を抑えつつ、監視カメラ市場で成功を収めることができるのか…かのんちゃん一味の今後の動向に注目です!

 

業績予想

かのん
通期業績予想は、またまた下方修正なの…。でも、去年と比べると、減収増益にはする予定よ。

第2四半期末に引き続き、さらなる業績予想の下方修正が行われました。売上および各段階利益のすべてを下方修正しています。

為替の想定は変わっていないようですが、米中貿易摩擦等の影響を懸念しているようです。

方針としても、売り上げの伸長よりはコスト管理の徹底。守りの姿勢が目立つようにも思われます。(収益性の改善はもちろん重要なのですが。)

かのんちゃんのような巨大グローバル企業が、今後どのように成長していけるのか、あるいは現状の利益を守り続けていけるのか、興味が尽きません。

 

配当金について

期末の配当金について、かのんちゃんからの発表はありませんでした。「未定」のままです。

かのんちゃんにとっては例年のことなので、特に心配はありません。

 

かのんちゃんは、ホームページで「30年間にわたって一度も減配することなく着実に増配・配当の維持を行ってきました。」と宣言するようなこびとです。

利益・キャッシュの状況から見ても、当期は減配・増配どちらも考えにくいと思われます。

今後も配当維持(そしてできれば増配…!)をしていくために、着実にビジネスを展開してほしいと思います。

 

それではまたっ!

 

キヤノンに関する基本情報はコチラ

(参考:キヤノン株式会社 四半期決算短信等)

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ABOUTこの記事をかいた人

こびと株.comの共同管理人。慶應義塾大学卒業後、一部上場企業に就職。経理/財務の実務経験10年超、日商簿記1級、証券アナリストを有する「企業と個人のお金の専門家」。4つの財布(給与/配当/不動産/事業収入)を駆使して経済的自由を達成することを目標に奮闘中。