高配当株を探そう!配当利回りランキング【2019年5月31日時点】

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こびと株.com(@kobito_kabu)がお送りする、毎月更新の定例記事です。

※データが多すぎて記事が重いです。すみませんm(_ _”m)

配当利回りランキングの作成方法

抽出時期 :各月末
対象市場 :東証一部、東証二部、東証JASDAQ
配当利回り:税引き前3.75%以上(税引き後3%)※復興特別所得税は無視

 

サマリー

2019年5月31日時点

 

全体指標

  • 日経平均:20,601.19
  • 日経平均高配当株50指数:31,632.86
  • 日経高配当株50配当利回り:4.55%(前月比+0.30%)
  • TOPIX :1,512.28
  • 円/ドル:1$=108.26円

 

配当利回りが3.75%(税引き後3%)以上の企業数

  • 一部上場   :339社(前月比+111社)
  • 二部上場   :  55社(前月比+  13社)
  • JASDAQ上場 :  64社(前月比+    6社)

 

全体感

全体的に、株価が下落傾向にあります。高配当株がザックザク

  • 高配当株は前月比+130社
  • 日経平均高配当株50指数は、上場来安値31,150円に迫る勢い
  • 日経平均のPBRは1.04(昨年末の急落時はPBR1.00まで下落)
補足:PBRとは

株価 ÷ 1株あたり純資産

上記算式で計算され、現在の株価が「会社の解散価値」の何倍あるかを示す指標です。割安さを測るために用いられます。※なお、割安さを測るときは、単一の指標ではなく複数の指標を組み合わせて判断しましょう。

 

ここ3年ぐらいのスパンで見ると、PBRはブレグジットがあった時と同じぐらいの水準ですね。


(出典:日経平均PBRチャート

20年ぐらいの長期で見ても、低水準です。ちなみに2009年リーマンショック時は、PBRは0.84倍ぐらいになりました。

もし今後、PBR1.04→0.84まで下落するとしたら、▲19.2%になりますね。暴落と言える水準です。

 

日経平均の他の指標を見てみると、こんな感じです。

  • PER:11.63倍
  • 日経平均配当利回り:2.17%(2017年1月は1.67%)
  • 日経高配当株50指数利回り:4.55%(2017年1月は3.05%)

※配当利回りの伸び方を見ると、高配当株がことさら売り込まれてる(もしくは増配幅が大きい)ことが分かります。

 

一部上場企業全体での利益水準はどうかというと、かなり高い水準にあるんですよね。


(出典:1部上場企業の最終利益、3年ぶりマイナスに 米中先行き懸念 決算発表集中日

売上や営業利益に至っては過去最高水準です。

売上高の合計は前年同期比2.3%増、本業のもうけを示す営業利益は0.5%増で、いずれも過去最高だった前年同期をわずかに上回った。

(出典:同上)

 

なんでこんなに業績が良いのに(しかも、日本企業は米国企業などと比べると内部留保が厚いので、ますます財務を盤石にしているのに)、こんなにも株価が冴えないのか?

楽観的にならず、その背景にある事情(貿易戦争・消費税増税等)に十分に注意する必要があります。

 

なぜなら、基本的に株価は先行指標だからですね。実態経済が悪化する前に、株価が下落するのが通常です。

配当利回りが高くなった!と思って買ってみると、

  • →業績が悪化
  • →配当金が減額
  • →結局いつも通りの配当利回りに落ち着く

なんてことになりがちです。いくら配当利回りが高くても、買っても良い銘柄は限られます。

こういう銘柄を選ぶ
  • 相場全体につられて安くなっているが
  • 業績が堅調で(増収増益)
  • 不況時にも減配していない

ランキングの中から、慎重に選別していきたいところです。

 

当利回りランキング(東証一部上場)

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※1 「-」は、前月ランク外であった銘柄
※2 2017年1月以降で、月末の配当利回りが3.75%を超えていた月の数

 

[1489]日経平均高配当株50指数連動型上場投信(名前ながい…)の分配金利回りが4.1%ぐらいなので、個別銘柄の選定が面倒だという人は、1489が気になる人もいるかもしれません。

ただ、こびと株メンバーは[1489]はいまいち好きになれないので、引き続き自作ポートフォリオの構築をすすめていきます。

さて、一部上場企業の高配当株339社のうち、投資しても良さそうかな(投資しているものも含む)と思うのは下記の通り。

投資しても良さそうなもの
  1. JT 6.18% ★
  2. 住友商事 5.74%
  3. 丸紅 5.12%
  4. キヤノン 5.06% ★
  5. インターワークス 5.05% ★
  6. 三菱UFJ 4.99%(あと15%前後下落待ち)
  7. オリックス 4.95%
  8. NTTドコモ 4.81% ★
  9. 三井物産 4.77%
  10. 三井住友FG 4.76%(あと15%前後下落待ち)
  11. 蔵王産業 4.68% ★
  12. 三菱商事 4.41%
  13. 伊藤忠商事 4.25%
  14. 三井住友FG 4.23%
  15. ブリヂストン 3.94%
  16. KDDI 3.94% ★
  17. NTT 3.70% ★(4.0%で買い予定)

国際優良大型株が多すぎてビミョーなのは相変わらずです。

もう少し規模が小さい企業で、気になった銘柄を3社ほどご紹介します。

  1. クニミネ工業
  2. アビスト
  3. フジミインコーポレーテッド

 

[5388]クニミネ工業:配当利回り3.84% 6/3時点

  • 売上高:157億円 予想
  • 営業利益率:11.4% 予想
  • 時価総額:113億円
  • ROE:7.8%
  • 自己資本比率:85.1%
  • 配当性向:31.1%(踊り場を形成しながらも増配傾向)

 

ベントナイト(特殊粘土鉱物)の最大手です。

なにそれ?という人のためにこんな画像をもってきました。

(出典:クニミネ工業のIR資料より

工業製品の素材、化粧品・医療品の原料にいたるまで、なんか色々なところで使われてるらしいです。「よくわかるクニミネ工業」という素晴らしいIRページがあったので引用。

ベントナイトの大きな特徴である膨潤性は、モンモリロナイトが水と接触すると、層間陽イオンと水分子が水和し、単位層間の距離が増加していくことによって起こります。このメカニズムは、モンモリロナイトの層間陽イオンの種類によって異なっています。層間陽イオンにNa+イオンを多く含むモンモリロナイトは、Na+イオンによる単位層同士の電気的引力が弱いため、水に分散させると、Na+イオンと水分子が水和して、やがて単位層にまで分離します。このとき、単位層間の距離は4nm以上に広がり、浸透性膨潤と呼ばれる状態を示します。

(出典:よく分かるクニミネ工業「ベントナイトとは?」

 

なるほどー!

何 も わ か ん な い

 

ベントナイトは「1000の用途を持つ粘土」と言われてるそうです。この記事で覚えて帰ってね。

とりあえず無借金経営でキャッシュが潤沢です。業績は長期的に右肩上がり。

 

[6087]アビスト:配当利回り4.25% 6/3時点

  • 売上高:97億円 予想
  • 営業利益率:17.1% 予想
  • 時価総額:96億円
  • ROE:20.7%
  • 自己資本比率:73.8%
  • 配当性向:35.1%(明らかな増配傾向)

 

自動車向けの機械や機械部品の設計開発アウトソーシングをやってます。2006年設立・2013年上場のまだ若い企業ですね。

取引先が景気敏感な業種ですが、リーマンショック時も黒字は維持しています。リーマン以降の業績は右肩上がりで、9期連続増収。過去最高売上を更新しています。

取引先の上位10社はこんな感じ。国内大手がコケると一緒にコケそうで、安定しているとは言い難い…のかな?

引き続き、観察対象。

 

[5384]フジミインコーポレーテッド:配当利回り4.01% 6/3時点

  • 売上高:375億円 予想
  • 営業利益率:12.5% 予想
  • 時価総額:573億円
  • ROE:8.7%
  • 自己資本比率:86.8%
  • 配当性向:54.9%(明らかな増配傾向も、直近は若干減配予想)

 

ウエハ用研磨剤大手です。同研磨剤では世界トップシェア!

ウエハとは…?

地味な企業ですが、利益率もROEも及第点で、無借金経営。業績右肩上がりで配当性向も「とりあえず30%」みたいな感じではなく増配意欲もあります。

リーマンショック時など、景気が悪くなったときは営業利益率が5%前後に落ち込むようですが(半導体市場への関与があるので、景気敏感)、黒字はきっちり確保してくれます。

こちらも要観察企業ですね。

 

配当利回りランキング(東証二部上場)

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※1 「-」は、前月ランク外であった銘柄
※2 2017年1月以降で、月末の配当利回りが3.75%を超えていた月の数

いつも通り、何にも欲しいものはありません!

と言おうとしたんですけど、面白そうな銘柄出てきましたね。

 

[2393]日本ケアサプライ(配当利回りは3.79%)

こんな感じです。

  • 福祉用具(車いすとか)のレンタル卸の最大手
  • 時価総額約200億円
  • 大株主は三菱商事(約75%の株式を保有)
  • 配当性向はほぼ50%で減配もある
  • 長寿社会の到来にともない長期的に増収増益傾向
  • 自己資本比率66.5%
  • 売上高約170億円、営業利益20億円
  • 営業利益率12%前後
  • ROE10%超
  • リーマンショック時も余裕の黒字

配当維持・増配という銘柄ではなく、配当性向に連動して減配もある銘柄です。とはいえ成長市場にいるので、業績がブレても目標水準の配当金は維持してくれるんじゃないかと期待させてくれますね。

景気が悪くなったら福祉用品の使用をやめるかというと、そうはならないですよね。安定業績が期待できます。

 

配当利回りランキング(東証JASDAQ上場)

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※1 「-」は、前月ランク外であった銘柄
※2 2017年1月以降で、月末の配当利回りが3.75%を超えていた月の数

日本エス・エイチ・エルの株価が上がってしまったので、ランキングから外れてしまいました。

残っている優良株は、この2社ですね。

  • センチュリー21・ジャパン
  • 沖縄セルラー

※オーデリック、スーパーツールあたりは、検討の余地はあると思いますが、私たちは投資していません。

 

ランキングに載ってないのですが、[4765]モーニングスターは面白いですね。

  • 売上高:60億円 予想
  • 営業利益率:27.4% 予想
  • 時価総額:269億円
  • ROE:12.8%
  • 自己資本比率:84.5%
  • 配当性向:95.0%(10期連続増配)

投資信託データ販売、投信運用、セミナーが3本柱です。

昨年の配当金を基準にすると、配当利回りは4.3%ほど。

景気が良くて資産運用への機運が高いときはボロ儲けできますが、景気が悪くなると業績が超絶悪化します。配当金はきっちり利益水準に連動しているので、安定配当は望むべくもないですね。

とはいえ、日本人は「資産運用による自助努力まったなし」の時代ですから、この銘柄を仕込むタイミング次第では、割と美味しい思いができるかもしれないなと思いました。

普段のこびと株の目線とはまったく違う企業ですが、とりあえずのご紹介。私は買いません。このタイミングでは。

 

まとめ:高配当株が激増中で、チェックがおいつかない

あまりに高配当株が増えすぎて、チェックが追いつかないですね。

銘柄を探していると「目の前にお金が落ちている」ような錯覚を覚えることもありますが、慎重に、慎重に銘柄を選定していきたいと思います。

とりあえず、今日の紹介銘柄をまとめるとこの通り。大型株じゃなくて、こういうのがもっと増えてくると嬉しいですね。

要観察対象
  1. クニミネ工業
  2. アビスト
  3. フジミインコーポレーテッド
  4. 日本ケアサプライ
  5. モーニングスター(参考)

それではまたっ!

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ABOUTこの記事をかいた人

こびと株.comの管理人。一部上場企業での経理/財務の実務経験10年超、日商簿記1級、証券アナリスト、FP資格を有する「企業と個人のお金の専門家」。4つの財布(給与/配当/不動産/事業収入)を駆使して経済的自由を達成することを目標に奮闘中。