こんにちは、こびと株(kobito_kabu)です。
現在、
- 高配当株投資
- インデックス投資
の両刀で資産運用をやっています。
毎月恒例企画ということで、6月の経済ニュース・統計調査を振り返って
- この「2つの投資」にどのような影響があるのか
- じぶん達の「仕事や生活環境」=景気はどうなっているのか
重要ポイントをまとめていきます。
本記事の構成はこの通り。
- 日本の経済状況
- 海外の経済状況
- まとめ:投資のポジションについて
目次
日本の経済状況
以下の順番で解説します。
- 株価指数の推移
- その他指数の推移
- 6月の国内トピックス
①株価指数の推移(日経平均・TOPIX・J-REIT・マザーズ)
6月30日時点の株価は、この通り。
- 日経平均株価:33,189円(+29.06%)
- TOPIX:2,289pt(+22.51%)
- マザーズ連動ETF:634円(+15.37%)
- REIT連動ETF:2,003円(-0.69%)
※端数は四捨五入。カッコ内は、いずれも「年初来」。
※J-REITとマザーズ指数がグーグルファイナンスから消えてしまったようなので、それらの指数に連動している「ETF」のデータを表示しています。そのため、実際の指数の動きとは誤差があります。
年初来の値動きをチャートで見てみると、こんな感じです。
6月単月の動きを見ると、この通り。
- マザーズ連動 +9.02%
- 日経平均株価 +6.55%
- TOPIX +6.48%
- REIT連動 +0.83%
(出典:日本経済新聞「6月の日経平均、2301円上昇 2カ月連続の2000円高は初」)
背景にあるのは、投資家心理の改善。
つまり、投資家達がイケイケな気分になっているということ。
- 米国の地銀破綻に伴う金融不安
- 米国の債務上限問題
- 日米の金融政策イベント(利上げ懸念)
こういった
「なにやら問題ありそうな話」が、
「どうやら大した問題にならなさそう」なことが判明して
という雰囲気になっているというワケ。
円安も手伝って、海外投資家の日本株買いは旺盛です。
6月の第2週まで、12週連続で「買い」が「売り」を上回っていました。
(出典:JIJI.COM「海外勢、12週買い越し 日本株上昇けん引―東証」)
ここ数年、コツコツと日本株買いを進めていた投資家さんは、結構大きな含み益になっているんじゃないでしょうか。
②その他指数の推移
「株価」の方は、年初来で約29%のプラスと絶好調です。
一方で、「リアル景気」の方はどうなのか?
実際のところ、景気は
- 良いのか?
- 悪いのか?
いくつか、指数をチェックしていきましょう。
- 月例経済報告
- 景気動向指数
- 景気ウォッチャー調査
- 消費者物価指数
- 実質賃金指数
- 完全失業率・求人倍率
お堅~い言葉が並んでいますが、「雰囲気」だけ掴めればオッケーです。
月例経済報告
まずは、一番大きなところから。
日本政府としての景気判断(公式見解)は、
緩やかに回復している
※細かな分野における「政府認識」はこの通り。興味のある方だけ、どうぞ。
(出典:月例経済報告 令和5年6月22日公表)
景気動向指数
一致指数の推移は、この通り。
(出典:景気動向指数)
景気動向指数は、
- 景気全体の現状を知ったり
- 将来の動向を予測したりするときに
使われる経済指標です。産業、金融、労働など、経済に重要かつ景気に敏感な30項目の景気指標をもとに指数が算出されています。
色々な指標をミキサーに入れてスイッチをいれると、1つの「景気動向指数」ができるというイメージです。
景気に一致して動く「一致指数」、景気に数か月先行して動く「先行指数」などがあります。
先行指数の推移は、この通り。
指数の中身を見てみると、
- 消費者マインドが良くなっている一方で
- 在庫が増える(在庫増=モノが売れない=不景気です)
- 新設住宅の着工床面積が減る
という感じの流れが続いています。
消費者の購買意欲が高まっていることはイイことですが、全体としては強さがありません。
景気ウォッチャー指数
景気ウォッチャー指数の推移は、この通り。
(出典:景気ウォッチャー調査 6月8日公表)
5月は55.0ポイント(前月比+0.4ポイント)となっており、景気判断の分かれ目となる50を上回りました。
銀座のママさんやタクシーの運転手さんが「景気は良い」と判断しているということです。
百貨店・スーパーマーケット・コンビニなどの小売店やレジャー業界で働く人、タクシー運転手など、景気に敏感な職種の約2000人にインタビューし、調査結果を集計・分析して発表するもの。
なお、2~3か月先の景気の先行きに関しては54.4(前月比-1.3ポイント)となり、こちらも50を上回っています。
消費者物価指数
こちらは、前年同月比+3.2%となりました。
(出典:日本経済新聞「消費者物価、5月3.2%上昇 食品や宿泊が伸び高止まり」)
- 政策により、電気代等のエネルギーは8.2%低下したものの
- 生鮮食品除く食料が9.2%のプラス
- 宿泊料も9.2%のプラス
といった感じで、高水準での物価上昇が続いています。
インフレは、ある意味では目に見えないドロボウみたいなもんです。
人々が積み上げた預金の価値を、どんどん減らしていきます。
防衛策が必要ですね。ノーガード、ダメ、絶対。
実質賃金指数
実質賃金指数の推移は、この通り。
(出典:NHK「4月の実質賃金 前年同月比3.0%減 13か月連続マイナス」)
2023年4月の実質賃金は、前年同月比‐3.0%。
13ヵ月連続でのマイナスです(白目)。
基本給や残業代などをあわせた「働く人1人当たりの現金給与総額」は、平均で28万5176円。
これは去年の4月に比べて1.0%高い水準ですが、物価の上昇率がこれを大きく上回り、実質的な賃金は低下しました。
この1年、
- 給与もちょっと伸びてるけど
- 物価がそれ以上に激しく伸びているので
- トータル、使えるお金が全然増えていない
という状況が続いています。
※ちなみに、国の税収は3年連続で過去最高を更新しております。
NHK「昨年度の国の税収 71兆円台 3年連続過去最高に 70兆円超は初」
完全失業率・求人倍率
ご覧の通り。
- 5月の完全失業率…2.6%(前回は2.6%)
- 5月の有効求人倍率…1.31倍(前回は1.32倍)
※完全失業率が2.2%ぐらいまで戻ればほぼ完全雇用=ゴール。
(出典:日本経済新聞「5月の求人倍率、1.31倍に低下 失業率は横ばいの2.6%」)
- 失業率は横ばい
- 求人倍率は下がった
ということなので、雇用情勢は「少し悪化」しています。
政府見解としては「今後は改善していく」とのことですが、どうなるでしょうか。
ここまでの話をまとめると、この通り。
▼株価
日経平均株価は年初来+約29%と、絶好調
(REITとの差が広がっている)
▼リアル景気
政府公式見解…緩やかに回復している
景気動向指数…先行指数は、ダウントレンド継続中
景気ウォッチャー…「景気が良い」と感じている人が多数派
消費者物価…+3.2%と高水準(21ヵ月連続でプラス)
実質賃金…給料は増えるも、物価高のせいで-3.0%と下落(13ヵ月連続マイナス)
雇用状況…失業率横ばい・求人倍率低下で、少し悪化
今の状況は
- 「景気が良い!」「景気が良くなりそう!」 と全力で言える状況じゃない
- 「景気が悪い!」「景気が悪くなりそう!」 と全力で言える状況でもない
という曖昧な状況です。
今後、本当に力強く景気が伸びていくかどうかは、「実質賃金」がポイントになりそうです。
- 色々な分野で「物価」が上昇し続けて、
- 企業業績が好調になっても(物価が上がれば、企業の売上も上がります)
- 「賃金」が、物価上昇率と同じorそれ以上に増えない限り
どこかで人々の財布に「限界」が訪れるから、です。
パンが毎月100円値上がりしてるのに、給料が毎月30円しか増えないんじゃ、どこかでパンクしますよね。
このあたりを踏まえて
- 働き方
- 生活の仕方
- 投資の仕方
を考えていく必要がありそうです。
具体的には、
- 仕事量を増やしてもらう(残業を許可してもらう)
- 残業より時給の高い(高くなりそうな)副業をする
- 賃上げに熱心な会社に転職する
- インフレの影響が少ない食生活やライフスタイルにシフトする
- 貯金の一部を、インフレに強い資産に移す(株やゴールドなど)
などですね。
③6月の国内トピックス
日本株について、今月のトピックスはこれです。
- 日銀 大規模金融緩和を維持
日銀 大規模金融緩和を維持
6月15日~16日に行われた「金融政策決定会合」で、大規模緩和の維持が決まりました。
金融政策決定会合というのは、その名の通り、日本の金融政策を決定するエライ人たちの会合。
「大規模緩和の維持」は、基本的にマーケットの予想通り。
サプライズ無しの展開でした。
とはいえ、会合後の為替相場は、一段の円安。円は、幅広い通貨に対して下落しました。
- 対ユーロでは約15年ぶりの155円台
- 対ドルでは約6カ月ぶりの141円台後半
- 対韓国ウォンでも約8年ぶりとなる800ウォン台
なぜ、円はこんなに安くなっているのか?
インフレ退治真っ最中の欧米と「金利差が広がっているから」というのが主要因の1つです。
(出典:AIゴールド証券「各国の政策金利」)
各国で課題になっているインフレ。
「日本はどうなの?」というと…日本でもインフレ率は上がってきています。
これについて、日銀の植田総裁は
- 持続的・安定的な物価目標(=2%のインフレ)の達成には「なお時間がかかる」
- 物価はこれから「今年度半ばにかけてプラス幅を縮小していく」
という見解です。
とはいえ、
と、インフレ率の低下が想定していたペースではないことは認めています。
※あれ、どこかで見たような光景ですね。そうだアメリカ(以下略
さらに、
というようなことも述べています。
YCC(イールド・カーブ・コントロール)というのは、大規模な金融緩和政策の柱。
要するに、
- みんなが「わぉ!」となるようなタイミングで、
- 急な利上げがある可能性もなくはないよ!
- 覚悟しておいてね(小声)
そういう話ですね。
そりゃぁまぁ、「永遠に大規模緩和」というワケにはいかないですからね。
いつか来る、緩和修正=利上げ。
そのときに、何が起こるのか?
- 株価が落ちる?
- 不動産価格が下がる?
- 景気が悪くなってリストラが増える?
タイミングも影響範囲もハッキリしませんが、「インパクトは小さくないだろう」ということだけは想像できますよね。
最近の資産残高は、円安&株高で増加中です。
これは、「その日」が来れば円高&株安のダブルショックで資産激減の可能性もある、ということでもあります。
海外の経済状況
お次は、海外の話題です。
この4つの順番で見ていきます。
- 株価指数の推移
- ゴールド・債券ETF等の値動き
- 高配当ファンドの値動き
- 6月のトピックス
①株価指数の推移
G7(主要先進7ヵ国)の、主な株価指数の推移(年初来)はこの通り。
※グーグルファイナンスでは、チャートを5つまでしか同時比較できないので、昨年に引き続き「FTSE MIB(イタリア)」を抜いています。
- FTSE MIB(イタリア) +16.86%
- S&P 500(米国) +16.38%
- DAX30(ドイツ) +14.77%
- CAC 40種(フランス) +12.21%
- S&P TSX(カナダ) +3.66%
- FTSE100(イギリス) -0.30%
TOPIX(日本)は+22.51%。
またしても、日本がトップです。
アメリカも強いですが、日本がそれ以上の伸びを見せています。
6月単月の動きはこの通り。
ちなみに、S&P500も強気相場入りしました(詳しくは後述)。
②ゴールド・債券ETF等の値動き
有名なゴールドETFである、「GLD」の値動きはこの通り。
(出典:グーグルファイナンス SPDRゴールド・シェアーズ(GLD))
ゴールドの6月の成績は年初来+4.21%。
「まだ、もうちょっと金利が上がりそう」
ということで、若干値を下げていますね。
※基本、金利が上がると、利息の付かないゴールドからは投資資金が出ていきます。
お次は、債券です。
投資額に対して2%~5%ほどのインカム(利息)が欲しければ、米国債券が有望な投資候補になります。
米国の優良債券ファンドを3つチェックしてみましょう。
- AGG:ローリスク・ローリターンな債券(格付け高く、利回り低い)
- LQD:ミドルリスク・ミドルリターンな債券(格付け普通、利回り普通)
- HYG:ハイリスク・ハイリターンな債券(格付け低く、利回り高い)
米国総合債券に投資する【AGG】というファンドのチャートはこの通り。
- 年初来+0.40%
- 現在の分配金利回りは2.75%
- 投資対象の約7割は、格付けがAAA(トリプルエー)の債券です
少し値を下げましたが、ほぼ横ばいです。
「債券」と「金利」は、シーソーの関係にあり、逆の動きをします。
その証拠に、金利のチャートを見てみましょう。
こちらは「米国の長期金利(10年国債)」の推移です(現在の金利は約3.84%)。
(出典:三井住友銀行「マーケット情報チャート」)
金利が、大方の予想どおり「今後下がっていく」ならば、債券は比較的手堅い投資先になりえます。
米国優良社債に投資する【LQD】というファンドのチャートはこの通り。
- 年初来+1.87%
- 分配金利回りは3.68%ほど
- 投資対象の約8割は、格付けがBBB(トリプルビー)~Aの債券です
- ギャンブル性の低い「投資適格」な債券であるものの、AGGよりは安全性が低いです
こちらも、先月からほぼ横ばいで推移しています。
最後は【HYG】です。
「ジャンク」「ゴミ」と言った呼ばれ方をする「投資不適格の債券」を集めた、ハイリスクな債券ファンドです。
- 年初来+1.76%
- 現在の利回りは5.61%ほど
- 投資対象のほぼすべてが、格付けCCC(トリプルシー)~BBの債券です(リスクが高いぶん、長期的なトータルリターンは大きい傾向)
こちらも、AGGやLQDと同様に、ほぼ横ばいです。
さて、こちらをご覧ください。
これは、SBI証券で買える米国債(生債券)の一例です。(2023年7月1日時点)
この債券は、
- 41.14で買えて
- 満期(この債券の場合、約22.9年後)を迎えると
- 100のお金が返ってくる
- なお、22.9年間の利回りは年利3.923%である
というものです。
「22.9年後に使える1万ドルを、今なら4,114ドルで買える」というイメージです(差額が利息)。
この債券は、22.9年後に2.43倍になることが約束された投資商品なんですね。
※米国政府が潰れなければ、の話です
このように、生債券には買った瞬間に利回りが確定するという特徴があります。
満期まで持ち切る「生債券」は、定期預金と変わりません。
この債券は、ドル建てなので、為替リスクがあります。
しかし、満期まで持った場合に元本割れするのは、ざっくり1$=59.4円以上の円高になった場合です。
むしろ、日米の国力の差を考えると
- 短期的にはともかく(1$=100円ぐらいになるタイミングは普通にあるでしょう)
- 20年といった長期でみれば、円安にふれていく
こちらがメインシナリオでしょう。
今の米国債(生債券)には、以下の特徴があります。
- 安全性が高い(米国の信用は、世界トップレベル)
- 流動性が高い(いつでも好きな時に売買できます。満期まで必ず持ち切らなくてはいけないワケではありません。)
- 収益性がソコソコ良い(年利4%はなかなかです)
- 金融危機や有事に強い(値下がりせず、むしろ買われる傾向)
債券は、株式と逆の値動きをすることも多いですね。
ポートフォリオの守備力を高めるのに一役買ってくれるというワケです。
③インカム系ETFの値動き
私の愛する高配当株ETFについて。
- キャピタル(売却益)も
- インカム(分配金)も
両方狙えるポテンシャルのあるファンドたちです。
HDV、VYM、SPYDの年初来のチャートは、この通り。
マイナス圏にいますね。
分配金を無視して価格だけ見ると、順位はこの通り。
- 1位がVYM…-1.81%
- 2位がHDV…-2.72%
- 3位がSPYD…-6.58%
という状況です。
ナスダッ子が+30%を超えているのに、この子たちときたら…
という気持ちは特になく、実のところ大して気にしておりません。
インカム資産の役割は
- 長期的に元本を割ることなく
- 高利回りの配当金を出し続けてくれること
ですからね。
これらのETFの不調は、去年好調だったことの反動もありますし、何より分配金は増配傾向です。
むしろ、安い方が買いやすくて良いですね。
さて、現在の分配金利回りはというと
- SPYD:約4.86%(過去平均は約4.5%)
- VYM:約3.20%(過去平均は約3.0%)
- HDV:約4.21%(過去平均は約3.5%)
という感じ。
過去水準と比較して、それなりに「旨味」を感じるレベルになってきました。
短期的には「今の円安状況」が気になりますが、長期で見るならばまぁ飲めるリスクでしょう。
- 株価の成長力
- 配当金
これらが、為替ダメージを吸収してくれるからです。
好調なナスダックとの差がつけばつくほど
「高配当株なんて、絶対にいらん!!」
といった声が、段々と強くなってくるでしょう。
こういう時こそ、仕込み時。
④6月の海外トピックス
外国株について、今月のトピックスはこちらの2つです。
- FOMC 利上げ見送り
- S&P500強気相場入り
FOMC 利上げ見送り
6月13日~14日に開かれたFOMCでは、11会合ぶりに利上げが見送りとなりました。
2022年3月のゼロ金利解除以降初めての、金利据え置き。
マーケットの事前予想通りとはいえ、大きなニュースと言えますね。
ちなみに、今回のFOMCでは、「ドットチャート」と呼ばれる資料も公表されています。
こんなやつですね。
(出典:㈱第一生命経済研究所「ドットチャートは「疑寄り」の半信半疑で眺める必要 確信犯的な「外し」」)
これは、FOMC参加者の、今後の金利の見通しを示すもの。
左端、2023年のところを見ると、5.75%の高さにドットが集まっています。
現在の金利は5.25%ですから
ということが読み取れますね。
これを見る限り、今回の金利据え置きは、あくまで利上げの「一時停止」に過ぎないというワケです。
とはいえ、パウエル議長は
みたいな発言もしています。
相変わらず
- インフレは続いているし(5月のCPIは前年同月比+4%)
- 金融システムは強化しないといけないし(銀行への新しい規制を準備中)
- 景気悪化の不安は消えないし
悩ましい要素は盛りだくさん。
パウエル議長といえども、先のことを決められない微妙な状況が続いているワケですね。
投資家サイドとしては、現時点では
といった温度感のようです。
この予想と現実との間にズレがあれば、今後、株価に影響してくるでしょう。
次回のFOMCは7月25日~26日。お楽しみに。
S&P500強気相場入り
6月8日、S&P500は強気相場入りしました。
一般に、直近安値から20%以上株価が上昇すると、「強気相場入り」といわれます。
(出典:Googleファイナンス)
6月8日のS&P500は、4293。
2022年10月12日に付けた直近安値の3577から、+20%になっていますね。
主な背景としては
- 景気減速が思ったより緩やか
- AIブームによるハイテク銘柄の上昇
- 利上げ停止による楽観ムード
- 各企業の2024年以降の業績見通しが明るい(2024年予想増減益率は+10.3%)
といったところでしょうか。
ちなみに、この株高、世界中で広がっています。
MSCI社の「全世界株指数」を構成する47ヵ国のうち、半数の23ヵ国が「強気相場」の水準にあります。
(出典:日本経済新聞「世界で株高 「強気相場」5割」)
今後の見通しについては、プロのエコノミスト・アナリストでも
- こっからまだまだ上がる派
- さすがに上がりすぎなんじゃないの派
に分かれています。
結局、株式市場のようなカオスな世界では誰の発言もアテにはできないということですね。
短期的な相場予想に基づく投資は、言わばギャンブルです。
個人的には、どちらに転ぼうがやることはいつもと同じです。
相場予想はせずに、
- インデックス投資は、いつどんな時も淡々と積立てを続ける
- 高配当株投資は、美味しいタイミングがきたら買う
上がろうが下がろうが、関係ありません。
まとめ:投資のポジションについて
以上をまとめると、この通り。
- 6月の日本株は絶好調。日経平均は算出以来はじめて、2ヶ月連続での+2000円台の上昇
- リアル景気は、相変わらずの曖昧な状況。実質賃金が上昇していくか要観察
- 日銀は大規模緩和を維持。この影響もあって、一段の円安に(一時1ドル=145円台も)
- ゴールドは若干の利上げ予測から少々下落
- 今後の利下げを見込むなら、債券は投資を検討しても良い水準か?満期までの保有が可能な生債券も選択余地アリ
- 米国高配当ETFは年初来リターンがマイナス。長期投資の目線では悪くない利回り
- FOMCでは、利上げ見送り。11会合ぶりの一時停止
- S&P500は強気相場入り(ナスダックも年初来+32.74%で絶好調)。世界23ヵ国が強気相場の水準に
という感じです。
個人的には、
- インデックス運用(iDeCoやつみたてNISA)は、淡々と継続
- アクティブ運用(高配当株投資)は、日本株については「割安」なものがあればピンポイントで買う。米国高配当株は、株価のチェック頻度を増やしてチャンスを狙う
というスタンスです。
日本株については、
- 株価は、かなり上昇しているものの
- 高配当株の数は、決して少なくありません
実際のところ、2019年(日経平均が21,000円ぐらいの時)よりも、高配当株の数は多いです。
個別に見ると、まだまだ「割安さ」を感じる銘柄もありますね。
※商社株のように、人気化しすぎて全然欲しくないものも増えましたが(笑)
ちなみに、現在の「恐怖・強欲指数」はこんな感じ。
(出典:Fear & Greed Index)
- 相場がイケイケの時は「Greed(強欲)」を示し
- 相場が弱気の時は「Fear(恐怖)」を示す
そんな指数です。
今は、「極度の強欲」を示していますね。
歴史を振り返ると
- 株価が下がっていて
- リアル景気も悪くて
- 投資家の気分も最悪(恐怖&強欲指数で「恐怖」を示す)
こういう「イケてない時期」こそ、絶好の買い場でした。
アクティブ投資に関しては、こういうチャンスをしっかり掴めるように、定点観測していきましょう。
※インデックス投資は、いつどんな時も、リスク許容度の範囲内で淡々と、です。
それではまたっ!
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