こんにちは、シーウィード@こびとが見える経理マン(@kobito_kabu)です。
比較的「手堅い」と言われることもある高配当株への投資。
- 成長株と比べて、株価が落ちにくい
- 配当金の水準は、株価ほどは大きく動かない
本当に株価が底堅く、そして配当金を安定して得られるのなら、人によってはそれなりのメリットがある投資手法ということです。
実際のところどうなのか、サクっと確認してみましょう。
結論としては、連続増配株ならマジで底堅いです。株価が40%下落してても、配当金は1%強の微減です。
目次
暴落時のS&P500の株価と配当金
世界で最も有名な株価指数の1つと言える「S&P500」。
米国を代表する大企業を集めた指数ですが、リーマンショック時(2008年~2009年)には株価と配当金はどのように暴落したのでしょうか?
結論から言うとこの通り。
- 株価 :▲50.8%の暴落
- 配当金:▲17.9%の暴落
1,000万円持っていた人の資産が、500万円になってしまうということ。実際にこれを体験した人たちの心情はいかばかりか。目の前が暗くなりそうです。
(出典:バックテストポートフォリオでSPYのパフォーマンスを測定)
(出典:バックテストポートフォリオでSPYのパフォーマンスを測定)
想像するだけでアタマが痛くなりそうな暴落相場ですが、とはいえ、やはり配当金は株価ほどは下落していないことが分かります。
株価の方がダイナミックに、そして感情的に動くということです。
※配当金は「実態経済」「業績」という裏付けがあって出されるものなので、そちらが壊滅的な影響を受けない限りはそれほど大きく動きません
というわけで、S&P500とは異なる指数をチェックしてみます。
暴落時の連続増配株(VIG)の株価と配当金
世の中には連続増配株というものがあります。下記のような銘柄です。
- コカ・コーラ…56年
- マクドナルド…43年
- P&G…62年
※年数は連続増配年数です。
こういった連続増配株を180銘柄ほどかき集めた「VIG」という投資商品があります。それの暴落時のパフォーマンスを確認してみます。結論はこの通り。
- 株価 :▲39.7%の暴落
- 配当金:▲1.4%の微減
(出典:バックテストポートフォリオでVIGのパフォーマンスを測定)
(出典:バックテストポートフォリオでVIGのパフォーマンスを測定)
今度はさらに分かりやすい傾向が出ました。
連続増配株をかきあつめたパッケージでは、大恐慌に耐えきれず減配してしまった銘柄はそれほど多くなかったということです。全体としては、なんと配当金水準は1.4%の微減にとどまっています。
株価の方も底堅く(39.7%の下落)、S&P500(50.8%の下落)と比較するとダメージは少ないことが分かります。
つまり
- 経済全体が不景気でも、堅調な業績を維持できる
- 業績を維持できるため増配を続けられる
こういう企業はやはり「底堅い」ということです。
※しかし、残念ながら世の中に「ウマい話」というのはなく、VIG全体の配当利回りはS&P500よりも低いのです。超優良連続増配企業は、ただの高配当株とはクラスが違うのですね。VIGに組み入れられるようなクオリティの銘柄が、高配当株化している時は大チャンスですね。
日本株の配当金は、暴落時にどうなった?
さて、これまでは米国市場を見てきましたが、日本株はどうでしょうか?
米国株ほど簡単に分析できるツールがないので、ざっくりしたイメージしかチェックできませんがご了承ください。
東証一部上場企業の配当金推移はこの通り。
(出典:時事ドットコムニュースより)
ポイントは2008年から2010年への減配幅。
ざっくり25~30%ほど配当が減っていることが分かります。
日本企業の配当政策は相当いい加減で、配当性向30%ぐらいならいいやみたいな感じで適当に決まっています(本当です)。詳しくは下記記事をご覧ください。
業績が悪化したら減配どころか、業績が伸びているのにまったく増配しない企業もあるぐらいです。株主還元の意識が著しく低いため、
なんてことにはなりません(最近は多少株主への意識も高まってきています)。
米国企業以上に、優良増配株を選ぶのが難しいですね。
ところで、最近は「累進配当政策」というものも目立ってきています。どういう政策かというと
- 減配しないか(現状維持)
- 増配する
どちらかにするという政策です。減配しないよ、ということ。
何年先まで維持するのか分かりませんが、三菱商事や三井住友銀行なんかがこの政策を明示しています。結果だけ見ると、キヤノンなんかもこの方針ですね。
累進配当の場合、下記のようなグラフで配当金が増えていきます。
(出典:三井住友銀行決算資料より)
配当政策を明言しているわけではないですが、実質的に累進配当のような政策をとっている中・小型株も少なくありません。
こんな感じで、日本企業は
- 毎年連続増配はしてないけど
- 減配しないで、階段のように踊り場を形成しながら長期的に続ける
みたいな企業があるので、スクリーニングが面倒なのですね。
株主還元の意識が高まってきているので、次の景気後退時・暴落時にどのような配当金の動きになるのか、注目したいところですね。
まとめ:暴落時にも安定した配当金を手にするために必要なこと
以上をまとめると、次の通り。
- 暴落相場がくると、株価は40~50%は下落する
- 暴落相場がくると、配当金は20~30%ぐらい下落する
- 連続増配株なら、配当金はほぼ維持できる
※当たり前ですが、連続増配株でも時価総額は大きく毀損するので、不景気の期間をやり過ごせるお金で投資しましょう。
暴落時にも安定した配当を獲得するためには、いい加減な配当政策の企業を選ばないことです。このあたりは、実績を見るしかないでしょう。
- 連続増配株に投資する
- 累進配当政策の株に投資する
利益が伸びない企業は、増配できません。配当維持もできません。
- 増配できる=業績が伸びている
- 配当維持できる=業績が落ち込んでいない
ということなので、財務分析がうまくできない!という人は、少なくとも配当金の推移だけでも確認しておくと「罠銘柄」を掴むリスクがグっと減ります。
もちろん「連続増配している」=「来年も大丈夫」ということではないので、過度な油断は禁物です(当たり前ですね)。人間には直線本能というやつがあって、ついつい未来に向かって一直線に伸びていくと勘違いしてしまいがちです。
人口だって、いつまでも無限に増え続けるわけではありません。いつか必ず終わりがきますから、そういったところを見極めていくのが個人投資家の腕の見せ所というわけですね。
超優良企業を買い集めて、盤石な家計を作っていきましょう。
※ちなみに、今回海外ETFのパフォーマンスを見るのに使った「バックテストポートフォリオ」の使い方は下記記事で解説しています。興味のある人は使ってみてください。
それではまたっ!
補足:日本株の高配当株投資に最適な証券口座
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SBIネオモバイル証券を使った高配当株投資の始め方はこちらの記事をどうぞ。
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※投資にはリスクがあることを正しく認識し、ご自身の判断と責任により行って下さい。
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