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蔵王産業 2021年3月期第2四半期決算(2020年10月30日公表)
ざおうさんより2020年4月1日~2020年9月30日の業務報告が届いております。
経営成績について
当第2四半期 前第2四半期
売 上 高 31.8億円 33.4億円
営業利益率 12.4% 14.2%
1株純利益 43.69円 52.87円
前年同期に比べると、売上で5%、利益で十数%の減少となっています。
ざおうさんの顧客には、オフィスビルやホテル・交通機関・ショッピングモール等もありますから、コロナ禍の影響は小さくないということなのでしょう。
財政状態について
当第2四半期末 前期末
総 資 産 132.9億円 140.6億円
1株純資産 1,995.72円 1,933.16円
自己資本比率 86.0% 86.1%
A(※)/総資産 42.7% 45.8%
※A=現金預金+有価証券+投資有価証券
懸念点は、特にありません。
自己株取得(後述)の影響で現預金が5.5億円ほど減少していますが、一時的な要因ですし、相変わらず「負債を全額支払ったとしても、まだ現預金が余る」というレベルの現預金を保持しています。
こびと株オーナーとしては
というのが、本音のところ。もちろん、これだけ安定的な財政状態だからこそ、安心して投資ができるという面はあるのですけれども。
キャッシュ・フローの状況
当第2四半期 前第2四半期末
営業C/F 2.0億円 2.4億円
投資C/F ▲3.1億円 ▲4.1億円
財務C/F ▲9.5億円 ▲1.9億円
当期は、キャッシュの残高が10.7億円ほど減少していますが
- 営業CF減少は、減益のため
- 投資CFがマイナスなのは、有価証券取得のため
- 財務CFのマイナスなのは、自己株取得と配当金支払いのため
ということで、とくに問題視する必要性は感じません。
今後の見通し
最新ニュース
ざおうさんの一番の大株主である佐々木健二氏(持株比率8.6%)から、株式売却の意向が表明されました。
8.6%もの株式が市場に放出された場合、株価の低迷は避けられません。
これを考慮してざおうさんは、9/4自己株の買い取りを行いました。
- 買い取った株式数:538,500株
- 取得価額:7.6億円
佐々木健二氏は、創業者(佐々木英男氏)の一族。株式の保有目的は、「安定株主として長期保有」と言ってきた人です。
けれども今回の売却により、端株30株を残して、ほぼ全ての蔵王産業株式を手放した形となりました。
そのときは無償譲渡により、16.65%→8.59%に持株比率を減らしています。
- 創業者一族が株式を手放す
- 2年前は無償譲渡、今回は有償譲渡
業績予想
前期に比べて、売上で8.5%、利益は26~28%程度の減少を見込んでいます。
進捗は
- 売上:49.1%
- 営業利益:52.9%
- 経常利益:52.5%
- 当期利益:52.2%
という感じ。
この数字の背景に
- 下期もコロナ影響は続くと見込んでいる
- オフィスの縮小による、根本的な需要の減少を予測している
- 単純に2Qまでの成績を2倍しただけ
のどれがあるのか…
配当予想
22円(中間実績)+23円(期末予想)で、年間配当45円。業績予想達成時の配当性向は約52%。
昨年実績(60円)はさておいて、配当性向重視(50%程度)を貫いた形になりました。
ざおうさんの現在の財政状態からいえば、当期の配当維持は難しくなかったはず。
自己株取得を考慮しても十分なキャッシュ(約61億円)を持っているのに対し、配当維持でも配当金総額は3.8億円程度です。(実際には自己株取得をしているので、さらに少なくなる)
という残念さはぬぐえません。
こうなってくると
- コロナ禍の影響が意外と長引く見通しなのか?
- コロナ禍が、オフィス需要の減少を始め根本的な需要減につながる見通しを持っているのか?
という不安も出てきます。
こびと株として選定した当初とは状況が変わりつつあるのかもしれません。
- 将来の見通しが暗いから減配したのか?
(だとすると、”長期的に元本を減らさず、安定配当を運び続けてくれる”とは言えなくなっちゃうよね…) - ひたすら単純に「配当性向50%程度」を守る気なのか?
(だとしたら、貯め込んだキャッシュは一体何に使うんだろ?…もう少し株主の方向いてー!って感じよね…) - それとも…
今後の動向を慎重に見守っていきます。
それではまたっ!
(参考:蔵王産業株式会社 四半期決算短信等)
分散が鉄則の高配当株投資。ざおうさんのように減配してしまう株があってもパニックを起こさずにいられるのは、やっぱりたくさんの株式に分散をしているおかげ。
少額で分散投資をやりたいならSBI証券が最有力候補。理由は2つ。
- 1株から買える(NTTドコモなどの注目している企業を3000円程度で買えます)
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口座開設料・口座維持利用料はもちろん無料で、個別株なら投資信託と違って信託報酬などの保有コストもかかりません。
SBI証券を使った少額分散投資は、コスト面で優秀ですね。
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