こんな質問にお答えします。
社会人の目線から、学生の時に知っておきたかった!!という情報を交えて、オススメ業界・ホワイト企業を紹介していきたいと思います(※あくまで主観・私見であることはご承知おき下さい)。
目次
大前提:ヤバい業界は避けよ!
おすすめ業界・ホワイト企業の話題に入るまえに、大前提です。
ホワイト企業に入社したいのなら、ヤバい業界に入ってはいけません。
超当たり前の事実として
- ヤバい業界にホワイト企業はほとんどない
- ヤバい業界にはブラック企業が多い
です。とりあえず、この業界を避けるだけでもブラック企業にぶち当たるリスクを減らすことができます。
本当に、単純な話です。
優れたビジネスモデル・収益性を備えた業界であれば、必然、従業員の待遇は良くなる傾向にあります。
一方で、利益を生み出せないカツカツの事業環境の業界では、従業員の待遇を良くできるはずもありません。業界(会社)自体の存続が危ぶまれる状況なのですから、当たり前の話です。
- どうしてもこの職種に就きたい!
- どうしてもこの業界で働きたい!
そういう気持ちがないのなら、軽いノリで次の業界に入ることはおすすめしません。
- 運送業界
- 飲食業界(外食産業)
- 小売業界
- 百貨店・アパレル業界
- 学習塾業界
- 旅行業界
- 介護業界etc…
共通する特徴(キーワード)は、キツい納期、需要の先細り(そこから発生する1人あたりの過大なノルマ)、低い利益率、高コスト、接客、慢性的な人手不足などです。構造的不況業種と呼ばれるような業界もあります。
ホワイト企業の少ない業界をさらっと見たところで、
- そもそもホワイト企業って何だっけ?
- ブラック企業の定義は?
と言った基本的なところを確認していきましょう。
これからかなり紙面を割いてご説明しますが、いきなりオススメ業界を紹介しても
となってしまうので、ホワイト企業・ブラック企業(つまりホワイトな業界・ブラックな業界)のイメージをちゃんと掴んでから見て欲しいということですね。
※ホワイト企業・ブラック企業の特徴なんてよく分かっている!!早くおすすめ業界を紹介してくれ!!という方は「就活学生におすすめの業界を紹介!【8選】」からお読みください。
ホワイト企業とは
ホワイト企業は、ガチっとした定義があるわけではありません。あえて簡単に表現してみると「従業員が働きやすい会社・報われる会社」ということになります。
- 働きやすいかどうか?
- (労働が)報われていると感じるかどうか?
これは、人によって感じ方が違いますよね。つまり、ホワイト企業かどうかは主観的に決まるということです。
同じ仕事をしていて年収800万円・年間休日数130日あるAさんとBさんが、同じように自分の会社を「ホワイト企業だ」と感じるかどうかは分かりません。やはり、最後は主観的に決まるのです。
ホワイト企業の特徴
年収が高水準で、安定している
いくら給与が高くても、外資のように昇格や降格が頻繁にあり、毎年数百万円も年収が変わるようではダメだということですね。
平均年収ランキングはこちらのサイトをご参照下さい。ホワイト企業は、これらの水準よりも高い給与がもらえる会社であることが多いです。
離職率が低い(男女問わず、勤続年数が長い)
ちなみに、単純な平均勤続年数の長さだけではなく、男女別の平均勤続年数をチェックすることが大切です。ホワイト企業ほど、男女の勤続年数に差がありません。
福利厚生が充実している
福利厚生とは、雇用主が従業員やその家族の健康と生活の充実のために支給する給与以外の報酬です。ただでさえ収入水準が高いホワイト企業なのに、給与以外の報酬もたっぷりとは、まさに至れり尽くせりですね。
法律に準拠した労働時間・残業代100%支給
ホワイト企業は、総じて労働時間が短いです。ビジネスモデルが優れているので、労働時間が少なくても十分な利益を確保できるからです。もちろん、残業代は100%支給です。サービス残業という言葉はホワイト企業には存在しません。
休日・休暇がしっかり取得できる(有給消化率が高い)
ホワイト企業では、週休2日はもちろんのこと、祝日もしっかり休むことができます(休日出勤なんてありません)。産前産後休暇、育児休暇、有給休暇、介護休暇など法律で定められている休暇はもちろんのこと、会社独自のリフレッシュ休暇や慶弔休暇もあります。
ブラック企業と比較すると、年間休日が20日~30日多かったりします…それでいてホワイト企業の方が年収が高いのですから、すごい差ですね。
研修・教育制度が整っており、スキルが身につく
社内の研修・教育制度が充実しているだけではなく、社外セミナーなどにも積極的に参加させてくれます。幹部候補であれば、大学院に通わせてMBA(経営学修士)を取得させてくれるところもあります。
単純労働は機械やパートタイマーに任せる仕組みができていますから、フルタイムの従業員はどんどん付加価値の高い仕事にチャレンジできます。その経験によって、従業員の転職市場での価値もどんどん上がるというわけです。
ホワイト企業の見つけ方
こんなに素晴らしい特徴を備えているホワイト企業ですが、一体どうやって探せばよいのでしょうか?
- 年収が高水準で、安定している
- 離職率が低い(男女問わず、勤続年数が長い)
- 福利厚生が充実している
- 法律に準拠した労働時間・残業代100%支給
- 休日・休暇がしっかり取得できる(有給消化率が高い)
- 研修・教育制度が整っておりスキルが身につく
- 四季報などの就職情報誌から探す
- OB・OGの情報をもとにから見つける
- 大学の就職センターを利用して見つける
- 就活サービスを利用して見つける
- ネットの情報・口コミを参考にして見つける
ただし、結局どれも決定打にはなりません。なぜなら、最初に説明したようにホワイト企業かどうかは「主観的な」問題だからです。
一般にホワイト企業と呼ばれるような会社でも、部署や職種によってはホワイトとは言えない可能性もあります。
上記の調査方法で候補を見つけて、実際に選考を受けてみて自分がピンとくるところを探すしかないというわけです。もし入社後に自分にとってホワイト企業ではなかったということが分かれば、転職すればいいだけのことです
最近はもはや転職は当たり前になっているので、自分に合う企業・職種探しのハードルはグっと下がっています。新卒採用一回で当てようと思わず、20代で自分に合うところが見つかれば万々歳ぐらいの気持ちで良いでしょう。
ブラック企業とは
ブラック企業の特徴
ホワイト企業と同様、ブラック企業にも明確な定義はありません。しかし、一般的に次のような特徴があると言われています。
- 長時間労働・ハラスメントが常態化している
- 残業代や手当の未払いなどの違法労働が行われている
- 採用・離職が繰り返され社員が「使い捨て」状態になっている
ホワイト企業とまったく真逆の特徴を備えていると言ってよいですね。
- 年収が低水準
- 離職率が高い
- 福利厚生がまったくない
- 法律を無視した長労働時間・残業代は払わない
- 休日・休暇はほとんどない
- 研修・教育制度もなく、スキルも身につかない
絶対に働きたくない!と思えるひどい会社ですね。しかし、実際にこういう企業が存在していることも確かです。こういう企業に就職しないように気をつけましょう。
業界選びを間違えると、ブラック企業の集団への仲間入りまっしぐらですので、くれぐれもご注意を…
ブラック企業の見抜き方・チェックポイント
- 正社員などに見せかけて、契約社員として採用しようとしていないか?
- 「夢」「やる気」「自己実現」など、精神論的な表現が多くないか?
- 1年中採用を行っていないか?(常に新卒・中途の募集をかけていないか)
- 過去に法令違反をし、処罰を受けたことがないか?
- 離職率が平均値よりも異常に高くないか?(厚労省資料:新卒大学生の事業所規模別の3年後離職率推移)
- 真夜中までオフィスの電気がついていないか?
- 未経験者の給与が高すぎないか?(未経験でも月収50万円~、など)
もう一度、この図を思い出して下さい。
ヤバい業界を選んでしまうと、「お前もか!」と思うぐらい上記のチェックポイントに引っかかる企業が多くなります。一方で、イケてる業界を選べれば、ブラック企業に当たる確率はグっと下がります。
さて、いったん、ここまでのまとめです。
- ホワイト企業はめっちゃいい!!
- ブラック企業は最悪…
- ブラック企業が相対的に多い「ヤバい業界」は避けたほうが無難
- せめて「普通の業界」、できれば「イケてる業界」を目指したい!!
これからご紹介するのは、ホワイトな特徴を兼ね備えた業界たちです。年収水準が高く、業績・雇用が安定的で、ワークライフバランスのとりやすい環境ということです。
就活学生におすすめの業界を紹介!【8選】
会社四季報が作成している「業界地図」の業界分類(100以上)のなかから8業界を厳選してみました。
- 紹介する順番は、おすすめ順位ではありません。並列に扱ってください
- おすすめ業界だからといって、ブラック企業が存在しないというわけではありません
- おすすめ業界の会社でも、部署・職種によってはブラックなところも存在します
すべての条件を満たしているパーフェクトな業界はないということはご認識下さい。
それでは、ぜひ参考にどうぞ!
おすすめ業界:医薬品・医療機器
- 年収・福利厚生:★★★★☆ 高い
- 離職率 :★★★★☆ 平均未満
- 労働時間・休暇:★★★☆☆ 平均(営業はやや激務)
医薬品業界は典型的な高待遇の業界です。高い利益率のビジネスモデルを武器に、多額のキャッシュを稼ぎ企業内に溜め込んでいます。ヘルスケア産業は人の健康に深くかかわるため、やりがいを感じやすいということもメリットです。
業界の上位企業は、武田薬品、第一三共、アステラス、エーザイ、大塚HD、中外製薬です。
なお、後発薬の使用促進や薬価引き下げ・特許切れなどの問題で、今後の見通しを楽観視できないということは理解しておく必要があります。
医療機器業界は、高齢化や新興国の医療水準向上を追い風に成長を続けています。医薬品業界よりも若干待遇は落ちますが、それでも他業界よりははるかに良い待遇です。
業界の上位企業は、オリンパス、テルモ、富士フイルムHD、日立製作所、ニプロ、シスメックス、東芝メディカルシステムズです。
おすすめ業界:飲料・酒類
- 年収・福利厚生:★★★★☆ 高い
- 離職率 :★★★★☆ 平均未満
- 労働時間・休暇:★★★☆☆ 平均
景気に左右されにくい超安定業種、それが飲料・酒類業界です。酒類(特に国内ビール業界)は内需の先細りで厳しい状況にありますが、それでも超優良企業が多い業界であることには変わりありません。
業界の上位企業は、サントリーホールディングス、アサヒグループホールディングス、キリンホールディングス、伊藤園、明治ホールディングス、コカ・コーラグループです。
おすすめ業界:自動車
- 年収・福利厚生:★★★★☆ 高い
- 離職率 :★★★★☆ 平均未満
- 労働時間・休暇:★★★☆☆ 平均
景気に敏感な業種ですが、日本の基幹産業として存在感を保ち続けているのが自動車・自動車部品業界です。自動運転や電動化など、話題性にも事欠きません。
業界の上位企業は、トヨタ自動車、ホンダ、スズキ、ダイハツ工業、日産自動車です。
なお、燃費不正問題や無資格検査問題などが相次ぎ、業界自体のコンプライアンス姿勢が問われているところではあります。
おすすめ業界:化学
- 年収・福利厚生:★★★☆☆ 平均以上
- 離職率 :★★★★☆ 平均未満
- 労働時間・休暇:★★★☆☆ 普通
化学業界は、一般消費者との接点が薄いため存在感が強い業界とは言いづらいですが、あらゆる工業・家庭用品に不可欠な産業です。大手各社は付加価値の高い機能素材・材料の強化に力を注いでおり、将来性には期待が持てると言えます。
上位企業は三菱ケミカルホールディングス、住友化学、三井化学、信越化学工業です。
おすすめ業界:ITサービス・ソフトウェア
- 年収・福利厚生:★★★☆☆ 平均以上
- 離職率 :★★★★☆ 平均未満
- 労働時間・休暇:★★★☆☆ 平均(プログラマ系はやや激務)
国内ITサービスの市場規模は、増加基調が続いています。2004年には4.5兆円規模でしたが、2020年には6兆円に迫る規模になると予想されています。
クラウドやAIなど話題に事欠かず、テーマの移り変わりは激しいものがあります。将来性のある業界と言えるでしょう。ただし、人材不足を背景に一部労働環境がブラック化しているところもあるようです。
業界の上位企業は、富士通、NEC、日立製作所、NTTデータ、日本IBMです。
ソフトウェア業界は、働い方改革やセキュリティ対策・IoTいったホットなテーマを中心に、追い風が吹いています。利益率の高い企業が非常に多いのが特徴です。
業界の上位企業(上記ITサービス企業除く)は、マイクロソフト、富士通、日本オラクル、SAP、オービックです。
おすすめ業界:情報通信
- 年収・福利厚生:★★★★☆ 高い
- 離職率 :★★★★★ 低い
- 労働時間・休暇:★★★☆☆ 平均
携帯電話事業やインターネット回線事業を扱う情報通信業界は、まさに現代の花形業界と言えるかも知れません。業績が安定的で、年収が高く離職率が低い典型的な人気業種です。
規制産業であるため新規参入のハードルが高く、高い利益率のビジネスモデルを保ち続けています。少子高齢化・人口減少に伴う内需の先細りは今後の課題となりますが、短期的にはその地位が揺らぐことはなさそうです。
業界の上位企業は、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクグループ、NTT西日本、NTT東日本です。
おすすめ業界:電力・ガス
- 年収・福利厚生:★★★☆☆ 平均以上
- 離職率 :★★★★★ 低い
- 労働時間・休暇:★★★☆☆ 平均
おすすめするのをちょっと迷ったのがこの業界です。電力・ガス業界は、典型的な「まったり高給」業界と言われています。離職率圧倒的な低さ(全業界最低水準!)を保ち続けており、業界別年収水準では常に中の上のポジションにいます。
しかし、電力・ガス業界は小売販売が完全自由化され、本格的な競争時代に突入しました。温暖化や人口減少への対応にも迫られ、10年先・20年先を見据えると、現在の勢力図は大きく塗り替えられる可能性があります。
業界の上位企業は、東京電力HD、関西電力、中部電力、東北電力、東京ガス、大阪ガスです。
おすすめ業界:商社(特に総合商社)
- 年収・福利厚生:★★★★★ 高い
- 離職率 :★★★★☆ 平均未満
- 労働時間・休暇:★★☆☆☆ やや激務
超圧倒的高待遇、それが総合商社業界です。学生目線では「人気業界」、社会人目線でも「おすすめ業界」としてよく目にする業界です。
入社するハードルが圧倒的に高く、入社後は決して「まったり」とは言えない労働環境かもしれませんが、そういった要素を考慮しても、リターンの方が大きいと言えるでしょう。
業界の上位企業は、三菱商事、伊藤忠商事、三菱商事、住友商事、丸紅です。
ホワイトな業界・企業に就職するために役立つおすすめ就活サービス
業界には「業界ごとの事情」があります。冒頭で説明したように、いくらホワイトな業界と言えど、ブラックな企業は存在するのです。あそこはちょっとね…という企業はゼロではありません。
ある程度業界の目ぼしをつけたら、その中でどの企業を選ぶと良いのかは慎重に検討したいものです。しかし、情報量の少ない学生が、自分に合った優良企業を見つけるハードルは非常に高いです。
そこで、就活サービスを利用してプロに相談するという手があります。
就活において、最も価値のあるものは「情報」です。ちょっとした労力を惜しんで後悔するより、思い切ってどんどん行動に移しましょう!!
このサービスの詳細は、以下をご覧ください。
まとめ:ヤバい業界を避けつつ、バランスの良い選択を!!
上記おすすめ業界の選定基準は
- 待遇(年収・福利厚生)
- 労働環境(離職率、有給取得率、残業時間)
- 業界の利益の水準/安定度
です。まったくやりたいことが分からない!という人は、上記を基準にして就職活動しておくのが無難といえます。なぜなら、日本企業の給与水準は欧米企業と違って「どのような仕事をしたか」で決まるわけではないからです。
- 給与は、会社の水準で決まります(基本的に年功序列)
- 会社の給与水準は、業界水準で決まります
あなたがどれだけ優秀なビジネスマンでも、会社・業界の水準を超えた給料を貰うのは難しいのです。それが日本企業の給与の仕組みです。
それならば、少しでも給与水準の高い業界に身を置いた方が「(自分の人生を)買い叩かれずに済む」というわけです。
ただ、やっぱり「やりたい仕事」についてこその就職活動です。待遇や労働環境といった要素だけではなく、
- (自分にとっての)やりがい
- (自分の)夢
- (自分の)やりたいこと
を考慮したうえで、最終的にはバランスの良い選択をするのが最善だということは申し添えておきます。
それではまたっ!
※関連記事です
Follow @kobito_kabu