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TAKARA&COMPANY 2021年5月期第1四半期決算(2020年10月1日公表)
たからちゃんより2020年6月1日~2020年8月31日の業務報告が届いております。
経営成績の報告
当第1四半期 前第1四半期
売 上 高 78.4億円 64.6億円
営業利益率 20.8% 20.5%
1株純利益 84.81円 82.70円
配当予想 27円+27円
コロナ禍もなんのその、業績好調のたからちゃんです。
営業利益率については、0.3%の改善。中身をみていくと
- 原価率:58.1%→54.9%
- 販管費率:21.4%→24.3%
という状況です。
販管費増加の原因は、人件費の激増。前年比で
- 給料及び手当:+60.5%
- 退職給付費用:+37.8%
- 福利厚生費:+37.0%
- 賞与引当金繰入額:+7.0%
など、軒並み増加しています。
原価率は低下していることから、組織変更(ホールディングス化等)による配置転換などの可能性も考えられますが、少々驚きの増加額ですね。
今後、動向をチェックしていく必要がありそうです。
セグメント別の状況を見ると
- ディスクロージャー関連事業:売上68億円(+10.5%)・利益18億円(+37.5%)
- 通訳・翻訳事業:売上11億円(+197.6%)・利益▲3億円
①ディスクロージャー関連事業は、コロナ影響の売上後ろ倒しが反映されたり、決算・開示支援等のコンサルティング売上増などで絶好調。
一方の、②通訳・翻訳事業は、なんと赤字。
原因はコロナ禍(今回の決算では、このセグメントを担当する子会社の4~6月の数字を取り込んでおり、コロナ影響を大きく受けている)とのことですが、なかなか厳しい状況です。
財政状態の報告
当第1四半期末 前期末
総 資 産 269.0億円 265.1億円
1株純資産 1,506.99円 1,437.01円
自己資本比率 62.7% 60.7%
A(※)/総資産 44.7% 46.3%
※A=現金預金+投資有価証券
財政状態について、特に不安な点はありません。
あえて注意点をあげるなら、短期借入金が前年同期末の約1億円→当期末の約38億円へと激増しているところでしょうか。
原因はおそらく、サイマル・インターナショナル取得のための資金借り入れでしょう。
今後の見通し
最近のニュース
たからちゃんの最近のニュースは、なんといっても
です。
新株発行が上限額まで行われれた場合、
- 資金調達額は約41億円
- 株数は自己株を除いた発行済株式数の17.5%
という、ビッグニュースですね。
調達した資金は
- 開示決算プロセス統合ツールの開発(15億円)
- 借入金の返済(26億円)
に使う予定なのだとか。
確かに、たからちゃんには、短期・長期あわせて約41億円の借金があります。
とはいえ、手許現金98億円&自己資本比率63%のたからちゃんにとって、増資までして「財務基盤を強化」する必要があるのかどうか…。
もちろん、これらの施策(主力製品の魅力アップ、財務基盤の強化)が増益→増配へとつながれば良いわけですが…
慎重に見守っていきたいと思います。
業績予想
2Q予想・通期予想ともに変更はありませんでした。
2Q予想に対する1Qの進捗は、売上は60%弱、利益は100%超。無事、予想を達成した昨年と似たような進捗率です。
今後の配当について
安定した財政状態・キャッシュフローの状況と、好調な業績から考えて、配当予想の達成に不安はありません。
とはいえ、EPSが伸びない以上、増配を望むのは困難というもの。
今回の決定(自己株処分等)が、来期以降の増配の足かせにならないことを望むばかりです。
それではまたっ!
(参考:株式会社TAKARA&COMPANY 四半期決算短信等)
分散が鉄則の高配当株投資。しっかり分散していれば、たからちゃんのような業績好調な会社の配当金が、低迷中の株の配当金をおぎなってくれます。今回のコロナ禍は、改めて「未来は予測できない」と教えてくれました。だからこそ、高配当株投資をするなら徹底した分散を心掛けたいですね。
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