【米国株投資に逆風】米国企業の「株主第一主義」が終焉を迎える

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こんにちは、シーウィード@こびとが見える経理マン(@kobito_kabu)です。

いきなりビッグニュースが飛び込んできました。

 

AmazonやAppleといった米国の大企業約180社が

株主第一主義を廃止する

との声明を出したとのことです。

アメリカ最大規模の経済団体「ビジネス・ラウンドテーブル」は18日、数十年にわたって資本主義を推進してきた株主第一主義を廃止すると発表した。

(出典:BBC 米経済団体、「株主第一」を廃止 福利厚生や地域に注力へ

 

BBCだけではなく、日経新聞やブルームバーグでも取り上げられていますね。

シーさん
ニュースの内容をまとめつつ「米国株にも投資する個人投資家」として感想を

 

株主第一主義の終焉

ニュースの概要

読者
何があったの?
  • 米主要企業の経営者団体「ビジネス・ラウンドテーブル」が、株主第一主義を見直し、利害関係者(従業員や地域社会など)の利益を尊重した経営に取り組むと宣言
  • この宣言には、Amazon・アメリカン航空・JPモルガンチェース・アップル・ブラックロックなど巨大企業のCEO181名が署名している

 

読者
そもそも株主第一主義って何?
  • アメリカの資本主義の根幹で「企業は株主のものであり、企業は株主の利益を最大化するために活動するべき」だという考え方
  • 株主第一主義を貫くことで、株価は上昇し、配当金は増え、株主はどんどん豊かになっていく

 

※この結果、ダウ平均株価は過去40年で約50倍に成長しました。日経平均株価は4倍にとどまっています。


(出典:MONEY VOICE

また、米国企業には連続増配年数30年を超える企業が数百社あります。日本企業では30年弱の花王一社のみです。

 

読者
どうして株主第一主義を見直すことになったの?
  • 大企業の「儲けすぎ」に批判が集まっているから
  • 所得格差の拡大(富裕層と貧困層の格差が拡大し続けている)・ヘルスケアのコスト上昇・教育費の上昇、一般庶民の不満は増大している
  • 一部の政治家も、税金を納めない大企業を問題視している

 

ニュースの感想

このニュースの感想はただ1つ。

シーさん
株主第一主義じゃない米国企業って魅力半減じゃん

米国株に投資する個人投資家としては、米国企業にはどこまでも「株主第一主義」を貫いて欲しいというのが正直なところ。

  • 企業は社会の公器
  • 企業はステークホルダー(利害関係者=株主、取引先、従業員、地域社会)の皆様のもの

という理念で経営してきた日本企業がどんな状況になっているか、嫌と言うほど分かってますからね。

 

  • 株価を上げるためには、大規模なリストラも辞さない
  • 配当金を払うためには、借金すら辞さない

そういう「何があっても絶対に株主に報いる」という姿勢こそ、米国の資本主義の根底だと思っていたので…それが見直されるというのは、私にとってはネガティブニュースです。

50年近い歴史を持つビジネス・ラウンドテーブルが、株主利益を最優先としなかったのは今回が初めてだという。

株主第一主義は、ノーベル賞を受賞した経済学者ミルトン・フリードマン氏が提唱し、企業活動の基礎とされてきた。

(出典:BBC)

 

ジョンソンエンドジョンソンとか、ゼネラルモーターズとか、そういった企業のCEOも署名している今回の宣言。

あくまでも象徴的な宣言にとどまるものなので、具体的にどうこうという話はまだないですが、米国資本主義社会の転機となりそうですね。

すべての利害関係者の利益に配慮した経営は、日本の経営者が長年、主張していた経営思想と重なる。

(出典:日経新聞)

シーさん
THE・日本の大企業で働くワタクシといたしましては、日本的経営思想は「企業の社会主義化」を招いて競争力が弱まるので、やめた方がいいと思うけどな…

株主を最優先すべきだ、と言うとサイコパスのように扱われる時代が来るんでしょうかね~。

※今回のニュースを受けて、長期的には「米国株の比率を若干落とそう」と思いました。私にとっては、それぐらい重要なニュースです。

 

まとめ:高配当株投資家としてできること→ひたすらに分散

この数十年ではじめて「株主が最優先ではない」ことが明記されたわけですが、ハッキリいってその影響は未知数ですね。

未来になってみれば、ここが転機だったと言われるようなタイミングになるのかもしれません。

まだ具体的なかたちで株価配当水準に影響が出ているわけではないですが、いずれ反映されてくるのかなと。それが「行動原則」というものです。

実際、株主第一主義も行動原則に示されていた原則だったわけですから、影響がゼロというのは無理がある気もします。

持続発展可能な経済社会を志向することが悪いことだとは思いませんが、株主に片寄りすぎていた『富』が分散される方向に動くならば、投資家目線ではネガティブですね。

 

私が一ヶ国集中投資をやらないのは、今回みたいなことが起こりうるからです。

こういう時に「分散投資」の価値を感じますね。

短期・中期ならともかく、長期投資をしていこうと思うのなら可能な限り広い守備範囲で投資しておいた方がいいですね。先のことになればなるほど、分からないからです。

私の場合は「高配当」という縛り(嗜好)があるなかで投資先を選んでいるので「VT一本に投資する」みたいなことにはなっていませんが、感覚的にはそういう風に投資したいと思っています。

※全世界の株式にまんべんなく投資するファンド

 

配当金を増やし続けるスタイル
  • 株式100%のポートフォリオ
  • 日米を中心にしつつ、一部先進国や新興国の高配当株もトッピング
  • 全体として、元本の安全性&成長性、配当金の安全性&成長性を高め続けていく

こんな感じですね。

 

こういう目線で投資しているので、一部の高配当化した銘柄に目を奪われて「コイツに賭けよう」なんてことにはなりません。どれもこれもが、分散投資の一角に過ぎません。

  • 業績優秀・財務盤石な優良高配当株に集中投資するんじゃなくて
  • 業績優秀・財務盤石な優良高配当株にひたすら分散投資する

引き続き、このスタンスを堅持していこう。

ますますそう思えたニュースでした。

 

最後に…こんな指摘もありますw

しかし、この提案に懐疑的な意見もある。ビル・クリントン政権で財務長官を務めたラリー・サマーズ氏は、企業に運営方針を変えさせる法的要件はないと指摘した。

サマーズ氏はフィナンシャル・タイムズの取材で、「ラウンドテーブルが言葉巧みにステークホルダーを受け入れたのは、必要な税金や規制の改革を遅らせる戦略の一部なのではないかと懸念している」と述べた。

(出典:BBC)

もしそうだったら、米国企業はしたたかすぎますねw これが本当に戦略の一部なのだとしたら、株主としては心強い限りですが…

さてさて、今後どう転ぶことやら。

 

それではまたっ!

 

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ABOUTこの記事をかいた人

こびと株.comの管理人。一部上場企業での経理/財務の実務経験10年超、日商簿記1級、証券アナリスト、FP資格を有する「企業と個人のお金の専門家」。4つの財布(給与/配当/不動産/事業収入)を駆使して経済的自由を達成することを目標に奮闘中。