日商簿記検定2級に関するまとめ記事です。
- 取得のメリット
- 難易度や合格率
- 過去問の紹介
- 独学と資格スクール利用の比較
- 勉強時間や勉強方法(おすすめテキスト・スクール)
など、日商簿記検定2級に関する話題をほぼ網羅しています。
かなりのボリュームになるので、目次を利用して興味のあるところだけしっかりチェックして貰えればと思います!
目次
簿記2級まとめ
記事が長いので、先に内容をまとめます。
- 簿記は2級までとらなきゃもったいない!
- 年3回の受験で、合格率は平均30%程度。
- 勉強時間の目安は150時間程度(3級取得済の場合)。
- 資格スクールを利用する場合は、クレアールが断然おすすめ。
- 費用は、独学で1万円、オンラインスクールで2~3万円、教室通学で7~8万円程度。
- 2級取得の多数のメリット
- 独学でも他スクールでもなくクレアールをオススメする理由
は、記事の後半でしっかり解説します。
※まずは講座の質をチェックしてみてください。資料請求をすると、サンプル教材がもらえます。無料なので、もらっておいて損はありません。
社会人人生の全てを経理/財務業務に捧げている(?)経理部員です。高倍率の専門職試験を通過して、一部上場企業の経理部にもぐりこみました。
社会人になって以来10年超、資格スクール・書籍等での勉強を続けている、会計の専門家です。
高校時代に日商簿記検定3~2級を学び、大学2年生のときに日商簿記検定1級に合格しました。簿記とは既に15年近い付き合いになりますが、これからも末永く仲良くしていきたいと思っています。
日商簿記検定1級のほか、証券アナリストやTOEIC730点なども取得しています。
日商簿記検定2級の概要
日商簿記検定2級とは
企業が求める資格ランキングTOPの資格です。
- 経理/財務の仕事を始める人の、パスポート的な資格
- 日商簿記検定3級をとった人の、ステップアップのための資格
就職・転職で使える資格です。また、日商簿記検定3級に比べるとグッと踏み込んだ内容ですので、「経営管理に役立つ知識」も身に付きくでしょう。
簿記検定試験の知名度は抜群で、過去2,600万人(2019年2月時点)もの受験者がいます。2級は毎回5万人以上の受験者がいる、超人気資格です。
経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の一つ。
高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル。(出典:日本商工会議所公式HP 太字は筆者)
主催団体
商工会議所です。もちろん3級と同じ団体です。
※簿記検定は、国家試験に基づく国家資格ではありません。
会計分野における最高峰の国家資格は、公認会計士や税理士ですね。そういった資格を目指す場合にも、簿記2級はよい通過点となります。
例えば大手予備校の税理士試験向けの講座も、簿記2級の復習から始まることがあるようです。
試験日程
簿記2級の試験は、3級と同じく、年3回行われています。
- 2月試験
- 6月試験
- 11月試験
2級・3級は年に3回もチャレンジするチャンスがあるので、非常に取り組みやすいですね。また、1級と2級、2級と3級の同時受験も可能です。
※1級だけは6月と11月の年2回です。
最近はネット試験が随時実施されていて、年3回だったチャレンジチャンスが増えました。
下記記事にネット試験の概要をまとめましたので、気になる方はご参照ください。
これからチャレンジする方は、第165回試験(2023年11月19日実施)に向けて準備しましょう!
申込期間は、試験日の約2ヶ月前から。受験地によって異なりますので、公式HPから最寄りの受験地・商工会議所をご確認下さい。
受験料・申込方法
4,720円(税込)です。2,850円(税込)の3級に比べると、1.5倍以上ですね。とはいえ、受験料が1万円を超えることも多い国家試験等に比べると、リーズナブルだと思います。
申込手続きの詳細は、各商工会議所のホームページをご覧ください。
例えば東京商工会議所の場合ですと、こちらに書かれています。大まかな流れは以下の通りです。
- STEP1 申込登録をする:インターネットまたは電話で申込登録する
- STEP2 申込書が届く:申込書(払込取扱票)が普通郵便で届く
- STEP3 受験料等の支払:コンビニエンスストア等で受験料・事務手数料を支払う
- STEP4 受験票が届く:試験日の1~2週間前頃、はがきサイズのものが普通郵便で届く
- 試験日:試験会場へ行き、受験する
- STEP5 成績照会期間:インターネット上で自分の成績が確認できる
- STEP6 合格証書が届く:合格していれば、普通郵便で合格証書が届く
USCPA(米国公認会計士)などと違って、複雑な受験手続はありません。3級と全く同じ手続きです。
受験資格もありませんから、気軽に受験できますね。
出題範囲・試験時間・合格基準
- 出題範囲:商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)
- 試験時間:90分
- 合格基準:70%の得点
2021年度より試験時間が変更となりました。
商業簿記は、3級でも出題範囲になっていましたね。2級ではそれらに、本支店会計や連結会計などが加わります。リース、外貨建取引、各種引当金などもでてきて、より実践的な内容になっていきます。
工業簿記は、2級ではじめて出題される分野です。「企業内部での部門別や製品別の材料・燃料・人力などの資源の投入を記録・計算する技能で、経営管理に必須の知識(出典:商工会議所の検定試験)」です。
出題イメージについては、後述の「簿記2級の出題形式/出題例」をご参照下さい。
日商簿記検定2級の難易度(合格率)
合格率
過去の合格率を調べてみました。10年分以上のデータです!
合格率の平均は約27.4%!3級の合格率に比べると、10%以上低くなっていますね。
3級と同じく、「70%以上の点数をとれば合格」という絶対評価の試験ですから、合格率にばらつきがあります。最近では、難しめの回で8.6%、易しめの回で47.5%となっています。
※最近は、試験範囲の改正で難化傾向にあります。最新版の難易度と最短合格法はこちらをご覧ください。
※2020年12月からネット試験が始まりました。ネット試験の合格率が出ていたので掲載しておきます。
日商簿記検定2級の出題形式/出題例
実際の過去問(第150回試験等)を参考に、出題形式と出題例をまとめます。
出題は、大問が5つの形式です。3問が商業簿記、2問が工業簿記です。
傾向としては、体系的・網羅的学習をはかる基礎的な内容を重視しているようです。
Ⅰ 【商業簿記】仕訳問題5題
3級試験と同じく、第1問では「こんな取引があったよ、仕訳してね」という問題が出ます。
問われる取引の例としては…
- クレジット払いで商品を売りました
(ポイント:消費税の処理) - 事業を譲り受けました
(ポイント:「対価である現金等」と「事業の時価」の差額の処理) - 有形固定資産を割賦で購入しました
(ポイント:利息分の処理)
といった具合です。
基礎的・標準的なレベルの問題がまんべんなく出題されることが多いようです。2級の範囲全体をきちんと勉強しているかチェックされるわけですね。
Ⅱ 【商業簿記】個別論点
第2問では、帳簿や勘定の記入について、一連の取引の流れにそった出題がされることが多いようです。
第150回試験では、税効果と連結会計に関する問題がでました。一連の取引について、元帳の記入や仕訳を問う問題です。
他の回の試験では
- 伝票会計(3伝票制)
- 株主資本等変動計算書
- 固定資産
- 商品売買
などが論点となっています。
Ⅲ 【商業簿記】精算表等作成問題
第3問では、試算表等のデータをもとに、精算表、損益計算書、貸借対照表などを作成させる問題が多いようです。
未処理事項の処理と決算整理を行った上で、精算表等を完成させる必要があります。この過程で、引当金や固定資産などの個別論点も問われています。
第150回試験では、貸借対照表の作成について問われました。個別論点は、貸倒引当金の設定、期末商品の評価、有価証券評価(償却原価法の適用)、退職給付会計などでした。
他の回の試験では、
- 収益の認識基準
- 未払法人税等
- 前払費用
- 貸付金・借入金
などが個別論点として出題されています。
Ⅳ 【工業簿記】勘定記入等問題
第4問での出題は様々ですが、費目別計算等に関する仕訳と勘定記入の問題が多いようです。標準原価計算や本社工場会計なども出題されています。
第150回試験では、材料の購入・材料の消費・労務費の算定・賃率差異の計上・製造間接費の予定配賦などについて、仕訳を問われました。
他の回の試験では
- 補助部門費の配賦
- 材料費に関する勘定記入
- 製造指図書別の原価集計
- 本社工場会計
などの出題がされています。
Ⅴ 【工業簿記】総合原価計算等問題
第5問での出題も様々ですが、近年では、総合原価計算(とくに単純総合原価計算)の出題頻度が若干多いようです。
第150回試験では、直接原価計算(CVP分析)の問題が出ました。
他の回の試験では、
- 組別総合原価計算
- 等級別総合原価計算
- 標準原価計算
なども出題されています。
簿記2級取得のメリット
学生にとってのメリット
就職活動時のアピール材料になる
簿記2級を取得していると、就活時のアピール材料としてはかなり強力です(簿記3級とは一段階違います)。
「配属先は会社にお任せ」の総合職採用だけではなく、経理・財務専門職採用で内定がとれるレベルです。
また、経理・財務以外の職種を希望する場合でも、アピール次第で他の学生にグッと差をつけることができます。
簿記2級ホルダーは「ビジネスの基礎となる簿記のスキルは、学生のうちからきっちり身に着けてあります!」という無言の証明ができるからです。
※簿記2級は、文系大学生には特におすすめの資格です。興味のある方は以下の記事もご覧ください♪
希望企業の財務状況をチェックできる
就職先の財務状況が分からないまま就職するというのは、とんでもなく大きなリスクです。
世の中には
- 名前が知られていないが、財務優良な企業
- 誰もが知る大企業だが、財務状況は火の車
どちらのパターンも存在します。
- しっかりとしたビジネスを持っている会社
- 十分なお金を持っている会社
- 就職後、つぶれたりしそうにない会社
- 安定した給料を払ってくれそうな会社
を選びたいと思うのであれば簿記の知識は必須です。
簿記2級の知識があれば、簿記を知らなかった頃はいうに及ばず、簿記3級の時とも一段違った会社選びができるはずです。
社会人にとってのメリット
基本的なメリットは、簿記3級と同様に、
- 自分の業務が会社経営に与える影響を、数字で捉えることが出来るようになる
- (経理部門・企画部門等への)異動のアピール材料になる
- 家計管理に活きる
などです。もちろん、簿記3級→簿記2級と知識レベルが高まっていますから、それぞれのレベルが一段高まります。
たとえば
といった具合です。
さらに、簿記2級取得には大きなメリットがあります。
それは、転職価値が高まるという点です。これは、簿記3級では得られにくいメリットです。
経理部への転職を考える場合、簿記2級は
- 経理未経験者
- 経理経験者
どちらにとってもかなり重要なファクターです。
未経験者採用の場合は、簿記2級が事実上の募集要件になっていることが多いです。経験・資格どちらもナシという人は、なかなか採用されにくいということですね。
転職エージェントも「簿記2級をもっている人なら、未経験者でも喜んでサポートする」と言っていました。
また、経理経験者向けの求人票でも、「簿記2級保持者歓迎」といった記載はめずらしくありません。
業務経験+資格をもつことで、「スキルと知識のバランスが良い人」という印象を与えることができます。
その他のメリット:他試験の試験科目になっているケースがある
簿記は他の資格試験の試験科目(またはその一部)になっていることがあります。具体例としては
- 証券アナリスト(財務分析)
- 中小企業診断士(会計)
- 銀行業務検定
- 公務員試験(国税専門官や財務専門官:会計)
などです。
簿記2級まで学習が済んでいると、公務員試験を受けるときには会計学が、証券アナリスト試験を受ける時は財務分析が、得意科目・得点源になること間違い無しです。
簿記2級の取得で、会計を得意分野にしましょう!専門性を身に着け、またそれを広げ深めていくための第一歩として、簿記2級は十分な足掛かりになります。
簿記2級の勉強方法(独学か資格スクール利用か)
個人的には
だと思います。
なぜなら、私自身が独学での勉強を後悔しているからです。
資格スクールの利用は
- 合格への近道
- 正しい理解のために必須
です。
簿記2級にはつまずきやすい論点がたくさんあります。例えば、
- 退職給付会計:概念がとらえにくい用語が多い
- 連結会計:基本をきっちりおさえないと、まず間違いなく挫折する
- 工業簿記:算数が苦手な人にはハードルが高い
といった感じです。
これらに効率よく取り組むのは、独学では難しいのです。
特に、以下の3つのいずれかに当てはまる人は、迷わずスクール利用を選択しましょう。
- 資格取得に期限がある人
(就職・転職活動で使いたい、次の異動希望調査までに取得したい、など) - 使える知識を手に入れたい人
(実務で使いたい、実際の企業の財務諸表を見たい、など) - 簿記1級まで視野にいれている人
それでは、独学のメリット・デメリット、資格スクール利用のメリット・デメリットをもう少し詳しく見ていきたいと思います。
独学のメリット・デメリット
独学のメリット
いちばんのメリットは、コストが安く済むことです。
金銭的な負担を小さくすることを最重視するなら、独学を選択することになるでしょう。最低限のテキスト・問題集で勝負を挑むことになります。
さらに、自分のペースで学習を進められるというメリットもあります。
意思が強く自己管理ができる人や、理解が早く授業をまどろっこしく感じる人にとっては、独学の方がスムーズかもしれません。
独学のデメリット
合格まで時間がかかる可能性があります。資格スクールの授業には、生徒たちを合格まで最短で導くための、様々な工夫がなされています。
独学で受験する人は、これらの工夫の効果を得ることができませんから、学習の効率はどうしても下がります。
さらにいえば、ドツボにはまっているうちに簿記自体がイヤになり、挫折してしまった人もいます。本当にもったいないことです…。
また、正確な理解ができていないまま学習が進む可能性もあります。
独学で内容理解につまずくと、
- 誰にも質問できない
- 解き方だけ丸暗記する
- パズル的に強引に答えを出す
- 発展問題は、当然解けない
といった悪循環にハマります。これでは、使える知識は身につきません。
さらに、ペースメーカーがいないという問題があります。
- 問題集は買ったけど、忙しさにかまけて進捗3ページのまま1年が過ぎた…
- 試験日は明日なのに、工業簿記が手つかずだ…
- 「簿記2級をとろう」と決めたのは半年前、進捗率は0%…
このような状況にならないために、独学では自己管理が求められます。
資格スクールのメリット・デメリット
資格スクールのメリット
圧倒的に学習の効率がいいことです。「就活が始まるまでに簿記2級をとりたい!」「次の異動希望提出までに簿記2級をとりたい!」といった方は、スクール利用で決まりだと思います。
短期間で結果を出すには、学習効率が最重要だからです。
資格スクールの授業は、
- 合格させる
- 理解させる
この2つを目的に設計されています。講師はこれらの目的を達するために雇われたプロですし、使われるテキストや問題集には工夫が散りばめられています。
また、わからない点は講師に質問できるというメリットもあります。
簿記2級では、3級に比べてグッと難易度の高い論点を取り扱います。テキスト等を読むだけで「全部理解できる!」という人は少ないと思います。
わからないところをわからないままにしておいて、理解が進むはずはありません。ひっかりはサクッと解決して、次に進みたいものです。
資格スクールのデメリット
お金がかかることです。一般的に言えば、資格スクールの利用は、独学と比べて金銭的な負担が大きくなります。
独学にかかる費用は
- テキスト代
- 問題集代
- 勉強場所代(カフェ代など。家で勉強できる人はゼロ円)
といったところです。
自分の場合はいくらかかりそうか考えて、資格スクールの料金と比べてみるといいと思います。
ただし、1回で合格できなかった場合は、費用がかさみます(もちろん時間もとられます)。
- 受験料が複数回分かかる
- 最新年度のテキスト・問題集を購入し直さないといけない
- また何度もカフェに通うハメになる
からです。
簿記2級の勉強方法・勉強時間(独学)
独学の基本姿勢
商業簿記については、簿記3級と同じ姿勢で取り組めばOKです。
- テキスト&問題集を1冊こなす
- 過去問を完璧にやる
この2つですね。テキスト&問題集は「こなす」感じでさらっと、過去問は注力して「完璧にやる」。この組み合わせが重要です。
一方、工業簿記については、
- テキストと問題集を交互に使いながら、きちんと理解する
- 過去問をたくさん解く
という取り組み方をおすすめします。
テキスト・問題集でしっかりした知識を身に着け、そのあと過去問にすすみましょう。商業簿記よりも、テキスト&問題集での学習に力を入れる必要があります。
独学のおすすめテキスト
簿記2級の教材は、それなりに豊富です。ふらりと本屋さんに出向けば、何種類ものテキスト・問題集等がみつかるでしょう。
ある程度人気のある教材は、どれもよくできていますので、好みで選んでOKです。簿記3級の勉強でお気に入りのテキストがみつかった人は、同じシリーズのものを使いましょう。
※独学用の簿記教材は、3級>2級>1級と減っていきます。3級はたっぷり、2級はそこそこ、1級は希少、という感じですね。
私こびと株のおすすめは、スッキリわかるシリーズです。3級まとめでも紹介したシリーズです。これをやりこめば必ず合格できます。
- 説明が簡潔&図表が豊富で、初学者にも分かりやすい
- テキストと問題集が一体になっていて、学習効率が良い
- 売上No.1の人気シリーズ(安心のTAC出版)
2級のテキスト&問題集は、商業簿記と工業簿記にわかれています。
どちらも、Amazonのページに飛ぶと、「なか見!検索」で内容を確認できます。何ページか読んでみて、購入を決めるといいと思います。
人それぞれ、テキストの合う・合わないというのはあります。けれどもそれは、使ってみないとわからないことがほとんどです。
大抵のテキストは、どれもよく工夫されていますから、テキスト選びに悩むより勉強そのものに時間をかけた方が得策です。
簿記3級を受けずに簿記2級にチャレンジする人は、
- まず簿記3級のテキスト&問題集を購入
- ①がおおむね手になじんでから、簿記2級のテキスト&問題集を開く
のがおすすめです。
いきなり簿記2級からはじめると、知らない言葉が多すぎて簿記が嫌いになってしまうリスクがありますw
独学のおすすめ問題集(過去問)
過去問は、実際の過去の試験問題なので、どのテキストを選んでも問題自体は同じです(当たり前ですね。)
ですから、選択のポイントは
- 問題数(何年分収録されているか)
- 予想問題の有無
- 試験制度変更に対応
- 解答・解説の丁寧さ
- オマケ(出題傾向まとめ等)
あたりになります。
中でも最も重要なのは、問題数(何回分収録されているか)です。
簿記は、身に着けるために反復練習が必要な技術。なるべくたくさんの問題に触れるのが正解です。思い切って、問題数の多いものを選びましょう。
例えばこの本ですね。12回分(うち4回分は予想問題)が収録されています。
本体の12回分とは別で、本試験と全く同じ環境でできる「模擬試験プログラム」10回分付き。
新制度のネット試験・統一試験にもバッチリ対応しています。
解答・解説は自分に合うものを選びたいですが、さほどこだわる必要はないと思います。わからないところはテキストにもどって確認しながらすすめればいいからです。
独学の方法
スケジュールの立て方(勉強時間)
簿記2級を取得するには、一般に、200時間程度の勉強時間が必要だと言われています。
※簿記3級取得後の人は150時間程度とも言われています。ですから、簿記3級を受けずに簿記2級にチャレンジする人は、最初の50時間を簿記3級の学習にあてればよいと思います。テキストを読んで、過去問を数回分みっちり解いてみてください。
基本的な学習スタイルは、3級と同じ。大きく3フェーズです。
- テキストを読む(商業簿記15時間・工業簿記25時間程度)
- 答えを見ながら過去問1回目を解く(48時間程度)
- 過去問2回目以降の繰り返し(65時間程度)
ネットでは「簿記2級に1週間程度で合格した!」というような情報が、ちらほら見つかります。もちろんこういう人は存在しますし、それは素晴らしいことです。
しかし彼らの勉強法は、だれもが参考にできるものではないように思います。彼らは
- テキストをサッと読んだだけで理解がすむ
- 過去問2~3回分だけで問題が解ける
- 算数大得意
みたいな「スゴイ人」だからです。
テキスト・過去問の使い方(勉強方法)
1 「スッキリわかる」を読む
①商業簿記を1回やり通す
3級のときと同じく、やり通せばOKです。完璧に仕上げる必要はありません。
読み進めて、問題を解いて、とにかくページを進めることに集中してください。この時点では、暗記を頑張る必要もありません。
テキスト300ページ程度を、トータル15時間程度でやっつけてしまうイメージです。
②工業簿記をガッツリ読む
工業簿記については、テキスト&問題集の段階できちんと理解しておくことが重要です。商業簿記のようにずんずん進むのではなく、じっくり一歩ずつ進みましょう。
テキストは250ページ程度ですが、トータル25時間程度はかかると思います。
2 過去問(直近8回+予想問題)をすべて解く(答えは見ながらでもよい)
どんどん過去問を解きましょう。分からないところは答えを見ながらでかまいませんが、必ず手を動かしてください。
本番は2時間の試験です。解くのに2時間、答え合わせと解答理解に2時間程度のイメージで進みましょう。12回分やると、48時間かかる計算になります。
3 実戦形式で過去問を解く
いよいよ最終フェーズ!合格に向けて一直線です。
今度は答えを見ずに過去問を解きなおしましょう。時間もしっかり測って、本番と同じ気持ちで取り組みましょう。
時間配分も集中力の維持も練習のうちですから、途中で休憩してはいけません。
解き終わったら答え合わせ。正解できた問題のことは忘れましょう。
大事なのは、不正解だった問題です。こちらについては、解けるようになるまで何度でもトライしましょう!
解き直しと答え合わせ・解説確認に48時間(4時間×12回分)、不正解だった問題に再トライするのに15時間くらいのイメージですね。
新しい問題にもチャレンジする余裕があれば「模擬試験プログラム」に手を付けてみてください。でもまずは、本体の12回分をガッチリ固めることが最優先です!
簿記2級の勉強方法・勉強時間(資格スクール利用)
資格スクール利用の基本姿勢
学習内容が何であっても、資格スクール利用の基本姿勢はあまり変わりません。とにかく講師の指示・テキストの内容を信じることです。
資格スクールはノウハウをたくさんもっています。ですから、
- 重要なところ・重要でないところ
- 理解してから進むべきところ・まずは暗記してしまうべきところ
- 本番試験での出題可能性が高いところ・低いところ
のメリハリをつけることができます。
初めて学ぶ人がそれを判断するのは、難しいですよね。自己流の判断ではなく、講師の指示に従って勉強しましょう。
資格スクールでうまくいく人の特徴
これも学習内容によらず、大抵同じです。講師の指示を愚直に守る人がうまくいきます。
簿記は受験者が多く、資格スクール側も注力している分野なので、特に「指示を守る人がうまくいく傾向」が強いかもしれません。
また、あれもこれもと手を出さず、資格スクールの教材を完璧にマスターできる人もうまくいきやすいです。せっかく資格スクールを利用するなら、ノウハウのつまった教材を100%活用しましょう!
資格スクールで失敗する人の特徴
「成功する人」の裏返しですね。講師の指示を守らない人・たくさんの教材に手を出す人。
どうして資格スクールの利用を決めたのか、思い出してみてください。
- 正しく理解したいから
- 効率よく学習したいから
- ペースメーカーが欲しいから
これらのために資格スクールの講師・テキストが有用だと思うのなら、最後まで講師・テキストを信じましょう。
※資格スクール利用の理由が「わからない点を講師にきけるから」の1点のみ、という人は上記にあてはまりません。
不明点の質問さえできればあとは事実上独学でいける自信のある人(勉強が得意な人、受験などを独学で成功させた経験のある人など)は、自己流でもうまくやれるかもしれません。
おすすめの資格スクール
結論からいうと、圧倒的なおすすめはクレアールです。会計士・税理士等も多数輩出しているオンラインスクールで、50年以上の実績・ノウハウをもっています。
おすすめ理由は、とにかくコスパがいいから。
- 合格に必要な範囲だけ
- きちんと理解して
学習をすすめることができます。
※資料を請求すると、無料でサンプル教材がもらえます。見てから決めればOKなので、とりあえず請求だけしておきましょう。
時間面でも価格面でもコスパがいいので、
- 効率重視で合格したい
- 忙しくて時間がない
- 費用を抑えて取り組みたい
という人に向いています。「満点」ではなく「合格」をねらうイメージです。
WEB通信での学習が基本なので、スマホ学習でスキマ時間を活用できますし、早見再生で時間短縮もできます。音声のみのデータも用意されています。
こういうちょっとした利便性が、合格と挫折を分けたりするのですよね。
クレアールには、「教室講座」がありません。どうしても「教室通学」にこだわりのある人は、大原を選ぶと良いでしょう。
大手の有名スクールには、大手になるだけの理由があります。過去の蓄積でノウハウもたっぷりたまっていますし、講師の教育もなされているので、安心してついていくことがきます。
簿記2級を受けようと思っている方へ
自分が簿記を学習していた頃のことを思い出して書いていたら、すっかり長くなってしまいました。お役にたつところがあったらうれしいです。
学習をすすめる・学習を検討する中で、「こんなところも知りたい!」というのがあれば、ぜひご連絡ください。
こびと株.comメンバーはみんな簿記が大好きです。さらには資格も大好きです(笑)だから簿記検定チャレンジ中・チャレンジ検討中の人は応援したくなってしまうのです♪
それではまたっ!
Follow @kobito_kabu