【10分で分かる】株式投資に役立つ9月の投資トピック総まとめ【インデックス・高配当】

※本サイトで紹介している商品・サービス等の外部リンクには、アフィリエイト広告を利用しているものがあります

こんにちは、こびと株(kobito_kabu)です。

現在、

  1. 高配当株投資
  2. インデックス投資

の両刀で資産運用をやっています。

 

毎月恒例企画ということで、9月の経済ニュース・統計調査を振り返って

  • この「2つの投資」にどのような影響があるのか
  • じぶん達の「仕事や生活環境」=景気はどうなっているのか

重要ポイントをまとめていきます。

 

本記事の構成はこの通り。

3本立て
  1. 日本の経済状況
  2. 海外の経済状況
  3. まとめ:投資のポジションについて
こびと株
それでは、本題に入りましょう~

 

日本の経済状況

以下の順番で解説します。

ポイント3つ
  1. 株価指数の推移
  2. その他指数の推移
  3. 9月の国内トピックス

 

①株価指数の推移(日経平均・TOPIX・J-REIT・マザーズ)

9月29日時点の株価は、この通り。

  1. TOPIX:2,323pt(+24.37%)
  2. 日経平均株価:31,858(+23.88%)
  3. マザーズ連動ETF:565(+2.86%)
  4. REIT連動ETF:2,006円(-0.52%)

※端数は四捨五入。カッコ内は、いずれも「年初来」。
J-REITマザーズ指数については、当該指数に連動している「ETF」のデータを表示しています。そのため、実際の指数の動きとは誤差があります。

 

年初来の値動きをチャートで見てみると、こんな感じです。

こびと株
どの指数も下落傾向。あまり良くない雰囲気です。

日経平均株価やTOPIXは、一時+30%ほどの貯金がありました。

現在は、25%を割り込むところまできています

 

9月単月の動きを見ると、この通り。

  • TOPIX    +0.43%
  • 日経平均株価   -1.47%
  • REIT連動    -1.96%
  • マザーズ連動 -4.51%
こびと株
日経平均は9月も下落。先月に続き、3ヵ月連続での下落です。

米国の長期金利上昇の影響もあって、金利に敏感なマザーズは特に投資家心理が良くないようです。

 

さて、日本の上場企業、最新の業績はどうなのか?

  • 2023年4月~6月期の純利益:約13兆円(前期比+47.1%
  • 年間利益予想:3期連続で最高益更新見込み
  • 配当金:全体の3割が前期比で増配を予定。配当総額は15兆円と過去最高見込み

(参考:朝日新聞デジタル「上場企業の4~6月期決算、純利益47%増 円安が業績押し上げ」、日経新聞「上場企業の配当、最高の15兆円 郵船など43社が上方修正」)

こびと株
業績・株主還元、どちらもイケイケです。

 

なお、日本株のPERは、過去14~16倍ぐらいが「割安でも割高でもないちょうど良い水準」とされています。

日経平均やTOPIXのPERは15倍前後

バブってるという感じはありません。

 

②その他指数の推移

「株価(TOPIX)」は、下落傾向にあるものの年初来で約24%のプラスと絶好調。

一方で、「リアル景気」の方はどうなのか?

実際のところ、景気は

  • 良いのか?
  • 悪いのか?

いくつか、指数をチェックしていきましょう。

 

6つの参考材料
  1. 月例経済報告
  2. 景気動向指数
  3. 景気ウォッチャー調査
  4. 消費者物価指数
  5. 実質賃金指数
  6. 完全失業率・求人倍率

お堅~い言葉が並んでいますが、「雰囲気」だけ掴めればオッケーです。

こびと株
そもそも、景気自体、ただの雰囲気みたいなもんですからね(笑)

 

月例経済報告

まずは、一番大きなところから。

日本政府としての景気判断(公式見解)は、

緩やかに回復している

こびと株
先月の見解と「同じ」ですね。景気はゆっくり良くなっているとのこと。

 

※細かな分野における「政府認識」はこの通り。興味のある方だけ、どうぞ。


(出典:月例経済報告 令和5年9月26日公表)

 

なお、政府認識のリスク要因は

  • 海外の金融引き締め
  • 中国経済の先行き(中国の不動産市況、かなり怪しいですね)
  • 国内インフレ

など。

こいつらの「不意打ち」には注意しておきましょう。

 

景気動向指数

一致指数の推移は、この通り。


(出典:景気動向指数

こびと株
ここ数か月は、超ゆるやか~に景気が拡張してきたという感じ。

現在の景気は、

  • ゴリゴリ拡大しているとか
  • 急激に縮小しているとか

そういう雰囲気ではありません。

 

補足:景気動向指数とは

景気動向指数は、

  • 景気全体の現状を知ったり
  • 将来の動向を予測したりするときに

使われる経済指標です。産業、金融、労働など、経済に重要かつ景気に敏感な30項目の景気指標をもとに指数が算出されています。

色々な指標をミキサーに入れてスイッチをいれると、1つの「景気動向指数」ができるというイメージです。

景気に一致して動く「一致指数」、景気に数か月先行して動く「先行指数」などがあります。

 

先行指数の推移は、この通り。

こびと株
緩やかに下がっている印象

 

結局、

  • 一致指数は緩やか~に上昇…現在の景気は、ちょっとだけ拡大中
  • 先行指数は下落傾向…数か月先の景気見通しについては、慎重な見方が広がっている

という感じです。

 

景気ウォッチャー指数

景気ウォッチャー指数の推移は、この通り。

(出典:景気ウォッチャー調査 9月8日公表)

 

8月は53.6ポイント(前月比-0.8ポイント)となっており、景気判断の分かれ目となる50を上回りました

銀座のママさんやタクシーの運転手さんが「景気は良い」と判断しているということです。

補足:景気ウォッチャー指数とは

百貨店・スーパーマーケット・コンビニなどの小売店やレジャー業界で働く人、タクシー運転手など、景気に敏感な職種の約2000人にインタビューし、調査結果を集計・分析して発表するもの。

 

なお、2~3か月先の景気の先行きに関しては51.4(前月比-2.7ポイント)となり、こちらも50を上回っています

こびと株
景気敏感な業種で働く人たち的には、「景気は良い」ということ!

 

消費者物価指数

こちらは、前年同月比+3.1%となりました。


(出典:日本経済新聞「消費者物価、8月3.1%上昇 伸び横ばいで高止まり」)

こびと株
上昇率が3%を上回るのは12ヵ月連続となりました。

インフレ率の伸びは止まりましたが、水準としては「高止まり」です。

この水準が続くと、家計にはジワジワとダメージが蓄積されそうです。

 

実質賃金指数

実質賃金指数の推移は、この通り。


(出典:NHK「7月の実質賃金 前年同月比2.5%減 16か月連続でマイナス」)

2023年7月の実質賃金は、前年同月比‐2.5%

基本給や残業代などをあわせた「働く人1人当たりの現金給与総額」は、平均で38万656円。

これは去年の7月に比べて1.3%高い水準ですが、依然として物価の上昇に追いつかず、実質的な賃金は低下しました。

結局、実質賃金は16ヵ月連続でのマイナスになっています(地獄かな?)。

 

実質賃金の増減率は、

  • マイナスが続いているものの
  • 年初と比べると、ジグザグ動きながらもマイナス幅は減少していっています

8月の実質賃金が上がってくれるのか、要注目です。

こびと株
先ほど触れた通り、企業はガッポリ稼いでます。これが早く賃上げに繋がると良いんですけどね

 

完全失業率・求人倍率

ご覧の通り。

  • 8月の完全失業率…2.7%(前回は2.7%)
  • 8月の有効求人倍率…1.29倍(前回は1.29倍)

※完全失業率が2.2%ぐらいまで戻ればほぼ完全雇用=ゴール。

(出典:日本経済新聞「8月求人倍率、横ばいの1.29倍 失業率も2.7%で同率」)

先月から、動きナシですね。

宿泊・サービス業などは、観光客の増加で活況。人手不足が続いているようです。

なお、企業の倒産が増えつつあり、その点は頭の片隅に置いておきましょう。

 

こびと株
こうやって、色々な指数をザーっと通してみると、なんだか雰囲気掴めますよね^^

ここまでの話をまとめると、この通り。

ここまでのまとめ

▼株価

日本株(TOPIX)は、年初来+約24%と絶好調

▼リアル景気

企業業績…利益・株主還元ともに、過去最高見込み
政府公式見解…緩やかに回復している
景気動向指数…現在の景気は緩やか~に拡大中も、先行きは慎重
景気ウォッチャー…「景気が良い」と感じている人が多数派
消費者物価…+3.1%と高水準(24ヵ月連続でプラス。3%超えは12ヵ月連続)
実質賃金…-2.5%と下落(16ヵ月連続マイナス)
雇用状況…失業率・求人倍率ともに、先月と同率

という感じ。

以上が、景気の全体感です。

こびと株
さて、お次は国内トピックスにうつりましょう

 

③9月の国内トピックス

日本株について、今月のトピックスはこれです。

国内トピックス2つ
  1. 日銀 金融緩和維持
  2. 止まらない円安

 

日銀 金融緩和維持

日銀は、9月21日~22日の「金融政策決定会合」で、金融緩和政策の維持を決めました。

こびと株
金融政策決定会合は、その名の通り日本の金融政策を決定するエライ人達の会合。「日本版FOMC」みたいなイメージですね

こちらはマーケットの予想通り。

サプライズはありませんでした。

 

この会合で注目されたのは

金融緩和政策について

  • ×今回、どうするか?」以上に
  • 今後、どうするか?」という点

でした。

今回については「どうせ緩和維持でしょ」と思われていたけど、

投資家
今後の見通し」はどうなの?いつ緩和修正するかとか、匂わせたりする?

というところが気にされていたワケですね。

 

今の状況は、ものすごくざっくり言えばこんな感じです。

  • 日銀は、今まで円をたくさん刷ってバラまいてきました
  • お金の流通量を増やして、年収アップを伴う物価上昇=インフレを起こしたかったからです
  • とにかく、ジャパンをイケイケの経済にしたかったんです
  • そうこうしているうちに、最近はインフレ率が12カ月連続で3%以上とかになってきました
  • 思ったよりインフレが進んでて、緩和しすぎによる歪み(ひずみ)も出てきた気がします
  • とりあえず金融緩和を続けているけど、そろそろ止めるかもしれません

金融緩和を

  • いつ、止めるのか?
  • どう、止めるのか?

注目が高まっているところなんですね。

 

しかも今回は、会合前の9月9日、植田総裁が

植田総裁
年内にマイナス金利解除の可能性も…

と受け取れるような発言をしていました。

※「マイナス金利」は、金融緩和政策の、めっちゃ重要な柱の1つです。

これによって

投資家
会合後の総裁会見とかで、マイナス金利解除の”匂わせ”があるかも!?

と思う人が少なくなかったんですね。

 

ところがどっこい

会見の温度感はどちらかというと「ハト派(=緩和修正はまだしなさそう)」。

  • 粘り強く金融緩和を続ける必要がある
  • 政策修正時期の決め打ちは到底できない

といった発言が目立ちました。

要するに

植田総裁
すぐに緩和修正するなんて言ってましぇーん!

というワケ。

 

日本では、とりあえずまだ金融緩和が続きそうです。

こびと株
世界と日本。金利水準の乖離も続きそうですね。円安が進むゥ~

 

止まらない円安

というワケで、円安が止まりません。

年初来のドル円のチャートはこの通り。


(出典:Googleファイナンス)

  • 年初:1ドル=130円ぐらい
  • 現在:1ドル=150円ぐらい

という感じで、たった数ヶ月で20円近く円安になっています。

通貨の価値が下がり続けているということです。

 

銀座を訪れたアメリカ人も、この円安にはニッコリ。


(出典:日テレNEWS

こびと株
安い国ニッポン、最高!

といった感じでしょうか。

 

円安の主要因は、

  • 日銀が円を刷りまくって大量供給を続けていること(金融緩和
  • 一方、米国ではドルの供給が抑えられていること(金融引き締め

です。

 

円はバラまかれて、ドルは供給量が減っているのだから、

  • 円の希少価値が下がって
  • ドルの希少価値が上がる

つまり「円安ドル高になる」流れは当然というワケ。

 

問題は、この流れはいつまで続くのか…?ということですね。

  • 円安はさらに進行するのか?
  • 円高に揺り戻しが起きるのか?
こびと株
答えは「分からない」です(ごめんなさい)

 

マネーの公理という書籍に、こんな言葉があります。

人間の行動は予測できない。

誰であれ、未来がわかると言う人を、たとえわずかでも信じてはいけない。

(出典:マネーの公理)

 

著者は言います。

  • 私達は、毎朝太陽が何時に昇るか知っている
  • 月がどう満ち欠けするかも分かる
  • 予測が可能なのは、それが「自然現象(科学)」を対象としているからだ
  • お金の世界は、自然現象ではなく、人間模様
  • 人間の行動は、どんな方法でも、誰にも予測できない

アイザック・ニュートンもこう言っていましたね。

天体の動きなら計算できるが、群集の狂気は計算できない。

 

  • 為替
  • 金利
  • 株価

これらは、計算できない「カオスなもの」の代表例と言えますね。

 

誰にも未来が分からないのなら、やれることは2つしかありません。

  1. それっぽいシナリオを作ってそれに賭ける(当然、当たることもあれば外れることもあります)
  2. どう転んでも良いようにしておく

為替に関する私の「それっぽいシナリオ」は

こびと株
長期的に見たら、円安でしょ。アメリカの方が経済成長しそうだし、日本政府のかじ取りはイマイチ信用できん。

ぐらいのものです。

この認識で、円とドルを「半々の比率」で持つようにしています。

思い通りのシナリオがこなくても、円貨で半分持っているので日本での生活に困ることはありません。

 

短期の目線だと、

  • いつドル円の天井がくるのか?
  • 政府による為替介入はあるのか?(今のドル円相場は、すでに去年の「為替介入」の水準です)

気になることはいくらでもありますね。

そんな時は、自分が「短期投資家」なのか「長期投資家」なのか、落ち着いて考えてみると良いかなと思います。

 

海外の経済状況

お次は、海外の話題です。

この4つの順番で見ていきます。

4つ
  1. 株価指数の推移
  2. ゴールド・債券ETF等の値動き
  3. 高配当ファンドの値動き
  4. 9月のトピックス

 

①株価指数の推移

G7(主要先進7ヵ国)の、主な株価指数の推移(年初来)はこの通り。

※グーグルファイナンスでは、チャートを5つまでしか同時比較できないので、昨年に引き続き「FTSE MIB(イタリア)」を抜いています。

こびと株
8月以降、だいぶグダってきてますね

 

2023年G7パフォーマンスマラソン、「9月中継所」通過時点の順位はこの通り。

2023年G7パフォーマンス駅伝、9月の着順
  1. FTSE MIB(イタリア)  +16.91%
  2. S&P 500(米国)    +12.13%
  3. DAX30(ドイツ)   +9.36
  4. CAC 40種(フランス) +8.20%
  5. FTSE100(イギリス) +0.71%
  6. S&P TSX(カナダ)    +0.50%

TOPIX(日本)は+24.37%。

我らが日本、トップを維持です。

※高配当株の指数に関しては年初来+36%。先月に続き、日本株の高配当株含み益がスゴいことになっております。

 

9月単月の動きはこの通り。

 

歴史的に、「9月の米国株式市場はパフォーマンスが悪い」と言われています。

まさにその通りの展開になっていますね。

ちなみに、

  • 米国株だけでなく
  • 米国債もパフォーマンスが悪く

お金が増えない!(減ってる!)と感じている投資家は少なくないかもしれません。

 

②ゴールド・債券ETF等の値動き

有名なゴールドETFである、「GLD」の値動きはこの通り。

(出典:グーグルファイナンス SPDRゴールド・シェアーズ(GLD)

ゴールドの成績は、年初来で+0.23%とトントンです。

世界的に通貨価値の下落が進むなか、ゴールドの「使い道」については引き続き考えておくべきでしょう。

使い道については、リベ大のこの動画が分かりやすいです。

 

 

お次は、債券です。

投資額に対して2%~5%ほどのインカム(利息)が欲しければ、米国債券が有望な投資候補になります。

米国の優良債券ファンドを3つチェックしてみましょう。

3つの債券ファンド
  1. AGG:ローリスク・ローリターンな債券(格付け高く、利回り低い)
  2. LQD:ミドルリスク・ミドルリターンな債券(格付け普通、利回り普通)
  3. HYG:ハイリスク・ハイリターンな債券(格付け低く、利回り高い)

 

米国総合債券に投資する【AGG】というファンドのチャートはこの通り。

  • 年初来-3.61%
  • 現在の分配金利回りは3.09%
  • 投資対象の約7割は、格付けがAAA(トリプルエー)の債券です

9月は、長期金利の上昇によって、価格が下がりました。

 

「債券」と「金利」は、シーソーの関係にあり逆の動きをします。

参考までに、金利のチャートを見てみましょう。

こちらは「米国の長期金利(10年国債)」の推移です(9月末現在の金利は約4.57%)。


(出典:三井住友銀行「マーケット情報チャート」)

9月は、長期金利がかなり動きました。

一時4.6%強と、2007年以来16年ぶりの高水準となっています。

 

お次に、米国優良社債に投資する【LQD】というファンドのチャートはこの通り。

  • 年初来-3.90%
  • 分配金利回りは4.11%ほど
  • 投資対象の約8割は、格付けがBBB(トリプルビー)~Aの債券です
  • ギャンブル性の低い「投資適格」な債券であるものの、AGGよりは安全性が低いです

こちらも、先月から下落していますね。

 

最後は【HYG】です。

「ジャンク」「ゴミ」と言った呼ばれ方をする「投資不適格の債券」を集めた、ハイリスクな債券ファンドです。

  • 年初来-0.068%
  • 現在の利回りは5.84%ほど
  • 投資対象のほぼすべてが、格付けCCC(トリプルシー)~BBの債券です(リスクが高いぶん、長期的なトータルリターンは大きい傾向)

こちらも、AGGやLQDと同様に値を下げました。

 

さて、こちらの表をご覧下さい。


(出典:X@CharlieBilell0

これは、

  • 1928年~2023年の
  • 米国債(10年モノ)の

トータルリターンを示した表です。

 

これを見ると、1928年から2020年までの93年間で

  • 3年連続でマイナスだったことはない
  • 二桁マイナスだったのは、2009年の1回のみ

ということが分かります。

 

この点、

  • 2021年はマイナス4.4%
  • 2022年はマイナス17.8%

という感じで、債券にとっては歴史的な逆風が吹いていました。

今まで、「3年連続でマイナス」だったことはないし「二桁マイナス」なんてめったなことではなかったワケですから、2023年は反動で「債券の年になる!」なんて言われていたんですね。

 

ところがどっこい

ふたを開けてみると、2023年も現時点ではマイナス成績です。

債券に対する期待は失望に変わり、

  • 100年にわたる債券バブルが終わった
  • 金利のある「正常な時代」が戻ってきた(もう、ゼロ金利・マイナス金利になんてならない)

なんて声も聞こえるようになっています。

「売られまくる米国債」については、後ほどもう少し解説したいと思います。

 

③インカム系ETFの値動き

私の愛する高配当株ETFについて。

  • キャピタル(売却益)も
  • インカム(分配金)も

両方狙えるポテンシャルのあるファンドたちです。

 

HDVVYMSPYDの年初来のチャートは、この通り。

分配金を無視して価格だけ見ると、順位はこの通り。

  1. 1位がVYM…-4.35%
  2. 2位がHDV…-4.56%
  3. 3位がSPYD…-11.64
こびと株
まったくパっとしない値動きですね

ちなみに、単月で見るとS&P500などの指数には勝っています。

去年のような下落トレンドになるなら、多少マシな値動きを見せるようになるかもしれません。

 

ちなみに、インカム資産の役割は

  • 長期的に元本を割ることなく
  • 高利回りの配当金を出し続けてくれること

彼らの仕事は「私の生活費を出し続けること」なので、短期的な価格変動は気にしません。

これらのETFは今年も増配傾向にあり、「このまま頑張ってね」という感じ。

 

さて、現在の分配金利回りはというと

  • SPYD:約5.18(過去平均は約4.5%)
  • VYM:約3.24%(過去平均は約3.0%)
  • HDV:約4.08%(過去平均は約3.5%)

過去水準と比較して、少しずつ「旨味」を感じるレベルになってきました。

 

短期的には「今の円安状況」が気になりますが、長期で見るならばまぁ飲めるリスクでしょう。

  • 株価の成長力
  • 配当金

これらが、為替ダメージを吸収してくれるからです。

こびと株
高配当株投資は、逆張り投資。しっかり値下がりタイミングを掴んでいきましょう

 

④9月の海外トピックス

外国株について、今月のトピックスはこちらです。

海外トピックス2つ
  1. FOMC 金利据え置き
  2. 売られまくる米国債

 

FOMC 金利据え置き

9月19日~20日のFOMCで、金利据え置きが決まりました。

こびと株
毎度おなじみFOMC。アメリカの金融政策を決めるエライ人達の会合ですね。

政策金利は、5.25~5.50%と変わらず。

こちらはマーケットの事前予想通りの展開で、サプライズはありませんでした。

 

今回のFOMCでは、「ドットチャート」も公表されました。

FOMC参加者の、今後の金利見通しですね。

(出典:トウシル「米株 金利ショック後 それでもFRBは回っている」)

ポイントは、

  • 年内あと1回利上げがありそう
    ※19人中12人が予想
  • 2024年に向けて政策金利が高止まりしそう
    ※6月時点と比べて、金利の中央値が0.5%上昇

といったところ。

市場には、「若干タカ派(=どっちかというと利上げしそう。利下げはまだ先っぽい)」と受け止められました。

 

さて、直近のFOMCは

  • 5月会合:0.25%利上げ
  • 6月会合:金利据え置き
  • 7月会合:0.25%利上げ
  • 9月会合:金利据え置き

といった流れになっています。

先ほどのドットチャートを見ても、「金利はこのあたりがピークかな…?」という気配が漂っていますね。

※とはいえ、当初よりずいぶん利下げ時期が後ろにズレこんでる感じがします(笑) FOMC参加者ですら「答え」を持っていないワケですから、”プロ”の金利予測も妄信はできませんね。

 

現段階では、パウエル議長は

パウエル議長
すべてはデータ次第。いつかは利下げするけど、いつするかは分からないし、必要なら利上げもする

という温度感です。

 

次回のFOMCは、10月31日~11月1日。

  • 「利上げはあるのか?」と同時に
  • 利下げ開始時期について、どんなコメントがあるのか?」

が注目されることになりそうです。

こびと株
「経済の温度計」と呼ばれる金利。高熱状態がどのくらい続くのか?要注意です

 

 

売られまくる米国債

米国債、値下がりが続いています。

米国債(7年~10年モノ)に投資するこちらの債券ファンド、価格推移はこの通り。


(出典:Googleファイナンス)

こびと株
この半年、下がり続けてますね

 

なぜ、こんなに下がり続けているのか?

主な理由は、2つ。

米国債値下がりの理由
  1. 政策金利の「さらなる上昇」「高止まり」懸念
  2. 米国に対する信用低下

 

先ほど「FOMC」のパートで解説した通り、①政策金利に「さらなる上昇」「高止まり」の懸念が生じています。

  • 思った以上に、経済が過熱している(インフレしている)
  • 政策金利をもっと高く上げるなり、高金利の状態維持するなりで、景気を冷やさないといけない
  • 短期金利に吊られて長期金利も上昇

という流れです。

こびと株
米国の景気が強すぎるんや…

 

米国に対する信用が低下しているという点については、8月の格下げが印象的でしたね。

2023年8月、格付け会社のフィッチは米国債の格付けをAAAからAA+に格下げしました。

  • ここ最近どんどこ借金が増えてて、ひたすらに財務が悪化してるじゃん
  • 高齢化に伴う社会保障費の増加とか、中長期的な課題への取り組みが十分じゃないじゃん

といった理由です。

 

そしてこの9月、同じく格付け会社のムーディーズもこんな感じの警告を出しました。

ムーディーズ
与野党でモメて予算案が成立しなかったら(政府機関が閉鎖に追い込まれたら)、Aaaから格下げしちゃうかもよ?

結局、米国の

  • 財政的な問題
  • 政治的な問題

この2つが、米国の信用度を下げているということですね。

 

現状、米国は地球上で最も強い経済力を持った国です。

その裏付けがあるからこそ、米国債は

  • 安全資産と呼ばれており
  • 世界中の投資家にとって、最も重要なアセットクラスの1つになっている

ワケです。

そんな米国債ですが、

  • 今は売られ過ぎなのか?
  • 今の価格が妥当なのか?
  • それとも、今でさえ過大評価されているのか?

なかなか、評価の難しい局面に来ているなと感じますね(実際、プロでも意見が割れまくり)。

 

私個人としては、「買った時点でリターンが確定する」という生債券の特徴に魅力を感じており、

こびと株
もっと価格が下がるなら(=利回りが上がるなら)、淡々と買い増していく

というスタンスです。

投資成績が安定して、生活も安定しますからね。

※ただし、長期金利が0.1%上昇したら買い増す、というような細かい温度感ではないです。

債券への投資比率は、ポートフォリオ全体の〇%までというルールを守りつつ、

  • 長期金利が0.5%~1.0%上昇したら買い増す。
  • そこからさらに0.5%~1.0%上昇したら、また買い増す

ぐらいの温度感です。

 

個人投資家が逆張りで米国債を買っている間は、まだまだ値下がりしそうな気がします。

こびと株
個人投資家が、総悲観で米国債をブン投げるところが美味しいポイントの目安になりそうですね

 

まとめ:投資のポジションについて

以上をまとめると、この通り。

本記事のまとめ
  • 9月の日本株、日経平均が3ヶ月連続の下落。年初来で見ると、+24%前後で好調
  • 上場企業の業績・株主還元は過去最高レベル
  • 日本全体の景気は緩やかに回復中も、実質賃金下落で家計には厳しい状況が続く
  • 日銀は金融緩和維持。「年内マイナス金利解除」発言についても火消しの方向
  • 金利差は縮まらず、進む円安1ドル=150円目前
  • 9月の米国株は、全体的に冴えない展開
  • 米国高配当ETFは年初来マイナス圏。利回り的には旨味を感じるレベルになりつつあるか
  • 米国債も、まさかの3年連続マイナス成績。財政・政治に懸念アリで、売られまくり
  • ゴールドは年初来で見てトントン
  • FOMCは、想定通り金利据え置き。今後の利下げ開始時期に要注目

という感じです。

 

個人的には、

  • インデックス運用(iDeCoやつみたてNISA)は、淡々と継続
  • アクティブ運用(高配当株投資)は、日本株については「割安」なものがあればピンポイントで買う。米国高配当株は、株価のチェック頻度を増やしてチャンスを狙う

というスタンスです。

 

日本の高配当株については

  • 約430社とそれなりに数があるものの
  • 株価の上昇に伴って、着実に減ってきている(ピーク時から250社超減)

という状況。

 

「お、これいいじゃん!」というものは明らかに減っていますね。

「買えるものがない!」という状況でもないですが、うま味は減少中。

 

ちなみに、米国の「恐怖・強欲指数」は現在こんな感じ。


(出典:Fear & Greed Index

  • 相場がイケイケの時は「Greed(強欲)」を示し
  • 相場が弱気の時は「Fear(恐怖)」を示す

そんな指数です。

今は、「Fear(恐怖)」を示していますね。

イイ感じで、ビビり雰囲気になってきました。

 

歴史を振り返ると

  • 株価が下がっていて
  • リアル景気も悪くて
  • 投資家の気分も最悪(恐怖&強欲指数で「恐怖」を示す)

こういう「イケてない時期」こそ、絶好の買い場でした。

アクティブ投資に関しては、こういうチャンスをしっかり掴めるように、定点観測していきましょう。

※インデックス投資は、いつどんな時も、リスク許容度の範囲内で淡々と、です。

それではまたっ!

 

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こびと株.comの管理人。一部上場企業での経理/財務の実務経験10年超、日商簿記1級、証券アナリスト、FP資格を有する「企業と個人のお金の専門家」。4つの財布(給与/配当/不動産/事業収入)を駆使して経済的自由を達成することを目標に奮闘中。