こびと株.com(@kobito_kabu)がお送りする、毎月更新の定例記事です。
※データが多すぎて記事が重いです。すみませんm(_ _”m)
抽出時期 :各月末
対象市場 :東証一部、東証二部、東証JASDAQ
配当利回り:税引き前3.75%以上(税引き後3%)※復興特別所得税は無視
目次
サマリー
2020年2月28日時点
全体指標
- 日経平均:21,142.96円(前月比-2,062.22円)
- 日経平均PBR:1.02倍
- 日経高配当株50配当利回り:4.77%(前月比+0.38%)
- 円/ドル:1$=108.07円
配当利回りが3.75%(税引き後3%)以上の企業数
全部で565社。先月より257社増加しました(増えすぎ!)。
- 一部上場 :425社(前月比+187社)
- 二部上場 : 64社(前月比+37社)
- JASDAQ上場 : 76社(前月比+33社)
日経平均株価と高配当株の推移は、次のとおり。
コロナショックに伴って株価が急落。
データを取り始めて以来、かつてないほど高配当株が増えました。
全体感
2020年2月は、久々の大荒れ相場になりました。トピックはこの2つ。
- GDP10~12月期 年率▲6.3%
- コロナショック
まずトピック1つめ。
GDPが5四半期ぶりのマイナス成長になりました。
内閣府が17日発表した2019年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除く実質で前期比1.6%減、年率換算では6.3%減だった。
5四半期ぶりにマイナス成長に転じた。
消費税増税で、個人消費が落ち込んだのが主な理由です。
欧米では一般的に、国内総生産(GDP)が2四半期連続でマイナス成長となった場合にリセッション入り(景気後退局面入り)とみなされます。
要は、不景気に入りそうだよということです。
長期にわたり景気拡大が続いてきましたが、風向きは変わりつつありますね。
※3月7日号の週刊ダイヤモンドで、エコノミスト9名がGDPの成長率予測を公表しており、9名のうち6名が、2020年1~3月期はマイナス成長だと予測しています。
トピックの2つめはコロナショック。
コロナなんて大したことないでしょ~、という軽いノリだったのが一転。世界各国で、感染者数が増え続けています。
世界保健機関(WHO)は28日、新型コロナウイルスによる肺炎(COVID-19)の危険性評価で世界全体を「高い」から、最高の「非常に高い」に引き上げた。
感染者の広がりが中国以外の世界全体に及んでいる状況を重視した。
一方で、パンデミック(世界的な大流行)の宣言ではないと強調。
こうした状況を受けて、日本では
- 各種イベントの自粛
- 有給休暇取得・時差出勤の推奨
- 全国一斉休校
などが行われ、まさに「非常事態」と言える状況になっています。
コロナの影響は、株式市場を直撃。
日経平均株価は、2月の最終週で2,243円78銭も下落(▲9.6%)。終値は2019年9月以来約6ヵ月ぶりの安値である、21,142円96円になりました。
下げ幅としては、リーマン・ショック直後の2008年10月6~10日(2,661円)以来の大きさです。
NY市場も荒れに荒れましたね。
ダウ平均株価は、1週間で3,580ドルも下落(▲約12.3%)。
アメリカのメディアでは「リーマンショック以来の株価下落だ」などと言われているようですね。コロナなどどこ吹く風で、無敵に思われたNY株式市場も足元をすくわれた形です。
CNNというニュースサイトが公表している「Fear&Greed Index」という指標によると、投資家の感情は「Extreme Fear(超怖い)」の状態になっています。
(出典:CNN)
いやぁ~、たった1ヵ月でこんなに変わるものなんですね。ほんのちょっと前まで、楽観論者ばかりだったと思うんですけど。
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さて、今回の暴落に関して、私の感想・スタンスは次の3つです。
- 株価が半年分巻き戻っただけ
- 実態経済への影響が長引きそう
- 景気敏感株の買い増しは見送り
まず、株価についてですが、ちょっと前の株価の水準に戻っただけじゃんという感じです。バーゲンセールと呼ぶにはまだまだ。
私はこの数ヵ月ほとんど買い増しをしていないので、含み益が増えて、含み益が減って、ただそれだけです。結局、何も起きていないのと変わらない。
実際、日経平均株価は2019年9月ぐらいの水準に戻っただけですし、
ダウも、2019年5月ぐらいの水準に戻っただけです。
一方で、株価が巻き戻っただけとはいえ、トレンドが変わっていることには注意しなければいけないなと思います。
上昇相場での日経平均21,000円と、下落相場での日経平均21,000円は同じではないですからね。
新型コロナウイルスは間違いなく実体経済にダメージを与えており、また、その影響も長引きそうです。
ここ最近は
- 急落時に買い向かえば
- すぐに値が戻ってハッピー
みたいな展開が多かったですが、今回はどうなることやら。焦った売買は禁物です。
※もし今後、大量の優良高配当株が市場に出てきたときに「お金がなくて買えません!」ではお話になりません。常に余力を持っておきたいですね。
配当利回りが急激に上昇している景気敏感株が目立ちますが、買い増し(または新規購入)はしない方針です。コマツとか、ついつい目がいっちゃいますけどね。
下記記事で紹介したように、市場が暴落した時に私たちが買うのは「業績が良い会社」です。
だいたいにおいて株価は正しいのです。赤字になりやすい業種の高配当株を買ったら、近い将来リアルに業績悪化して
減配+株価下落のダブルパンチ
これを食らうだけ。
こういう相場で狙いたいのは、あくまでも
- 業績が良いのに(コロナの影響を受けにくいのに)
- 市場全体に連れ安して、株価が下落している会社
です。
くれぐれも配当利回りだけに目を奪われないようにしたいところ。
配当利回りランキング(東証一部上場)
- ※エクセルオンラインのデータが表示されます
- 証券コードをクリックすると、Yahooファイナンスのページに飛びます
※1 「-」は、前月ランク外であった銘柄
※2 2017年1月以降で、月末の配当利回りが3.75%を超えていた月の数
本題に入る前に:スタンス確認
銘柄紹介の前に、こんな状況なので、あらためてこびと株メンバーの高配当株投資のスタンスを紹介しておきます。
- 業績・財務が良く
- 株主還元の意識が高い
- あらゆる国、地域、業種の優良企業を
- たくさん&長期保有することで
- 安定した配当金収入を増やし続ける
最低でも10年以上の投資期間を見ており、基本的に損切りはしません。
※高配当株投資をはじめて以来、いちども保有株を売却したことはなく、今回の急落相場でもまったく売っていません。
リターンは5%ほどを想定しており、ざっくり10年で1.5倍になればOKぐらいのスピード感です。
10年の間に、配当金だけで30~50%の投資資金を回収。
そして、10年後に
- 株価が下がっている→配当込みで負けてなければいいや
- 株価が同じぐらい→配当分だけ儲かったのでOK
- 株価が成長した→万歳\(^o^)/
というイメージ。もちろん、③になるような株を探しています。
ポートフォリオ全体が、1つのキャッシュ製造機としてうまく機能すればOK。
1銘柄に勝負を賭けるという発想ではございませんので、ご承知おきくださいませ。
というわけで、銘柄紹介に入ります。
今月の投資候補
425社の高配当株のうち、投資しても良いかなと思える銘柄は下記のとおり。
- [2914] JT 7.18%
- [9986]蔵王産業 4.50%
- [8898]センチュリー21・ジャパン 4.23%
- [9437]NTTドコモ 4.10%
- [8750]第一生命HD 4.19%
- [8096]兼松エレクトロニクス 4.22%
- [8593]三菱UFJリース 4.05%
- [4326]インテージHD 3.81%
- [3407]旭化成 3.77%
- [4327]日本エス・エイチ・エル 3.76%
- [9432]日本電信電話 3.76%
- [9433]KDDI 3.76%
今回のポイントは、前述のとおり露骨な景気敏感株(業種)を抜いていることです。
たとえば、こういう会社たちです。
- 電気機器:キヤノン 5.85%
- ゴム製品:ブリヂストン 4.44%
- 化学:DIC 4.30%
- 証券:松井証券 5.30%
- 銀行:三菱UFJFG 4.70%
- 総合商社:住友商事 5.17%
- 機械:コマツ 5.04%
- 自動車:ホンダ 4.00%
こういった業種・銘柄は、業績が非常に景気に左右されやすく、売上や利益があまり安定しません。基本的には配当金投資には向かないとされる業種です。
※「基本的に」というのが非常に難しいところ。
これらの業種に属する会社だったら全部ダメかというと、そんなことはないのですが、投資タイミングがシビアだということは知っておいた方が良いと思います。
配当利回りの高さに釣られて飛びついた後、
- 業績が悪化
- 減配
- 株価もさらに下がる
ということになると、目も当てられません。今回のコロナ騒動がどれだけ業績にダメージを与えるか見えないなかで投資するのは、少し怖いですね。
景気敏感株は、ひとまず様子見です。
ついつい配当利回りが超高い銘柄に目がいきがちですが、こういうときに見るべきはむしろ相対的には低利回りに見える会社です。
3社ほど紹介します。
インテージHD:3.81%
インテージホールディングスは、市場調査分野で国内首位のリサーチ会社です。
この10年の株価は、この通り。
売上高は順調に増え続けており、
1株あたり純利益もしっかり増加しています。
指標関係はこのとおりで、安定的。まったく問題ない水準です。
- 営業利益率:8%~10%
- ROE:10~12%
- 自己資本比率:65.4%
- 配当性向:40%弱
リーマンショック時にも赤字転落・減配することもなく、何事もなかったかのように増収・増益を続けた会社です。
10年以上にわたり減配しておらず、配当金は
- 2010年:12.5円
- 2020年:30円
と、10年で2.4倍に成長しました。
この10年、各年度の3月末時点で配当利回りが3.75%(≒税引後3.0%)を超えたことは一度もありません。
- コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けるようなビジネスモデルではなさそう
- ビッグデータを扱う会社とあって、世のトレンドとも合っている(衰退産業ではない)
- 業績・財務優良な連続増配株
十分に、高配当株ポートフォリオの一角を担うポテンシャルがありますね。
日本エス・エイチ・エル:3.76%
日本エス・エイチ・エルは、過去何度か紹介している銘柄です。
- 人事評価の診断ツール
- 人事コンサル
この2本柱でビジネスを展開している、人材サービス系の会社です。
この10年の株価は、この通り。
売上高は順調に増え続けており、
1株あたり純利益もしっかり増加しています。
指標関係はこのとおりで、極めて高収益・好財務の会社です。
- 営業利益率:40%前後
- ROE:20%弱
- 自己資本比率:86.0%
- 配当性向:約50%
リーマンショック時にも赤字転落・減配することもなく、何事もなかったかのように増収・増益を続けた会社です。
10年以上にわたり減配しておらず、配当金は
- 2010年:34円
- 2020年:72円
と、10年で2.1倍に成長しました。
時価総額100億円の小さな企業とあって、出来高がめちゃくちゃ少ない地味な会社です。配当利回り4%前後を狙う機会は、ほどほどに訪れます。
- コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けるようなビジネスモデルではなさそう
- 人材サービスを扱うニッチな会社とあって、需要がなくなる業態ではない(衰退産業ではない)
- 業績・財務優良な連続増配株
十分に、高配当株ポートフォリオの一角を担うポテンシャルがありますね。
日本電信電話:3.76%
日本電信電話(NTT)は、言わずと知れた超巨大通信企業ですね。
- NTTドコモ
- NTT東日本、西日本
- NTTデータ
などを傘下に持つ、時価総額約10兆円のボスです。日本企業で時価総額3位ですかね。
この10年の株価は、この通り。
売上高は順調に増え続けており、
1株あたり純利益もしっかり増加しています。
指標関係はこのとおりで、高収益・好財務の優良企業です。
- 営業利益率:15%前後
- ROE:10%弱
- 自己資本比率:40.6%
- 配当性向:約40%
リーマンショック時にも赤字転落・減配することもなく、何事もなかったかのように増収・増益を続けた会社です。
10年以上にわたり減配しておらず、配当金は
- 2010年:60円
- 2020年:190円
と、10年で3.17倍に成長しました。
この10年、各年度の3月末時点で配当利回りが3.75%(≒税引後3.0%)を超えたのは、2013年の一度だけです。
- コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けるようなビジネスモデルではなさそう
- 情報・通信企業とあって、需要がなくなる業態ではない(人口減が本格化し始めたら微妙)
- 業績・財務優良な連続増配株
十分に、高配当株ポートフォリオの一角を担うポテンシャルがありますね。
というわけで、まとめ
途中から
と思った方もいらっしゃると思いますが、すみませんその通りです。
- 売上高・1株あたり当期純利益が安定的に増え続けていて
- 高収益・好財務で
- 配当金が安定的に増え続けていて
- 配当利回りが高い
- 長期的に、会社・業界の将来性もある(少なくとも、マイナス成長じゃない)
こういう会社が欲しいだけなんですよね。多くは望みません。
でも、普通の相場ではこんな企業にお目にかかることはできません。しかし、急落相場では、こういう会社も狙えるようになります。
今回「投資候補」にあげた銘柄は、基本的には業績堅調な増配株ばかりです。
- 景気後退期にそのまま業績が悪化して、赤字や減配に転落する企業ではなく
- 長期的にしっかり株主に報いてくれる
そんな企業を買い集めていきたいところですね。
景気敏感株は、もう少し業績・景気全体への影響が見えてきてからで良いと思います。
まとめ:高配当株投資を始めるには良いタイミング
今月のランキング(1回/全2回)の解説は以上です。
データが多すぎるので、後半は別な記事(第2回)にゆずります。
※第2回では、二部上場やJASDAQの投資検討候補や、人気コーナー「もしこびと株メンバーが今月から高配当株投資を始めるとしたら?」をご紹介しています。
上記で見てきたとおり、高配当株投資で安定的に配当金を増やしていきたければ、とにかく分散投資に徹する必要があります。
ですが、
- 日本株の高配当株ファンドに投資する←中身が景気敏感株ばかりで微妙
- 自分で買い集める←まともにポートフォリオを組むと数百万円以上かかる
という問題があります。
なので、日本株(高配当株)の分散投資は、
- 1株から買えて
- 少額投資でも手数料が安い
SBIネオモバイル証券を使うのがおすすめです。
SBIネオモバイル証券には、大手ネット証券(楽天証券やSBI証券)にはない圧倒的なメリットがあります。
- 1株から購入できる(NTTドコモやKDDIなどの注目している企業を3,000円前後から買える)
- 月額50万円までの投資なら、サービス利用料が固定で220円(税込)かかるが、毎月ネオモバ限定Tポイントが200pt貰える
- Tポイントを使って株が買える
※大手ネット証券を使って少額分散投資をすると、手数料負けします。
※SBIネオモバイル証券を使った高配当株投資の始め方はこちらの記事をどうぞ。
日本株の優良高配当株に数百円から分散投資したいなら、SBIネオモバイル証券は良い選択肢になります。
今は、高配当株投資を始めるにはいいタイミングかも知れません。これだけ色々な銘柄を選べるチャンスはなかなかありません。
2022年9月26日、
株式会社SBIネオモバイル証券は、株式会社SBI証券と経営統合することが発表されました。
これに伴い、SBIネオモバイル証券の新規口座開設は2022年10月7日をもって受付が停止されています。
- 最大手・国内株式個人取引シェアNo.1
- 口座開設・口座維持手数料無料
- 1株から購入可能(単元未満株の売買手数料無料)
一方で、米国株であればHDVやSPYDといった優れたETFがあるので、これらを活用すれば個別株への投資は不要です。圧倒的にラクですね。
- 日米の高配当株を中心に、よく分散された高配当株ポートフォリオを作る
- ①追加投資、②配当金再投資、③増配でひたすら配当金を増やし続ける
こうすることで、誰でも月10万円ぐらいの配当金は作れる可能性があるんじゃないかなと思っています。
月10万円あれば、
- 水道光熱費が払える
- 家賃が払える
- 通信費(スマホ代など)が払える
- 保険料が払える
といった感じで、独身なら固定費のほとんどを賄えるでしょう。
ちょっと働けば生きていける水準ですから、セミリタイアも視野に入ると思います。
あるいは、月10万円の配当金を趣味に使えば、相当遊び倒せるでしょう。サラリーマンのお小遣いの平均は3~4万円ぐらいですからね。
全部使っても老後は安泰ってのは良いですよね。
いずれにせよ、配当金は人生の選択肢を増やしてくれます。コツコツと配当金を増やして、生活を豊かにしていきたいですね。
それではまたっ!
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