こんな疑問にお答えする記事です。
ちなみに私は、学生時代にES通過率98%で内定をたくさんゲットして、現在も新卒入社した一部上場企業で働き続けています。
TOEICは800点で、その他の資格(証券アナリストや簿記1級)と実務経験を合わせて、転職市場でも結構スカウトを貰っています。
目次
就職活動で役に立つ資格Best3
さて、本題に入る前に、就活におけるTOEICの立ち位置を確認しておきましょう。
- 帰国子女で英語がペラペラ
- TOEIC900点オーバーで英語がペラペラ
このように「英語力だけで戦える」ような学生を除いては、英語力はビジネスパーソンの基礎スキルという位置づけです。武器ではなく、あくまで基礎スキルです。
基礎スキルが身についていないと、そもそものポテンシャル、仕事に対する姿勢を疑われてしまいかねません。昔からよく言われている基礎スキルは次の3つです。
- 会計
- PCスキル
- 語学力(英語)
一般常識・マナーを備えていることの証明として「秘書検定」が評価されるようなこともあります。
資格だけで採用の可否が決まるようなことはありませんが、
という学生と
という学生、どちらの印象が良いかは明らかです。結局、基礎力を証明できる学生は、スタート位置の段階で他の学生に一歩差をつけていると言えるでしょう(時にこの一歩が勝敗を分けるのです)。
資格を取っておいて損することはありません!自分のキャラクターに自信がないなら、なおさらオススメです。
簿記
簿記2~3級であれば、最短2週間~3ヶ月程度の学習で取得することができます。営業だろうと内勤だろうと、知って損する知識ではありません。
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
事務職を希望するのであれば、MOSもおすすめの資格となります。入社後のストレスが段違いに軽減されます。
TOEIC
そして、今回メインの話題となるTOEICです。
TOEIC600~700点前後で証明できることは、語学力というよりは基礎力です。つまり暗に次の3つをアピールしているということです。
- 目標に向けた取り組み・学習ができ、成果を残せる(計画力・実行力のアピール)
- 地頭が良いこと・悪くないことの証明(ポテンシャルのアピール)
- もっと鍛えればビジネスの現場で使える語学力を身につけられる(将来の語学力のアピール)
資格は、あくまでたくさんあるアピール材料のなかの一要素。そして、TOEICはたくさんある資格の中の一要素です。しかし、その中ではもっともコスパが良く、選考に与えるインパクトが大きい資格です。
全体感・雰囲気を掴んだところで、TOEICが就職活動でどのように役立つか、具体的に見ていきましょう。
TOEICが就職活動で役に立つ3つの理由【TOEICは重要】
理由①:企業の7割が、採用時にTOEICのスコアを参考にしているから
約70%の企業が採用時にTOEICのスコアを参考にしています(上場企業における英語活用実態調査 2013年より)。この割合は、年々増加傾向にあるようです。
ちなみに、新入社員の場合、入社時の期待スコアは565点となっています。傾向的に、最新のデータではもう少し上がっていることが予想されます。欲を言えば、600点ぐらいは欲しいところですね。
理由②:英語力の重要性が年々増しているから
就職市場における英語力の重要性は年々増しています。TOEICスコアの世代間格差を比べてみましょう。
入社11年目以上のビジネスパーソンと直近の内定者たちでは、スコアに100点以上もの開きがあります。これは、若い世代ほど英語力を求められているということの証拠でもあります。
若ければ若いほど、当然のように
- 「英語はある程度できるんだよね?」
- 「英語が苦手でまったくできないってことはないよね?」
という目で見られるということです。
英語力がないということは、英語ができないということそのものよりも
- 中学ー高校ー大学とまじめに勉強してこなかった(勤勉さの欠如)
- まじめに取り組んでも成果を残せない(能力の不足)
このように評価されてしまうことに問題があります。今の時代、優良企業から内定を貰おうとするならば、ある程度TOEICのスコアがあって当然という意識を持っていた方が良いかもしれませんね。
理由③:将来の管理職候補になるポテンシャルの高い人材を採用したいから
15.8%の企業が、すでにTOEICのスコアを昇進・昇格の条件にしています。将来的に要件としたい企業を含めると、半分近い企業がTOEICを重視していることが分かります。
この傾向は、大企業・一流企業ほど顕著です。理由は2つあります。
- 組織・ビジネスがグローバル化しているから
- 欧米の評価基準の取入れ
大企業・一流企業ほど、事業を海外展開しています。国内だけで完結するビジネスモデルではないので、どうしても英語が堪能な人材を集める必要があります。
欧米は、日本以上に学歴社会です。なぜかというと、性別や人種などによって人事評価が行われる(行われていると勘違いされる)と、差別主義者扱いされかねないからです。
必然的に、①学歴・資格・実務経験などの客観的なスペック&②現在の仕事成果をもとに、給与や評価が決まるというわけです。日本でも、終身雇用を前提とした評価制度が崩れ、徐々に欧米企業のような評価スタイルが取入れられています。
こうした流れのなかで、TOEICのような試験はますます重要性を帯びてくるということです。
TOEICを重視している企業の具体例
では、TOEICを重視している企業はどのようなところがあるのか、具体的に見てみましょう。
大手企業ならTOEICは必須
新卒採用HP・中途採用の求人情報等から、求められているTOEICのスコアを抽出してみました。
基準スコア | 企業名 | |||
---|---|---|---|---|
TOEIC800点以上 | ・楽天(入社までに800点取得) ・コナミデジタルエンタテイメント ・大阪ガス(国際) | |||
TOEIC750点以上 | ・三菱自動車工業 ・アマゾン ・GSK(グラクソスミスクライン) ・JTB | |||
TOEIC730点以上 | ・武田薬品工業 ・ユニリーバ ・日産自動車 | |||
TOEIC700点以上 | ・ファーストリテイリング(ユニクロ) ・三菱電機 ・マツダ | |||
TOEIC600点以上 | ・日本IBM ・オリックス ・日本オラクル ・本田技術研究所 |
ひと昔前であれば、一生安泰と言われていたような有名企業ばかりですね。
さて、英語力と年収には強い相関関係があります。これは非常に単純な話で、英語力がある人材を求めているのは、給与水準が高い大手企業が多いからです。
ビジネスレベルの英語力がある人材は、目に見えて高給取りです。このような年収水準の格差は、様々な調査(例:語学力と年収に関する調査2014年版)で明らかになっています。
TOEICのスコアを伸ばす→大手企業に入社する→平均よりも高い給与、という単純な図式が成り立ちますね。
大手企業以外ならTOEICは不要
逆に言えば、誰もが知る大手企業以外であれば、TOEICはそこまで重視されません。少なくとも、中小企業がTOEICを重視しているというデータは見受けられません。
もしあなたに大手志向がないのであれば、一生懸命TOEICのスコアを伸ばすというのはコスパが悪いというのを認識しておきましょう。
TOEICの点数が就職活動に与える影響/早見表【スコア別】
具体的に、どの程度のスコアがあれば、就職活動にどの程度影響を与えるのか?そのイメージを見ていきたいと思います。
600点未満(書かない方が良いスコア)
まず、600点未満の場合です。これは、エントリーシートや履歴書に書かない方が良いレベルのスコアです。面接官としては、なぜわざわざ500点台で書いてきたのか悩んでしまうでしょう。
極端に英語が苦手というわけではないけれど、得意なわけでは決してない。そのようなスコアをあえて記載する必要はありません。
600点台
600点台のスコアであれば、エントリーシートや履歴書に記載する価値があります。
一般に新入社員に期待されるスコアを超えていますし、何より「これから鍛えれば問題ない」というポテンシャルを感じさせるスコアでもあります。
大企業の中で勤務するオジサンたちの中には500点台のスコアの人もたくさんいますから、勉強ができない学生だと思われることはまずありません。大手企業に入社するための基礎能力としては十分です。
ただ、英語力だけをアピールして就活戦線を突破しようとするには物足りないスコアなので、冒頭で述べたように、他の資格(簿記やMOSなど)と組み合わせて、総合的な基礎力の高さをアピールしていくことが無難な戦略となります。
700点台
このあたりから、ようやく他の学生と差別化できるレベルのスコアになってきます。ただし、東大京大・早慶レベルの学生なら800点台がザラにいるので、そのような学生たちとは勝負になりません。
イメージ的にはMARCHクラスの学生ならそこそこ評価の対象になるといったレベルです。
このぐらいのスコアがあると、企業としては「入社後の社内研修と実務」でビジネスレベルの英語力を身につけさせることができるので、ストレスなく選考通過のゴーサインを出すことができます。
総合商社や外資金融・コンサルでなければ、700点台のTOEICスコアは大手企業入社のパスポートとしてそこそこ機能するでしょう。
800点~900点台
800点以上から、ハイスコア認定されます。英語が得意であるという評価を勝ち取れるということです。
実際問題、800点台と900点台では大きな差がありますが、採用上はそこまで区別されません。英語が堪能な求職者だという認識を持ってもらえるでしょう。
700点台ではあまり相手にされなかった総合商社・外資金融・コンサルなどでも十分に通用するスコアです。
一般の大手企業であれば、英語力が足かせになって採用に至らないということはほとんどありえません。コミュニケーション能力なり、リーダーシップなり、一般に重要とされている特性をそこそこ備えていれば、就活で困ることはないと思います。
ちなみに、新卒採用市場に限らず、転職市場においても高く評価されるスコアです。私自身、色々なグローバル企業からスカウトがかかっています。
TOEICと〇〇どちらを優先すべきか?
TOEICと英検どちらを優先すべきか?
TOEIC優先でOKです。
中高生では英検の方がメジャーだと思いますが、ビジネスの現場では断然TOEICです。迷うことなくTOEICのスコアを上げるためのトレーニングに励んで下さい。
英検1級ならともかく、その他の級を採用条件にしている企業はほとんどありません。
TOEICとTOEFLどちらを優先すべきか?
こちらについてもTOEIC優先でOKです。日系企業で、TOEFLのスコアを採用基準にしているところはほとんどありません。TOEICを基準としている企業ばかりです。
ただし、例外があります。外資系企業です。
外資系の企業の中には、TOEICよりもTOEFLを重視する企業があります。
TOEFLは、英語圏の大学などへの留学に必要な英語力を判定する試験で、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4つの能力を総合的に測定します。
「読む」「聞く」だけが測定されるTOEICと比べ、実践的な英語力が測れているとみなされ、TOEICよりも信頼性が高いと考えられているのです。
また、TOEFLは英語圏の大学への留学に必須であることから、国際的な知名度でTOEICに勝ります。そのため外資系企業や海外企業に直接応募する場合は、TOEFLのほうが響く可能性が高いと言われています。
TOEICと「自己分析/ES作成/面接対策」どちらを優先すべきか?
自己分析のやりこみ/ESの作りこみが最優先です。
TOEICは、アピールの一材料にすぎません。使い方次第では有力なアピール武器になりますが、何の戦略もなしにスコアを記入するだけで就活が有利になる魔法の数字ではないのです。
- 徹底的な自己分析
- 一貫した志望動機(グローバル企業で働きたい、英語を使って仕事がしたい、海外駐在したいetc…)
- 作りこまれたエントリーシート
これらのなかで、いかにして、いかなるタイミングでTOEICをアピールするのか?そこがポイントです。
自分をアピールする・志望動機を伝えるための全体的なストーリーが見えないなかで、やみくもにTOEICの対策をするのはおすすめできません。
逆に言えば、ここに「TOEIC〇〇点」というピースをはめるとばっちり自己アピールできそうだぞ…という人は、自信を持ってTOIECに取り組んで下さい。
私はグローバル企業のなかで、海外事業企画に携わりたいと思っています。
御社の中途採用HPを見たところ、海外子会社管理の部員を募集しているのを見かけました。TOEIC730点から募集可能だということだったので、現場ではそれぐらいの英語力が求められているんだと思い、在学中にTOIEC750点を取得しました。
こういうストーリーがあると、キレイですよね。いくらでもアピールするパターンはありますので、もし自己分析や志望動機の書き方に悩んでいる学生さんがいたら、コメント欄や問い合わせフォームからご相談下さいね~
まとめ:TOEICはコスパが良い!やらない理由はない!
- 7割以上の企業が、採用時にTOEICのスコアを気にしている!
- 英語の重要性は年々増しており、内定者の語学力は高まっている傾向がある!
- 5割弱の企業が、TOEICを昇進・昇格の要件にしているか、これから要件にしようとしている!
- 英語力と年収には非常に強い相関がある!英語力を高めることは、実に簡単な年収アップ方法!
- TOEIC600点以上あれば、十分大手企業に入社するチャンスがある!
もう、TOEICをやらない理由はないよね!ということです。やって損することがないんですから、当然です。こんなにコスパの良い試験もなかなかありませから、絶対にチャレンジしましょう。
学生時代のうちに3ヶ月ぐらい集中して600~700点とれてしまえば、おおげさではなく人生を変えうるインパクトがあります。
万が一「入社したけどこんなはずじゃなかった!」となって転職せざるをえなくなったときにも、立派な武器になります。TOEICは、大手企業を渡り歩くための頼もしいパスポートです。
あなたの履歴書にTOEICのスコアを添えて、満足のいく就活をしてください!
オマケ:まだ間に合う!就活で必要なTOEICスコアを短期間でゲットする方法
TOEICを受験するには2つの目的があると思います。
- (実際に使える)英語力を高める
- (就職のために)スコアをゲットする
実際に使える英語力は、ビジネスの現場で身につければいい!!という割り切りのもと、とにかくスコアだけを最短・最速で伸ばしたい!!という方向けのノウハウ記事を書きました。
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