経理担当者『引き継ぎなしでつらい』→対処法を教えます

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経理担当者
あぁ…新しい業務の担当になったんだけど、前任者が気難しい人でちゃんと引き継ぎしてくれない…マニュアルもないし…どうしよう…
経理担当者
前任者に急に退職されてしまった…この業務出来る人、他に誰もいないんだけどな…どうすべきか…

こんな悩みにお答えします。

この記事の要点

引継ぎナシでも、3つのステップで乗り越えられる!

  1. 今どうなっているかを把握する(現実
  2. 本来どうあるべきかを考える(理想
  3. ①と②の差を埋める(妥協点

大事なのは、グチらないこと。周りと進捗を共有すること。大事なところだけおさえれば良いと開き直ること。

ピンチをチャンスに変えるつもりで取り組みましょう~!

とはいえ、物事には限度があるので、あまりにひどい職場なら働く場所を変えましょう。

【現役経理マンが紹介】おすすめの転職サイト・転職エージェント3選

2018.06.01

 

経理の引き継ぎ、何が常識!?

引き継ぎ期間はどれくらい?

私の経験上、引き継ぎ期間が2ヶ月も3ヶ月もあるようなケースはほとんどありません。なぜかと言うと、異動や退職が公表されるのはどんなに早くても1ヶ月前ぐらいだからです。

営業日ベースだと、20日程度ということです。

引き継ぐ側から見ても、引き継ぎだけに集中できるわけではありません。最低限の業務。こなしながら、並行して引き継ぎをすることになります。

引き継ぎを受ける方も、引き継ぎを受けているだけでいいわけではないので(他の担当業務もある)、意外とまとまった時間を確保できません。

結果的に、マトモな引き継ぎ期間は1~2週間あれば良い方なのではないでしょうか。

 

『引き継ぎなし』なんてよくある話

こんな状況なので、ドサクサに紛れて引き継ぎをしないなんてのはよくある話です。

新卒で入社以来、10年以上経理/財務に携わっていますが、満足できる引き継ぎを受けたことなんてありません。そう、ただの1度も!

もう自分の担当じゃなくなる」と分かった途端、ほとんどの人はその業務に対して情熱を失います。「あとは良い感じにやっておいて~」というのが正直な気持ちではないでしょうか。

だから

  • ちゃんとした引き継ぎを受けられないなんてオカシイ!

といくら騒いだところで無意味です。泣いてもわめいても、してくれない人は絶対にしてくれません。これが現実。

であるならば、引き継ぎなんかなくてもやっていけるノウハウを身に着けた方が建設的ですね。

 

現役経理マンが教える『引き継ぎなし』対策

こんな事例を想定してみましょう。

事例
  • 貸倒引当金の計算担当者が突然退職
  • 引継ぎは一切なし
  • 過去に貸倒引当金の計算業務を担当したことがある人がいない
  • マニュアルは一切なし

→あなたが貸倒引当金の計算担当者に任命された

アタマの痛くなる事例ですが、やることはシンプルです。この3つだけ。

  1. 今どうなっているかを把握する(現実
  2. 本来どうあるべきかを考える(理想
  3. ①と②の差を埋める(妥協点

 

①今どうなっているかを把握する(現実)

第1のステップとして、今どうなっているかを把握します。

会計の世界では、帳簿 is 正義 です。会社のあらゆる活動は、数字に置き換えられて帳簿に記録されます。いくら引継ぎ資料やマニュアルがなくても、帳簿はウソをつきません。

過去に行った処理は、すべて帳簿や伝票に反映されているはずです。

  • 仕訳は月次で計上されているのか?四半期か?年次か?
  • 差額補充法が採用されているか?それとも洗い替えか?
  • 他部署からもらった情報が証憑に含まれていないか?
  • 伝票の確認者は誰か?承認者は誰か?

予想や妄想ではなく、証拠ベースで現実を把握していきます。

また、少しでも情報を持っている人がいたら、積極的に聞いて回りましょう。体系的な情報を持っている人はいなくても、断片的な情報を持っている人は必ずいます。

それらをつなぎ合わせていきましょう。

 

②本来どうあるべきかを考える(理想)

前任者がしっかりした経理担当者であるならば、①の時点で仕事はほぼ完了します。過不足なく資料が揃っていてシステムに反映されていれば、後任はその処理をマネするだけでOKだからです。

しかし、引継ぎをちゃんとしないで去ってしまうような人は、たいてい資料の残し方もいい加減です。

  • 残すべき重要な資料は存在しておらず
  • どうでもいい資料は残っている
  • 計算過程は明示されておらず
  • 意味不明なメモが添付されているだけ

こんな状況で、後任を混乱させます。迷子にさせられてしまうということです。

こんな状況ですから「今どうなっているか」をいったん置いておいて、第2のステップとして、本来あるべき姿を考えていきます。

ここで拠り所になるのは「ルール」です。すなわち

  • 会計基準
  • 税法
  • 社内規則

こういうものです。経理の世界は、「本来あるべき姿」がルールとしてクリアになっているのでラクですね。人の経験やカンが要らないということです。

会計基準を見れば(ネットやテキストで簡単に調べられます)、貸倒引当金は基本的に「債権×貸倒実績率」で計算されるということが分かります。

  • 債権の範囲はどうあるべきか?
  • 貸倒実績率はどうやって計算すべきか?

こういうことを1つずつ詰めていって、あるべき姿を導き出します。

 

③①と②の差を埋める(妥協点を見つける)

そして、最後のステップが、①と②の落としどころを探るというステップになります。

  • 本来、債権には〇〇を含めるべきだが、現状、〇〇は含めていないようだ
  • 本来、貸倒実績率は〇〇で計算すべきだが、現状、〇〇は考慮していないようだ
  • 本来、月次で計上すべきだが、現状、年1回しか計上していないようだ

こんな感じで、あるべき姿を現実を見比べていきます。

会計基準には「重要性の原則」というのがあります。影響が小さくて、重要性がないと考えられるのであれば、そこまで厳密にやらなくていいよという原則です。

こういったことを踏まえながら、理想と現実の落としどころを探っていきます。

  • 前任があまりにもいい加減なことをしていたら、修正します
  • 前任があまりにも厳密にやりすぎて時間をムダにしていたら、修正します

バランスのいいところに落とせるかどうかが、腕の見せ所です。

 

というわけで、もう一度まとめます。引継ぎがなかったら、やるべきことは次の3ステップです。

例外はありません。

やるべき3ステップ
  1. 今どうなっているかを把握する(現実
  2. 本来どうあるべきかを考える(理想
  3. ①と②の差を埋める(妥協点

①で必要なのは調査能力です。

②で必要なのは会計/税務/社内規程に対する詳しさです。

③で必要なのはバランス感覚です。

この3つを意識できれば、引継ぎなんてあろうがなかろうが関係ありません。

 

引き継ぎなしを乗り越える3つの重要ポイント

さて、引継ぎなしを乗り越えるための重要ポイントを紹介しておきます。

ポイント①:絶対にグチらない

絶対にグチってはいけません。

経理担当者
なんで引継ぎがないんだよ!やってられないよこんなの…
経理担当者
もうつらい、無理だこんなの…前任者、ひどすぎない?もうひどいよ…

気持ちは分かりますが、ここはグっとこらえましょう。

  • ちゃんと業務ができないかもしれない(不安)
  • 業務ができなかったら、周りからの評価が下がるかもしれない(不安)

気持ちは分かりますが、グチりまくると100%あなたの評判は落ちます。誰も人のグチなんか聞きたくないし、誰しも大変な思いをしながら働いているからです。

理不尽な状況に置かれているというのは、周りはちゃんと気がついています。

不平不満を言わず一生懸命取り組んでいる姿を見せれば、必ず助けてくれる人は現れます。そういう状況なら、もし業務がコケてもあなたの評判が下がることもありません。

前任はとんでもないやつだったな!

という笑い話に落ち着くからです。ここはひとつ、ピンチをチャンスに変えるつもりで前向きに取り組みましょう。

 

ポイント②:周囲との進捗共有を欠かさない

ポイント①が最重要ですが、これも結構重要です。

今自分がどんな状況にあるのか、進捗の共有を欠かさないようにしましょう。

  1. 実態を把握しようとしているフェーズなのか
  2. あるべき姿を検討しているフェーズなのか
  3. 落としどころを探っているフェーズなのか

せめてこれぐらいは上司に報告しておきましょう。それぞれのフェーズで、適任者をヘルプに着けてくれる可能性がありますからね。

 

ポイント③:大事なところだけおさえればいいと開き直る

最後はこれです。

引継ぎのない状態での新担当業務なんて、もともと負け戦のようなものです。手取り足取り、懇切丁寧に引継ぎをしてくれることと比較したら、キツいのは一目瞭然です。

だからこそ、思い切って手を抜くべきところではおおざっぱにやりましょう。

最低限おさえるところだけおさえれば良いんだと割り切る。最終的にはこの開き直りが大切です。

 

まとめ:やっぱり経理っていいよね

引継ぎがなかったら、この「型」通りに対処しましょう。

やるべき3ステップ
  1. 今どうなっているかを把握する(現実
  2. 本来どうあるべきかを考える(理想
  3. ①と②の差を埋める(妥協点

 

こういう姿勢で取り組むことが大切です。

重要ポイント
  1. 絶対にグチらない
  2. 周囲との進捗共有を欠かさない
  3. 大事なところだけおさえれば良いと開き直る

 

経理職がラクだな~いいな~と思うのは、より所があることです。会計基準や税法を守った処理をしていれば、誰からもとがめられることはありません。

上記の「型」通りに仕事ができるようになると、どんなことが起きてもまったく動じずに対処できるようになります。素振りしてるだけで給料が振り込まれてくる感覚ですね。

引継ぎがないのは大変だと思いますが、慣れてしまえばゼロから業務フローを作ることだってできるようになります。こうなってしまえば、もう怖いものなしです。

ぜひ、ピンチをチャンスに変えて、経理担当者としてスキルアップしていって下さい!

とはいえ、物事には限度というものがあるので、あまりにも引継ぎ文化のないひどい職場だったら、とっとと転職してしまいましょう。ダメな職場はどこまで行ってもダメですから、見切りをつけましょう。

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2018.06.01

それではまたっ!

 

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シーウィード

こびと株.comの管理人(役割:投資対象の選定)。お金の話と健康をこよなく愛するアラサーリーマン。一部上場企業の経理/財務部で財務諸表を作成している会計の専門家(日商1級・証券アナリスト)。40歳時点で給与以外の収入(配当/不動産/サイト運営)を月額20万円にすることを目標に活動中。187cmの大男。