証券アナリスト協会からのメッセージ?試験問題から投資を考える

こんにちは、こびと株(@kobito_kabu)です。

実は私、日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)という資格を持っています。

資格をとるには試験を受けなくてはならないのですが、今日はこの試験の二次試験の問題をいくつか取り上げてみたいと思います。

投資をする私たちにとってなかなか示唆(しさ)に富む問題&解答がある気がするからです。

 

証券アナリスト試験の2次試験は、次の4科目。

  1. 証券分析とポートフォリオマネジメント
  2. コーポレートファイナンスと企業分析
  3. 経済
  4. 職業倫理

とりあげるのは、このうち、試験全体の半分を占める「核」とも言える科目、①の「証券分析とポートフォリオマネジメント」の問題です。

 

アクティブ運用より、パッシブ運用が合理的

問 アクティブ運用ではなく、パッシブ運用を選択することが合理的であると考えられる理由を、(1)理論面、(2)実証面の2つの観点から述べよ

アクティブ運用好きな投資家に2重の苦しみを与える問題です。

理論面だけではなく、実証面からも説明せよというダメ押し問題。

 

ちなみに解答はこんな感じだそうです。

 (1)理論:市場が効率的であるならば、リスクとリターンの関係が最も効率的なポートフォリオは時価加重型の市場ポートフォリオ(CAPMによる)

(2)実証面:継続的にパッシブ運用をアウトパフォームしているアクティブ運用のファンドがほとんどないことが証明されている

理屈でも実際でも、市場インデックス大勝利!

 

こんな感じで、市場ベンチマークのパッシブ運用の方が一番いいよねみたいな答えになる問題がちらほら見受けられます。

シーさん
まぁ別にそれはそれで良いんですけど、なんだかつまらないですね。

 

アクティブファンドは高くつく

問 アクティブファンドが高くつく理由を説明せよ

アクティブファンドは、高コストの割にそのコストを回収できるほどの成果をあげられていない、という文脈で出題されています。

 

解答はこんな感じ。

 市場平均に勝つため、情報収集・分析のためのリサーチ人員を多数抱える必要がある。また、意思決定や売買執行タイミングなど、投資における各ステップにおいて追加的な工夫が必要となるため、パッシブ運用よりも運用報酬が高くなる。

それにも関わらず、上の問題で見た通り、継続的にパッシブ運用をアウトパフォームしているアクティブファンドはないということなんですけどね。

残念なことです。

シーさん
プロでさえこの有り様なのだから、情報量に乏しく手間もかけられない個人投資家の場合はなおさらおとなしくパッシブ運用しておくのが吉、というのを刷り込まれるような問題が多数出ています。

 

過去のパフォーマンスが将来も続くとは限らない

問 過去の成績が良好なアクティブファンドに集中投資すべきである、という意見がある。これに対するあなたの意見を述べよ

これもまた、お約束な感じの問題です。

 

これが模範解答。

過去のパフォーマンスが将来も続くとは限らないので、たとえ過去のパフォーマンスが優れたアクティブファンドがあったとしても集中投資はせずに、様々なファンドに分散投資すべきである。

もう何回見たか分からないフレーズです。

  • 過去のパフォーマンスが将来も続くとは限らない
  • 分散しろ

 

証券アナリストの2次試験は、問題文が難解で、どのように記述すれば良いか悩む問題もちらほら見受けられます。

そんな時は白紙で提出するものアレなので

  • 将来は分からない
  • 分散

って書いておけば部分点貰えるんじゃないですかね!

シーさん
いや、冗談抜きでそう思えるくらい、この手の解答も多いです。

 

ファンドマネージャーの運用能力は…

問 次のファンドのファンドマネジャーの運用能力を評価しなさい

ファンドに関する色々な情報(リターンやリスクなど)が与えられて、それを参考にファンドマネージャーの能力を評価せよ!という問題です。

 

よく出てくるタイプの問題なのですが、解答がいつも同じです。

特段優れた運用能力があったとは言えない

どういうことかと言うと、運用結果はファンドマネジャーの能力(銘柄選択能力や売買タイミングの判断)ではなく、次の3つの要因でほとんど説明がついてしまうことが多いということです。

  1. 市場:マーケット全体が好調だったか?不調だったか?
  2. 大型株or小型株:大型株・小型株の比率はどのくらいか?
  3. 割安株(バリュー)or成長株(グロース):バリュー・グロースの比率はどれくらいか?

 

この3つが株式ポートフォリオのリターンを説明するために最も重要な要因。

ファンドマネージャーの運用能力には大差がないことが多い。

こういうことらしいのです(あくまで問題上は、です)。

 

過去10年分ちょっとの問題を解いて、このような問題(ファンドマネージャーの運用能力を評価せよ)を5~6題見かけましたが、

特段優れた運用能力があったとは言えない

という以外の解答を見たことがありません(笑)

 

まぁ確かに、投資クラスタのツイッターを見ていても、市況の全体感と投資スタイル(大型小型・割安成長)の話が多いですよね。

これらの要因がリターンを決定づける重要な要因ということを、皆さん感じているのかもしれません。

 

それにしても、1問くらいは「優れた運用能力を有するマネージャーである!」という解答があっても良いんじゃないかと思うのですが…

シーさん
証券アナリスト協会は、何か思うところがあるのでしょうか…?

 

まとめ

  • アクティブファンドは、運用コストが高くつくし
  • 高くつく割に、理論的にも実証面でもパッシブに勝てないし
  • 一時期パフォーマンスが良かったとしても、将来続くとは限らないし
  • そのパフォーマンスの良さは、ファンドマネージャーの腕というよりは、市況とスタイル効果が大きい場合が多い

という、なんともはやな感じになりました。

1問1問は、別な年度で出題されているのですが、こうやって集めてみると、何かのメッセージだとしか思えません(笑)

まぁ、(無難な)投資を推奨する立場としては、こうならざるをえないんでしょうね~。

 

証券アナリスト試験ではこんな感じの問題がたくさん出ます。

『こんなの常識じゃん!』と思われた方は、アナリスト試験にチャレンジしてみるのも面白いかも知れません。

それではまたっ!

 

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ABOUTこの記事をかいた人

シーウィード

こびと株.comの管理人。一部上場企業での経理/財務の実務経験10年超、日商簿記1級、証券アナリスト、FP資格を有する「企業と個人のお金の専門家」。4つの財布(給与/配当/不動産/事業収入)を駆使して経済的自由を達成することを目標に奮闘中。