こんにちは、こびと株(kobito_kabu)です。
現在、
- 高配当株投資
- インデックス投資(つみたてNISAやiDeCoのみ)
の両刀で資産運用をやっています。
毎月恒例企画ということで、6月の投資トピックスについて「この2つの投資にどのような影響があるか」という観点で、まとめていきます。
本記事の構成はこの通り。
- 日本株の投資トピックス
- 外国株の投資トピックス
- まとめ:高配当株投資のポジションについて
目次
日本株の投資トピックス
日本株については、以下の順番で解説します。
- 株価指数の推移
- その他指数の推移
- 6月のトピックス
①株価指数の推移(日経平均・TOPIX・J-REIT)
6月30日時点の株価は、この通り。
- 日経平均株価:28,792円
- TOPIX:1,944pt
- J-REIT指数:2,151pt
この3つの指数の、直近1年の値動きを見てみるとこんな感じです。
日経平均株価は、2月16日につけた30,714円を超えられずダラけています。
J-REIT指数は約2,150pt。
全戻し、すなわちコロナショック前の水準(2,200pt強)まであと少しですね。
6月単月での値動きは、この通り。
- J-REIT +3.72%
- TOPIX +1.07%
- 日経平均 -0.24%
J-REITが伸びている背景は
- ワクチン普及に伴う経済正常化(オフィスやホテルの利用回復)
- ①を意識した、海外投資家の買い
です。
米国のREITも伸びており、こちらはすでに全戻しを達成済。
一時、J-REITは「要らない子」扱いされてまったく注目されていませんでしたが
- 伸び続ける資産クラスはなく(いつか割高になり、買いの勢いがおさまる)
- 下がり続ける資産クラスもなく(相対的に割安になれば、買いが入る)
ということで
という感じですね。
「高配当株投資家」の目線では、安い時に仕込めたJ-REITは
- 高利回り
- 含み益たっぷり
で実にオイシイ。
インカム系の資産は、やっぱり割安感がある時に買うのがいいですね。
価格が高い時(インカムの利回りが低い時)に、無理して焦って買うものではないです。
②その他指数の推移
この2つをチェックしときます。
- 景気動向指数
- 景気ウォッチャー指数
ざっくりとした景気の雰囲気を掴むのに大事だからです。
- 景気回復の「勢い」「ペース」
を探るための参考として眺めています。
①景気動向指数は、この通り。
4月の数値(6月23日公表)は、103.8となりました。
(出典:景気動向指数 速報からの改訂状況)
グラフの通り、2020年4月以降、明らかな景気回復トレンド(右肩上がり)です。
景気動向指数は、
- 景気全体の現状を知ったり
- 将来の動向を予測したりするときに
使われる経済指標です。産業、金融、労働など、経済に重要かつ景気に敏感な28項目の景気指標をもとに指数が算出されています。
色々な指標をミキサーに入れてスイッチをいれると、1つの「景気動向指数」ができるというイメージです。
4月は
- 企業の在庫が減っている→出荷が増えている。つまり景気が良くなる前兆
- 中小企業の売上見通しが良くなった
などで、前月比1.4ポイントのプラスになりました。
景気動向指数を見る上で大切なのは、この2つ。
- この数カ月、プラストレンドか?マイナストレンドか?
- プラス幅(又はマイナス幅)はどれぐらいか?
過去の推移を見てみると、この通り。
- 6月 84.0(前月比+5.4ポイント)
- 7月 87.2(前月比+3.2ポイント)
- 8月 89.4(前月比+2.2ポイント)
- 9月 93.3(前月比+3.9ポイント)
- 10月 95.2(前月比+1.9ポイント)
- 11月 97.1(前月比+1.9ポイント)
- 12月 97.5(前月比+0.4ポイント)
- 1月 98.3(前月比+0.8ポイント)
- 2月 99.2(前月比+0.9ポイント)
- 3月 102.4(前月比+3.2ポイント)
- 4月 103.8(前月比+1.4ポイント)←New!!
どこでペースが落ちるかなぁ~と思ってみてたのですが、しぶといですね(笑)
先ほど見ていた指数は
- 景気の将来を読むための「先行指数」ですが
- 現在の景気感にほぼ一致して動く「一致指数」も
しっかり数字が良くなってきています。
※例えば、小売業等(コンビニ・スーパーなど)の売上が前年同月比で伸びている=現在進行形で、消費者の購買活動が活発になっている。
次に、②景気ウォッチャー指数はこの通り。
5月は47.6ポイント(前月比+5.9ポイント)となっており、「好景気」の判断の分かれ目となる50を下回りました。
銀座のママさんやタクシーの運転手さんが「景気悪いやんけ!!」と判断しているということです。
5月中に実施されていた
- 「緊急事態宣言」や
- 「まん延防止等重点措置」
が原因でしょう。
(出典:景気ウォッチャー指数6月8日公表)
百貨店・スーパーマーケット・コンビニなどの小売店やレジャー業界で働く人、タクシー運転手など、景気に敏感な職種の約2000人にインタビューし、調査結果を集計・分析して発表するもの。
今後のカギを握るのは、ワクチン接種動向。
- ワクチン接種が進み、経済活動が正常化
- 緊急事態宣言やマンボーが発令されるリスクがなくなる
こうなれば、間違いなく景気は今より良くなります。
③6月のトピックス
国内、6月のトピックスはこの4つです。
- ワクチン接種増加中(コロナ予算30兆円使い残し)
- 日経平均、一時1,000円安の急落
- 家計2,000兆円
- 失業率
まず1つめ。
日本国内で、ワクチンの接種が急速に進んでいます。
(出典:NHK特設サイト「新型コロナウイルス」)
高齢者を中心に、全人口の約10.9%が2回目のワクチン接種を完了。
とはいえ、世界のなかでは「出遅れ感」が目立ちます。
- アメリカは全国民の45.98%がワクチン接種完了していますが
- 日本は、まだ10.9%に過ぎません
今後に期待ですね。
さて、ワクチンの接種が進むと、どうなるのか?
- ワクチンの接種が進む
- 経済が正常化する=企業の業績が良くなる
- 業績が良くなる=利益や配当金が増えて、株価も伸びる(※)
→投資家、うれしい!
※今の株価は、すでに将来の業績回復をある程度織り込んでいます。株価がさらに上昇していくためには「みんなの期待”以上”の業績アップ」が必要です。
実は、日本政府は「コロナ対策のための莫大な予算」を使い切れていません。
新型コロナウイルス禍を受けて2020年春から積み増してきた国の予算73兆円のうち、約30兆円を使い残していることが判明した。
(出典:日経新聞「コロナ予算、30兆円停滞」)※赤字は筆者
30兆円もの予算が「投資」や「消費」に回らず停滞している背景は、ワクチン接種の遅れです。
今後、ワクチンの接種が進んでいくにつれ
- 「国民の消費」や「企業の投資」が戻るとともに
- しっかりと政府予算も消化されていく
はず。
次に2つめ。
6月21日に、日経平均が一時1,100円安と急落。
終値ベースでも、前週末比953円安(▲3.3%)の2万8010円となり、4ヵ月ぶりの大きな下げ幅となりました。
「お?チャンス到来か?」と、久しぶりにテンションが上がるこびとさん。
お、久しぶりにちょっと大きい下げきてる
【日経平均】-842.85 (-2.91%) 28121.23 pic.twitter.com/3liVNcVRJZ https://t.co/yKYj9nDL52— こびと株.com (@kobito_kabu) June 21, 2021
急落の背景は
- アメリカのえらい人が
- 6月18日(金曜日)に
- 予定より早く金利を上げようかな~
と言ったからです(日本では19日20日と相場がお休みで、21日に直撃)。
この件については、「海外トピック」の方でもう少し詳しく解説します。
結局、この急落は一時的で、株価はその後すぐに戻りました。
ここで言いたいのは、結局相場は「俺たちのUSA=アメリカ様次第だ」ということ。
次に3つめ。
6月25日、1~3月期の資金循環統計(速報)が発表されました。
家計の金融資産残高は過去最高、2,000兆円近くになっています。
注目したいのは
- 外出自粛による消費の抑制や10万円の給付金が資産増の一因
- 投資関連の比率は15.7%と、まだまだ低め
この2点。
- 続く自粛や将来への不安でお金を使えない
- 投資はやっぱり怖くて、現預金に頼りがち
そんな家計像が見えてきますね。
2020年8月に日銀が発表した「資金循環の日米欧比較」によれば、家計に占める投資関連(株式・投資信託・債券)の比率は、
- アメリカ:50.8%
- ヨーロッパ:27.9%
- 日本:14.4%
と、ずいぶん差があります。
2,000兆円の家計資産は、間違いなく、今後の経済や株価の行方を決めるキーファクターです。
どうにかして、皆でうまく使っていきたいところですよね。
最後に4つめ。
失業率の上昇について。
6月29日に発表された5月の失業率は、3.0%。
緊急事態宣言などの影響もあって、前月より0.2ポイント悪化していました。
(日本経済新聞「5月失業率3.0%、0.2ポイント悪化 女性の失業者増加」より抜粋)
こう考える人もいるかもしれません。
確かに、長期的な失業率のグラフは、こんな感じ。
(日本経済新聞「雇用、人材再配置が課題 失業率5月3.0%」より抜粋)
現状、
- 有効求人倍率は、2014年ぐらいの水準があるし(リーマン直後の2009年は地獄)
- 失業率も、2016年ぐらいの水準です(リーマン直後の2009年は地獄)
それほど高いようには見えないかもしれません。
けれども、問題は雇用維持の背景にあるもの。
そう、雇用調整助成金です。
こちらは厚生労働省が大規模に続けている助成金で、企業が従業員に払う休業手当の費用を助成するもの。
- 雇用調整助成金によって押し下げられた失業率は1.2~2.6%
- 助成金がなければ失業率は最大5.4%に上っていたかも
と言われているんですね。
要するに、一時的にパワーが出るドーピングみたいなものです。
その通りです。
累計で4兆円近く支給されている雇用調整助成金。
小さくないリスクとして、認識しておく必要がありそうですね。
変異株によるコロナ禍長期化、ご勘弁願いたいものです…
以上、国内に関して言えば
- 日経平均株価やトピックス:グダり気味(↓)
- 実体経済:回復傾向(↑)
という感じで、
「期待先行で上がっていた株価」と「実体経済」の差が、多少埋められつつある
という状況かなと(もちろん、個企業の決算・業績も見たうえでの感想です)。
外国株の投資トピックス
お次は、外国株の話題です。
外国株については、この4つの順番で見ていきます。
- 株価指数の推移
- ゴールド・債券ファンド等の値動き
- 高配当ファンドの値動き
- 6月のトピックス
①株価指数の推移
日本を除くG7の主要株価指数の推移(直近1年)は、この通り。
直近1年のパフォーマンスは、こんな感じ。
- S&P500(米国):+38.49%
- CAC40種(フランス):+32.07%
- S&P TSX(カナダ):+29.94%
- FTSE MIB(イタリア):+29.30%
- DAX30(ドイツ):+26.16%
- FTSE100(イギリス):+14.06%
6月単月で見ると、この通り。
+2.19%(オレンジ線)で、米国がトップです。
- S&P500も
- ナスダックも
ともに史上最高値を更新しています。
ロイター通信によると
S&P500は上半期に14.5%上昇し、1998年以来2番目の高い伸びを記録した。
(出典:ロイター通信「米国株式市場=S&P最高値、四半期で5期連続値上がり」)※赤字は筆者
とのこと。
呼吸をするように平然と最高値を更新し続けるのが米国株です。こわいよ。
②ゴールド・債券ETF等の値動き
ゴールドは、4月にいったんの底を打って上昇トレンド…
だったのですが、急落しました(またかよ)。
下落幅としては、史上7番目の大きさでした。
背景にあるのは、日経平均急落のきっかけになった「アメリカのえらい人」の「利上げを匂わす」発言。
- →金利が上がるかも?
- →ドルが買われる
- →利息のつかない「ゴールド」は相対的に嫌われる
という構図ですね。
短期目線では、難しいトレードが続いていますね。
お次は、債券です。
投資額に対して2%~5%ほどのインカム(利息)が欲しければ、米国債券が有望な投資候補になります。
米国の優良債券ファンドを3つチェックしてみましょう。
- AGG:ローリスク・ローリターンな債券(格付け高く、利回り低い)
- LQD:ミドルリスク・ミドルリターンな債券(格付け普通、利回り普通)
- HYG:ハイリスク・ハイリターンな債券(格付け低く、利回り高い)
米国総合債券に投資する【AGG】というファンドのチャートはこの通り。現在の分配金利回りは1.95%ほど。
投資対象の約7割は、格付けがAAA(トリプルエー)の債券です。
非常~に底堅い値動きをする安全性の高い債券ファンドですが、ここ最近は「長期金利の動き」に振り回されています。
- 金利上昇(↑)→債券価格下落(↓)
- 金利下落(↓)→債券価格上昇(↑)
利上げが意識される局面では、買いづらいですね。
米国優良社債に投資する【LQD】というファンドのチャートはこの通り。分配金利回りは2.49%ほど。
投資対象の約8割は、格付けがBBB(トリプルビー)~Aの債券です。ギャンブル性の低い「投資適格」な債券であるものの、AGGよりは安全性が低いです。
こちらも、ここ数年は3.5%ぐらいの利回りがとれていましたが、最近はそれほど美味しい利回りではありません。
ですが、米国債よりはマシな利回りであることも確か。
日本国内の生命保険会社大手の中には
「米国債の利回り(約2%)じゃモノ足りない。もうちょいリスクとる」
ということで、積極的に社債を取り入れる動きもあるようです。
(参考:国内生保に米社債などを積み増す動き-日本生命の残高は10兆円が視野)
最後は【HYG】です。ゴミ債券、いわゆるジャンク債に投資するハイリスクな債券ファンドです。
現在の利回りは4.49%ほど。
投資対象のほぼすべてが、格付けCCC(トリプルシー)~BBの債券です。ギャンブル性が高く、投資不適格と呼ばれる債券たちですね。
債券ですが「株式」のような値動きをするハイリスクな資産で、ご覧の通り株式と同じように高値圏にいます。
株が暴落する時は、基本的にこちらも暴落します。
他の手堅い債券のように「ポートフォリオの守備力を高めるために役立つ」とは思わない方が良いでしょう。
ここ最近、修行僧のようにずっと同じことを言っている気がしますが、私は
- 株価には過熱感が見られるから、あんまり多く持ってると調整(株価下落)に巻き込まれそうだし
- かといって、金利上昇で債券は下落しそうだから、株を売って債券に組み替えるの微妙だし
- 短期的には、キャッシュポジションを増やしておこうかな!
という考えです。
相場が好調な時期は、リターンを生まない「現金」を持っていると、自分がアホなんじゃないかと思えることもありますが…
本当に、相場が永遠に右肩上がりなら、50年前からの市場参加者は全員お金持ちになっているはずです。
それなのに、実際そうなっていないのは、ピンポイントで「クラッシュ」に巻き込まれ致命傷を負い、再起不能になるから。
守備は大切です。
③インカム系ETFの値動き
私の愛する高配当株ETFについて見てみましょう。
- キャピタル(売却益)も
- インカム(分配金)も
両方狙えるポテンシャルのあるファンドたちです。
HDV、VYM、SPYDの直近1年のチャートは、この通り。
それなりに「異なる値動き」をしていることが分かります。
「高配当」という要素では共通しているものの、構成銘柄やセクター割合にはそれぞれ特色があります。
さて、6月は各ETFで「四半期の分配金」について発表がありました。
結論は、この通り。
- VYM:2020年6月 $0.837 → 2021年6月 $0.752(減配)
- HDV:2020年6月 $0.879 → 2021年6月 $0.810(減配)
- SPYD:2020年6月 $0.366 → 2021年6月 $0.399(増配)
ちなみに、これは前年同期を比較した四半期ベースです。
年ベースで見れば、3兄弟のいずれも±1%台の増減におさまっています。
米国は日本よりも経済回復が早そうですから、企業業績が上向けば配当金もついてくるでしょう。
引き続き、超長期目線でどっしり構えていれば良いんじゃないかなと思います。
④6月のトピックス
海外、6月のトピックはこちら。
- アメリカのゼロ金利政策、2023年解除
- バブル状況のチェック
まず1つめ。(今月、これが非常~に重要なニュースとなりました。)
FRB(米連邦準備理事会)は、2023年中にゼロ金利政策を解除する方針を示しました。
- 想定より早く景気回復してるし
- 物価上昇率(インフレ率)がぐんぐん伸びてるし
このままいくと、経済が過熱しすぎてしまうので
というワケ。
世の中の大事なこと(経済関係)は、誰が、どこで決めているのか?
日本では
- 「日本銀行」が
- 「金融政策決定会合」で
金融政策を決めています。
アメリカでは、
- 「FRB(米連邦準備理事会)」が
- 「FOMC(米連邦公開市場委員会)」で
金融政策を決めています。
今、多くの日本人が気にしているのは、ウルトラスーパースター・規格外の怪物「大谷翔平選手」のプレイですが、
これが、最も重要な関心事項と言っても良いでしょう。THE・大切。
そもそも、今、相場が絶好調なのは、こういう背景があるからです。
- 金利がめっちゃ低い(一般に、金利が下がると株価は上がります)
- 政府が、株や債券を買い支えてくれる
FOMCの「金利を上げます」という発表は、「流れるプールの流れを逆にします!」と宣言するようなもの。
- いつ、金利を上げるか
- どれぐらいのペースで金利を上げるか
このかじ取りを誤ると、投資家たちの心理は一気に冷え込み、相場が急落するおそれがあります。
※実際、2013年5月に、当時のFRB議長の発言がきっかけとなり相場が急落しています。俗に言う、バーナンキ・ショック。
18日には、FOMCのメンバーであるブラード総裁が、2022年中の利上げを匂わせる発言をしました。
この発言がきっかけとなり、国内トピックスですでに触れた通り、日経平均は約3%急落したというワケです
日銀は、すでに「日本株買い」のペースを緩めています。
要するに、市場での存在感が薄くなってるんですね。このことも、この急落に歯止めがかからなかった要因と言われています。
繰り返しになりますが、ここ最近の相場は下記前提により支えられてきました。
- 金利がめっちゃ低い(一般に、金利が下がると株価は上がります)
- 政府が、株や債券を買い支えてくれる
この前提が崩れたら、今までとは「ちょっと違った世界」になるということ。
市場参加者が「気持ちよ~く投資を続けられるかどうか」は、政府のかじ取り次第とも言えます。
- 政府がうまく舵とりできると思うなら、いつでも買い場ですし(暴落は起きないし、バブルも起きない)
- 政府がかじ取りを誤りうると思うなら、慎重になる必要があります(暴落やバブルを警戒)
さてさて、どうなることやら。
次に2つめ。アメリカのバブル度チェックをしておきましょう。
政府が、本当に「うまく舵取りし続けられるか」を監視する、1つの目安になるからです。
株式投資で使われる指標にはイロイロなものがありますが、その中で「株式市場の割高感を判断するヒントになるよ」と言われている指標を、3つほどチェックしてみると…
- バフェット指数:過去最高に割高!
- シラーPER:相当に割高!
- ゴールドシルバーレシオ:まぁまぁ割高気味!
ということで、
市場関係者の中には
- バブル(いずれ弾ける大きな泡)と言うほどではないが
- フロス(細かい小さな泡)は観測できる
といった意見もあります。
「何も起きていない。大丈夫だ問題ない。」
とは言い切れないということ。
3つの指標を1つずつ、ササッと見ておきましょう。
まず、バフェット指数。
2021/6/30現在で204.4%。
- 2000年のドットコムバブル時:120%
- 2008年のリーマンショック時:100%
なんてモノともせず、堂々の過去最高を更新しています。
次に、シラーPER。
2021/6/29現在で38倍。
- 1929年のブラック・マンデー時:29倍
- 2008年のリーマンショック時:27倍
と比べても、なかなかの高水準と言えますね。
最後に、ゴールドシルバーレシオ。
2021/6/29現在で68倍。
- 1991年の湾岸戦争時:100倍
- 2008年のリーマンショック時:90倍
- 2020年コロナショック前後:90~110倍
と比べると、「まだもう少し大丈夫かな?」という風にも見えますが、それなりの水準ではあります。
※各指標の詳しい内容を知りたい方には、以下の動画がおすすめです。
ちなみに、住宅関連の指数でもバブリーな兆候が出てますね。
https://twitter.com/goto_nikkei/status/1409869111883186185
バブルかどうかを判断する「参考指数」は1つではありません。
- 過去、現在、それぞれの時代背景も考慮しつつ
- 複数の指数を眺めながら
トータルで見ていくしかないですね。
私たちとしては、
という認識です。
まとめ:高配当株投資のポジションについて
以上をまとめると、この通り。
- 日経平均&TOPIXはグダり気味。J-REITがコロナ前全戻し直前
- 景況感を見るに「実体経済」は良くなってきている(「株価」との乖離を埋めていっている)
- ワクチン接種率が急増中。今後の進捗に期待
- S&P500やナスダックは史上最高値を更新
- 利上げ時期が2022年中に前倒しになる可能性(FRB・FOMCの動向に注意)
- 株式市場・住宅市場で過熱感が見られる
という感じです。
個人的には、引き続き
- iDeCoやつみたてNISAを中心としたインデックス運用はそのままに
- 高配当株は、調整に備えキャッシュの比率を高める(個別に見て、買えるものがあればピンポイントで買う)
というスタンス。
こびと株ポートフォリオはいたって健全な運用がされており(含み益は過去最高。配当も増配ラッシュ)、この状況であえて「積極的な買い増し」をする必要はないと考えています。
お待ち頂けますと幸いです。
それではまたっ!
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