こんな人のための記事です。
当サイト「こびと株.com」の管理人(2名)は
- 最大月間87.2万PVのマネー系ブログ運用中(2016/10~)
- 証券アナリスト試験合格
- 資産運用額 数千万円(貯金や保険などを除く)
- 絶賛iDeCo活用中(たっぷり含み益)
というわけで、この記事では、iDeCoについてQ&A形式で分かりやすく解説していきます!
目次
Q1:iDeCoって結局ナニ?
Ansewer:自分のために「年金」を積み立てる制度
iDeCo(イデコ)というのは「個人型確定拠出年金」のことです。
自分で作る、オリジナル年金だと思ってもらえればOK。
↓の英単語の一部から作られた「造語」ですね。
- individual-type … 個人型
- Defined … 確定
- Contribution … 拠出
- pension plan … 年金
iDeCoの概要は、この通り。
- 自分で掛金を拠出する(事前に決めた確定額を積み立てていくので、”確定拠出”と呼ぶ)
- 自分で運用する
- 年金受取額は、運用成績によって変わる
(出典:iDeCo公式サイト)
詳細解説:iDeCoに注目が集まっている背景
こんな疑問を持つ人もいるでしょう。
この疑問に答えるには、日本の年金制度の現状について理解しておく必要があります。
そもそも、日本の年金制度は「3階建て」になっています。
(出典:楽天生命)
- 1階部分…国民年金(全員が加入)
- 2階部分…厚生年金(会社員や公務員が加入)
- 3階部分…公的年金(1階&2階)のプラスアルファ部分
今回の記事のテーマである「iDeCo」は、3階部分にあたる制度ですね。
めちゃくちゃ手厚い福利厚生がある大企業のサラリーマンならともかく、一般的な
- フリーランス
- サラリーマン
- 公務員
彼らには「老後は安泰」と言えるほどの年金はありません。
- 国民年金の平均受給額は、55,000円
- 厚生年金の平均受給額は、147,000円(※1階部分である国民年金を含む金額)
これだけ=公的年金だけでは老後の生活は厳しいよねということで
ということになりました。これが、2017年1月のことです。わりと最近ですね。
人口減少・少子高齢化の進行を考えると、自分の年金は、(iDeCoなどを活用して)自分で準備しなければならない時代になったということ。
幸い、iDeCoはメリット盛りだくさんの優れた制度です。
- iDeCoを正しく理解して
- iDeCoを正しく活用すれば
非常に有効な「老後対策」になり得ます。
ちなみに、こびと株メンバーは、iDeCoを活用して老後の年金を月額5万円上乗せしようと目論んでいます。
公的年金+iDeCo+配当金で、老後は安泰。笑顔で100歳まで戦えますね。
Q2:iDeCoを使うと、本当に老後対策になるの?お得な制度なの?
Ansewer:なります。お得です。
iDeCoは、国民が老後に備えるために作られた制度です。
iDeCo公式サイトにも、ドンピシャで
税制上のメリットを受けながら、より豊かな老後生活を送るための資産形成方法として、もうひとつの年金「iDeCo」への加入を検討してみてはいかがでしょうか。
と書かれています。
iDeCoの最大の特徴は、「節税メリット」です。
(出典:SBI証券のiDeCo 公式ホームページ)
詳細解説:2,000万円ぐらいなら貯まるかも?iDeCoのメリット
例えばの話、
- 会社に企業年金のない会社員が
- 月2.3万円を
- 30歳~60歳の30年間拠出し続け
- 年5%で運用したら
60歳時点での資産額は1,914万円(内訳:投資元本828万円+運用益1,086万円)になります。
2,000万円に近いところまで資産を増やすことができますね。
(金融庁HP「資産運用シミュレーション」を利用して算定)
前述の通り、iDeCoには下記節税メリットがあります。
- 掛金が全額所得控除
- 運用益も非課税
- 受け取る時も税負担を軽減可能
上記シミュレーションの投資元本部分=828万円は、掛金の拠出時に「所得控除」になります。
掛金額×税率だけ所得税・住民税が安くなるということ。
たとえば
- 所得税率10%
- 住民税率10%
なら、828万円×20%=165.6万円もトータルで節税になります。
※年収が高い人ほど税率が高くなるので、節税効果は大きくなります。
また、上記シミュレーションの運用益部分=1,086万円にも、税金がかかりません。
通常、売却益や配当金・利息などの運用益には、約20%の税金がかかります。
もし、iDeCoを活用していなかった場合には、1,086万円×20%=217.2万円も税金がかかるということです。iDeCoならば、これがまるまる節税になります。
そして、イザ60歳以上になってiDeCoで運用した資産を受け取る時には
- 公的年金等控除
- 退職所得控除
といった、税負担を軽減する制度を利用可能(この点については、後でまた解説します)というワケ。
まさに、至れり尽くせりですね。使わにゃソンです。
ちなみに、メリットは他にもあります。
iDeCoの最大のメリットは「節税」ですが、その他にもこんなメリットがあります。
▼天引きや引き落としにより、堅実に積み立てられる
iDeCoの掛金は、給与天引き・口座引き落としで強制的に確保されます。貯蓄が苦手でついつい使いすぎてしまう人も、堅実に資産形成できます。
▼投資可能な商品が厳選されている
各証券会社、3~35本しか商品をラインナップできません。実力のあるまともなファンドが多いし、投資初心者としては商品選定に悩みにくいですね。
▼差し押さえ禁止財産である
将来、万が一経済的に困窮することがあっても、iDeCoで運用している財産は差し押さえられません。
▼転職時にも持ち運びが可能
iDeCoで積み立てた年金資産には、ポータビリティがあります。「持ち運びが可能」ということ。会社を辞めたら積み立てたお金がムダになってしまうとか、一気に課税されてしまうといった足かせにはなりません。
Q3:iDeCoにデメリットってないの?
そう感じたあなたは、非常~にまともです(笑)
次に、デメリットをご紹介します。
Ansewer:iDeCoには4つのデメリットがある
- 長期資金拘束される
- 元本割れリスクがある
- 手数料がかかる
- 本当に節税になるかは、人による
詳細解説:実は結構ハイリスク?iDeCoのデメリット
まず、1つめのデメリット「長期資金拘束」について。
一度拠出したお金は、原則60歳以降にならないと引き出せません。
iDeCoの年金資産を受け取れるのは、加入期間によって
- 10年以上:60歳
- 8~10年:61歳
- 6~8年:62歳
- 4~6年:63歳
- 2~4年:64歳
- 0~2年:65歳
と決められています。例外的に「中途解約」が認められる条件もあるのですが、その条件を満たせる人はほとんどいないと思うので「知らなくてもOK」なレベル。
iDeCoは、始めたらやめられないぐらいに思っていた方が良いです。かっぱえびせんと同じですね。
次に、2つめのデメリット「元本割れの可能性」について。
iDeCoでは
- 元本が保証されている定期預金などの商品のほかに
- 株や債券など、元本割れの可能性がある資産にも投資できます
株や債券などに投資した場合、経済状況によっては「元本割れする可能性」があります。
というか、5年も10年も投資していたら、ほぼ確実にどこかのタイミングで、一度は含み損を経験することになるでしょう。
究極、iDeCoなんてやらなければ良かった!というケースも発生しうるということです。
3つめのデメリット「手数料」について。
加入・口座開設などを行ったとき、掛金を納付したとき、年金を受け取るときなどに
- 国民年金基金連合会
- 運営管理機関
- 事務委託先
の3者に、それぞれ手数料を支払う必要があります。ざっくり数千円のイメージです。
国民年金基金連合会への手数料は、
- 加入・移管時(初回のみ)に2,829円
- 掛金納付のたびに105円
と決まっていますが、運営管理機関や事務委託先の手数料は、どこの金融機関で口座を開設するかによって変わってきます。
SBI証券のように、とにかく手数料が安い(かからない)ところを選びましょう。
(出典:SBI証券のiDeCo 公式ホームページ)
最後、4つめのデメリット「本当に節税になるかは、人による」について。
あれだけ「iDeCoは節税になる!最高!」と言っておいて申し訳ないのですが、iDeCoが本当に節税になるかどうかは人によります。
というのも、
- iDeCoは、掛金の拠出時に「所得控除」があるし
- 運用益が「非課税」だけど
運用した資産を受け取る時には、課税されてしまうからです。
確かに、iDeCoの受取りをする際は、下記の制度が使えます。
- 公的年金等控除
- 退職所得控除
とはいえ、これらはあくまで「税負担を軽減」する措置であり、必ずしも「税負担をゼロ」にするものではありません。
結局、iDeCoの節税効果をMAXで味わうためには、
- iDeCoの受取タイミング(何歳で受け取るか?)
- iDeCoの受け取り方法(年金で受け取る?一時金で受け取る?併用する?)
- iDeCo受け取り時の、その他の収入状況
こういった要素を上手にコントロールして、「iDeCo受け取り時の税金」をできる限り減らす努力をしなくてはいけません。
トータルで増税になってしまった!なんてケースはさすがに少ないと思いますが、「最大の節税効果を受けて賢く受け取る」には、実はかな~り複雑な計算をしないといけないんです。
※どんなこと計算しないといけないの?という興味があるひとは、こちらの記事を読んでみるとイメージが湧くと思います。
Q4:iDeCoに向いてる人、向いてない人ってどんな人?
Ansewer:貯蓄がある人・収入が多い人は向いてる、貯蓄がない人・収入が少ない人には向いていない
ここから考えると、iDeCoに向いているのは
- 老後資金以外のお金(イザという時のための貯金、結婚・教育資金など)を、ある程度準備できている
- 年収が高く、納めている税金が多い
- iDeCoに加入しても、その他に貯金もできる
という人。
簡単に言うと、ある程度家計に余裕がある人です。
反対に、
- イザという時のための貯金(最低でも生活費の6カ月分ぐらい)がない
- 結婚・教育資金などがまったく準備できていない(家を買いたい人は、住宅購入の頭金も)
- 収入が少ない
といった人には向かない制度です。
詳細解説:職業別iDeCoをおすすめできる人、できない人
いちばんおすすめしやすいのは、会社員・公務員の人です。
※もともと、フリーランスや自営業者向けの制度だったんですけどね(笑)
- 給与が安定しており、iDeCoの積み立てをブレなく続けられる※
- 最大のデメリットである長い資金拘束も、雇用が厚く保障されているサラリーマン・公務員には問題になりにくい(自営業者よりは、家計の緊急事態が起きにくい)
- iDeCoには「転職や退職をしても運用資産を持ち運べる」というポータビリティ制度があり、足かせにならない
※掛け金額の変更・拠出の停止は、いつでも可能です
iDeCoは、10年、20年といった長期投資を前提とした制度です。
自営業の人は、収入の変動が大きいので少し注意が必要です。とはいえ
- 生活防衛資金を厚めにとりわけた上で
- ムリのない金額で
始める分にはメリットが大きいので、十分な貯蓄がある場合にはおすすめです。
「収入がなくなったのに、iDeCoのお金が引き出せなくてヤバイ!」という事態にならないように注意して、
- 所得の大きい年→iDeCoを最大限活用する(節税しながら老後資金を貯められるので)
- 所得の小さい年→iDeCoの掛金は抑える(節税メリットも少ないし、資金の余裕も必要なので)
といった感じで、掛金の金額をコントロールしていくと良いでしょう。
必ずしもおすすめできないのは、専業主婦(夫)などの人です。
所得税・住民税を払っていない場合、掛金の所得控除は節税にならないからです。
Q5:そもそも、iDeCoって僕(私)も使えるの?
iDeCoの概要、メリット・デメリットいろいろお伝えしてきましたが、大事な質問に答えていませんでした。
このおトクな制度、そもそも自分も利用できるのか?ということですね。
Ansewer:使えます!
もともと、iDeCoは
- 保障の薄い自営業者・フリーランスや
- 企業型確定拠出年金制度がない(=福利厚生が弱い)会社員
のための制度でした。
※でも、あんまり人気がなくて、利用者は2016年12月末時点で30.6万人しかいなかった。無念。
しかし、2017年1月に法改正により利用可能な人の範囲が拡大。
国の必死の広告活動により、iDeCoがお得な制度であるということが認知されるようになり、利用者は2020年12月時点で175.6万人にまで増加。
改正前の5.7倍もの人が利用する人気制度になっています。
詳細解説:iDeCoに加入できる人と、掛金の限度額
職業別の、iDeCoの掛金限度額は次の通り。
(出典:イオン銀行「iDeCoの掛金・拠出限度額」)
会社員や公務員の場合も、月額12,000円~23,000円の掛金設定が可能です。
ただし、2020年現在、大企業に勤務している人は、勤務先の規約・スタンス次第ではiDeCoに加入できないケースがあります。
2022年からは、法改正により「ほぼ誰でも」利用できるようになる予定です。
Q6:iDeCoって、どうやって始めれば良い?
Ansewer:金融機関で口座開設して、購入する運用商品を選べば良い
iDeCoを始めるには、まず、金融機関でiDeCo専用の口座を開設する必要があります。
金融機関によって
- 購入できる運用商品(投資信託や定期預金、保険など)
- 加入時・運用期間中の手数料
などが違ってくるので、注意が必要です。
次に、購入する運用商品を選択します。
自分が口座開設した金融機関で用意されている、3~35(※)の運用商品の中から選べばOKです。
※「選択肢が多すぎると選べないよね!実際、選ばないで放置しちゃってる人いるよね!」という問題意識から、「運用商品数は3~35じゃないとダメ!」という法令ができました。今はまだ36本以上の金融機関もありますが、今後35本以下に絞られていきます。
詳細解説:おすすめの金融機関と運用商品
金融機関をあえて1つ選ぶとすれば、
- 国内株式個人取引シェアNo.1
- iDeCo加入者数もNo.1
- 2005年からの運営実績
- 口座開設手数料0円
- 運営管理手数料0円
- 低コストで優良な運用商品が選べる
ということで、現状、顧客獲得競争の「王座」に座っているのがSBI証券だからです。低コストっぷりも輝いています。
具体的なおすすめ運用商品は
- SBI・全世界株式インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
この2本です。
①は、これ1つで、世界中の株式に投資できるイメージの商品です。先進国から新興国まで約50の国の、約8000の銘柄が含まれる指数に、連動するように運用されています。
②は、米国の代表的な株価指数「S&P500」に連動するように運用されている商品です。
この資料を見て下さい。
(ジェレミー・シーゲル著「株式投資」より抜粋)
運用期間が20年以上の場合、Stocks(株式)のリターンが1.0%~12.6%の間に収まっていることが分かります。
こういったデータをもとに、過去数十年の米国株式市場のデータからは「15年~20年以上の長期投資なら損はしない」とも言われているワケですね。
※日本の株式市場でも「15~20年以上の長期投資なら元本割れのリスクが著しく低くなる」ことが分かっています
- よく分散された米国株or全世界株のインデックスファンドで
- 手数料が安く
- 純資産残高も十分
といった特徴を備えた運用商品(おすすめした商品など)への長期投資であれば、検討の余地はおおいにありますね。
- iDeCoでは、リスクをとって100%株式に投資(運用益が非課税なので、攻める方が節税効果が大きい)
- iDeCoの外で、円預金を増やしてリスクを減らす
こうやって、リスクをコントロールするのが良いかなと思います。
どうしても株式の不安定さが気になる人は、60歳以降の受け取りが近づく50歳あたりから、少しずつ株式を売却して定期預金に組み替えていけばOKです。
結論!:iDeCoは、老後資金対策としてはおおいにアリ
iDeCoの総まとめは、次の通り。
- 自分のために年金を積み立てる制度で、節税メリットがある
- 掛金が全額所得控除
- 運用益も非課税
- 受け取る時も税負担を軽減可能
- 給与天引きや口座引き落としで、確実に「先取り蓄財」できるし
- 差し押さえ禁止財産
月2万円強の積立てでも、5%で運用すれば30年で約2000万に化けるポテンシャルがあります。
一方で、
- 長期資金拘束される
- 元本割れリスクがある
- 手数料がかかる
- 本当に節税になるかは、人による
というデメリットがあり、リスクを引き受ける覚悟が必要な他、60歳以降に節税効果をMAXにして受け取るための「卒業試験」もクリアする必要があります。
「iDeCoで老後の不安をなくしたい!」という人は、国内株式個人取引シェアNo.1のSBI証券がおすすめです。
- iDeCo加入者数がNo.1
- 口座開設手数料・運営管理手数料が無料
- 低コストの運用商品もバッチリ用意されている
ということで、弱点らしい弱点がまったくありません。
iDeCoのような長期積立投資には、「手数料の低いインデックスファンド」がぴったり。
具体的には
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
- SBI・全世界株式インデックス・ファンド
といった商品がおすすめです。長期で年利5%のリターンが期待できます。
老後まで20年以上の時間が残されている人にとって、節税しながら着実に資産運用できるiDeCoは、非常に有力な老後対策になり得ます。
「老後のお金」が心配な人は、ぜひ一度iDeCo活用を検討してみましょう。
それではまたっ!
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