こんな疑問にお答えします。
こびと株メンバーは、5年前から高配当株への投資を行っており、ただの一度も購入した株を売ったことがありません。
その結果として
- 大きな含み益(※50を超える銘柄のうち、含み損になっているのはキヤノンとJTの2銘柄。無念)
- 増え続ける配当金
を享受しています。ざっくり、老後の心配はしなくて良いかなというレベルの規模感です。
この記事では
- 長期投資に向く高配当株の3つの特徴
- 長期投資に向かない高配当株の3つの特徴
を解説します。
目次
長期投資に向く高配当株の3つの特徴
長期投資に向く高配当株の特徴は次のとおり。
- 増配傾向にあること
- めったに減配しないこと
- 高収益・高財務
順番に見ていきます。
①増配傾向にあること【超重要】
長期投資に値するかどうかを見極めるうえで、もっとも重要な要素は配当金の推移です。
配当金が右肩あがりになっている会社(つまり、増配傾向にある会社)は、腰を据えて長期投資に取り組める可能性が高いです。
例えば、こびと株のCDSの「1株あたり配当金」はこんな感じになっています。
しっかりと右肩上がりの配当金推移を描いていることが見て取れます。
私たちがCDSを買ったのは2015年のこと。たった4年で配当金は1.33倍に成長しました。
※4年で労働収入を1.33倍にするのは至難のワザですね。年収より、配当金の方が伸び率がはるかに高いのです。
増配し続けられるということは
- 現在の業績に問題がない
- 現在の財務状態に大きな問題がない
- 将来の業績に大きな懸念がない
ということです。
- 税引後配当利回り3%の
- 増配銘柄に投資すれば
- 10年間で30~50%の資金回収が進みます
株価が購入時と変わらない水準なら、10年で1.3倍~1.5倍にできたということです。地味ではありますがそんなに悪い投資ではないでしょう。
もちろん、もし株価が伸びていればその分はまるっと利益になります。
実際、私たちも想定以上に大きな利益が出ています。株価の成長は一切期待しないで投資をしているんですけどね。
何かしらの理由で相場が暴落していたとしても、配当金で30~50%の利益確定が済んでいるので、大きく損を出すリスクは低いでしょう。
こうやって”計算できる(しやすい)”のが配当金のいいところですね。
※CDSのように階段上に配当金を増配していく銘柄はスクリーニングしづらく、見落としてしまう可能性も高いです。こういった銘柄を見つけられるように毎月高配当株ランキングを作成しています。
米国株だと「連続増配ランキング」を見れば一発なんですけどね…
②めったなことでは減配しないこと【重要】
ポートフォリオの構成銘柄がすべて「増配銘柄」なら文句なしなのですが、実際はそうはいきません。
- 増配銘柄だけで集めると、業種が偏る(例:リース業界に偏る)
- 連続増配銘柄は、配当利回りが低い(例:花王 1.50%前後)
いかにして
- ポートフォリオ全体として高い利回りを維持しながら
- 分散によってリスクをコントロールするか
が高配当株投資のキモなので、利回りが低くなりすぎたり、業種が偏りすぎるのは避けたいところ。
※米国株で、連続増配企業だけをかき集めたVIGというファンドがありますが、その配当利回りは1.8%ほどしかありません。配当金生活のためには、何億というカネを用意しなくてはいけません。
というわけで、妥協の産物としてこういう発想が出てきます。
せめて、減配さえしなければいい
たとえば、こびと株のエックスネットの配当金推移を見てみましょう。
魔女の呪いにかけられてしまったかのように、毎年28円の配当金しか出しません。
- 雨の日も
- 風の日も
- 雪の日も
毎年28円の増配を出してくれる会社です。大きな会社のグループ子会社になってる企業は、こういう配当方針のところが時々ありますね。
このように、増配銘柄に「あまり増配しないけれど、めったに減配しない銘柄」をプラスすることで、ポートフォリオの配当利回りや分散効果を高めることができます。
③高収益・好財務【重要】
配当金の推移こそが最も重要なファクターなのですが、その裏付けとなっている
- 収益性
- 安全性
といった側面を見ておくことも重要です。
- 稼げない企業(収益性の低い企業)
- カネを持っていない企業(安全性の低い企業)
こういった会社は遅かれ早かれ減配して、無様な配当金推移を描くことになるからです。
収益性の指標として、こびと株メンバーが特に重視しているのは次の3つです。
- 営業利益率
- ROE
- 自己資本比率
もしETFや投資信託などではなく、個別株に投資しようと思うのならせめて上記の指標ぐらいは理解しておきたいところです。
- 営業利益率10%以上
- ROE8%以上
- 自己資本比率50%以上
というのは、ざっくり1つの目安になるかなと思います。
※こびと株の決算記事を見て頂ければ分かると思いますが、私たちはもっとマニアックなところまでチェックしています。指標の数で言うと、15以上はウォッチしています。
ただ、これはもうほとんど趣味の世界の話(面白いから財務諸表見てるだけ)なので、投資にどこまで役に立っているかと聞かれると…うーんw
皆が知っている大企業でも、数字で見てみると
- 思ったより利益率が高くない
- 思ったより借金まみれで財務状態が良くない
という会社はたくさんあります。最近で言うと、減配を発表して株価が暴落している日産自動車なんかがその典型です。
誰も知らないような中小企業の方が優秀だったりするのが、経済の面白いところですね。雰囲気ではなく、数字でしっかり見ていきたいですね。
長期投資に向かない高配当株の3つの特徴
長期投資に向かない高配当株の特徴は次の3つです。
※長期投資に向く銘柄の裏返しになるので、サクっと説明します。
- 気分屋
- 根性なし
- ゆでガエル
順番に見ていきましょう。
気分屋:業績がブレブレ
業績が良かったり悪かったりを繰り返す企業です。
- 最高益だ!とドヤ顔で勝利宣言したかと思えば
- 2~3年後には赤字転落
みたいな感じですね。こういう企業からの安定配当はまったく期待できません。こういった企業は総じて業績予想の精度も低いため、心穏やかにホールドすることは難しいです。
根性なし:すぐに減配する
すぐに減配してしまう会社は最悪です。安易な減配というのは、株主に対する裏切り行為の1つです。
米国では、配当金を出すために借金する会社があるぐらいですが、日本企業は割とポップな感じで気楽に減配します。
株主に不利益を押し付けても、自分の利益は守り通せるのが日本企業の文化です(もちろん、そうじゃない企業もありますし、そういう企業の株主になるべきです)。
安易な減配を繰り返す企業に投資してはいけません(断言)。
ゆでガエル:右肩下がりの市場で、打開策を打たない(打てない)
最後はコレですね。ゆでガエル、つまり危機感のない会社(もしくは、危機感はあるんだけど何も手を打てない会社)です。
地方銀行なんかは、今まさにそういう状況じゃないでしょうか。
高配当ランキングを見ると、地銀は大量にランクインしています。が!
- 業績はボロボロ
- 復活の兆しは見えず
- PERもPBRも超割安水準
で、完全に放置されている印象です。超低金利という逆風もあり、完全に機能不全に陥っています。こういったなかで、積極的に復活の手立てを打っている地銀ってどこがあるんでしょうかね?
まとめ:長期投資に向く高配当株、向かない高配当株
以上、まとめると次の通り。
長期投資に向く高配当株は、こういう銘柄です。
- 増配傾向にあること
- めったに減配しないこと
- 高収益・高財務
毎年必ず増配する「連続増配銘柄」が最も好ましいですが、利回りが低かったり業種が偏ったりしてしまうので、
- 階段上に増配する銘柄
- 少なくともめったに減配しない銘柄
などを組み合わせて、ポートフォリオ全体のバランスを取る必要があります。どんな銘柄を選ぶにせよ、収益性と安全性は高いに越したことはありません。
※株価が激安になっていて、配当利回りがただ高いだけの「罠銘柄」はノータッチでいきましょう
逆に、こういう銘柄は避けるべきです。
- 気分屋
- 根性なし
- ゆでガエル
業績がブレブレで、簡単に減配してしまう根性なしの会社。市場が右肩下がりなのに、何の手も打てずにいたずらに時間を無駄にしている会社。
※証券会社や地銀、日本郵政(名指しですみませんm(_ _”m))なんかは、少なくとも私たちの投資対象にはならないですね。
こうやって見てくると、いかに米国株の高配当ETFがカンタンか分かりますね。個別株がめんどくさい!という人は、やっぱり米国株が優れた選択肢になると思います。
とはいえ、外国株には為替リスクがつきものです。もし円高が進めば、それだけで数十%もの損失を負う可能性があります(為替を笑うものは、為替に死ぬ。)
日本人として、日本で、円を使って暮らす以上、ある程度は円建ての資産にも投資せざるをえないなというのが私たちの感想です。
しっかり分散して、リスクをコントロールしておきたいところですね。
以上、長期投資に向く高配当株、向かない高配当株の特徴でした。
それではまたっ!
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