というマニアックな問い合わせが来たました。もしかしたら弊ブログの読者さんのうち興味のある方が他にもいるかもしれないと思い、記事にすることにしました。
鉄骨5階建て戦略です。
- 1階:国民年金
- 2階:厚生年金
- 3階:企業年金
- 4階:養老保険(ドル建て)
- 5階:配当金
メンバーの年齢は20代後半~30代前半ですが、50歳まで働くと年間受給額がかなりイイ感じになります。具体的な金額を見ていきましょう。
目次
若い世代でも盤石の年金対策!【鉄骨5階建て】
1階部分:国民年金
2019年時点で、国民年金の満額受給額は約80万円です。
これは、年金保険料を40年間フルに納めた場合の金額です。
もし会社員を辞めて自営業になったとしても、国民年金はしっかりと払っていく予定です。
- 何歳まで生きるか分からない(長生きリスク):老齢年金(一生もらえる終身年金)
- ケガや病気で働けなくなるリスク:障害年金
- 一家の稼ぎ頭が亡くなったら(死亡リスク):遺族年金
払い込んだ保険料以上の給付は受けられないんじゃないか?(=払い損なんじゃないか?)という疑問を持つ方もいらっしゃるようですが、基本的に11年以上生きればお得です。
- 65歳で受給開始した場合
- 76歳ぐらいでモトがとれて
- そのあとは長生きすればするだけ払い込んだ保険料以上の給付が受けられます
ぼったくり民間保険とは比較にならないレベルで、しっかりとした設計の保険・年金です。
約80万円(月額6.7万円)
※物価水準等で変動します。以下、本記事での受給額はすべて現時点での概算です。
2階部分:厚生年金
私たちは会社員なので、厚生年金にも加入しています。
※国民年金がお得な制度なら(「世代間扶助の保険制度」なので、お得という言い方は良くないかもしれません)、誰かがそのツケを負担しなければいけません。そのツケを払っているのが厚生年金制度です。このあたりは闇が深いのでこのへんにしておきますが…
厚生年金の受給額は、この3つの要素で概算できます。
- 加入期間(年数)
- 加入期間における平均年収
- 0.0055
例えば、40年働いて、その期間の平均年収が600万円だった会社員の場合は
40年×600万円×0.0055=132万円
になります。
私たちの場合、仮に50歳まで会社員を続けたとすると厚生年金の受給額はこんな感じになります。
28年×600万円×0.0055=92万円
約92万円(月額7.7万円)
高給取りの人は、いったいどれほどの年金を期待できるのでしょうか?
平均年収800万円
(働いた期間40年)この条件の高収入サラリーマンでさえ、年金受給額は年間256万円
-内訳
国民年金:80万円
厚生年金:176万円40歳時点で年収1,000万円に到達しようかという人でさえ、年金は月20万円程度なわけです。平均的な会社員の場合はお察しで、フリーの場合もっと少ない
— こびと株.com (@kobito_kabu) January 20, 2019
年額256万円。そんなに稼いでいる人でもそんなもんなの?と驚く人が多いんじゃないでしょうか。実は、年額300万円を超える年金を受給できる男性は、全体の上位3.7%しかいません。
3階部分:企業年金
私の勤務先には企業年金が用意されています。50歳まで働いた場合、概算受給額は年間60万円ぐらいです。
約60万円(月額5万円)
なお、これは退職金とは別です。
※企業年金が用意されていないのであれば、iDeCoを最大限活用しましょう。
4階部分:養老保険(ドル建て)
基本的に「公的保険以外は不要」派のこびと株.comメンバーですが、若かりし頃(10年以上前)に養老保険に加入しています。契約している保険は
- ドル建て養老保険
というぼったくりの香りがプンプンする保険ですが、内容はこんな感じ。
- 年間保険料:1300ドル
- 加入期間:42年
- 支払総額:54,600ドル
- 死亡保障:50,000ドル
- 満期受取:年間6,000ドルの年金(最低10年保証付・終身)
支払総額54,600ドルに対して、終身年金としての受け取りを選択した場合でさえ総額60,000ドル以上の受け取りが確定しています。もし90歳まで生きれば150,000ドル受けることができます。
※満期時点で一時金で受け取ると、125,000ドルになります。支払保険料総額の約2.3倍ですね。確定でこの利回りを得られるとはいえ、40年かけてこれだと微妙かもしれません。
日本が勢いを失うなかでの人生100年時代において、ドル建ての終身年金がポートフォリオに欲しいなと思っていたので、このままにしてあります。
6,000ドル(月額500ドル)
※1ドル=100円の場合、年間60万円(月額5万円)
5階部分:配当金
みんな大好き配当金です。
- 現役時代のキャッシュフローを強化しつつ
- 老後の年金にもなり
- インフレにも強く
- 増配によるキャッシュフロー成長があり
- 元本成長も見込める
という夢のアイテム、株式。優良企業の株式を買えば買うほど幸せを感じるのは私だけではないでしょう。
50歳までコツコツと働いて株式を積み立て続けた場合、年間配当金総額は約240万円程度になります。増配率0%で計算しているので、もう少し上振れする可能性もあります。
もちろん、為替や企業業績によっては下振れする可能性もありますが。
高配当株ポートフォリオは、日本株:米国株が1:1です。
- 日本株:約120万円(月額10万円)
- 米国株:約12,000ドル(月額1,000ドル)
鉄骨5階建ての年金戦略まとめ
合計だとこんな感じになります。
年額(万円) | 月額(万円) | |||
---|---|---|---|---|
1階:国民年金 | 80 | 6.7 | ||
2階:厚生年金 | 92 | 7.7 | ||
3階:企業年金 | 60 | 5.0 | ||
4階:養老保険 | 60 | 5.0 | ||
5階:配当金 | 240 | 20.0 | ||
合 計 | 532 | 44.4 |
現時点では不動産投資はやっていないので(自宅マンションを保有しているだけ)、不動産収入は加味していません。
- 住宅ローン(低金利・税額控除などメリットいっぱい)を利用してあと1物件手に入れて、
- 現在住んでいる住居を貸しに出す(もちろん、ローンを完済してから)
これで月7万円程度のキャッシュフローを得られるようになります。しかし、上記のインカムを考えれば、無理して不動産を増やす必要はないかもしれませんね。
私の家計年間支出は350万円程度(夫婦2人の場合)ですから、年間532万円のインカムは十分すぎる金額です(共働きしている妻の国民年金・厚生年金を加味すると、もっと受給額は増えます)。
独身メンバーに関しても、年間532万円の年金があれば悠々自適の生活を送れるでしょう。
ただの年金対策ではなく、現役時のキャッシュフローも増える
結局、今の状況で1年間働くと、これだけ将来の年金受給額(年額)が増えることになります。
- 国民年金:約2.0万円
- 厚生年金:約3.4万円
- 企業年金:約2.5万円
- 養老保険:約1.5万円
- 配当金 :約8.7万円(税引後配当利回り3.5%の株に250万円投資した場合)
合計で年額18.1万円の受給額増加です。
「時間をかけてゆっくりと蓄財していく過程は面白い」という話を読んだことがありますが、まさにそれですね。なんとも言えない充実感があります。
別に年金を貰うために生きているわけではないですが、将来に希望を持って暮らせるというのは心穏やかです。缶コーヒー飲むのやめたら胃腸の調子も良くなってきたし!生き残りたい。
※歳を重ねた後でも「好きな仕事を週2で月10万円稼ぐ」とかが続けられたら、さらにハッピーでしょうね。収入源が多いとゆとりが生まれますね。
年金対策結論:若い世代が年金を増やすために出来る6つのこと
一般論として整理すると、この中からお好きにトッピングということになります。
- フリーの場合、国民年金保険料はちゃんと納付する(付加保険料はお得なので払う)
- 会社員の場合、企業年金がある福利厚生の充実した大企業で働く
- iDeCoを活用する
- 民間の個人年金保険に加入する(優良商品が少ないので重要度はかなり低いです)
- インカム重視の資産運用をする(インデックス運用をして将来まとまったお金になってから取り崩してもOK)
- 共働きする(正社員だとなおよし)
私の場合、上記の②~⑥をすべて活用している状況です。
年金制度自体に疑問を持っている若い世代は多いと思いますが、国民年金制度は民間のぼったくり保険と比較すると相当に良心的です。
- 公的年金をベースに
- 無理のない範囲で自分のプラスアルファの年金戦略を考えて
- コツコツと積み上げる
こういうことですね。一朝一夕で大金持ちになるのは難しいですから、少しずつ少しずつ積み上げていくしかありません。
- 将来のために今我慢するのはもったいない
- 今を遊び過ぎて将来に不安を残すのは問題の先送り
どちらも真実です。
自分の性格・置かれた状況に合った戦略を考えていきましょう。
それではまたっ!
関連記事です。
将来のためのひたすら蓄財だけしていてもバランスが悪いので、配当金はすべて使って遊ぶようにしています。
こういう話が好きな人は、ぜひ会計/税金などの勉強を。一生モノです。
Follow @kobito_kabu