こんにちは、こびと株(@kobito_kabu)です。
私の身の回りに、よくこういうことを言っている人がいます。
もし会社員が奴隷だとすると、どこかにご主人様がいるはずです。
いったい「ご主人様」は誰でしょう?
もし現代社会におけるご主人様が「会社」だとすると、自分がその会社の所有者、つまり株主になることがこの世の中で搾取されないための一番確実な方法だということになります。
ところが、私の友人はいっさい株式投資をしようとはしません。
この記事では「サラリーマンは搾取されている!」という人が株式投資をしない3つの理由について考察してみたいと思います。
- お金がない
- 実は株式会社の仕組みを理解していない
- 投資は損をすると思っている
目次
上がらない給与・増える企業利益
まず、本当に会社員は「会社」に搾取されていると言えるのか、簡単に見てみましょう。
給与の推移
日本では、1990年以降、約20年以上にわたりほとんど給与・賞与水準が変わっていない(むしろ下がっている)というデータがあります。
(引用:時事エクイティ 『民間給与、2年連続減少 コロナでボーナス大幅減―国税庁』)
- 物価水準があまり変わっていないこと
- 年収に占める税金や社会保険料の割合が高くなっていること
これらを考慮すると「家計は苦しくなっている」と言って良さそうです。
- 自分はこんなに頑張っているのに、生活が苦しい
- どこかに、会社員を搾取して良い暮らしをしている人たちがいるはずだ
こう考える人がいてもおかしくはないですね。
企業利益は増えている
では、会社の利益はどうなっているのでしょうか?
直近の上場企業の純利益合計は過去最高レベルです。儲かってます。
(引用:日経新聞 『上場企業、純利益最高に 4~12月最終集計』)
もしこの利益が会社員に還元されていないとしたら、いったい、ここで稼いだ利益はどこへいってしまったのか?
つまるところ、会社が稼いだ利益の行き先は2つしかありません。
- 社内に蓄える(来期以降の事業拡大に使う)
- 株主に還元する
企業が蓄えた財産(内部留保といいます)は、過去最高レベルに達しています。
(引用:読売新聞『企業の内部留保、9年連続で過去最高更新…前年度比2%増の484兆円』)
また、右肩上がりの利益を背景に、株主への配当総額も過去最高水準になっています。
(引用:日経新聞『22年3月期配当、最高の12.3兆円 業績回復で還元重視』)
給与が上がらずに不満を抱えている会社員とは対照的に、やっぱり企業はたくさんお金を持っていると言って良さそうです。
会社員は搾取されている?
何をもって搾取と呼ぶかはさておき、
- 会社員は、自分たちの待遇に不満を抱えている
- 企業は、過去最高レベルで富を蓄えている
この2つは否定しがたい事実です。
何もアクションを起こさないというのは、イマイチな気がしますよね。状況が好転する見込みが持てないからです。
日本や欧州諸国は、労働者の権利が手厚く守られている国です。ひとたび会社員を雇ってしまうと、辞めさせることはそう簡単ではありません。
ということで、私は
- 従業員は搾取されている
- 従業員が会社を搾取している
どちらも真実だと感じています。働かないおじさんは、世界最大の「不労所得」勢力だと思ってます。
搾取されていると感じているのに株式投資をしない理由
もし会社が従業員を搾取しているのなら、搾取されないための方法(状況を改善させるための方法)はこの2つです。
- 会社員をやめる
- 自分が会社の所有者、つまり株主になる
なんだかんだと言っても、会社員生活が生活の支えになっていて「辞めるに辞められない」という人が多いのが現実でしょう。
フリーランスとして独立しても、高い専門性がなければいいように使われてしまうという現実は変わりません。
それなら、株を買って株主になってしまうのがてっとり早い感じがします。ところが、株式投資をしようとする人は決して多くはありません。
その理由は3つかなと思います。
- お金がない
- 実は株式会社の仕組みを理解していない
- 投資は損をすると思っている
上記の通り。解説していきます。
お金がない
まず、単純に「投資に回せるお金がない」というケース。
金融資産保有世帯での「中央値」を見てみるとこんな感じ。
- 20歳代…81万円
- 30歳代…206万円
- 40歳代…400万円
(出典:All About「年代別シングルの平均貯蓄額はいくら?」)
このデータを見る限り、
株主になって、会社がため込んでる利益に対して所有権を持てればOK
と言えるほど簡単な状況ではないことが分かります。
- 給料を増やさなければ、投資のためのお金を確保できない
- でも、給料は増えない
こういう状況ですね。
なんにせよ、現状を脱したいと思うなら
- 転職して少しでも待遇を上げる
- 副業に取り組んで少しでも収入を増やす
このような努力が必要になります。
もしかしたら、頑張っても収入はゼロかもしれませんが、逆に少しうまくいけば月収50万円とかも平気でいきます。兼業だからこそ、思い切ってリスクがとれますね。
※副業ネタなんて思いつかない!という方はこちらの動画を参考にどうぞ
実は株式会社の仕組みを理解していない
次に、実は「株式会社の仕組みを理解していない」パターンです。
搾取されている!と言ってはみたものの、
- 実は会社の仕組みがどうなってて
- 誰がどこでどうやって稼いでいるのか
具体的には知らないということです。不満だから声をあげているだけ。これだけ閉塞感のある世の中ですから、こうなる気持ちは分かります。
さて、株式会社の仕組みをちゃんと理解したければ、簿記について学ぶ必要があります。先ほど見せたこのグラフを、再度ご覧ください。
内部留保が過去最高の〇〇兆円に!なんてことが時々ニュースになりますが、このニュースを見て「企業が現預金を貯めこんでいる」と思ってしまった人は、会社の仕組みをよく理解していないということです。
※内部留保というのは、会社が稼いだ利益のうち株主に還元しなかったお金を指します。会社に残した利益は、翌年の設備投資などに使われるため、必ずしも現預金で社内に残っているというわけではありません。
資本主義経済は、株式会社とともに発展してきました。そして、会社は簿記という技術に支えられて進化してきたのです。
簿記や会計を学んで「株式会社」に詳しくなることは、絶対に無駄になりません。
投資なんて損をすると思っている
最後はこれ「投資=損するもの」だと思っているパターンです。
会社が従業員を搾取している
こういう前提に立つのなら、株主になって会社の所有者になってしまえば損をするわけがありません。なぜなら、会社はあなたから搾取した利益を蓄えているはずだからです。
もしあなたが「株式会社に投資をすることで損をする」と思っているのなら、その考えの意味するころは下記の通り。
- 会社員は不幸になり
- 会社経営者は不幸になり
- 株主は不幸になる
こういう右肩下がりの経済を生きているということです。
景気の良い時期でこそ、「投資をしないやつはマネーリテラシーが低い」なんて意見も散見されるようになりましたが、大衆はそこまでバカではありません。
日本において投資が浸透してこなかったのは、投資をしてきた人たちが実際に損をしてきたからです。
投資をしないことが一番の投資だった
こういう時代があったことは事実です。
だから、会社員は会社から搾取されていると思うけど、株式投資をしたって経済的に豊かにはなれない。そう思う人の考える未来は「経済が低迷する暗い未来」です。
こう考えるのなら、日本を出て経済成長中の国(東南アジアの新興国は勢いがありますよね)で働くというのが優れた選択肢になるのかもしれません。
まとめ:どんな未来を予想して、今どんな生き方をするかはその人次第
本記事の内容をまとめると、以下の通り。
- 会社員の給与は増えていない
- 企業の利益は増えている
- 株主が受け取る配当金も増えている
→会社が従業員を搾取していると思われてもしょうがないデータはある
もし会社員が会社に搾取されていると思うなら、会社の株主になってしまえばいい。
でも実際は
- 投資に回せるお金がない
- 実は会社の仕組みを良く分かってない
- 投資なんて損をすると思っている
といった理由で、一歩目を踏み出せない人も多い。
とはいえ、現状を脱したいのならアクションを起こすしかありません。
給料が増えずに税・社会保障負担が増え続ける世界では、何も行動を起こさないのは「座して死を待つ」という悲観的な状況になりかねない。
自分のアタマで考え抜いて、少しでも「勝ち筋のある未来」に賭けたいですね~
- 転職して年収を高める
- 副業で収入を増やす
- 経済成長が見込める国・会社に投資する…etc
以上です。
それではまたっ!
関連記事です。
給料を投資に回して、株主の立場で配当金を得る。というのは、搾取されるだけの立場から「上納金」を貰える立場にたつ最も簡単な方法です。
平均的な年収・平均的な支出・平均的な資産運用ではお金持ちにはなれません。めっちゃ収入増やすか、めっちゃ節約するか、めっちゃリスクをとった投資をするか…どこかで勝負をする必要があります。
簿記について学んでみようかな?という人向けのおすすめ講座です。超コスパが良いものを2つ、厳選しています。簿記の知識は一生モノです。
Follow @kobito_kabu