【簿記で出てくる表3つ(試算表/精算表/貸借対照表)】意味と違いを経理のプロがまとめます

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簿記勉強中
簿記って、なんかいろんな表が出てくるよね?試算表とか貸借対照表とか違いがわかんないし、全然覚えられないんだけど…
簿記勉強中
うんうん。精算表っていうのもあったよね。混乱してきて、なんかもうイヤになりそう…

こんな人のための記事です。

 

  • 簿記1級ホルダー
  • 経理歴10年超

の、こびと株(@kobito_kabu)が、3つの表についてまとめます。

 

この記事のポイント

簿記では主に、3つの表が出てくる!

  1. 試算表:科目ごとの金額まとめ表
  2. 貸借対照表:最終成果物
  3. 精算表:①→②の途中経過が見える表
こびと株
なんとなくイメージだけ、つかんでおけば十分です。例え区別がつかなくても、試験でも実務でも、実はあんまり困らないですよ~w

 

表①試算表

試算表は、一言でいえば勘定科目ごとの金額まとめ表です。

細かく分けると、3種類、

  1. 合計試算表:全部の仕訳の数値を貸借それぞれ合計したもの
  2. 残高試算表:①を貸借の純額だけにしたもの
  3. 合計残高試算表:①と②両方の欄があるもの

があります。

ただの勘定科目金額まとめ表なので、いろいろなタイミングで作成します。作成タイミングによって「決算整理前 残高試算表」とか「決算整理後 残高試算表」みたいに呼ばれたりもします。

 

経理実務での試算表

こびと株
経理実務の世界でも、科目残高が気になることはよくあるので、残高試算表をよく使います。

実務的には、「試算表の種類」などにこだわる必要はあまりありません。(わからないとちょっと恥ずかしいですけどねwまぁバレないと思いますw)

とりあえず、「試算表≒科目残高の一覧」くらいのイメージさえあれば、仕事は進められます。

 

簿記試験での試算表

簿記の試験では、与えられる資料や解答フォームなどから、記載すべき内容は推測できると思います。名称にこだわらなくても試験には受かりますので、あまり心配はいりません。

 

表②貸借対照表(&損益計算書)

(任天堂㈱「第81期 報告書」より抜粋)

 

貸借対照表(&損益計算書)は、最終成果物です。

一通り全ての決算処理を終えたあとで、完成するもの。決算発表資料などにも載ってくる、重要な表です。

色々と計算したり、仕訳をきったり、様々な決算作業の最終目的のひとつが「貸借対照表(&損益計算書)の作成」というわけです。

こびと株
例えばホームページ等で、貸借対照表を開示するのは一般的です。でも、試算表や精算表を開示している会社は、多分ありませんw

 

経理実務での貸借対照表

実務的には、「貸借対照表≒外部に見せてる最終バージョン」くらいの認識は必要です。

  1. 試算表・精算表で使っている勘定科目
  2. 貸借対照表の科目

が少し違う場合があるので、注意して下さい。

①試算表・精算表は、会社内で使うものなので、勘定科目は会社として管理がしやすいように決めればOKです。

一方②貸借対照表は、外部の人に見せるときのために、「勘定科目はこういう風につくる」というルールが決められていたりします。

 

簿記試験での貸借対照表

「貸借対照表に入るのは、決算整理が全て済んだあとの数字」ということだけわかっていれば、問題は解けると思います。

実際には、問題文の流れなどから明らかなので、悩むことはあまりないでしょう。

 

表③精算表

試算表→貸借対照表(&損益計算書)ができる、途中の様子を全部見せちゃう表です。

  1. 左側:試算表
  2. 真ん中:修正仕分け
  3. 右側:貸借対照表&損益計算書

という構成になっています。(②の欄がない、「6桁精算表」というヤツもあります。)

 

経理実務での精算表

実務的には、精算表の利用頻度は多くないケースもあります。会計システムの中で全て処理されてしまうので、

  1. 日常の仕訳を全部いれたら
  2. とりあえず決算処理
  3. ②が終わった時点で試算表を作って
  4. ③をもとに貸借対照表(&損益計算書)を作って
  5. 決算完了

みたいな感じで済んでしまうわけです。

こびと株
作成過程を理解するために、精算表は便利なんですけどね。

 

簿記試験での精算表

簿記の試験では、試算表と同様、与えられる資料や解答フォームなどから記載すべき内容が推測できると思います。

※場合によっては、試算表と精算表の区別がつかないままでも、簿記1級まで受かっちゃいますw(私の場合)…それが良いことかどうかは、また別ですけど。。

 

簿記の表まとめ:名前と種類を暗記する必要は、実はあんまりありません。

簿記では、学習の初期に3つの表が出てきます。(初心者さんを混乱させがちな3つです。)

ざっくりまとめると

  1. 試算表:科目ごとの金額まとめ表
  2. 貸借対照表:最終成果物
  3. 精算表:①→②の途中経過が見える表

というイメージです。

 

こびと株
ここで、すごく個人的な意見を述べておくと…

ぶっちゃけ、3つの区別がつかなくても、あんまり困らないと思います。

  • 試験では、解答フォームみれば解けるし
  • 実務では、システムに頼ればなんとか誤魔化せるし
  • やってれば、そのうち慣れるし

最初は「ふーん。いろんな表があるねぇ」くらいでも良いのではないかと…。

※経理実務をやっていて、3つの区別がついていないことがバレると、かなり恥ずかしいのは確かです。「コイツ、何もわかってなくない?」と思われます。

 

簿記を学ぶときに大切なことのひとつが、「完璧主義を捨てる」こと。

表についても、

×覚えなきゃ…!
ふーん。なんとなくわかった

くらいで、ズンズン先へ進むのがおすすめです。

 

こびと株
当サイトでは、簿記の勉強に役立つ情報をいろいろと提供しています♪良かったら他の記事も見ていってくださいね。

それではまたっ!

 

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ABOUTこの記事をかいた人

こびと株.comの共同管理人。慶應義塾大学卒業後、一部上場企業に就職。経理/財務の実務経験10年超、日商簿記1級、証券アナリストを有する「企業と個人のお金の専門家」。4つの財布(給与/配当/不動産/事業収入)を駆使して経済的自由を達成することを目標に奮闘中。