こんな疑問に答えます。
私(@kobito_kabu)は、大学卒業後に一部上場企業の経理・財務部に配属され、一貫して10年以上の経験がある現役経理マンです。こんな感じの人です。
- 昔からお金の勉強が大好き
- 30代前半、年収700万円弱(残業ほぼゼロで年間休日140日超)
- 簿記1級、証券アナリスト、FP、TOEIC800オーバー、その他多数資格あり
簿記の知識を活かして株式投資やサイト運営をやっており、配当金&サイト運営収入だけで生活費の半分以上を賄っています。
この記事の内容は、ざっくり下記の通り。
- 簿記2級の難易度【今まで】
- 簿記2級の難易度【最近】
- 簿記2級の最短合格法
就職や転職なども含め、簿記2級がどれぐらい実生活に役に立つかについても触れながら解説していきます。学習のモチベをあげつつ、知りたい情報をゲットしてもらえればなと思います。
目次
簿記2級の難易度【今まで】
資格試験の難易度は、次のモノサシで測ると客観的です。
- 受験資格
- 合格率
- 学習時間
司法試験のように、
- 数百万円以上かけて法科大学院を卒業する必要があり(受験資格)
- それでも合格率が20%前後しかなく(合格率)
- 合格のためには5,000時間もの勉強が必要(学習時間)
こういう試験なら、文句なしの難関試験ですよね。
簿記2級の難易度はどうでしょうか?
モノサシ①:受験資格
簿記2級に受験資格はありません。
学歴・年齢・性別・国籍による制限は一切なく、
- いきなり2級や1級からの受験する
- 1・2級、2・3級の併願受験をする
こういったことも可能です。
モノサシ②:合格率
ここ10年ぐらいで見てみると、合格率の平均は28.9%です。
※直近10回の合格率は次の通り。平均すると22.0%になります。
見ての通り、明らかな難化傾向にあります(その理由はこの後に解説します)。
直近の試験に関して言えば、合格率だけ見ると中小企業診断士や行政書士などの士業と同じぐらいですね。
4~5人が受けて1人しか合格しないわけですから、世間で言われているほど簡単な試験ではありません。そういうイメージを持っている人は、見方をアップデートした方がいいですね。
モノサシ③:学習時間
学習時間の目安は、150~200時間ぐらいです(簿記3級の知識がカンペキな場合)。
簿記スクールの中ではもっとも学習ボリュームがあるTACのカリキュラムを見てみるとこの通り。全40回の授業ですね。
1コマ2.5時間とすると、100時間の学習ボリュームです。
私がスクールに行っているときは、講師から「授業と同じぐらいの時間の復習時間を確保すれば必ず受かる」と言われていたので、MAXで見積もって200時間の勉強量ということです。
1日2時間やるとしたら3ヵ月ちょっとの学習期間になります。
簿記2級の難易度まとめ【今まで】
上記をまとめると、次の通り。
- 受験資格:ない
- 合格率:10年平均で28.9%
- 学習時間:150~200時間(2~3ヵ月の学習でOK)
結論としては、易~中の間にあるぐらいの難易度の試験です。世間で言われているほど簡単ではないですが、尻込みするような難易度の試験でもありません。
ただ合格すればよい、というだけなら独学でも十分可能な試験だったということです。ところが、ここ数年でかなり事情が変わっています。
簿記2級の難易度【最近】
最近は、かなり難易度が上がっています。
- 合格率:3回連続で15%弱の合格率
- 学習時間:試験範囲の変更、つまり試験範囲拡大で必要な勉強量アップ
平成28年~平成30年の改正で難しくなった
難化のきっかけは、平成28年~平成30年にかけて出題範囲が改正されたことです。
- 外部リンク:出題範囲の変更点一覧
主な変更点は次の通り。
- 圧縮記帳の論点追加
- ソフトウェアの論点追加
- 子会社・関連会社株式の論点追加
- リース取引の論点追加
- 外貨建取引の論点追加
- 税効果会計の論点追加
- 有価証券評価の論点追加
- 本支店会計の論点追加
- 連結会計の論点追加
圧縮記帳、リース会計、税効果会計、連結会計とか、弊社グループの子会社にいる経理担当者だと対応できなくて、何回も記帳指導に行きましたからね。
子会社で経理をやっている人たちは大体簿記2級ホルダーでしたが、彼ら(彼女ら)が2級に合格した時はこんなところは出題論点ではなかったのです。
合格率が下がり、一気に難しくなった簿記2級
上記の出題範囲変更により、簿記2級の試験は一気に難化しました。
ニュースになるレベルで。
2019年3月9日付でこんな新聞記事(朝日新聞)が出ています。
2月にあった日商簿記検定試験2級の問題をめぐり、受験生らから、過去の問題に比べ難しすぎる、などと悲鳴があがっている。
SNSで批判が広がり、問題を作成した日本商工会議所が見解をホームページ(HP)に掲載するまでに。
(出典:難しすぎ? 簿記2級テストに驚きと怒り)
- 初見の人には解けない難易度
- スクールを使ってる人しか受からない
- 合格率15%切るとか、簿記1級の難易度じゃないか
こういった批判が相次ぎました。簿記講師たちからも批判が噴出してましたね。
とはいえ、出題範囲変更後の資格試験では、こういうことはよく起きます。そろそろ試験傾向も難易度も、イイ感じのところでおちついてくるはずです。
※資格試験の評判を損なって困るのは、試験を主催する商工会議所です。今の状況を放置しておくわけがありませんし、実際、2019年6月の実施回の評判は悪くありませんでした。
難易度が上がっていても簿記2級をオススメする理由【合格したその後】
試験環境が若干不安定な現状ですが、それでも私は簿記2級の取得をオススメします。
それは、簿記2級ほどコスパが良く実生活に役立つ資格を他に知らないからです。
- ビジネスパーソンに必須の知識
- 他の資格にチャレンジする際の土台
- 就職や転職で有利
- 副業・独立の際にも役立つ
- 資産運用(不動産投資)にも有効
魅力①:ビジネスパーソンに必須の知識
財務諸表を作っていない会社はありません。
- 自分で経営状況を把握するため
- 銀行から融資を受けるため
- 国に法人税を納めるため
財務諸表は、色々なところで使います。自分の行動が会社にどのような影響を与えるのか?簿記が分からない人は、これを数字で把握することができません。
同社は2020年春の新卒採用で、入社1年目から年収1000万円の幹部候補生を募集する。
条件としては26歳以下(就業経験者、卒業後に1年以上ブランクがある者は対象外)という年齢制限に加え、TOEIC800点以上、簿記3級以上といった必須資格もある。
募集人数は最大で10人を予定している。
簿記や英語が分からない人に、管理は任せられないということでしょう。とにもかくにも、簿記は管理職を目指す人にとっても必須のスキルというわけです。
魅力②:他の資格にチャレンジする際の土台
簿記2級レベルの知識があれば、次の試験にチャレンジする際の土台になります。
- 公認会計士
- 税理士
- USCPA(米国公認会計士)
- 中小企業診断士
- 証券アナリスト
簿記2級をきっかけにして、ステップアップしていく人は非常に多いです。
魅力③:就職や転職で有利
上記でも見た通り、いつの時代もビジネスパーソンに求められる人気スキルはこの3つ。
- 語学(TOEIC)
- 会計(簿記)
- ITスキル
私が就活をした10年以上前から、これは変わっていません。新卒採用で他の学生に差をつけられますし、その後の転職でも有利に働きます。
魅力④:副業・独立の際にも役立つ
副業をしてそれなりの収益を稼ぐと、財務諸表を作成して確定申告する必要が出てきます。簿記の知識があれば、そういう時も非常にスムーズに対応できます。
※実際、私たちは財務諸表を作成して確定申告していますが、帳簿づけに困ったことはありません。
フリーランスを目指している人にとっても、絶対に役に立つスキルですね。お金の悩みは一生ついてまわりますから、ここで簿記を身に着けておくと一生モノのスキルになります。
魅力⑤:資産運用(不動産投資)にも有効
会計知識は、資産運用にも役に立ちます。
株式投資をする際にファンダメンタルズ分析をするなら、簿記の知識は欠かせません。
また、不動産投資をする際にも簿記の知識が役に立ちます。減価償却や資本的支出(or修繕費)といった論点は、簿記を知らない人にはチンプンカンプンでしょう。
※会計知識を活かした株式投資で、4桁万円の資産を運用しています。チャンスがあれば不動産も取得予定です。
もし簿記2級のチャレンジを悩んでいるのなら、1歩前に踏み出すことを圧倒的にオススメします。
- キャリア形成に役立つ
- 就職・転職で有利
- 副業や独立時にも役立つ
- 資産運用にも役立つ
これだけ経済的メリットが多い資格はそうそうありません。毎年、年間10万人以上の受験生がいるというのはそういうことです。
簿記2級の最短合格法
最後に、最短合格法について触れておきます。
最短合格法は、非常識合格法で有名な「クレアール」を利用することです。
※聞いたことないなぁ、という人もいるかもしれませんが、資格試験の指導歴50年の老舗です。公認会計士試験対策の講座もあり、多数の合格実績があるちゃんとしたスクールです。
クレアールは、「満点ではなく、合格点を狙う」ということでポイントを凝縮した教材を作成しており、
- 出題の確率が低い論点
- 出題されても配点の低い論点
こういったところにムダな紙面を割きません。イメージは下記。
※TACや大原などの最大手は、細かな論点にまで踏み込むので学習量が多くなりがちです。網羅してないと受験生に怒られるからです。
- 重要なところにポイントを絞る
- リアルな教室を持たない(えらく経費がかかるので)
これらにより、非常に低コストな講座を実現しているというわけですね(30,000円ほどで受講可能)。
最大手は70,000円ぐらいするので、そこと比べるとどれだけ安いか分かりますね。学習コスト面ではまったく勝負になりません。
クレアールは、コスト面でも時間面でもコスパ最強の資格スクールということです。
- 学習の効率性:クレアール>>その他スクール>>>超えられない壁>>>独学
クオリティも確かなので、気になる人はぜひ自分の目で確認してみてください。↓で資料請求をすると、カリキュラムが載ったパンフレットの他、無料でサンプル教材も入手できます。
参考:独学、スクール、どっちにする?
資格試験にチャレンジする際には、次の2つの選択肢からいずれかを選択することになります。
- 独学
- スクール利用
下記のような人は、独学がオススメです。
- 時間がたっぷりある
- 金銭的な余裕があまりない
- 高校受験、大学受験なども独学でうまくいった
一方、次のような人は、スクールを活用すべきです。
- 時間に余裕がない(働いている、急いで合格したい)
- 金銭的な余裕がある
- 過去、独学で納得できる成果が出せていない
時間に余裕がない人がスムーズに合格を勝ち取るためには、受験ノウハウが必須です。試行錯誤をしている暇がないからです。
極端な話、スクールにお金を払うということは、こういうことです。
- 「時間」と「合格」をお金で買う
スクールを使えば、合格までの学習時間は少なく済みます。30時間学習時間が減るなら、時給1,000円の人なら30,000円を稼いだということと同義です。
また、スクール利用者は圧倒的に合格率が高い傾向にあります。これは、ちゃんと数字が出ています。
上記は、フォーサイトという通信スクールが公表している合格実績です。
ここも決して悪いスクールではなく、十分に選択肢の1つとして検討できるところなのですが、こびと株.comとしては
- 教材の質が圧倒的に高い
- 電話&メールで回数無制限の質問ができて、応対も早い
- もし不合格になったら、1年延長で動画を視聴できる
- それなのにめちゃくちゃ安価な受講料
ということで「クレアール」を一点推ししています。
スクールを使っておけば出題範囲の変更や試験傾向の変化にも簡単に対応できます。せっかく学習したのに出題されなかった!なんてことにならないように、ムダなくやっていきたいですね。
まとめ:簿記2級の難易度は高くなっているが、ビビる必要なし
以上をまとめると、次の通り。
- 今までの合格率は30%弱だった
- 勉強時間は150~200時間、3~4ヵ月の学習が目安
- 最近の合格率は15%弱と難化している
- 試験範囲の変更により、必要勉強時間は増えている
試験難易度の上昇に伴って若干コスパが悪くなりつつありますが、それでも「簿記」という資格の魅力は変わりません。
- ビジネスパーソンに必須の知識
- 他の資格にチャレンジする際の土台
- 就職や転職で有利
- 副業・独立の際にも役立つ
- 資産運用(不動産投資)にも有効
取得して後悔しない資格です。資本主義経済のなかで暮らす限り、簿記の知識が無駄になることはありません。
最短で合格したければ、「クレアール」を活用するのがベストです。ここを上手に活用することが、間違いなく最短経路の1つになります。
ぜひ、簿記2級の合格を勝ち取ってください。
それではまたっ!
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