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キヤノン 2020年12月期期末決算(2020年4月23日公表)
キヤノン株式会社のこびと「かのん」から、2020年1月1日~3月31日の業務報告が届いております。
経営成績の報告
当第1四半期 前第1四半期
売 上 高 7,823億円 8,645億円
営業利益率 4.7% 4.2%
1株純利益 20.68円 28.99円
配当予想 未定
昨年の1Qも、かなり酷い経営成績だったかのんちゃん。当1Qは、更なる減収減益で「ボロボロ」の一言です。
もともと業績低迷中だったかのんちゃん。当期は増収増益を達成し、業績回復に向けた第一歩を踏み出すはずだったのですが…
そうは言っても、コロナの影響は免れません。
- 中国での操業停止
- アジアの工場の稼働率低下
- 製品の供給不足
- 世界的な販売への影響
といった具合に、かなりダメージを負っている様子です。
セグメント別にみても、
- オフィス:売上▲9.4%、税前利益+2.4%
- イメージングシステム:売上▲13.9%、税前利益▲81.6%
- メディカルシステム:売上▲3.0%、税前利益▲36.8%
- 産業機器その他:売上▲9.8%、税前利益▲28.4%
結局、4つのセグメント全てで減収。利益も大幅減少。
オフィスセグメントでは若干の増益になっているのは、経費削減の結果とのこと。コロナ影響で営業活動が十分に行えず、オフィスでの業務自体も制限されている状況を考えると、2Q以降の見通しは明るくありません。
もう少し細かく見ていっても、
- カメラ
- 医療機器
- 半導体デバイス向け投資
- 露光装置
など全体的にボロボロ。
かろうじて
- インクジェットプリンター:在宅勤務とオンライン授業による需要増
- ネットワークカメラ:用途の多様化と更新需要、関連ソフトウェアの需要
では、コロナウイルスの感染拡大が売上にプラスに影響したようです。
財政状態の報告
当期末 前期末
総 資 産 4兆6,773億円 4兆7,684億円
1株純資産 2,410.67円 2,531.03円
自己資本比率 53.9% 56.5%
流動比率 170.76% 192.2%
財政状態は相変わらず、じわじわとした悪化を続けています。
今は、確かにまだなんとか。でも将来は…?
キャッシュ・フローの状況
当第1四半期 前第1四半期
営業C/F 633億円 609億円
投資C/F ▲436億円 ▲516億円
財務C/F ▲136億円 ▲870億円
営業CFは、なんとか前期比4%のプラス。
純利益が30%マイナスとなっている中、キャッシュフローがプラスなのは
- 営業棚卸資産増加額の圧縮
- 未払法人税の減少額の減少など
が要因です。
設備投資も圧縮して、FCFもプラス。
そんな中、かのんちゃんは
- 短期借入金を1500億円増やして
- 配当金850億円を支払い
- 自己株を500億円買う
という離れ業(?)に出ています。
今後の見通し
最新のニュース
- 臨時休業
- 自己株式の取得
- ストックオプションの発行
まずは、①本社および事業所の臨時休業について。
コロナの感染拡大防止のため、かのんちゃんは国内の事務所を臨時休業としています。
原則として全従業員を休暇扱いとし、休業手当を支払っている模様。
次に、②自己株式の取得について。
コロナショックの影響での株価下落を受けてか、500億円をかけて1800万株の自己株式を取得しています。
「キャッシュフローの状況」で触れた通り、かなりヤンチャな決断にも見えます。
かのんちゃんの強気に、こびと株オーナーは期待と不安でいっぱいです。
そして最後に、③ストックオプションの発行。
取締役と執行役員に対し、株式報酬型ストックオプションとして、合計88,600株分の割り当てです。
業績予想
通期の業績予想は、発表されていません。
コロナの状況を考えればやむを得ませんが、見通しがつかないというのは不安なものです。
ともかく、感染症の収束と、景況感の改善を望むばかりです。
ちなみに、2019年12月期期末決算時に発表していた予想と比べると、今回の進捗はこんな感じ。
- 売上:21%
- 営業利益:14%
- 税前利益:14%
- 純利益:14%
配当金について
かのんちゃんは、配当予測を出さないこびと。(当期ももちろん、配当予測は未定のままです。)
とはいえ、30年以上の累進配当を続けてきた会社。基本的には配当が維持されるものと考えてきました。
しかし、私フルーツの雑感としては
という感じ。
コロナ収束の目途が立たない以上、配当金を支払うだけのキャッシュを確保できるアテがありません。
当期に入ってから自己株買いをやっているくらいなので、かのんちゃんなりの意地は見せてくれるとおもいます。
とはいえ、自己株買いの実施された2月末~3月初と比べても、コロナによる経済影響は悪化の一途をたどっている状況。
この「鬼ホールド方針」を維持することによって、私たちこびと株.comメンバーが泣きを見る日も遠くない…のかもしれません。
かのんちゃんの今後の動向から、目を離せません。
それではまたっ!
(参考:キヤノン株式会社 期末決算短信等)
分散が鉄則の高配当株投資。きちんと分散していれば、かのんちゃんみたいボロボロの株が混ざっていても、枕を高くして眠ることができます。私たちが鬼ホールドなんて実験ができてるのも、資産の分散がしっかりしているから♪
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