こびと株.com(@kobito_kabu)がお送りする、毎月更新の定例記事です。
※データが多すぎて記事が重いです。すみませんm(_ _”m)
抽出時期 :各月末
対象市場 :東証一部、東証二部、東証JASDAQ
配当利回り:税引き前3.75%以上(税引き後3%)※復興特別所得税は無視
目次
サマリー
2020年1月31日時点
全体指標
- 日経平均:23,205.18円(前月比-451.44円)
- 日経平均PBR:1.14倍
- 日経高配当株50配当利回り:4.39%(前月比+0.14%)
- 円/ドル:1$=108.38円
配当利回りが3.75%(税引き後3%)以上の企業数
全部で308社。先月より54社増加しました。
- 一部上場 :238社(前月比+50社)
- 二部上場 : 27社(前月比- 1社)
- JASDAQ上場 : 43社(前月比+ 5社)
日経平均株価と高配当株の推移は、次のとおり。
株価の下落に伴って、5ヵ月ぶりに高配当株が増加しました。
市況の雰囲気的に、今後もダラダラ株価が下がっていきそうですね。
全体感
2020年1月のトピックは、何と言ってもコレでしょう。
中国で発生した新型肺炎
中国の湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスが、猛威をふるっています。
中国の国家衛生健康委員会は、新型コロナウイルスによる肺炎の患者が30日、9692人になったと発表。死者数は少なくとも213人になったという。
中国以外では18カ国で98人の感染が確認されている。
世界保健機関(WHO)は30日、新型コロナウイルスの感染拡大について「世界的な緊急事態」だと宣言した。
世界全体での感染者数は、2003年に集団感染が発生したSARS感染者数(約8100人)を超えた。
(出典:BBC「新型コロナウイルス、イギリスで初の感染例 家族2人」)
※赤字は筆者
感染拡大を受けて、投資家マインドは一気に冷え込んでいます。
CNNというニュースサイトが公表している「Fear&Greed Index」という指標によると、投資家の感情は「Fear(恐れ)」の状態になっています。
(出典:CNN)
たった一ヵ月前は、Extreme Greed(超強欲)だったんですよね。
ノリノリで株で稼ごうと思っていたら、コロナウイルスでビビり始めてしまった。そういう感じです。
実際、世界の主要株式指標は、下落しています。
- 日経平均株価:1月のピーク時から▲3.6%
- 香港ハンセン指数:1月のピーク時から▲9.4%
- NYダウ:1月のピーク時から▲3.3%
※2020年1月31日時点
まだまだ大したことのない下落率ですが、今後どうなるかはまさに未知数。
中国・中国人の購買力を頼りにビジネスをやっている日本企業は多く
- 資生堂・コーセーなどの化粧品業界
- エイチ・アイ・エスなどの旅行業界
- ファーストリテイリングなどの小売業界
- ホンダ・東京エレクトロン・村田製作所などの製造業
それぞれ、営業停止・発注キャンセル・プロジェクト中止などの憂き目にあっています。
製造業では、特に電気機器・機械系の株価下落率が高くなっています。売上高の20%~50%といった大きな数字を、中国だけで稼ぐ企業も多いからです。
国内では、ホテル系のJ-REIT(不動産投資信託)も値下がりが大きいですね。たとえば、ジャパン・ホテル・リート投資法人は、1月ピーク時よりも▲11.3%下落しました。
新型コロナウイルスは、まさに今拡大のさなかにあり、世界経済にどのような影響を与えるか不明瞭です。
専門家のなかには「日本のGDPにマイナス8,000億円ぐらいの影響がある」と試算している人もいますが、どうなることやら。
配当利回りランキング(東証一部上場)
- ※エクセルオンラインのデータが表示されます
- 証券コードをクリックすると、Yahooファイナンスのページに飛びます
※1 「-」は、前月ランク外であった銘柄
※2 2017年1月以降で、月末の配当利回りが3.75%を超えていた月の数
下記の順に解説します。
- 今回のランキングではじめて登場した銘柄
- 投資を検討しても良さそうな銘柄
①今回のランキングではじめて登場した銘柄
全部で8銘柄ですね。
- [8242]エイチ・ツー・オー リテイリング
- [7321]関西みらいフィナンシャルグループ
- [5949]ユニプレス
- [4845]スカラ
- [8904]AVANTIA
- [3529]アツギ
- [9832]オートバックスセブン
- [8544]京葉銀行
上記のとおり。
これらの企業について、主要な指標をザっと見てみると…
小売り、金融、不動産といった、あまり魅力のない業種の企業達で、
- 高い収益性があるわけでもなく
- 高い財務堅牢性があるわけでもなく
- 高い成長性があるわけでもなく
- 過去5年の業績を見ても、将来5年を考えても
別に、特段投資したいと思える銘柄達ではないですね。
というわけで、新登場の銘柄で「買っても良いな」と思える銘柄はありませんでした。
②投資を検討しても良さそうな銘柄
今回のランキングで、私が気になった銘柄は[4928]ノエビアホールディングスです。
高配当株ランキングに登場するのは3回目です。
前回ランキングに登場したのは2019年1月、つまりちょうど1年前。一瞬だけランキングに登場した後、すぐに姿を消してしまっていた銘柄です。
ノエビアホールディングスは、高級基礎化粧品を展開する化学メーカーで、化粧品業界のなかでは中堅ポジションです。
- 売上高(予測):598億円
- 営業利益率(予測):20.6%
- ROE(予測):16.1%
- 自己資本比率:63.3%
- 5年業績トレンド:⤴
高い収益性・堅牢な財務(豊富なキャッシュ・無借金経営)を誇り、配当金も増配傾向にあります。
配当金の支払総額は、増え続けていますね。
- 2011年に1株あたり36円だった配当金は
- 2020年(予測)では、1株あたり200円
ここまで成長しています。10年も経たないうちに、5.6倍になりました。
化粧品業界は、総じて高収益・高財務です。
資生堂、コーセー、ファンケル、ポーラなどと比較すると、ノエビアHDに特別優れてる点があるわけではありません。
資生堂は、グローバル企業です。売上は、日本(約40%)、中国(約20%)、アメリカ(約10%)、ヨーロッパ(約10%)と分散されています。
一方で、ノエビアHDは、売上の90%以上を内需に頼るドメスティックな企業です。こういったところをどう評価するかがポイントですね。
化粧品メーカーの配当利回り・配当性向はこんな感じです。
- 資生堂 配当利回り0.85%(配当性向30.5%)
- コーセー 同1.29%(同29.2%)
- ファンケル 同1.18%(同40。0%)
- ポーラ 同4.84%(同142.5%)
- ノエビアHD 同3.98%(同80.3%)
ノエビアHDは、割とキツキツの配当性向です。
中期経営計画では、地味~な目標が出ています。
過去のような増配ペースはもう維持できそうにないですね。
今ぐらいの水準の配当金を、長期的に安定して出し続けてくれればOK!という感じなら、投資を検討する余地があると思います。
女性にとって、化粧品は「生活必需品」です。不景気に強いビジネスが欲しいのなら、化粧品メーカーは悪くない選択肢でしょう。
ちなみに、ノエビアHDの株主になると、オマケとして株主優待品も貰えます。女性には嬉しいですね(*ノωノ)
こびと株メンバーが「個別の高配当株」を選ぶときは、あくまで分散投資の一角という目線です。
今回も、ノエビアHDに未来を賭けよう!なんてことはこれっぽっちも思っていなくて
- 長期的に元本を維持しながら、配当金を出し続けてくれるか?
- 不景気でも、安定的に配当金を運んできてくれそうか?
- 日本株ポートフォリオのなかで、セクターの分散に役立ちそうか?
という感じでチェックしています。
あくまで、50~100社と投資するうちの1社として機能しそうかという目線なので、くれぐれもご注意ください。大きく儲けたいのなら、もっと成長性のあるイケイケの銘柄はたくさんあります。
米国株の場合は、ETF(ファンド)に投資すれば良いので楽なんですけどね~。
配当利回りランキング(東証二部上場)
- ※エクセルオンラインのデータが表示されます
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※1 「-」は、前月ランク外であった銘柄
※2 2017年1月以降で、月末の配当利回りが3.75%を超えていた月の数
[7404]昭和飛行機工業がランキング初登場です。
配当利回りは23.27%!
なんて思う人はいないと思いますが、いかがでしょうか。
当社の1株あたり配当金(予定)は、636円。うち631円は特別配当金です。当社はとある外国の会社に買収されることが決まっており、そのうち上場廃止になります。
まるで飛行機のように、
- 颯爽とランキングに現れて
- 颯爽とランキングから消えていく
そういう会社です。
その他の会社は、いつもの顔ぶれという感じですね。
配当利回りランキング(東証JASDAQ上場)
- ※エクセルオンラインのデータが表示されます
- 証券コードをクリックすると、Yahooファイナンスのページに飛びます
※1 「-」は、前月ランク外であった銘柄
※2 2017年1月以降で、月末の配当利回りが3.75%を超えていた月の数
[7169]NFCホールディングスがランキング初登場です。
保険代理店ですね。子会社には、保険見直し本舗などがあります。
- 売上高(予測):290億円
- 営業利益率(予測):14.5%
- ROE(予測):23.0%
- 自己資本比率:40.6%
- 5年業績トレンド:⤴
2014年6月に上場しており、過去の業績・増配実績を見るにはデータが足りない感じです。もう少し様子を見ていきたいと思います。
それにしても、やっぱり保険販売って儲かるんですねぇ。
まとめ:もしこびと株メンバーが今月から高配当株投資を始めるとしたら?
ランキングの解説は以上です。
最後に、2019年7月からシリーズ化を開始した「もしこびと株メンバーが今月から高配当株ポートフォリオを作るとしたら」というモデルを出して終わりにします。
※「私たちならこうする」という事例であって、下記銘柄への投資を推奨するものではありません。株式投資には元本割れのリスクがありますので、くれぐれも自己責任でお願い致します。
30万円で今月スタートならこんな感じにします。
いちどオリジナルファンドを組んだ後は、個々の株価の値動きにはこだわらず
- 全体として長期的に元本を割れなければOK
- 全体として長期的に配当金を出し続ければOK
そういうイメージです。
10年経てば、配当金だけで40~50%近い投資回収を見込めます。各社の業績が向上しており、市況が良ければ評価額も伸びるでしょう。
日本株に年利何%のリターンを期待するか…ということですが、私はトータルリターンが5%ぐらい取れれば十分だと思ってやっています。
ちなみに、上記のような買い方をするには、低コストで単元未満株投資ができるSBIネオモバイル証券がおすすめです。
100株ずつ購入したら、数百万円はかかります。
SBIネオモバイル証券には、大手ネット証券(楽天証券やSBI証券)にはない圧倒的なメリットがあります。
- 1株から購入できる(NTTドコモやKDDIなどの注目している企業を3,000円前後から買える)
- 月額50万円までの投資なら、サービス利用料が固定で220円(税込)かかるが、毎月ネオモバ限定Tポイントが200pt貰える
- Tポイントを使って株が買える
※大手ネット証券を使って少額分散投資をすると、手数料負けします。
※SBIネオモバイル証券を使った高配当株投資の始め方はこちらの記事をどうぞ。
日本株の優良高配当株に数百円から分散投資したいなら、SBIネオモバイル証券は良い選択肢になります。
2019年8月のような「買い場」が来た時に、口座やキャッシュが準備できていなくて買いそびれるというのはもったいないので、高配当株投資に興味がある方はちゃんと準備しておきましょう。
2022年9月26日、
株式会社SBIネオモバイル証券は、株式会社SBI証券と経営統合することが発表されました。
これに伴い、SBIネオモバイル証券の新規口座開設は2022年10月7日をもって受付が停止されています。
- 最大手・国内株式個人取引シェアNo.1
- 口座開設・口座維持手数料無料
- 1株から購入可能(単元未満株の売買手数料無料)
一方で、米国株であればHDVやSPYDといった優れたETFがあるので、これらを活用すれば個別株への投資は不要です。圧倒的にラクですね。
- 日米の高配当株を中心に、よく分散された高配当株ポートフォリオを作る
- ①追加投資、②配当金再投資、③増配でひたすら配当金を増やし続ける
こうすることで、誰でも月10万円ぐらいの配当金は作れる可能性があるんじゃないかなと思っています。
月10万円あれば、
- 水道光熱費が払える
- 家賃が払える
- 通信費(スマホ代など)が払える
- 保険料が払える
といった感じで、独身なら固定費のほとんどを賄えるでしょう。
ちょっと働けば生きていける水準ですから、セミリタイアも視野に入ると思います。
あるいは、月10万円の配当金を趣味に使えば、相当遊び倒せるでしょう。サラリーマンのお小遣いの平均は3~4万円ぐらいですからね。
全部使っても老後は安泰ってのは良いですよね。
いずれにせよ、配当金は人生の選択肢を増やしてくれます。コツコツと配当金を増やして、生活を豊かにしていきたいですね。
それではまたっ!
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