こんにちは、こびと株(kobito_kabu)です。
現在、
- 高配当株投資
- インデックス投資
の両刀で資産運用をやっています。
毎月恒例企画ということで、9月の経済ニュース・統計調査を振り返って
- この「2つの投資」にどのような影響があるのか
- じぶん達の「仕事や生活環境」=景気はどうなっているのか
重要ポイントをまとめていきます。
本記事の構成はこの通り。
- 日本の経済状況
- 海外の経済状況
- まとめ:投資のポジションについて
目次
日本の経済状況
以下の順番で解説します。
- 株価指数の推移
- その他指数の推移
- 9月の国内トピックス
①株価指数の推移(日経平均・TOPIX・J-REIT・マザーズ)
9月29日時点の株価は、この通り。
- TOPIX:2,323pt(+24.37%)
- 日経平均株価:31,858円(+23.88%)
- マザーズ連動ETF:565円(+2.86%)
- REIT連動ETF:2,006円(-0.52%)
※端数は四捨五入。カッコ内は、いずれも「年初来」。
※J-REITとマザーズ指数については、当該指数に連動している「ETF」のデータを表示しています。そのため、実際の指数の動きとは誤差があります。
年初来の値動きをチャートで見てみると、こんな感じです。
日経平均株価やTOPIXは、一時+30%ほどの貯金がありました。
現在は、25%を割り込むところまできています。
9月単月の動きを見ると、この通り。
- TOPIX +0.43%
- 日経平均株価 -1.47%
- REIT連動 -1.96%
- マザーズ連動 -4.51%
米国の長期金利上昇の影響もあって、金利に敏感なマザーズは特に投資家心理が良くないようです。
さて、日本の上場企業、最新の業績はどうなのか?
- 2023年4月~6月期の純利益:約13兆円(前期比+47.1%)
- 年間利益予想:3期連続で最高益更新見込み
- 配当金:全体の3割が前期比で増配を予定。配当総額は15兆円と過去最高見込み
(参考:朝日新聞デジタル「上場企業の4~6月期決算、純利益47%増 円安が業績押し上げ」、日経新聞「上場企業の配当、最高の15兆円 郵船など43社が上方修正」)
なお、日本株のPERは、過去14~16倍ぐらいが「割安でも割高でもないちょうど良い水準」とされています。
日経平均やTOPIXのPERは15倍前後。
バブってるという感じはありません。
②その他指数の推移
「株価(TOPIX)」は、下落傾向にあるものの年初来で約24%のプラスと絶好調。
一方で、「リアル景気」の方はどうなのか?
実際のところ、景気は
- 良いのか?
- 悪いのか?
いくつか、指数をチェックしていきましょう。
- 月例経済報告
- 景気動向指数
- 景気ウォッチャー調査
- 消費者物価指数
- 実質賃金指数
- 完全失業率・求人倍率
お堅~い言葉が並んでいますが、「雰囲気」だけ掴めればオッケーです。
月例経済報告
まずは、一番大きなところから。
日本政府としての景気判断(公式見解)は、
緩やかに回復している
※細かな分野における「政府認識」はこの通り。興味のある方だけ、どうぞ。
(出典:月例経済報告 令和5年9月26日公表)
なお、政府認識のリスク要因は
- 海外の金融引き締め
- 中国経済の先行き(中国の不動産市況、かなり怪しいですね)
- 国内インフレ
など。
こいつらの「不意打ち」には注意しておきましょう。
景気動向指数
一致指数の推移は、この通り。
(出典:景気動向指数)
現在の景気は、
- ゴリゴリ拡大しているとか
- 急激に縮小しているとか
そういう雰囲気ではありません。
景気動向指数は、
- 景気全体の現状を知ったり
- 将来の動向を予測したりするときに
使われる経済指標です。産業、金融、労働など、経済に重要かつ景気に敏感な30項目の景気指標をもとに指数が算出されています。
色々な指標をミキサーに入れてスイッチをいれると、1つの「景気動向指数」ができるというイメージです。
景気に一致して動く「一致指数」、景気に数か月先行して動く「先行指数」などがあります。
先行指数の推移は、この通り。
結局、
- 一致指数は緩やか~に上昇…現在の景気は、ちょっとだけ拡大中
- 先行指数は下落傾向…数か月先の景気見通しについては、慎重な見方が広がっている
という感じです。
景気ウォッチャー指数
景気ウォッチャー指数の推移は、この通り。
(出典:景気ウォッチャー調査 9月8日公表)
8月は53.6ポイント(前月比-0.8ポイント)となっており、景気判断の分かれ目となる50を上回りました。
銀座のママさんやタクシーの運転手さんが「景気は良い」と判断しているということです。
百貨店・スーパーマーケット・コンビニなどの小売店やレジャー業界で働く人、タクシー運転手など、景気に敏感な職種の約2000人にインタビューし、調査結果を集計・分析して発表するもの。
なお、2~3か月先の景気の先行きに関しては51.4(前月比-2.7ポイント)となり、こちらも50を上回っています。
消費者物価指数
こちらは、前年同月比+3.1%となりました。
(出典:日本経済新聞「消費者物価、8月3.1%上昇 伸び横ばいで高止まり」)
インフレ率の伸びは止まりましたが、水準としては「高止まり」です。
この水準が続くと、家計にはジワジワとダメージが蓄積されそうです。
実質賃金指数
実質賃金指数の推移は、この通り。
(出典:NHK「7月の実質賃金 前年同月比2.5%減 16か月連続でマイナス」)
2023年7月の実質賃金は、前年同月比‐2.5%。
基本給や残業代などをあわせた「働く人1人当たりの現金給与総額」は、平均で38万656円。
これは去年の7月に比べて1.3%高い水準ですが、依然として物価の上昇に追いつかず、実質的な賃金は低下しました。
結局、実質賃金は16ヵ月連続でのマイナスになっています(地獄かな?)。
実質賃金の増減率は、
- マイナスが続いているものの
- 年初と比べると、ジグザグ動きながらもマイナス幅は減少していっています
8月の実質賃金が上がってくれるのか、要注目です。
完全失業率・求人倍率
ご覧の通り。
- 8月の完全失業率…2.7%(前回は2.7%)
- 8月の有効求人倍率…1.29倍(前回は1.29倍)
※完全失業率が2.2%ぐらいまで戻ればほぼ完全雇用=ゴール。
(出典:日本経済新聞「8月求人倍率、横ばいの1.29倍 失業率も2.7%で同率」)
先月から、動きナシですね。
宿泊・サービス業などは、観光客の増加で活況。人手不足が続いているようです。
なお、企業の倒産が増えつつあり、その点は頭の片隅に置いておきましょう。
ここまでの話をまとめると、この通り。
▼株価
日本株(TOPIX)は、年初来+約24%と絶好調
▼リアル景気
企業業績…利益・株主還元ともに、過去最高見込み
政府公式見解…緩やかに回復している
景気動向指数…現在の景気は緩やか~に拡大中も、先行きは慎重
景気ウォッチャー…「景気が良い」と感じている人が多数派
消費者物価…+3.1%と高水準(24ヵ月連続でプラス。3%超えは12ヵ月連続)
実質賃金…-2.5%と下落(16ヵ月連続マイナス)
雇用状況…失業率・求人倍率ともに、先月と同率
という感じ。
以上が、景気の全体感です。
③9月の国内トピックス
日本株について、今月のトピックスはこれです。
- 日銀 金融緩和維持
- 止まらない円安
日銀 金融緩和維持
日銀は、9月21日~22日の「金融政策決定会合」で、金融緩和政策の維持を決めました。
こちらはマーケットの予想通り。
サプライズはありませんでした。
この会合で注目されたのは
金融緩和政策について
- ×「今回、どうするか?」以上に
- 〇「今後、どうするか?」という点
でした。
今回については「どうせ緩和維持でしょ」と思われていたけど、
というところが気にされていたワケですね。
今の状況は、ものすごくざっくり言えばこんな感じです。
- 日銀は、今まで円をたくさん刷ってバラまいてきました
- お金の流通量を増やして、年収アップを伴う物価上昇=インフレを起こしたかったからです
- とにかく、ジャパンをイケイケの経済にしたかったんです
- そうこうしているうちに、最近はインフレ率が12カ月連続で3%以上とかになってきました
- 思ったよりインフレが進んでて、緩和しすぎによる歪み(ひずみ)も出てきた気がします
- とりあえず金融緩和を続けているけど、そろそろ止めるかもしれません
金融緩和を
- いつ、止めるのか?
- どう、止めるのか?
注目が高まっているところなんですね。
しかも今回は、会合前の9月9日、植田総裁が
と受け取れるような発言をしていました。
※「マイナス金利」は、金融緩和政策の、めっちゃ重要な柱の1つです。
これによって
と思う人が少なくなかったんですね。
ところがどっこい。
会見の温度感はどちらかというと「ハト派(=緩和修正はまだしなさそう)」。
- 粘り強く金融緩和を続ける必要がある
- 政策修正時期の決め打ちは到底できない
といった発言が目立ちました。
要するに
というワケ。
日本では、とりあえずまだ金融緩和が続きそうです。
止まらない円安
というワケで、円安が止まりません。
年初来のドル円のチャートはこの通り。
(出典:Googleファイナンス)
- 年初:1ドル=130円ぐらい
- 現在:1ドル=150円ぐらい
という感じで、たった数ヶ月で20円近く円安になっています。
通貨の価値が下がり続けているということです。
銀座を訪れたアメリカ人も、この円安にはニッコリ。
(出典:日テレNEWS)
といった感じでしょうか。
円安の主要因は、
- 日銀が円を刷りまくって大量供給を続けていること(金融緩和)
- 一方、米国ではドルの供給が抑えられていること(金融引き締め)
です。
円はバラまかれて、ドルは供給量が減っているのだから、
- 円の希少価値が下がって
- ドルの希少価値が上がる
つまり「円安ドル高になる」流れは当然というワケ。
問題は、この流れはいつまで続くのか…?ということですね。
- 円安はさらに進行するのか?
- 円高に揺り戻しが起きるのか?
マネーの公理という書籍に、こんな言葉があります。
人間の行動は予測できない。
誰であれ、未来がわかると言う人を、たとえわずかでも信じてはいけない。
(出典:マネーの公理)
著者は言います。
- 私達は、毎朝太陽が何時に昇るか知っている
- 月がどう満ち欠けするかも分かる
- 予測が可能なのは、それが「自然現象(科学)」を対象としているからだ
- お金の世界は、自然現象ではなく、人間模様だ
- 人間の行動は、どんな方法でも、誰にも予測できない
アイザック・ニュートンもこう言っていましたね。
天体の動きなら計算できるが、群集の狂気は計算できない。
- 為替
- 金利
- 株価
これらは、計算できない「カオスなもの」の代表例と言えますね。
誰にも未来が分からないのなら、やれることは2つしかありません。
- それっぽいシナリオを作ってそれに賭ける(当然、当たることもあれば外れることもあります)
- どう転んでも良いようにしておく
為替に関する私の「それっぽいシナリオ」は
ぐらいのものです。
この認識で、円とドルを「半々の比率」で持つようにしています。
思い通りのシナリオがこなくても、円貨で半分持っているので日本での生活に困ることはありません。
短期の目線だと、
- いつドル円の天井がくるのか?
- 政府による為替介入はあるのか?(今のドル円相場は、すでに去年の「為替介入」の水準です)
気になることはいくらでもありますね。
そんな時は、自分が「短期投資家」なのか「長期投資家」なのか、落ち着いて考えてみると良いかなと思います。
海外の経済状況
お次は、海外の話題です。
この4つの順番で見ていきます。
- 株価指数の推移
- ゴールド・債券ETF等の値動き
- 高配当ファンドの値動き
- 9月のトピックス
①株価指数の推移
G7(主要先進7ヵ国)の、主な株価指数の推移(年初来)はこの通り。
※グーグルファイナンスでは、チャートを5つまでしか同時比較できないので、昨年に引き続き「FTSE MIB(イタリア)」を抜いています。
2023年G7パフォーマンスマラソン、「9月中継所」通過時点の順位はこの通り。
- FTSE MIB(イタリア) +16.91%
- S&P 500(米国) +12.13%
- DAX30(ドイツ) +9.36%
- CAC 40種(フランス) +8.20%
- FTSE100(イギリス) +0.71%
- S&P TSX(カナダ) +0.50%
TOPIX(日本)は+24.37%。
我らが日本、トップを維持です。
※高配当株の指数に関しては年初来+36%。先月に続き、日本株の高配当株含み益がスゴいことになっております。
9月単月の動きはこの通り。
歴史的に、「9月の米国株式市場はパフォーマンスが悪い」と言われています。
まさにその通りの展開になっていますね。
ちなみに、
- 米国株だけでなく
- 米国債もパフォーマンスが悪く
お金が増えない!(減ってる!)と感じている投資家は少なくないかもしれません。
②ゴールド・債券ETF等の値動き
有名なゴールドETFである、「GLD」の値動きはこの通り。
(出典:グーグルファイナンス SPDRゴールド・シェアーズ(GLD))
ゴールドの成績は、年初来で+0.23%とトントンです。
世界的に通貨価値の下落が進むなか、ゴールドの「使い道」については引き続き考えておくべきでしょう。
使い道については、リベ大のこの動画が分かりやすいです。
お次は、債券です。
投資額に対して2%~5%ほどのインカム(利息)が欲しければ、米国債券が有望な投資候補になります。
米国の優良債券ファンドを3つチェックしてみましょう。
- AGG:ローリスク・ローリターンな債券(格付け高く、利回り低い)
- LQD:ミドルリスク・ミドルリターンな債券(格付け普通、利回り普通)
- HYG:ハイリスク・ハイリターンな債券(格付け低く、利回り高い)
米国総合債券に投資する【AGG】というファンドのチャートはこの通り。
- 年初来-3.61%
- 現在の分配金利回りは3.09%
- 投資対象の約7割は、格付けがAAA(トリプルエー)の債券です
9月は、長期金利の上昇によって、価格が下がりました。
「債券」と「金利」は、シーソーの関係にあり逆の動きをします。
参考までに、金利のチャートを見てみましょう。
こちらは「米国の長期金利(10年国債)」の推移です(9月末現在の金利は約4.57%)。
(出典:三井住友銀行「マーケット情報チャート」)
9月は、長期金利がかなり動きました。
一時4.6%強と、2007年以来16年ぶりの高水準となっています。
お次に、米国優良社債に投資する【LQD】というファンドのチャートはこの通り。
- 年初来-3.90%
- 分配金利回りは4.11%ほど
- 投資対象の約8割は、格付けがBBB(トリプルビー)~Aの債券です
- ギャンブル性の低い「投資適格」な債券であるものの、AGGよりは安全性が低いです
こちらも、先月から下落していますね。
最後は【HYG】です。
「ジャンク」「ゴミ」と言った呼ばれ方をする「投資不適格の債券」を集めた、ハイリスクな債券ファンドです。
- 年初来-0.068%
- 現在の利回りは5.84%ほど
- 投資対象のほぼすべてが、格付けCCC(トリプルシー)~BBの債券です(リスクが高いぶん、長期的なトータルリターンは大きい傾向)
こちらも、AGGやLQDと同様に値を下げました。
さて、こちらの表をご覧下さい。
(出典:X@CharlieBilell0)
これは、
- 1928年~2023年の
- 米国債(10年モノ)の
トータルリターンを示した表です。
これを見ると、1928年から2020年までの93年間で
- 3年連続でマイナスだったことはない
- 二桁マイナスだったのは、2009年の1回のみ
ということが分かります。
この点、
- 2021年はマイナス4.4%
- 2022年はマイナス17.8%
という感じで、債券にとっては歴史的な逆風が吹いていました。
今まで、「3年連続でマイナス」だったことはないし「二桁マイナス」なんてめったなことではなかったワケですから、2023年は反動で「債券の年になる!」なんて言われていたんですね。
ところがどっこい。
ふたを開けてみると、2023年も現時点ではマイナス成績です。
債券に対する期待は失望に変わり、
- 100年にわたる債券バブルが終わった
- 金利のある「正常な時代」が戻ってきた(もう、ゼロ金利・マイナス金利になんてならない)
なんて声も聞こえるようになっています。
「売られまくる米国債」については、後ほどもう少し解説したいと思います。
③インカム系ETFの値動き
私の愛する高配当株ETFについて。
- キャピタル(売却益)も
- インカム(分配金)も
両方狙えるポテンシャルのあるファンドたちです。
HDV、VYM、SPYDの年初来のチャートは、この通り。
分配金を無視して価格だけ見ると、順位はこの通り。
- 1位がVYM…-4.35%
- 2位がHDV…-4.56%
- 3位がSPYD…-11.64%
ちなみに、単月で見るとS&P500などの指数には勝っています。
去年のような下落トレンドになるなら、多少マシな値動きを見せるようになるかもしれません。
ちなみに、インカム資産の役割は
- 長期的に元本を割ることなく
- 高利回りの配当金を出し続けてくれること
彼らの仕事は「私の生活費を出し続けること」なので、短期的な価格変動は気にしません。
これらのETFは今年も増配傾向にあり、「このまま頑張ってね」という感じ。
さて、現在の分配金利回りはというと
- SPYD:約5.18%(過去平均は約4.5%)
- VYM:約3.24%(過去平均は約3.0%)
- HDV:約4.08%(過去平均は約3.5%)
過去水準と比較して、少しずつ「旨味」を感じるレベルになってきました。
短期的には「今の円安状況」が気になりますが、長期で見るならばまぁ飲めるリスクでしょう。
- 株価の成長力
- 配当金
これらが、為替ダメージを吸収してくれるからです。
④9月の海外トピックス
外国株について、今月のトピックスはこちらです。
- FOMC 金利据え置き
- 売られまくる米国債
FOMC 金利据え置き
9月19日~20日のFOMCで、金利据え置きが決まりました。
政策金利は、5.25~5.50%と変わらず。
こちらはマーケットの事前予想通りの展開で、サプライズはありませんでした。
今回のFOMCでは、「ドットチャート」も公表されました。
FOMC参加者の、今後の金利見通しですね。
(出典:トウシル「米株 金利ショック後 それでもFRBは回っている」)
ポイントは、
- 年内あと1回利上げがありそう
※19人中12人が予想 - 2024年に向けて政策金利が高止まりしそう
※6月時点と比べて、金利の中央値が0.5%上昇
といったところ。
市場には、「若干タカ派(=どっちかというと利上げしそう。利下げはまだ先っぽい)」と受け止められました。
さて、直近のFOMCは
- 5月会合:0.25%利上げ
- 6月会合:金利据え置き
- 7月会合:0.25%利上げ
- 9月会合:金利据え置き
といった流れになっています。
先ほどのドットチャートを見ても、「金利はこのあたりがピークかな…?」という気配が漂っていますね。
※とはいえ、当初よりずいぶん利下げ時期が後ろにズレこんでる感じがします(笑) FOMC参加者ですら「答え」を持っていないワケですから、”プロ”の金利予測も妄信はできませんね。
現段階では、パウエル議長は
という温度感です。
次回のFOMCは、10月31日~11月1日。
- 「利上げはあるのか?」と同時に
- 「利下げ開始時期について、どんなコメントがあるのか?」
が注目されることになりそうです。
売られまくる米国債
米国債、値下がりが続いています。
米国債(7年~10年モノ)に投資するこちらの債券ファンド、価格推移はこの通り。
(出典:Googleファイナンス)
なぜ、こんなに下がり続けているのか?
主な理由は、2つ。
- 政策金利の「さらなる上昇」「高止まり」懸念
- 米国に対する信用低下
先ほど「FOMC」のパートで解説した通り、①政策金利に「さらなる上昇」「高止まり」の懸念が生じています。
- 思った以上に、経済が過熱している(インフレしている)
- 政策金利をもっと高く上げるなり、高金利の状態維持するなりで、景気を冷やさないといけない
- 短期金利に吊られて長期金利も上昇
という流れです。
②米国に対する信用が低下しているという点については、8月の格下げが印象的でしたね。
2023年8月、格付け会社のフィッチは米国債の格付けをAAAからAA+に格下げしました。
- ここ最近どんどこ借金が増えてて、ひたすらに財務が悪化してるじゃん
- 高齢化に伴う社会保障費の増加とか、中長期的な課題への取り組みが十分じゃないじゃん
といった理由です。
そしてこの9月、同じく格付け会社のムーディーズもこんな感じの警告を出しました。
結局、米国の
- 財政的な問題
- 政治的な問題
この2つが、米国の信用度を下げているということですね。
現状、米国は地球上で最も強い経済力を持った国です。
その裏付けがあるからこそ、米国債は
- 安全資産と呼ばれており
- 世界中の投資家にとって、最も重要なアセットクラスの1つになっている
ワケです。
そんな米国債ですが、
- 今は売られ過ぎなのか?
- 今の価格が妥当なのか?
- それとも、今でさえ過大評価されているのか?
なかなか、評価の難しい局面に来ているなと感じますね(実際、プロでも意見が割れまくり)。
私個人としては、「買った時点でリターンが確定する」という生債券の特徴に魅力を感じており、
というスタンスです。
投資成績が安定して、生活も安定しますからね。
※ただし、長期金利が0.1%上昇したら買い増す、というような細かい温度感ではないです。
債券への投資比率は、ポートフォリオ全体の〇%までというルールを守りつつ、
- 長期金利が0.5%~1.0%上昇したら買い増す。
- そこからさらに0.5%~1.0%上昇したら、また買い増す
ぐらいの温度感です。
個人投資家が逆張りで米国債を買っている間は、まだまだ値下がりしそうな気がします。
まとめ:投資のポジションについて
以上をまとめると、この通り。
- 9月の日本株、日経平均が3ヶ月連続の下落。年初来で見ると、+24%前後で好調
- 上場企業の業績・株主還元は過去最高レベル
- 日本全体の景気は緩やかに回復中も、実質賃金下落で家計には厳しい状況が続く
- 日銀は金融緩和維持。「年内マイナス金利解除」発言についても火消しの方向
- 金利差は縮まらず、進む円安。1ドル=150円目前
- 9月の米国株は、全体的に冴えない展開
- 米国高配当ETFは年初来マイナス圏。利回り的には旨味を感じるレベルになりつつあるか
- 米国債も、まさかの3年連続マイナス成績。財政・政治に懸念アリで、売られまくり
- ゴールドは年初来で見てトントン
- FOMCは、想定通り金利据え置き。今後の利下げ開始時期に要注目
という感じです。
個人的には、
- インデックス運用(iDeCoやつみたてNISA)は、淡々と継続
- アクティブ運用(高配当株投資)は、日本株については「割安」なものがあればピンポイントで買う。米国高配当株は、株価のチェック頻度を増やしてチャンスを狙う
というスタンスです。
日本の高配当株については
- 約430社とそれなりに数があるものの
- 株価の上昇に伴って、着実に減ってきている(ピーク時から250社超減)
という状況。
「お、これいいじゃん!」というものは明らかに減っていますね。
「買えるものがない!」という状況でもないですが、うま味は減少中。
ちなみに、米国の「恐怖・強欲指数」は現在こんな感じ。
(出典:Fear & Greed Index)
- 相場がイケイケの時は「Greed(強欲)」を示し
- 相場が弱気の時は「Fear(恐怖)」を示す
そんな指数です。
今は、「Fear(恐怖)」を示していますね。
イイ感じで、ビビり雰囲気になってきました。
歴史を振り返ると
- 株価が下がっていて
- リアル景気も悪くて
- 投資家の気分も最悪(恐怖&強欲指数で「恐怖」を示す)
こういう「イケてない時期」こそ、絶好の買い場でした。
アクティブ投資に関しては、こういうチャンスをしっかり掴めるように、定点観測していきましょう。
※インデックス投資は、いつどんな時も、リスク許容度の範囲内で淡々と、です。
それではまたっ!
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