こんな疑問にお答えします。
私は、大学卒業後、一部上場企業の経理/財務部で10年超の経理経験があります。
有名企業から続々スカウトが届くので、実務経験はかなり豊富だと思います。
目次
まずはぶっちゃけ話
まずはぶっちゃけ話から。
「業務の難易度」で評価に差がつくわけではないので注意しましょう。
私も、経理に慣れる前はこう思ってたんですよね。
だが、そんなことはなかった!
なぜかというと、こういう理由です。
- そもそも、業務の難易度を評価できない(連結の方が難しい?税務の方が難しい?)
- 業務難易度を評価できたとしても、評価者(部長や役員)はそれを知らない
業務の難易度で評価がつけられない以上、結局、人事評価は「印象」で決まりがちだということです。なんだそれと思うかもしれませんが、これが現実。
経理担当者の人事評価ポイント【印象が良くなる】
- 専門性(知識)がある
- 課題提案力がある
- 積極性がある
- 部署長や経営陣とのコミュニケーション力が高い
- 他部署担当者とのコミュニケーション力が高い
- チームへの献身性が高い
サクっと見ていきましょう。
評価ポイント①:専門性(知識)がある
経理は専門職です。会計や税法など、知識がないと仕事になりません。職場仲間からの「あの人は会計/税務に詳しい」という評判は、重要な人事評価ポイントになります。
補足として、専門性というのは2つの側面から評価できます。
- ポータブルスキル:簿記1級や税理士資格など、どこでも通用する持ち運び可能なスキル
- アンポータブルスキル:会社のビジネスモデル/商品/社内専用システムに対する深い理解など、社内でしか通用しない持ち運び不可能なスキル
経理担当者は①に偏ってしまう人が多いですが、②も重要です。バランスよく専門性を身につけましょう。
評価ポイント②:課題提案力がある
問題意識が高く、これってどうなの?こうした方がいいんじゃないの?と提案できる人は好印象です。
普通の経理担当者は、次の2つしかやりません。
- ルーティンを回すこと
- 年度の目標課題をやること
要するに、言われたことにしか取り組まない人が多いのです。この範囲をこえて、みずから問題意識を持って仕事ができる人は評価が高くなります。
評価ポイント③:積極性がある
業務を選り好みせず何でもやろうとする姿勢は、非常に重要な姿勢です。
というのも、日本のサラリーマンの幸福度は先進国のなかでは最低レベル。たいていの人は仕事が嫌いなので、積極性を出せばそれだけで差別化できるのです。
あれやりたいです!これもやりたいです!もっと仕事覚えたいです!
なんて人、見かけないですよね?感覚的には、積極性があるだけで上位20%の人材になれます。
評価ポイント④:部署長や経営陣とのコミュニケーション力が高い
経理の仕事は『説明』から逃れられない宿命にあります。役員に対する決算報告がない会社なんて、ないですよね。
ここで不思議なことが起きます。まったく同じプレゼン資料を使って決算報告しても
- 部署長や経営陣からの評価が高いAさん
- 部署長や経営陣からの評価が低いBさん
の2パターンに別れてしまうのです。もちろん、経理/財務部内で重宝されるのはAさんです。
経営陣に対して下手なプレゼンをしたら、経理/財務部自体が「遊んでいる」と思われかねません。「よくやっている」と評価される人をプレゼン担当者にするのは当たり前の話です。
こういう人は文字通り「替えが効かない」ので、高評価です。
評価ポイント⑤:他部署担当者とのコミュニケーション力が高い
現場のキーパーソンとつながっている人も好印象です。社内人脈の広い人です。
重要な業務ほど、経理財務部だけでは完結しません。新卒からその会社にいる社員と転職者で差がつきやすいのはココです。いくら能力の高い転職者でも、1人で仕事は進められないですからね。
評価ポイント⑥:チームへの献身性が高い
個人プレイが多い経理だからこそ、顔をあげてプレーできる人は強いです。
自分の仕事が終わればハイおしまい!
というのではなく、
- いつ
- どんな時に
- 誰が何をやっているか?
こういうことを把握しようとする人、把握できる人は優秀です。あまり評価されない人の典型は「私は頑張っている。いつも大変な思いをしている」とだけ主張するタイプです。
他にも頑張っている人はいますし、誰しも大変な思いはしています。だからこそ「あの人はああいうことをやっている、この人はこういうことをやっている。みんな大変だよね」と言える人は
あぁ、周りがよく見えているな
と評価されるわけです。周りが見えている人は、必要な時に必要なサポートを提供できますからね。
以上、人事評価が高くなる6ポイントを見てきました。
難易度の低い業務をやっていたとしても、上記6ポイントのいくつかを満たしていれば、上司からの印象はだいぶ良いと思いますよ。
またまたぶっちゃけ話
社内評価が高くても待遇には差がつかない
さて、またまたぶっちゃけ話です。上記のポイントを満たして、社内における人事評価が高くなったとしても、待遇には大した差がつきません。特に、短中期的には。
なぜなら、日本企業の給与は「年齢」と「労働時間」でほとんど決まるからです。あくまでイメージ、一例ですが、
- 部内で最も評価の高いAさん(35歳)
- 評価の低いBさん(40歳)
この2人の給与には大して差がありません。Bさんの方が5歳年上で、役職が1ランク上だからです。また
- 部内で最も評価の高いAさん(35歳。残業時間ゼロ)
- 評価の低いBさん(35歳。残業月20時間)
この場合も2人の給与には大して差がありません。下手するとBさんの方が高いです。
年次と労働時間で給与が決まるというのは、こういうことです(※ちなみに、長時間労働は出世にもつながります。)
※経理の年収に関しては、こちらの記事に詳しく書いています。是非ごらんくださいませ。
成果主義が取り入れられつつあるとはいえ、日本企業の給与・評価体系の実態はまだまだこんなものです。
だから、待遇をよくするために人事評価を気にするというのは、非常にコスパが悪いという事実は認識しておくべきでしょう。
マネジメント層による「仕事の報酬は仕事だ!」という謎理論のもと、優秀な人が大量の仕事を集められ、つぶされていく様子も見てきました。
社内評価が高い経理担当者は、転職市場でも評価される
じゃあ一生懸命がんばった人がどうやったら報われるのか?
答えは「転職」です。
十分な実務経験・高評価を引っさげて、より給与水準の高い企業にうつれば良いのです。給与水準の高い企業に転職できれば、転職前の企業の同僚・上司の給与を簡単に上回ることができます。
年収を上げたければ、年収水準の高い企業へ転職するのが一番カンタン
良い会社に移れるのは、社内で高評価を勝ち取っている人の特権とも言えます。社内評価が高い人は、転職市場でも絶対に評価されます。
金銭的に報われたいのなら、同じ会社で頑張り続けるというのは経済合理性を欠く行為です。
こんなに頑張っているのに割に合わない!と思っている人は、試しに自分の市場価値を測ってみてはいかがでしょうか。
管理職・専門職に強い転職エージェントであるJACリクルートメントは特におすすめです。10分弱で情報を登録して、エージェントと面談すれば優良案件を提示してくれます。
今は特に市況がいいので、好待遇の案件がたくさんあります。
他のエージェントも見てみたい方はこちらの記事をどうぞ。
まとめ:売れる経理担当者になろう
売れる経理担当者になると、日々平穏に暮らすことができます。
- 社内での居心地は良いし
- つぶしもききます(転職先がたくさん)
次の評価ポイントを意識できれば、他の担当者との差別化は簡単だと思います。
- 専門性(知識)がある
- 課題提案力がある
- 積極性がある
- 部署長や経営陣とのコミュニケーション力が高い
- 他部署担当者とのコミュニケーション力が高い
- チームへの献身性が高い
それではまたっ!
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