CDS 2019年12月期第1四半期末決算(2019年5月10日公表)
CDS株式会社のこびと「CDS」から、2019年1月1日~3月31日の業務報告が届いております。
経営成績の報告
当第1四半期 前第1四半期
売 上 高 33.8億円 22.8億円
営業利益率 13.0% 13.6%
1株純利益 39.53円 30.77円
配当予想 24円(中間)+24円(期末)
前期から引き続き、業績好調なCDSくん。当第1四半期も、前期で大幅な増収増益となりました。
当期は最大の取引先である三菱自動車も好業績でしたから、CDSくんにとっても業績の上げやすい環境だったことでしょう。
もう少し細かくみてみると
- ドキュメンテーション事業:1ケタ%の増収増益
- エンジニアリング事業:2ケタ%の減収減益
- 技術システム事業:3ケタ%の増収増益
と、セグメントごとにかなり大きな違いがあります。
CDSくんによれば、エンジニアリング事業の減収減益は「教育関連案件の入札の時期が前年と異なった影響」とのこと。
であれば、入札時期以降の業績は回復が望めるかもしれません。2Q以降の実績に期待したいと思います。
技術システム事業については、
- 売上が伸びたのは、「IT機器販売の大型案件受注」したから
- 利益が伸びたのは、「既存ビジネスの付加価値向上の取り組みが奏功」したから
とのこと。
利益の伸び率(107%)が売上の伸び率(129%)ほどでないところをみると、大型案件の利益率は、既存案件に及ばない様子です。
セグメントごとの状況を、2Q以降も継続的に観察していきたいと思います。
(「」内はCDS㈱四半期決算短信より)
財政状態の報告
当第1四半期末 前期末
総資産 94.0億円 78.6億円
1株純資産 839.39円 821.62円
自己資本比率 60.9% 71.3%
A(※)/総資産 19.1% 22.0%
※ A=現金預金
前期末に比べ、改善している指標は1株当たり純資産のみです。特に、自己資本比率は10%以上低下してしまっています。
約15億円増加している総資産のほとんどを、負債の増加でまかなっているのが原因です。
主な増加項目は
- 受取手形及び売掛金(13億円)
- 支払手形及び買掛金(10億円)
- 短期借入金(3億円)
という状態ですね。
①受取手形及び売掛金と、②支払手形及び買掛金が同時に激増している理由が気になります。
①受取手形及び売掛金の増加を短期借入金でまかなっている状態も、少々心配ではあります。
CDSくんは、引っ込み思案なこびとで、なかなか積極的な情報開示がみられません。
- ①受取手形及び売掛金の増加要因は何か?
- ②支払手形及び買掛金の増加要因は何か?
- 増加しているのはどの取引先との債権債務なのか?
- その取引先との関係はどうなっているのか?
などについて、一言説明がほしいところですが…。
とはいえ、全体としての安定感には変わりありません。安全性という意味では、当面は心配のないこびとちゃんです。
今後の見通し
業績予想
前期末決算時に発表した、増収増益予想に向け、着実にすすんだ第1四半期だったといえるでしょう。
売上・各段階利益とも、進捗は30%以上。なかなか好調な決算でした。
一方、当期は最大の取引先である三菱自動車工業とのITアウトソーシングサービス契約が満了する期でもあります。業務発注量の下限保証が、この3月までで無くなるわけです。
三菱自動車の決算発表をみると、同社は2020年3月期、大幅な減益予想となっています。
売上の3割を占める最大取引先の
- 業績不振
- 業務発注量保証なし
という状況下で、増収増益予想を達成に向け、2Q以降どのように対応していくのか…。
CDSくんの実力が改めて試されることになるでしょう。
配当金について
期末に行われた予想から、特に変更はありません。
当期の配当は予想通り、問題なく支払われることと思います。
来期以降配当については、良好な1Q業績から「配当ポジティブ」とはとらえているものの、上述の通り
- 売上債権の回収状況
- 三菱自動車との契約満了の影響
の2点を懸念しています。
期待の膨らむこびと株オーナーです。
それではまたっ!
(参考:CDS株式会社 四半期決算短信等)
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