宝印刷 2019年5月期第3四半期決算(2019年3月29日公表)
たからちゃんより2018年6月1日~2019年2月28日の業務報告が届いております。
経営成績について
当第3四半期 前第3四半期
売 上 高 122.3億円 110.4億円
営業利益率 7.0% 8.0%
1株純利益 55.61円 58.56円
配当 25円+25円(期末予想)
毎年3Q決算は、たからちゃんの売上が伸び悩む時期。今年も例年と変わらず、この3ヶ月は逆ザヤになっています。
とはいえ、これ自体は、お客さんである会社たちの決算期の問題。3月決算会社が圧倒的に多いので仕方ありません。
※そもそも事業年度が年1回・資本金1億円以上の日本の会社について言えば、54%程度は3月決算会社です。
問題は、累計期間で見たときに、昨年比増収減益の傾向が続いていること。相変わらず原価率上昇(61.1%→62.5%)・利益率低下という状況です。
たからちゃん本人としては、業績予想は修正していません。
と言い張っています。
ちなみに、3Q時点の進捗は
- 売上:72%
- 営業利益:53%
といったところ。
とはいえ、昨年も
- 3Q末時点では減収減益
- 3Q末時点での進捗は、売上で71%・営業利益で58%程度
- それでも期末には予想達成!
という感じでした。
たからちゃんのビジネスは、季節ごとの売上変動が大きいビジネスです。
その中で、4Qは1Qに次いで売上規模が大きくなる季節。
財政状態について
当第3四半期末 前期末
総 資 産 188.5億円 197.2億円
1株純資産 1,274.77円 1,274.72円
自己資本比率 75.6% 72.3%
A(※)/総資産 52.0% 47.8%
※A=現金預金+投資有価証券
短期の経営成績がどうなろうと、財政状態がガッチリ堅牢なのは、こびと株の特徴のひとつ。たからちゃんも財政状態には何の心配もありません。
相変わらず、負債のすべてを現預金だけで決済できるというとんでもないレベルです。
最近の宝印刷の動向
2019年2月15日付で、国内外で翻訳サービスなどを営む㈱十印を完全子会社化しています。十印は、創業55年。翻訳業界のパイオニアです。
- 開示書類の翻訳ニーズは高い
- アジア主要国の証券市場に上場する日本企業の支援を実施中
- 2018年11月、Translasia Holdings Pte. Ltd.(※)を子会社化
※シンガポール・マレーシア・香港で翻訳・通訳事業を展開する会社
という流れの中で、今回の投資が行われました。
十印の資本金は1億弱。支払いは現金で行われますが、金額は非公表となっています。
のれん金額は3.8億円程度です(無形資産などへの配分未了。1年以内にのれん金額変更の可能性あり)。
償却期間は10年ということなので、今後10年間、毎年4千万近い償却費を負担しなければなりません。
とはいえ、この買収案件、たからちゃんの体力からすると影響は大きくありません。
たからちゃんは年間169億円(当期の通期業績予想ベース)の売上をあげる会社。十印の売上はこの10分の1未満です。
顧客である企業の側からすると、ディスクロージャーの専門家であるたからちゃんが多言語に対応するのは、確かに便利。日本語書類の作成~他言語への翻訳まで一貫して任せられれば安心です。
十印のノウハウを上手に活用して、たからちゃんグループ全体で発展していってほしいと思います。
まとめ(今後の配当について)
全体として、2Q決算から大きな変化はありません。
配当についても、期末予想は変わらず25円。配当実施に関する心配ごとは特にありませんが、増配も特に期待できないかな、という感じです。
それではまたっ!
(参考:宝印刷株式会社 四半期決算短信等)
分散が鉄則の高配当株投資。
少額で分散投資をやりたいならSBI証券が最有力候補。理由は2つ。
- 1株から買える(NTTドコモなどの注目している企業を3000円程度で買えます)
- サービス利用料が安い(単元未満株の買付手数料が無料!)
口座開設料・口座維持利用料はもちろん無料で、個別株なら投資信託と違って信託報酬などの保有コストもかかりません。
SBI証券を使った少額分散投資は、コスト面で優秀ですね。
※関連記事です。
高配当株投資をはじめて、配当金を受けとりたい人のためのスタートマニュアルです。
初心者さん向けに、もっともっと簡単に解説したバージョンです。
高配当株についてもっと知りたい方向けの記事です。
Follow @kobito_kabu