こんな人のための記事です。
- 今さら聞けない、インフレ・デフレ
- 実はよく分からない、インフレ・デフレ
- これからどうなる、インフレ・デフレ
目次
インフレ・デフレって何?
インフレとは
こういう人が多いのも当然。
日本でインフレが起きたのは、ちょっとばかり昔の話。最近はどちらかといえばデフレ(インフレの反対)が問題視されてきました。
インフレ=インフレーションとは、物価が上がっていくこと。物やサービスの値段が上がっていくことです。
最近の日本の物価上昇率(モノの値段の上がり方)は、こんな感じ。
(DIAMOND online「日本の経済成長率が「世界最低」である、バカバカしいほど”シンプルな理由”」より抜粋)
物価の平均的な変動を測ることを目的に、全国の世帯が購入したモノやサービスの価格を指数化した「消費者物価指数(CPI)」の一つ。CPIは、下記3種類がある。
- 総合指数…全品目が対象
- コアCPI…「天候や市況などの影響を受けやすい食料(酒類を除く)」を除いた指数。
- コアコアCPI…上記から、さらに「エネルギー」を除いて算出した物価指数。アメリカなど諸外国でよく使われており、日本でも注目されるようになった。
グラフを見て分かる通り、ここ20年以上にわたり、消費税増税のタイミング以外はほとんど0%以下です。
日本でも、終戦直後にはインフレが起きています。
1934年から1936年の水準と比較すると、国内の小売物価指数は約180倍に高騰している。約15年で物価が180倍なので、年率換算すると40%強のインフレということになる。
(ニューズウィーク日本版「ヘリコプターマネー論の前に、戦後日本のハイパーインフレを思い出せ」より抜粋)
世界では、21世紀に入ってからも、とんでもないインフレが起きています。
例えば、
- ジンバブエ:2008年の物価上昇率は2億3100万%
- ベネズエラ:2019年の物価上昇率は20万%
みたいな感じ。
ちょっと何を言っているのかわからない数字だと思いますが、現実です。
去年100円で買えたモノが、今年は20万円になるとか、2億3100万円になるとか、そういう話です。
デフレとは
デフレ=デフレーションは、物価が下がっていくこと。インフレと真逆の状態です。
デフレになると、不景気になりやすいという問題があります。
- モノの値段が安くなる
- 企業の利益が上がらない
- サラリーマンの給料が減る
みたいな流れですね。
②企業の業績が悪くなり過ぎれば、リストラや倒産が起きて失業者が増えることも有り得ます。
インフレ・デフレって誰が困るの?
インフレで困る人
インフレは、多くの人を苦しめます。
特に困るのは、現預金をたくさん持っている人。
一生懸命貯めてきたおカネの価値が、どんどん下がっていくのですから、泣いても泣ききれません。
※だからお金持ちは、ほぼ確実に、しっかりインフレ対策を行っています。インフレで価値が下がる現預金だけではなく、価値が維持されるモノ(株式や不動産等)を持っておくわけです
インフレになると、
- モノの値段が高くなる
- 企業の利益額が大きくなる
- サラリーマンの給料が増える
というような流れが起きるので、現役で働いている人は「モノの値段は上がったけど、給料も上がった」ということになります。
それでも、
- 今まで貯めたおカネの価値が減る
- 物価の上がるスピードに、昇給スピードが追い付かない
といったことが起こりがち。
デフレで困る人
困る人の代表格は、借金をしている人です。
インフレが起きようとデフレが起きようと、100万円の借金は100万円の借金です。
ところが、デフレが起きると「100万円」の価値は増大します。
例えば、アルバイトの時給で考えてみましょう。デフレでは、サービスの値段も安くなるので
- 去年:時給は1000円
- 今年:時給は800円
みたいなことが起きます。
つまり、去年の「借金100万円」は、1000時間アルバイトすれば返済できる借金だったわけです。
でも、今年の「借金100万円」は、1250時間アルバイトしないと返済できない借金になってしまったわけです。
ちなみに、日本政府には国債などの形で1000兆円以上の借金があります。
インフレ・デフレ、コロナの後にくるのはどっち?
コロナウイルス感染拡大の影響で、経済は大混乱中です。
今後を見通すのは極めて難しく、現状では
- コロナ後の日本はインフレだ!
- コロナ後の日本はデフレだ!
両方の説があります。
インフレが来る説
すごく単純に言えば
ということです。
リンゴが100コあるだけの世界を考えてみて下さい。
- 印刷されたお金が1万円→リンゴは1コ100円
- 印刷されたお金が10万円→リンゴは1コ1000円
となるのが自然ですよね。
出回るお金の量が増えれば、理論的にはインフレ確定というわけです。
日本では
- アベノマスクの配布
- 人工呼吸器等の確保
- 中小企業等への給付金
- 一律10万円の給付金
- 治療薬として期待されている「アビガン」の備蓄
などなど、108兆円規模の緊急経済対策がとりまとめられています。
日本に限らず、諸外国ではコロナ対策に空前の「お札刷りラッシュ」が起きています。
国際通貨基金(IMF)によると、4月7日時点で、世界中の国々が合わせて4兆5000億ドル(約478兆9000億円)相当の緊急措置を承認している
投資家界隈では、すでに「コロナバブルくるで!」と騒がれていますね。
デフレが来る説
一方で
という人もいます。
モノを買おうという人がいなければ、企業は「値段下げるから買って!」と叫ぶしかなくなります。
モノが売れなくなる状況は、デフレの始まりと言えるのです。
実際に、
- 世界恐慌下(1930~1933年)のアメリカではデフレが起きた
- 現在も物価が下落中
というデータもあるようです。
(ピクテ投信投資顧問株式会社「インフレかデフレか?コロナ危機下の物価見通し」より抜粋)
長期的に見れば、世界の歴史は「インフレの歴史」です。
しかし、短期間で見るとどう動くか分かりませんね。
インフレ・デフレまとめ:極端だとどっちも困る
- インフレ:物価が上がること
- デフレ:物価が下がること
どちらにもそれぞれ問題があり、結局のところ
ということになります。
コロナウイルス感染拡大の影響で、激しく揺れる経済の動向…しっかり見守りつつ、自分なりの
- インフレ対策:株式や不動産などのモノを所有する、「円」以外の通貨を持つ…
- デフレ対策:借入があれば返済計画を見直す、預貯金を確保する…
を考えておきたいものです。
なお、ご参考まで、こびと株メンバーは
という感じ。短期的な業績の変動・株価下落には目を瞑ります。
ゴールドも悪くないですが、キャッシュフローを生まないので微妙です。債券はもっと微妙ですね。定期預金は論外です。
それではまたっ!
※関連記事です
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