毎月更新の定例記事です。
2018年3月30日時点の配当利回りランキング、是非ご覧くださいませ!
抽出時期 :各月末
対象市場 :東証一部、東証二部、東証JASDAQ
配当利回り:税引き前3.75%以上(税引き後3%)※復興特別所得税は無視
目次
サマリー
2018年3月30日時点
全体指標
- 日経平均:21,454.30
- 日経平均高配当株50指数:37,776.67
- 日経高配当株50配当利回り:3.44%(前月比+0.16%)
- TOPIX :1,716.30
- 円/ドル:1$=106.26円
配当利回りが3.75%(税引き後3%)以上の企業数
- 一部上場 :41社(前月比+19社)
- 二部上場 : 8社(前月比+ 2社)
- JASDAQ上場:20社(前月比+10社)
配当利回りランキング(東証一部上場)
- ※エクセルオンラインのデータが表示されます
- 証券コードをクリックすると、Yahooファイナンスのページに飛びます
※1 「-」は、前月ランク外であった銘柄
※2 2017年1月以降で、月末の配当利回りが3.75%を超えていた月の数
今月は、税引後配当利回りが3%を超える銘柄が22社から41社へと増加し、2倍近い水準になりました。
2017年5月31日との比較
高配当株の銘柄数がちょうど同じぐらいの水準だったのは、2017年5月31日時点の高配当ランキングです。2017年5月と2018年3月を比較してみると
- 日経平均 19,650円 → 21,500円
- 高配当株銘柄数 38社 → 41社
- 日経平均高配当株50配当利回り 3.33% → 3.44%
日経平均では2,000円弱も伸びているにもかかわらず、高配当株銘柄の数が同じぐらいというのは、配当金自体の水準が上がっているということです。日本企業は「配当性向30%」に縛られてきたため、優良企業の増配余地はまだまだあります。
配当性向の伸びしろは、日本企業の方が大きいかもしれません。
今月のランキングの特徴
「証券会社」と「商社」です(ちなみに、先月の話題の中心は[2914]JTさん。未だ高配当利回りです。)
- 証券会社が数多くランクイン(上位10社のうち7社)
- 高配当・万年不人気の「商社株」が姿を見せ始めた
金融株、特に証券株は配当金狙いの長期投資には向かないと考えています。したがって、今回ランクインした大半の証券株は「そっ閉じ」でオシマイということです。
商社株は、ビジネスの大転換で以前ほど景気の影響を受けにくくなってはいますが、それでも景気敏感株であることに変わりはありません。
時代の変化に強く、キャッシュの創出力も高いです。ここ最近は配当金の値上がり以上に株価が上昇していたのでランキングから姿を消していましたが、最近の調整局面でようやくランキングに姿を現し始めました。
ただ、投資するにはまだ早いです。商社は配当金は柔軟に増やしたり減らしたりするので、業績不振時の減配を見込んで、最低でも購入時配当利回りは5%程度欲しいところです。こびと株的には、[8031]三井物産や[8002]丸紅はまだ手を出す水準ではありません。
※ちなみに、こびと株.comメンバーは商社上位5社を均等保有しており、含み益が+50~70%になっています。他の高配当・不人気銘柄と同じく、底値買いさえ徹底すれば、元本を割るリスクも抑えられます。
その他の新規登場銘柄について
- 前月からの順位変動が「ー」
- ランキング登場回数が「1」
これが完全なニューフェイスです。当月は9社あります。うち3社は証券株・1社は商社株なので、残った5社を見てみます。
- [9110]NSユナイテッド海運
- [3571]ソトー
- [9412]スカパーJSATホールディングス
- [1852]淺沼組
- [8714]池田泉州ホールディングス
[9110]NSユナイテッド海運は、バラ積み船がメインの海運会社です。売上規模は1300億円~1500億円ほどで、営業利益率は5%程度です。
- 2012年/2013年は無配
- 2014年/2015年は9円
- 2016年と2017年は4円
このように配当金はブレブレです。収益性も財務安定性も特筆すべきところはまったくなく、海運業界の長期展望を踏まえても、配当金投資の銘柄としての魅力はありません。
[3571]ソトーは毛織物染色の大手で、繊維製品企業です。売上水準は100億円~120億円ほどで、営業利益率は3~5%と低収益です。ただ、自己資本比率は85%で、無借金経営に近いです。
平成21年と平成22年に赤字を出していますが、配当金はしっかり出しています。平成22年以降、1株あたり年間配当金は40円で固定されており、配当金の安定性は高いです。ただ、直近の配当性向は100%を超えており、やはり単年度の収益性に大きな課題がありますね。
[9412]スカパーJSATホールディングスは有料チャンネル放送「スカパー!」事業を展開するメディア企業です。売上は1500億円~1900億円ほどで、営業利益率は10~12%で満足できる水準にあります。自己資本比率は60%弱で、それなりの規模の有利子負債を抱えています。
平成21年以降、1株あたり配当金は12円以上をキープしており、直近の予想配当は18円です。この間一度も減配はしていません。この10年、安定して利益を出しているのに、PBRが0.67倍になっているのは面白いですね。将来性がないということなのでしょう。
スクリーニング的にはぼちぼちクリアといったところです。追加調査・監視銘柄としたいと思います。
[1852]淺沼組は関西の中堅ゼネコンです。低収益・ぼちぼちの財務状態という、典型的な建設会社です。2012年~2014年は無配でした。建設系の銘柄は、やはり投資したいとは思えないですね。
[8714]池田泉州ホールディングスは関西地盤の銀行です。こびと株メンバーの苦手な銀行株です。IR資料も財務諸表もぐちゃぐちゃしてて物凄く読みづらいんですよね。銀行ごとのビジネスの特徴・違いもよく分かりません。
銀行株は、日経高配当50ETFを買えるタイミング(配当利回り4%程度)で、ETFのなかに含まれているならまぁいいかといった感じ。個別銘柄に手を出すことはないでしょう。
まとめ:超久しぶりの追加調査・監視銘柄が登場
というわけで、新顔6社を見てきましたが、興味がそそられたのはたったの1社でした。
[9412]スカパーJSATホールディングスです。
- 利益率の水準(営業利益率10%超をキープ)
- そこそこの配当安定性
- 不人気ぶり(PBR0.67倍)
が興味をそそられますね。
2016年/2017年に240億円ほどあった営業利益が、2018年は170億円と▲30%になっています。かなり大幅な利益後退で、これが嫌気されるのは当然でしょう。
利益の絶対額が減少しているとはいえ、営業利益率は10%超をキープしており、配当性向も50%程度です。もし、2018年度の売上1700億・営業利益170億の水準を今後数年キープできるならワンチャンあるかな?
と思いますが…現時点の通期予想に対する進捗は63%ほど。下方修正もありえますね。どのあたりで業績の底を打つかが大きなポイントになりそうです。
配当利回りランキング(東証二部上場)
- ※エクセルオンラインのデータが表示されます
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※1 「-」は、前月ランク外であった銘柄
※2 2017年1月以降で、月末の配当利回りが3.75%を超えていた月の数
新顔は[3447]信和の1社です。ん?情報がない!と思ったら、2018年3月20日に東証二部上場を果たしたばかりの会社なんですね。仮設資材に関連した金属製品メーカーのようです。
配当金狙いの投資としては、単年度P/Lや成長性よりも、過去からの積み上げであるB/S指標・配当金の安定性を重視したいところです。株主に報いてきたか、実績こそがモノを言うからです。
その他、投資したい銘柄はありません。
配当利回りランキング(東証JASDAQ上場)
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※1 「-」は、前月ランク外であった銘柄
※2 2017年1月以降で、月末の配当利回りが3.75%を超えていた月の数
完全な新顔はいません。どれも一度はランキングに登場したことがある銘柄ですね。これといって、投資したい銘柄はありません。
不動産関係の銘柄ではありますが、[8898]センチュリー21が配当利回り3.7%のところまで来ています。この銘柄はかなりの財務優良企業で、ぜひこびと株に加えたいと思っています。あとは、いくらで買うか?どこまで行ったらナンピンするか?それを決めるだけの段階です。
まとめ
調整局面&企業の株主還元強化の流れで、高配当株が大幅に増加!
個人的な目線をまとめると
- 商社株の利回りもっと上がってほしい
- スカパーちょっと面白そう
- センチュリー21の株価もっと下がってください
こんな感じです。NTTドコモとかKDDIも引き続き監視です。日経高配当50ETFの配当利回りがもっと上がってきたら、中に組み込まれている優良大型銘柄のなかにオイシイ銘柄があるかもしれません。
このように、「気になる銘柄がちらほら見えてきた」というのは久しぶりですね。昨年は見る銘柄があまりに少なすぎました。
ここからさらに株価が下がるようなことがあれば、ますます魅力的な銘柄が増えていくでしょう。高配当株好きとしては、楽しみな展開です。
- 米国株ETFは、一定時期に一定額を積み立て続けて
- 日本株は毎月スクリーニングしながら個別銘柄をタイミング投資
引き続き、このスタンスを続けていきたいと思います。
それではまたっ!
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