こびと株.com(@kobito_kabu)がお送りする、毎月更新の定例記事です。
※データが多すぎて記事が重いです。すみませんm(_ _”m)
抽出時期 :各月末
対象市場 :東証一部、東証二部、東証JASDAQ
配当利回り:税引き前3.75%以上(税引き後3%)※復興特別所得税は無視
目次
サマリー
2019年10月31日時点
全体指標
- 日経平均:22,927.04円(前月比+1,171.20円)
- 日経高配当株50配当利回り:4.45%(前月比-0.12%)
- 円/ドル:1$=108.02円
配当利回りが3.75%(税引き後3%)以上の企業数
全部で321社。先月より104社減少しました。
- 一部上場 :233社(前月比-77社)
- 二部上場 : 38社(前月比-11社)
- JASDAQ上場 : 50社(前月比-16社)
全体感
10月の全体感としては、以下の感じです。
- 日経平均株価は、年初来高値
- S&P500は、最高値更新
- 個社の決算はあまり良くない
順番に見ていきましょう。
日経平均株価は、10月29日まで7日連続で年初来高値を更新。1年ぶりに23,000円の大台に乗るタイミングもありました。
8月の時点で私たちが『日本株は割安だ』と言っていた時の日経平均は20,700円ほどでした。そこからおよそ10%の上昇です。
現在は、だいぶ割安感がなくなってしまいましたね。
一方、米国株式市場のS&P500も最高値を更新。10月30日には3046.77ポイントをつけました。ここ数ヵ月行ったり来たりでしたが、少し抜けた感じですね。
株高の背景にあるのは、米中貿易協議の進展です。
胸ぐら掴んで殴りあおうとしていた
- アメリカ
- 中国
この二人が、歩み寄りの姿勢を見せていることがことが好感されているわけです。
- トランプ大統領がなんか喋る→貿易摩擦悪化だ!→株価暴落
- トランプ大統領がなんか喋る→貿易交渉進展だ!→株価上昇
※ひたすらこれを繰り返している気がしますが、いつまで続くんでしょうかね…
実際、米中貿易摩擦は実体経済にも影響を与えています。
日本を代表する輸出企業達の最新業績は次の通り。
- キヤノン:前期比▲49.9%減
- ファナック:前期比▲50.2%減
- コマツ:前期比▲29.1%減
各社、大幅な業績悪化です。「米中貿易摩擦の影響により、中国市場での需要が落ち込んだ」と主張していますね。
面白いのは、これほど決算でズっこけたにもかかわらず、株価がそんなに下がっていないことです。前述の通り、日経平均株価は年初来高値を更新するレベルで好調です。
高配当株投資での勝率を上げるためには、
- 業績が良い企業を
- 相場全体が下がっている時に買う
ということが重要です。
今は、この真逆の状況です。
- 業績が悪い企業を
- 相場全体が上がっている時に買う
ということになりますから、イマイチですね。
ちなみに、2017年以降の「日経平均株価と高配当株数の推移」はこんな感じです。
1年~2年前に日経平均が23,000円ぐらいだった時は、高配当株は100銘柄ぐらいしかありませんでした。
今は、同じような株価水準なのに300銘柄ぐらいになっていますね。
これは
- 増配により配当金が増えたこと
- 高配当株の人気がないこと
が要因です。
ブルームバーグは「企業の配当は記録的水準にあり、投資妙味が高まっている」と言っています。
日本企業の配当支払いはかつてないほどの規模に膨らんでおり、それがより多くの投資家を呼び込むことにつながる可能性があると野村証券はみている。
野村のデータによれば、東証1部上場企業の配当総額は8月時点で推定14兆5000億円に達した。
第2次安倍晋三内閣が発足した2012年12月当時から2倍余りに増えたことになる。
以上が全体感になります。
まとめますと(ここだけおさえておけばOKです)
- 日経平均は年初来高値を更新
- S&Pは最高値を更新
- 日本企業の決算はイマイチ
- 相場全体↑業績↓なので、あまり買いたくない雰囲気
- とはいえ、高配当株の数はまだ多く、何も買えないという感じではない
という感じですね。
配当利回りランキング(東証一部上場)
- ※エクセルオンラインのデータが表示されます
- 証券コードをクリックすると、Yahooファイナンスのページに飛びます
※1 「-」は、前月ランク外であった銘柄
※2 2017年1月以降で、月末の配当利回りが3.75%を超えていた月の数
上記のリストから私たちが「投資しても良さそうだと感じているもの」をピックアップしてみます。
下記の通り。
- JT 6.27%
- インターワークス 5.80%
- 住友商事 5.10%
- 丸紅 4.57%
- オリックス 4.45%
- 三井住友フィナンシャルグループ 4.64%
- 三菱商事 4.52%
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ 4.39%
- 三井物産 4.28%
- 蔵王産業 4.13%
- NTTドコモ 4.03%
- アマダホールディングス 3.84%
- アビスト 3.83%
以下は、もっと値下がりして「配当利回りが上昇すれば買っても良いかな」というものです。
以下、利回り不足だが優良銘柄。
- 三菱UFJリース 3.74%
- 伊藤忠商事 3.74%
- 兼松エレクトロニクス 3.69%
- KDDI 3.67%
- 第一生命 3.57%
- 日本エス・エイチ・エル 3.55%
- ブリヂストン 3.54%
- NTT(日本電信電話) 3.53%
- CDS 3.39%
- クニミネ工業 3.02%
- 旭化成 2.97%
- 芙蓉総合リース 2.78%
- 東京センチュリー 2.56%
毎月このランキングを読んで頂いている読者の方はピンとくるかもしれませんが、どの銘柄もかなり配当利回りが低下しています。
明らかに、先月よりもお買い得感が減少している感じです。
今月のお宝銘柄
今月のお宝銘柄はありません。
ちなみに、先々月、お宝銘柄として紹介した[3407]旭化成は絶好調です。
購入時 | 現在 | 増減率 | ||
---|---|---|---|---|
株価 | 940円 | 1,206円 | +28.3% | |
配当利回り | 3.82% | 2.97% | -22.3% | |
旭化成は、安定増配株でもあります。業績も堅調ですし、こういった銘柄でこれだけの含み益を確保できていると安心感がありますね。
高配当株は、買いタイミングが重要だという好例ですね。
高配当株の買い進め方
今月は「高配当株の買い進め方」について、よく質問を受けるので回答しておこうと思います。
私の回答はこれです。
- 高配当株投資:タイミング投資であり、毎月の定額積立には向かない
- インデックス投資:毎月の定額積立でOK
高配当株には「成長性が低い」という特徴があります。成長性の低いものを高値でつかんだら、待っているのは含み損地獄です。
いかにして割安な値段で仕入れるか、それが高配当株のキモというわけです。
だから、毎月定額で積み立てるというような買い方はハッキリ言って不向きです。
※それなりに分散された米国の優良高配当ETF(HDVやSPYDなど)でも、ある程度タイミングを見て投資した方が良いと思っています。
理由は、上記と同じ。低成長の銘柄を高値でつかむと挽回が難しくなるからです。
良いタイミングで高配当株を仕入れるために必要なことは、次の3つ。
- 相場の全体感を常にウォッチする
- 個別企業の業績を常にウォッチする
- 必要な時にすぐ買えるようにキャッシュを待機させておく
チャンスは、相場↓業績↑の時です。この1~2ヵ月はそれと真逆の動きをしているので、少し慎重に動いた方が良いかもしれません。
上記で紹介した銘柄は、現段階では、まだ購入検討の余地がある銘柄たちだと思います。
もしもう一段株価が上昇したら、私はもう絶対に買いません。
配当利回りランキング(東証二部上場)
- ※エクセルオンラインのデータが表示されます
- 証券コードをクリックすると、Yahooファイナンスのページに飛びます
※1 「-」は、前月ランク外であった銘柄
※2 2017年1月以降で、月末の配当利回りが3.75%を超えていた月の数
上記ランキングのなかだと、買っても良さそうなのは[3597]自重堂ぐらいです。
ランキング外ですが、[2393]日本ケアサプライも狙っています。現在の配当利回りが3.31%と若干低めなので、4.0%手前ぐらいまで待とうかなと思っています。
配当利回りランキング(東証JASDAQ上場)
- ※エクセルオンラインのデータが表示されます
- 証券コードをクリックすると、Yahooファイナンスのページに飛びます
※1 「-」は、前月ランク外であった銘柄
※2 2017年1月以降で、月末の配当利回りが3.75%を超えていた月の数
ランキングに新登場した銘柄はありません。
投資しても良いかな~と思えるのは、いつもの銘柄だけですね。
- オーデリック 4.54% ★無借金
- センチュリー21・ジャパン 4.13% ★無借金
以下、利回り不足だが優良銘柄。
- 沖縄セルラー 3.70%
- 日本エス・エイチ・エル 3.58% ★無借金
いずれの企業も、高収益・好財務の優良企業です。
優しく抱きしめてあげたい可愛い銘柄達なので、興味のある方はぜひ財務諸表を見てあげてください。
まとめ:もしこびと株メンバーが今月から高配当株投資を始めるとしたら?
ランキングの解説は以上です。
最後に、2019年7月からシリーズ化を開始した「もしこびと株メンバーが今月から高配当株ポートフォリオを作るとしたら」というモデルを出して終わりにします。
※「私たちならこうする」という事例であって、下記銘柄への投資を推奨するものではありません。株式投資には元本割れのリスクがありますので、くれぐれも自己責任でお願い致します。
30万円で今月スタートならこんな感じにします。
全28銘柄で、ポートフォリオの配当利回りは3.92%です。
過去の高配当株ポートフォリオ(モデル)の配当利回りは、
- 8月:4.39%
- 9月:4.10%
でした。じわじわ配当利回りが低下していますね。
※ポートフォリオ全体の配当利回りが3.75%(つまり税引後3.0%)を切る水準になったら、私ならばいったん投資をストップして様子見に入ります。
セクター割合はこんな感じです。
このポートフォリオでスタートして、
- 毎月少しずつ割安な銘柄を買い増したり、
- 割安になった新規銘柄を入れたりして
- 各セクター、各銘柄への投資割合を下げつつ分散を徹底させる
という方向でやっていきます。少なくとも50銘柄ぐらいまでは増やします。
※ETF(ファンド)を使えばもっとお手軽に投資することができますが、日本株の高配当ETFは微妙なのしかありません。
ちなみに、上記のような買い方をするには、低コストで単元未満株投資ができるSBIネオモバイル証券がおすすめです。
100株ずつ購入したら、500万円以上かかります。
SBIネオモバイル証券には、大手ネット証券(楽天証券やSBI証券)にはない圧倒的なメリットがあります。
- 1株から購入できる(NTTドコモやKDDIなどの注目している企業を3,000円前後から買える)
- 月額50万円までの投資なら、サービス利用料が固定で220円(税込)かかるが、毎月ネオモバ限定Tポイントが200pt貰える
- Tポイントを使って株が買える
※大手ネット証券を使って少額分散投資をすると、手数料負けします。
※SBIネオモバイル証券を使った高配当株投資の始め方はこちらの記事をどうぞ。
日本株の優良高配当株に数百円から分散投資したいなら、SBIネオモバイル証券は良い選択肢になります。
8月のような「買い場」が来た時に、口座やキャッシュが準備できていなくて買いそびれるというのはもったいないので、高配当株投資に興味がある方はちゃんと準備しておきましょう。
2022年9月26日、
株式会社SBIネオモバイル証券は、株式会社SBI証券と経営統合することが発表されました。
これに伴い、SBIネオモバイル証券の新規口座開設は2022年10月7日をもって受付が停止されています。
- 最大手・国内株式個人取引シェアNo.1
- 口座開設・口座維持手数料無料
- 1株から購入可能(単元未満株の売買手数料無料)
一方で、米国株であればHDVやSPYDといった優れたETFがあるので、これらを活用すれば個別株への投資は不要ですね。
- 日米の高配当株を中心に、よく分散された高配当株ポートフォリオを作る
- ①追加投資、②配当金再投資、③増配でひたすら配当金を増やし続ける
こうすることで、誰でも月10万円ぐらいの配当金は作れるんじゃないかなと思っています。
10万円あれば、人によっては「家賃+食費」ぐらい余裕で払えてしまいますね。老後は年金+配当金で鉄壁ですし。
ガッツリ配当金を増やして、のんびり暮らしましょう~。
それではまたっ!
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