こんにちは、こびと株(@kobito_kabu)です。
私たちは、毎期着実にキャッシュフローを成長させることを目的として、インカムゲインを重視した株式投資を行っています。
- 超長期的に見て元本が減らないこと
- 税引後配当利回り3%超の配当金を獲得し続けること
投資の成否を判断する条件はこの2つだけです。
なお、比較対象としているのはTOPIXや日経平均のような指数ではなく、リスクフリーレートです。
市場平均に勝つというよりは、長期国債に勝つことを意識して投資をしています。
このようなスタンスをとっている私たちが、優待投資をどのように捉えているかが本記事のテーマです。
株主優待とは、企業が株主にむけて、サービスや自社商品などを提供するものです。株主平等原則や配当規制などの観点から、必ずしもまったく問題のない制度とは言えませんが、上場企業約3800社のうち約1500社(およそ40%)の企業がこの制度を導入しています。
目次
配当金投資と優待投資の共通点
配当金投資と優待投資は本質的には、異なる投資スタイルです。けれども、共通点もあります。
インデックス投資と、配当金投資・優待投資
資産運用を考えた場合、その王道とも言えるのは株価指数連動型のインデックス投資でしょう(THE・パッシブ運用)。
インデックス投資は、ある特定時点の将来に向けて最も効率的に(リスク・リターンの観点から)資産を拡大する方法の1つでしょう。
けれども、この投資手法には、日々のキャッシュフローを改善させづらいという弱点があります。
一方で、配当金投資は毎年(保有銘柄によっては年に何度か)チャリンチャリンと配当金が入金されていきます。
優待投資では、配当金の代わりに企業の自社製品やギフトカタログ・金券などが届きます。
これが、この2つの投資の大きな魅力だと思います。
目の前にある日々の暮らしの重要性
さて、「私たちの体感人生は20歳でその半分を終えている」という意見があります。
ジャネーの法則によると、20歳から80歳くらいまでの長い年月は、0歳から20歳の体感時間と同じということになるそうです。つまり、人は20歳になると主観的、体感的には人生の半分の時間を過ごしてしまったことになるのです!
年齢を重ねるほど時間の流れを早く感じる、ということに感覚的にピンとくる方は多いと思います。
このような観点からも「将来の特定時点でリッチになる」よりも「目の前にある日々の暮らしを良くする」ということには意味があります。
- 貨幣の時間価値・・・複利を利用すれば、貨幣は長期的には大金に化ける。現在の1万円はバカにならぬ。運用すべし(バフェット氏は、今100ドルを失う=将来の100万ドルを失ったと嘆くそうです)
- 人生の体感時間・・・年齢を重ねるほどに時の流れは加速する。将来よりも「今この時」を充実させるべし。お金は今使ってしまえ
この2つの折り合いをどうつけるかは非常に難しいところなのですが…
私たちは、
- 保有株式の企業価値上昇を通じて資産拡大を目指し(元本割れさえしなければ良い、というある意味”後ろ向き”なスタンスですが)
- 毎年得られる配当金を使うことで日々の暮らしを良くする
というかたちで折り合いをつけています。
※うまくトレードできる方は、キャピタルゲインもインカムゲインもバランスよく獲得できると思うのですが、これは結構難易度が高いと思います。なぜなら、市場のセンチメントに思いっきり振り回されるからです。
このような折り合いのつけ方もまた、優待投資と通じるところがあるのかな?と思っています。
優待投資も、長期保有を通じて企業価値上昇の恩恵を受けながら(キャピタルゲイン)、投資期間中は優待品などを獲得して生活費を補てんしているわけですからね。
株主優待制度のデメリット
ところが!
このような共通点があるにも関わらず、私たちは投資判断において株主優待をほとんど重視していません。
その理由は大きく次の2つです。
デメリット①配当金よりも優待制度の方が不透明性が高い
個人的に優待制度は楽しくて好きですが、制度の透明性という点で懸念を持っています。
- 配当金は株主総会の決議事項
- 株主優待は取締役会の決議事項
優待制度は株主のいないところで改廃ができるので、一体どのようなやりとりがなされているのかが株主からは見えません。
また、配当金は
- 1株当たり配当金はいくら
- 配当総額はいくら
- 配当性向はいくら
ということをIR資料から確認することができます。
一方で、優待に関しては優待総額や優待性向(そんなものはありません。念のため)といった情報を得ることができないため、
- 優待制度の維持にかかるコストは妥当か
- 今後、この制度を維持し続けられるかどうか
を株主の目線からチェックすることが難しいのです。
- 決議の方法
- 優待に関する情報開示
この2点に関する不透明性が、長期・安定的な投資を行ううえでの懸念点になっているわけです。
デメリット②そもそも株主優待はグレーな制度
さらに言えば、株主優待制度には本質的に次のような問題点があります。
- 株主平等原則に反するおそれがある
- 税制面・会計面でグレーな側面がある
「株式会社を利用した投資」という点において、あまり本質的ではない側面を抱えているわけです。
※このあたりに関しては、現状、制度として成り立ってしまっているところがあるのであまり深入りする気はないのですが…
株主のリターンの源泉は、本質的には配当や株券の売買益です。
世界的に見て、優待制度が日本独特のものであるということにも、やはり何かしらの意味があるのでしょう。
この「本質的ではない制度」という位置づけが、安心して長期的に投資をするといううえでネックになっています。
優待制度が、今後どのような経過を辿ってゆくのか予測が難しいですね。
配当金分配という仕組みがなくなることはないと思いますが、遠い将来、優待制度はどうなるでしょうか?
配当金投資と優待投資:まとめ
配当金投資と優待投資には、長期的な資産拡大を狙いつつ日々の生活も良くするという共通点があります。
実際、私たちが保有する銘柄の中にも株主優待制度を設けているところがあり、大変楽しませてもらっています。
しかし、優待制度には①不透明性、②仕組み的にイマイチなところがあり、優待を拠り所として長期投資を行うためには相応の追加リスクを負担することになります。
私たちとしては、このリターン(優待)と追加リスク(廃止・改悪)の関係を積極的に受け入れられないので、優待だけをメインに捉えて投資をすることはありません。
※もちろん、配当金投資の基準に照らし合わせて合格した銘柄に、オマケとして優待がついていれば嬉しいですが、これはあくまでオマケなのでなくなったからといって保有をやめるということはないですね。
優待株を100銘柄とか保有していて、色々と贈られてくるものをアップしてる投資家さんを見ると良いな~と思うこともあります。
独特な魅力がある投資スタイルであることは間違いないと思います。
ただ、自分たちとしては愚直に、安定的・長期的に高配当が得られる銘柄だけを狙って投資を続けていきたいと思っています。
それではまたっ!
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